本当は発売日に投稿したかったのですが色々ありまして...結果今日投稿とさせていただきました
そして、この小説のお気に入り件数110件突破!!しかし、評価は6台に!!もっと頑張らねば。
今回の話は皆様の助言を参考にして書かせていただきました。至らぬところもありますがどうかよろしくお願いします
ボロボロの屋敷の玄関のドアが荒々しく開かれる。外から駆け込んでくる者は全て子供。全員息を荒立てていることから全力疾走していた事が伺える。そして、ドアはまた、荒々しく閉まった
その少年達とはサイト達の事である
ドスジャギィとジャギィの群れとリオレイアから必死に逃げ、目的地であるこの屋敷に逃げ込んできたのだ。
だが、全員気を抜いていられなかった。未だに外からリオレイアの咆哮が轟いているからである。その度に全員体を震わして、辺りを見渡し、ホッとするという作業が続いたが、夜も更けると流石に疲れが溜まったのか泥のように寝た。その頃にはリオレイアの咆哮が聞こえなくなったのも理由の一つであろう
そして、翌日
サイト達は昨日の出来事を忘れたいかのように屋敷を掃除し始めた。元々、ド・オルニエールには気分転換のために来たのだからこれは当然のことかもしれない。
「そういえばタバサ、なんでお前こっちに来たんだ?ガリアにいったんじゃなかったのか?」
サイトが窓を拭くのを一旦止めてタバサに聞く
「ガリアに行ったのは、母に呼ばれたから」
タバサは風の魔法で辺りに散らばっているゴミなどを纏めながらそう答えた
「ふーん、そうなのか」
サイトはそれに納得したのか再び窓を拭き始めた。一方のタバサは表情には出してないが内心冷や汗を流していた。
母に呼ばれたなどと言ってるが実は正式に王位を継承してくれないかと母に言われたのだ。しかもその席には教皇ヴィットーリオもいたのだから笑えない。勿論、向こうはこんな地にタバサを行かせる気など無かったが、こちらに来れたのも彼女が相当無理な事をしたからである
「大したようじゃなかったから、すぐにこっちにこれた」
嘘だ
サイト達にとっても衝撃の事実だが、ただでさえリオレウスに学友を殺されてるのに加え、リオレイアとジャギィ達にも襲撃された後でこんな事言えるはずもなかった
まあ、リオレイアを連れてきたのは何を隠そうタバサなんだが。
簡単なことだ、ジャギィと交戦してるサイト達を空から見つけた後、たまたま森を徘徊しているリオレイアを発見。後は『少し攻撃を加えて』怒らせ、ジャギィ達にけしかける。タバサも自身の魔法は手数が多いのが武器なんだが一撃の攻撃力にかけているのが欠点だと自覚していた(無論、敵が人などの場合はその一撃で簡単に屠れる)ためこの方法を取った
ちなみにシルフィードは上空で待機を命じられていたがサイト達が追い詰められていくのに焦りを感じ、助けに入ったが手痛い目にあった。今はキュルケと共に部屋で休んでいる。あとで勝手に動いた罰として杖で殴ってやろう、と無表情な顔でそう思った。
☆☆☆
その後はみんなでワイワイ楽しく過ごしたが、影では死んだ学友に祈りを捧げたり、学園再建のためにどうするかを話し合った。だが、やはりそう簡単な話ではなく結局会議は泥沼化した
そして、ド・オルニエールに来て数日後。その頃にはサイトとシルフィードとキュルケの怪我は殆ど治っていた
朝日が顔を覗かせ始めたころ、サイトは一人、自室のソファーでくつろいでいた。ただ、考え事が多すぎて眠れなかったのだ。
自分はあの化物たちから、いや、他にもいる大勢の敵からルイズを守れるのか?学校を再建出来るのか?いろいろな思考が混ざり合い、上手く考えることができない
そして、手元にある今日届いた手紙を見る。
内容は、ティファニアがこちらに来て「サモン・サーヴァント」を行うというものである。まあ、全体の9割方はこちらを心配する文面であったが
(そうか、遂にティファニアも「サモン・サーヴァント」をするのか..)
サイトの心境としては興味半分、何かモヤモヤしたもの半分と言ったところである
「?」
その時、玄関の方でドアが開き、閉まる音がした。僅かな音だったがサイトは聞き逃さなかった
一応デルフリンガーを持ち、玄関の方に向かう。サイト以外の全員は音に気付かなかったらしく、誰もいなかった
サイトは扉を静かに開け、外に出た。そこには一人の少女と龍がいた
タバサとシルフィードだ
「どうしたんだこんな時間に」
タバサは少々驚き気味の顔でサイトの方に振り向く。表情を表に出さないタバサにとって珍しいことだ
「...ガリアに帰る」
タバサは短くそう言った。先程も言った通りタバサは無茶な事をしてこのド・オルニエールに来たのだ。長く滞在出来る事など出来るはずも無かった
「どうしてそんな急に」
タバサはシルフィードの背に乗りながらこう答えた
「あなたの声を聞くと...決心が鈍りそうだから」
サイトは何も言えず、タバサを見つめた。その時の彼女は簡単に崩れてしまいそうだった
だが、邪魔が入った。茂みが音をたてたのだ
あいつらか(ジャギィ)と思いサイトはデルフリンガーを抜き、タバサはシルフィードの背から降りて杖を構える
すると茂みの中から火の玉、土弾、氷槍が次々と飛んできた
しかしサイトとタバサは上空へ飛び上がる事によりこれを回避する
魔法が飛んでこなくなり、幾秒か経った後、茂みの中から金髪の少年、筋骨隆々の大男、人形のような少女が現れた
「誰だ、お前達は!!」
金髪の少年が答えた
「名乗るような名前は無いよ。ただ...
君の命を貰いに来た」
そう言い金髪の少年、ダミアンは杖から「ファイヤー・ボール」を放った。サイトは瞬時に横に駆け事無きを得る
「おっと逃がさねえぜ」
が、その先には大男ジャックが待ち構えていた
そして、鉄球の付いた杖を力任せに振り下ろす
しかしサイトはまたしても避け、ジャックの方に踏み込みながら袈裟斬り。ジャックの体をデルフリンガーが滑る
「(やったか?)」
内心ではそう思ったが手応えは...ない。肉を刃が斬り裂く感覚が無かったからだ
「残念だったな」
案の定斬られたはずのジャックはなんともないようにニヤリと笑い、再び鉄球を振り下ろしてきた
「くそっ!!」
サイトはかわし、ジャックを斬るがまたしてもなんともないようであった
「なんで攻撃が効かないんだ...」
ジャックに向きながらサイトが呟くと剣の柄がカタカタ動き、デルフリンガーが喋りかけてきた
「ありゃあ硬化魔法だな。体の部位に魔法をかけて体を鉄よりも硬くして攻撃を防ぐんだよ。奴ら相当の実力者だぜ。気をつけろよサイト」
成る程。デルフリンガーから聞く限り並大抵の攻撃は効かないらしい。となると...
「って、おわっ!?」
サイトは策を練ろうと思考を巡らせかけたが炎が飛んできたため中断し、かわす
ここである事を思う。タバサはどうしたのか?と
タバサは少女、ジャネットと近接戦を行っていた。ジャネットが「ブレイド」で斬りかかるがタバサは杖で受け止め、そのまま鍔迫り合いになる
「貴女中々可愛いわね...人形にしたいわ...」
「断る」
ジャネットが頬を紅潮させ艶っぽく呟くがタバサはバッサリとその言葉を斬り捨てた
「あら残念」
一度、距離を取る二人。双方共に杖を構える
「じゃあ貴女を殺した後に人形にしましょう」
再び、杖と杖が交わった
☆☆☆
サイトはタバサは一対一なら問題無いだろうと判断し、ダミアンとジャックの方に注意を注ぎ、猛攻を凌ぐ
ジャックが振り下ろした鉄球を紙一重で躱し、ダミアンの「ファイヤー・ボール」をデルフリンガーで吸い込む。 吸い取った炎をデルフリンガーに纏わせて斬りつけ、怯んだ隙を突いてダミアンを蹴り飛ばしたが「硬化」をかけられ逆にサイトの足がダメージを受けた
「イツつつ...やっぱ効かないか」
「当たりめぇだ相棒。鉄の塊を蹴りつけてるようなもんだぞ」
「やっぱそうだよなあ...どうしようか、デルフ」
「おれっちで攻撃しても「硬化」で防がれるだろうなぁ」
「硬化を吸い取る事は出来ないのか?」
「さっきデカ物にやってみたが、あの一瞬じゃ吸いきれない。結局防がれちまうのさ」
「んじゃあどうすんだよ」
「簡単なことだ。相手の精神力が切れるまで闘い続ける」
相手はスクウェアクラスの実力者。魔力切れを狙うなんてまず考えない。なのにこの剣はアッサリとそう抜かした
「安心しな相棒。俺っちもサポートするし相棒も成長したんだ。十分狙えるぜ」
デルフリンガーは力強く、そう断言した
☆☆☆
サイトがデルフリンガーと作戦を打ち立ててる時に、ダミアンとジャックも小声で手短く作戦を打ち立てていた。
「このサイトってやつ中々やるな。どうするダミアン兄さん」
「長々しくやるのは好ましく無い...全力で叩き潰す」
「ああ。だがダミアン兄さん。それはしばらく一人でやっててくれ」
そう言うとジャックはサイトから視線を外す。それに釣られダミアンもそちらを見ると...
「そこの木偶の坊、君の相手は僕がしよう」
キザったらしい声が聞こえてきたと思ったら彼の魔法により生み出されたワルキューレが地面から出現した。その数は...十体。以前の限界、七体よりも数が増えていた
そして、ワルキューレを出したのは勿論ギーシュ。傍にはマリコルヌとレイナールもいる
「ほお、じゃあ木偶の坊かどうか試してみるといい」
ジャックはそう言うとギーシュに対抗するかのようにゴーレムを作り出す。その数、十八。そして、ギーシュのよりも頑丈そうだ。質、量、ともにギーシュよりも格上であった
だが、ギーシュは落ち着き払っていた
「マリコルヌ、レイナール、援護を頼む」
それぞれ、ああ、うん、と返事してジャックと対峙する。二人とも緊張した面持ちであった
「いいだろう。全員仲良く地獄に送ってやるぜ!!!」
ジャックは獰猛に吠えると、彼のゴーレムが一斉に突撃しギーシュのワルキューレとぶつかった
そしてジャックは更なる魔法を唱えようとしたが、ここでジャックは驚いた。なんとギーシュがジャックに斬りかかったのだ!
ーギィンー
と、鈍い音が辺りを駆け巡った
「やるじゃねえか」
ジャックはその一撃を杖で受け止めた。一瞬虚を突かれたような顔をしたがまた獰猛に、嗤った。
「だが、甘いなぁっ!!!」
ジャックは簡単にギーシュを弾き飛ばし、彼のワルキューレを鉄球で手際よく次々と粉砕していく。辺りには土埃が舞い、いつしかジャックのゴーレムだけが残った
「あいつ強そうだよ...」
ここで初めてマリコルヌの弱音がこぼれた
☆☆☆
そしてこちらではサイトとダミアンが睨み合っていた
「お前らと戦う前に俺らは化物共と二回もやりあってんだ...死ぬ気はしねえなあっ!!」
そう叫ぶと同時に左手に刻まれたルーンが一層輝き、勇気が溢れ出たのを合図とするかのようにダミアンに風のように斬りかかる。自分達は化物と二回もやりあい、生き延びた。それが自信へと繋がったのだ。現にダミアンという強敵相手にも恐怖を微塵も感じず、落ち着いて戦う事が出来た。
「へぇ、君たちも化物と戦ったんだ」
「っ..!!」
だが、ダミアンはサイトの神速の攻撃を物ともせず、杖で受け止めた。サイトは驚いた。攻撃を受け止められたことにではなく、こいつも化物と戦ったと口走ったことに対してだ
「何か知っているのか...!?」
「生憎、蹂躙されたことしか記憶にないな...っ!!」
「おわっ!!」
ダミアンは体格差があるサイトを「先住魔法」で強化した腕で吹き飛ばした
「おでれーた。あいつ「先住魔法」まで使えるのか?」
デルフリンガーの呑気な声が届く
その声にサイトの脳内ではビダーシャルが浮かんだ。先住魔法「反射」を駆使しサイトを追い詰めたエルフだ。よもやこんな所でまた先住魔法を相手にするとはサイトは夢にも思わなかったのだ。
「ちょっと待てデルフ。あいつ「反射」は使えないよな?」
もし、あらゆるものを跳ね返す「反射」を使われたらルイズの虚無魔法「解除」が無ければ流石に勝機は無い
「ありゃあエルフの専売特許だからな。大丈夫だろ...多分」
「おいちょっと待て、なんつった今」
「何も言ってねぇよ。...ほら、来てるぜ」
「うおっ!?」
サイトは飛来してきた「ファイヤー・ボール」を慌てて避ける。
ダミアンが放つ「ファイヤー・ボール」はキュルケよりも精度、威力、数、全てにおいて上であった。キュルケも優秀なトライアングルメイジだが目の前にいる少年、ダミアンはその数倍は強い。まず間違いなくトライアングルより上の、スクウェアクラスだろう
「逃がさないよ」
「ファイヤー・ボール」を的確に放つ中、更にダミアンは杖に炎を纏わせて鞭のようにした。その間にも休みなく「ファイヤー・ボール」を出し続ける。魔法による精神力消耗などまるで無いみたいだ
火玉がサイトに襲い続ける中、ダミアンは炎の鞭を振るう。それは屋敷周りの雑草を焼き払いながらサイトに迫る
「デルフ!!」
「おうよ!!」
サイトはデルフリンガーで炎の鞭を吸い込み、刀身を紅に染め上げた。
「何度やっても無駄だ!!」
そう叫びながらサイトはダミアンに斬りかかる。デルフリンガーと杖が再び甲高い音を立てながら交わった
そして、ダミアンが凶悪に嗤う
「僕の「夢」のために死んでくれよ。なあ、ヒラガ・サイト...!!」
「てめえみたいなクソ野郎に殺されるのは死んでもゴメンだ...!!」
そう言いながら、なんでサイトはダミアンが自分を狙うのかが分かった。こいつの「夢」というのもののために自分は殺されそうになっているらしい
ーふざけるなー
サイトは怒り狂った
なんでこの世界の住人は夢や、プライドのために簡単に人を殺そうとするのか...彼には分からなかった
ただ怒り狂い、絶対にぶっ倒してやるとサイトはより決意を固めた
そのまま意地と意地がぶつかり合い、組み合ったまま双方動けなくなったその時
森から咆哮が轟いた
サイトを含め、戦場にいる全ての者達の動きが止まる。次いで静寂が辺りを包むがやはり森から、今度は木が倒れる音がそれを打ち破る。それもかなり近い。その証拠に足音らしきものが地響きを立てながら近付いてくる
そして、「閃光」が森から飛び出してきた
そいつは森からかなりのスピードで飛び出してきたため四肢で速度を殺そうとするが殺しきれず、屋敷に激突した。幸いにもボロ屋敷は崩れずに済んだが激震は走っただろう
「おい!!人の屋敷に何を!?」
サイトは反射的に怒鳴ったが、そいつが碧眼でギロリと睨みつけるだけでサイトは何も言えなくなってしまう。それだけの凄みがそいつにはあった
サイトは思った。なんで自分達はこんな目にばっか遭うのかと
ただ、今はそれだけを呪った
☆☆☆
ジンオウガは思った。なんだこいつら、と。
自分は縄張りを犯し、腹も減ってたのでついでに食ってやろうと思った耳の長い人間みたいな奴を追っていたら別の人間に出会った。追っていた奴らがどこに行ったか分からないが、何にせよここは自分の縄張り近く。目障りだ、と思い彼は臨戦態勢に入った
その時、視界に朝の太陽に照らされる紅星が人間達の向こう側にサッと、現れた
標的変更だ、とジンオウガは思った
☆☆☆
「クソッ!!もう追いついてきやがったのか!?」
ジャックが新たに現れた黒い影に向かってそう叫んだ。ダミアンも表情には出さなかったが、内心歯軋りをした。追ってくる事はなんとなく分かっていたがまさかここまで早く追いつかれるとは思っていなかった。しかし、目が紅の輝きを放っているのはどういう事なのだろうか?元素の兄弟には分からなかった
猫を思わせる顔付き、但し尻尾も含めると全長は二十メイルはあるので愛でたいという気持ちは全く起こらない。おまけに、前脚に付いているブレード状の翼と眼から溢れている紅の光がこの竜の凶悪性をより高めていた
無双の狩人ジンオウガ、影も追いつけないとされる竜、迅竜ナルガクルガの登場という最悪な展開であった
ちなみにナルガクルガの姿を見たのはサイト達と元素の兄弟が初めてである。調査隊などは悉く夜の森で瞬殺されたからだ。まあ、今のサイト達にとってはそんな事どうでもいいだろう
ジンオウガが大地を踏みしめながら天に向かって咆哮を轟かせる。
そして、四肢に力をこめ...一気に駆け出した。
それを迎え撃つかのように、ナルガクルガも咆哮をあげたのだった
ドゥドゥは何処に行ったんでしょうねー(白目)
思ったより長くなってしまったので今回はここで切らせていただきます。中途半端になってしまってすいません
最近サイコパス×デスノートとか面白そうだなーって。思い始めました
あと、番外編でゼロの使い魔1話からこのモンスターが使い魔として召喚されたら?とかも考えてます
それではまた次回お会いしましょう