ゼロの使い魔 竜の乱   作:くたしん

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モンハンのBGMを聴きながら執筆してるくたしんです。
今回のお話はタバサ、キュルケ、コルベールが中心。モンスターは余り出てこないです。だけど、今後出てくるモンスターが分かるかも...?

あと、この作品に関連することで分からないことがあれば私の活動報告にある、質問受け付けにコメントしてください

下記設定

シルフィード:体長は原作通り6メイル(アニメ版見る限りどう見ても8メイルほどありそうなんだが....)最高時速は120Kmとします。なお、成体の火竜、風竜は体長10メイル近くにまで成長します(それでも大型鳥竜種ぐらいの大きさ)


5話 一方その頃

学院がリオレウスに襲われる前、タバサとキュルケはトリスティンの首都、トリスタニアにやってきた。トリスタニアはトリステイン魔法学院から徒歩で2日。馬だと2時間の場所にある。タバサとキュルケはシルフィードという風竜(正確には風韻竜)でトリスタニアまで飛び、最後になるであろうショッピングを楽しんだ。

 

最後、というのは決してタバサやキュルケが死ぬわけではない。二人きりでの、ということだ。どういうことかというと、タバサはロマリア教皇ヴィットーリオの策略により半ば(というよりほぼ騙されて)ガリア王国の女王になってしまった。

 

もちろん、タバサはキュルケとの友人関係も潰すつもりはない。女王の地位についても親友であり続けるつもりだ。これはキュルケも同じである。ただ問題はタバサの地位だ。

 

ガリア王国はハルケギニア1の国土を持つ魔法先進国だ。タバサはその国の女王となる。そんな国の女王が気軽に友人とショッピング、というわけにはいかない。女王の権力をフル活用して行けたとしても護衛は外せなく、二人きりというのは無理だ。いけたとしてもせいぜい、晩餐に呼べる程度であろう。

 

さて、そのショッピングの様子なのだが、想像はついているだろう。キュルケがタバサを一方的に連れて店という店を回っている。

 

今、二人が来ているのは服屋だ。貴族御用達で、値段もそれなりに高いが、質がいいと貴族の間では有名で人気のある店だ

 

「ねえ、これ貴方にどうかしら?」

 

キュルケが手にしたのは青色のネグリジェ。下は膝上15サント、胸元が大きく開き袖口は肩あたり。半端なく露出が多いが、誰かに見せるわけではないし夏用なら使えそうかも...とタバサは思案する。すると、キュルケがイタズラを思い付いたような笑みで

 

「これを着て、あなたを救ってくれた勇者様を誘惑しなさいよ」

 

といった。タバサは顔を下に向けて頬を朱に染める。その微妙な違いをキュルケは見抜いた。タバサとは長年の付き合いになる。キュルケにとって今のタバサの表情を見抜くことは朝飯前であった

 

結局、タバサはキュルケの猛烈なプッシュによりそのネグリジェ(ついでにセクシーランジェリー)を買ってしまった。買う際に「夏用だから」と言うあたりが実にタバサらしい。キュルケは本音を見抜いていたが、敢えて言わず「はいはい」と答えた。

 

「(何とかごまかせた...)」

 

全然ごまかせてないのだが、タバサはそう思うようにした。

 

不意に、脳内にこのネグリジェを着てサイトにアプローチする姿が映し出される

 

『サイト』

 

『なんだ、タバ...うおおお!!なんて可愛い服なんだ!!』

 

『この服、似合ってる?』

 

『ああ、メチャクチャ似合ってる!!』

 

『私のこと、好き?』

 

『もちろん!!ルイズなんかと比べるまでもないくらい!!』

 

そう言って私を押し倒すサイト...

 

ボゴシュウゥゥゥ....

 

タバサの顔は火竜山脈の火山のように噴火し、真っ赤になった。そんなタバサを見て彼女が何を想像したのか大体分かるキュルケ。

 

「(それにしても、前はここまで表情を読めなかったのに...)」

 

キュルケは不意にそんな事を思う。前までのタバサは表情が彼女の二つ名『雪風』で凍てついたかのように変わらなかった。表情を読むにはキュルケでさえ難しかった。それが今ではどうだ、表情が豊かになった。特に笑顔。最も、一般の人から見るとあまり変わらないようにも見えるし、笑うといっても微笑程度なのだが...まあ、この前のタバサはこれすらなかったから大きな成長とも言える。

それもこれもサイトのお陰だ。サイトには感謝してもしきれない。そう思いつつキュルケはタバサを慈愛に満ちた目で見る。

 

キュルケはその後もタバサと一緒に店を周りはじめた

 

一方その頃、シルフィード。

 

「(あーあ、お姉様と一緒に買い物したかったのね)」

 

シルフィードは上空を旋回しつつそう思った。

 

「(まあ、私はともかくあの女とは最後の二人きりでの買い物だからしょうがないとも言えるのね)」

 

しばらく上空を回っていたシルフィードだが、耐えきれないように心の中で叫ぶ

 

「(ああーー!!ひまなのねーーーーーーーーーーーーー!!!)」

 

シルフィードはお喋りな性格なため、今すぐにでも誰かと喋りたい。だが、ドラゴンが喋ったら韻竜だとバレてしまう。世間に韻竜の存在が知れ渡ると色々まずい。研究目的の生体解剖とかだ。シルフィードもそんなもの受けるのは真っ平ゴメンなのだが....暇だ。猛烈に暇だ。人間に変化する、という手もあるが、生憎服を持っていない。ドラゴンであるシルフィードにとって羞恥心というものは持ち合わせていなく、全裸でも別に構わないのだが、周りの人間から見たら大問題だろう。仮にタバサのフォローで切り抜けたとしても、その後間違いなくタバサにぶっ殺される。結局、シルフィードは上空を飛び回ることしか出来ないのだ

 

「(まだ、お買い物は終わりそうにないし...この辺りを飛ぶね)」

 

シルフィードはそう思い、翼を羽ばたかせ、更に上空へ行き、ホバリングする。眼下では、人が豆粒のような大きさで、上から見下してるようにも感じてるため、ちょっと優越感に浸る。ここなら声を出しても下の人間に聞こえないだろう

 

「気持ちいいいいいいい!!」

 

シルフィードは思いっきり伸びをし、ふと思い付く

 

「そう言えば、こういう時に言う言葉があるって、サイトが言ってたね」

 

その言葉を思い返し、思いっきり言う。

 

「人がゴミのようなのねーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

虚しくあたりに響くその言葉。まだ、自分が韻竜だと知られる前、サイトに教わった言葉だ。なんか、ム◯カとか言うやつの名言らしい。

最も、この言葉を教わったのはアルビオン戦役の前のことであり、戦争を経験したサイトはこの言葉を使えなくなってしまったが。

 

しばらく辺りを飛んでいると、シルフィードの視界に何かが映る。遠くから何かがやってきた。形からしてワイバーン。大きさ的にはドラゴン。なんとも分かりにくい

 

だが、それにしても大きい。全長15メイル以上は確実にあるだろう。

 

「(韻竜だったらいいのにね〜)」

 

シルフィードはにべもなくそう思う

 

やがて、そのワイバーン?ドラゴン?かは分からないやつの姿の詳細が分かる。紅の甲殻に巨大な翼。全てを見通すような碧眼。棘だらけの尻尾。凶悪な爪

 

 

 

 

 

 

ゾクッ!!

 

気付いたらシルフィードは全速力で降下していた。あいつはヤバイ。マジでヤバイ。そう、本能が語りかけてくる。少なくとも、今のシルフィードに勝てる敵では無い。

 

幸い、そいつはシルフィードに気付くこともなく、飛び去っていった。ただ、飛び去った方向が問題だった。

 

「(あの方向、魔法学院のある方向なのね!?)」

 

勿論、途中で進行方向をずらしたりすることも考えられるがそれでも不安をぬぐえ切れないシルフィードはタバサを探すことにした。だが、トリスタニアは狭い道路に人がごった返す場所のためシルフィードといえどタバサを見つけるのは容易ではなかった。結局、タバサを見つけたのはワイバーンもどきのドラゴンを見つけた1時間後のことであった

 

「(いた!!タバサお姉様!!)」

 

でも、シルフィードは喋れない。しょうがないから鳴き声でタバサに気付いてもらうしかなかった。

 

 

場面戻ってタバサ

 

あれからキュルケと一緒に店を周り、タバサは本を購入した。歩き回ったおかげで流石に疲れたが、ベンチなんてものはない。シルフィードを呼び寄せようと口笛を鳴らそうとするが...

 

「キュイ!!」

 

先にシルフィードの方が見つけてくれたようだ。上空を旋回している

 

「キュイ!!キュイ!!」

 

シルフィードがしきりに鳴く。何処か切羽詰まったようにも感じ、タバサは『フライ』の呪文を使い、シルフィードの背に乗る。キュルケもその後に続いた。

 

「何かあったの?」

 

タバサは出来るだけ声を殺し、シルフィードに尋ねる。

 

「ヤバいやつが、魔法学院に向かったのね」

 

シルフィードも出来るだけ声を殺して言う。

 

「確証は?」

 

「無いけど...お姉様、『遠見』を使って欲しいのね」

 

「分かった」

 

そう言い、タバサは目を閉じて神経を集中させる。『遠見』、読んで字のごとく遠くを見るための魔法だ。今、自分がいるところからトリスティン魔法学院までを見る。

 

ここから500メイル先、何もいない。1リーグ、何もいない。2リーグ....

 

そして、トリステイン魔法学院が見える。

 

「ねえ、シルフィード。貴方の見誤りじゃない?」

 

「出来ればそうであってほしいね」

 

シルフィードは内心の予想が外れ、ホッとする。まあ、その後それはぶち壊されるが。

 

「ッ!!」

 

その時、タバサは見た。紅いワイバーン、いや、ドラゴンがミスタ・ギトーを踏みつぶして、食らっている様子を。その側にはサイト。デルフリンガーでドラゴンを斬りつけている。タバサは目を見開き、顔を驚愕に染める。一度、『遠見』を解くが先程の光景は脳内から離れない。そして、タバサはシルフィードに命令を出す

 

「シルフィード、全速力。学院に戻って」

 

彼女の普段の口調よりやや早口で命令をシルフィードに出す。顔には久しく見ていない焦りの表情が浮かんでいる。シルフィードは翼を羽ばたかせ、全速力で学院に向けて飛ぶ

 

「ちょ、ちょっとタバサ、何を見たのよ?」

 

キュルケも突然のタバサの行動に驚く。

 

すると、タバサはボソッと呟く

 

「学院が...ドラゴンに襲われてる」

 

ドラゴン、ハルケギニア最強の幻獣だ。自然とキュルケの表情も引き締まる

 

「...何匹?種類は?」

 

「一匹。あと、火竜っぽい」

 

すると、キュルケの表情は今度は一転し、呆れたような感じになる。

 

「はあ?魔法学院はメイジの集まりで、しかも教師はトライアングルクラスなのよ?いくら火竜でもすぐに打ち倒されちゃうんじゃない?私達が急ぐ必要はないとおもうんだけど....」

 

確かに、トリステイン魔法学院の教師は『魔法に関して』は優秀で、全員トライアングルの実力を持つ。いくらドラゴンが強くてもトライアングルメイジが何人もいるところに飛び込むなど飛んで火に入る夏の虫である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最も、それは普通のドラゴンであれば、の話であるが

 

「さっき、ミスタ・ギトーが殺されていた」

 

「な!?風のトライアングルメイジであるミスタ・ギトーが!?」

 

コクリ、とタバサが頷く。それは肯定を表す。キュルケは驚愕した。

ミスタ・ギトーは教師としてはあれだったが、実力は申し分ない筈。何かドジしたのだろうか?キュルケはひとまずそう思っておいた

 

ちなみにこの時にはシルフィードは最高時速である120Km/hに達していた。まあ、追い風があるため、実際もうちょっと速いが。

 

トリスタニアを抜け、家々が点々とある草原地帯にでる。すると、眼下に疾走する1台を二頭の馬に引かせた馬車がいた。

 

「シルフィード、高度を下げて」

 

シルフィードはスピードはそのままに馬車に近付く。思った通り、馬を操ってたのはアニエス。馬車にはコルベール一人が乗っていた。

 

シルフィードはスピードを馬車に合わせ、並走する。アニエスは驚いたが、知り合いだと分かり元の冷たい表情に戻る

 

「何か用か?」

 

「ジャンはいる?」

 

キュルケが少しアニエスに嫉妬しながら答える。彼女にとってコルベールと二人きり、というのが羨ましいからだ。

 

コルベールが馬車の窓から顔を出す

 

「ミス・ツェルプストー?それに、ミス・タバ...失礼。シャルロット女王もどうなされましたか?」

 

「学院がドラゴンに襲われてる」

 

「な!?」

 

コルベールは小さく「オールド・オスマンの予想は当たってたか...」と呟いた

 

彼の脳内では先程の会談の光景がよぎっていた

 

______________________________

 

時間は遡り、オスマン、コルベール。トリステイン王城にて

 

 

コルベールはオスマンの付き添いで王城までやってきた。というもの、一週間前、アンリエッタ女王直筆の手紙がオスマン宛に届いており、内容は要約するならば『聞きたい事がある』とのことだ。

 

そんなわけでオスマンはコルベールを連れ立って王城に赴いた。ちなみに迎えの馬車は当然ながら王宮が出してくれた

 

玉座の間に入る。会談ように出したのだろう丸テーブルが寂しそうに置いてあった。玉座の間には護衛用にアニエスとその配下2名が立っていて、アンリエッタ女王とマザリーニ、そして見知らぬ青年が席に座っている。オスマンとコルベールが席に座った後、会談が始まった。

 

「初めまして。私、※1『王立生物研究所』の第一部隊隊長を務めている、ドアルと申します。よろしくお願いします」

 

一人の青年が深々とオスマンとコルベールにお辞儀をする。赤い髪が特徴的だ。

 

「『王立生物研究所』...また懐かしい響きですわい」

 

オスマンが思い出したとばかりの表情を浮かべるが、コルベールは『王立生物研究所』なんてもの聞いた事がない

 

「『王立生物研究所』は約100年前にハルケギニアの国々が共同で立ち上げたものです」

 

「まあ、あまり知られていない機関ですからね。知らなくても無理は無いでしょう」

 

ドアルが苦笑する

 

「そして、それが今回オールド・オスマン、貴方様を呼んだ理由でございます」

 

アンリエッタはこのように言葉を続ける。そして、更に言葉を続ける

 

「実は、ハルケギニア各地で突如、ある『異変』が発生したからです」

 

「異変...?」

 

アンリエッタが目でドアルを促す。

 

「はい、簡単に言うと新種のドラゴンが各地で続々と発見されました」

 

「新種のドラゴン?」

 

「ええ、私はこの前、ド・オルニエール地方からの村民の要請を受け、調査に赴きました。そこで見たのは...緑色のワイバーンでした」

 

「緑色のワイバーン?それなら昔からいたはずでは?」

 

オスマンが若かりし頃襲われたのも緑色のワイバーンである。

 

「確かに、前から緑色のワイバーンは確認されていました。ただ、そのワイバーンは大きさが異常でした。体長は少なく見積もって15メイル以上。戦闘能力は火竜並...いや、それをも遥かに超えてます」

 

オスマンとコルベールは見つめ合う。今の話しが信じられなかったからだ。一般にワイバーンよりもドラゴンの方が力は上とされている。例を挙げるなら火竜は成熟すると体長10メイル近くにもなるが、ワイバーンはせいぜい5メイルほど。炎も一応吐けるが、火竜ほどの威力はない。

 

骨格はワイバーン、ただ強さはドラゴン以上。頭を悩ませるオスマンとコルベール

 

「そこで我々、王立生物研究所はそのようなタイプのドラゴンを『飛竜種』というものに分類しました。そして、その緑のワイバーン型ドラゴンを※2『第一級危険生物』に指定しました」

 

ゴクリ...誰が唾を飲み込んだかは分からないが、そんな音が無音となった玉座の間に響く

 

『第一級危険生物』、繁殖期になった火竜のみこれに該当する。繁殖期になった時の火竜の危険度は有名で、繁殖期になると、ロマリアの火竜山脈近くの小さな村はわざわざ大都市に疎開するほどだ。

 

そんな凶暴極まりないドラゴンが一種現れた。これがどんなに由々しき事態かはコルベール達にはすぐ分かった

 

「私達はそのドラゴンを調査しに行き...」

 

ドアルはそこで俯き、言葉を止める。脳内にフラッシュバックするのは人が焼かれる光景、火竜のそれとも違う火球がぶち当たり、炭となる人。ドラゴンの突進で轢き殺され、原型を留めていない人....その中にはドアルの親友も含まれていた

 

「ミスタ・ドアル、どうかしましたか?」

 

アンリエッタの声でふと我にかえるドアル。あれから数十秒経っていたようだ。ドアルは周りに「申し訳ございません」とだけ言った

 

それから会談は進んでいき....

 

 

 

 

ーーーー「森、火竜山脈で確認されている謎の力を操る狼。同じく火竜山脈で確認されている砕く竜。暗殺者。そして、緑色のワイバーン...」

 

コルベールは唸る。どれもこれも見たことも聞いたこともないドラゴン達だ。しかもこいつらは全員体長15メイル、下手したらそれ以上ある規格外の化物達だ。当然、全種『第一級危険生物』に指定された

 

なお、謎の狼は『牙竜種』、砕く竜は『獣竜種』、暗殺者は『未定』というものに分類された。暗殺者に至っては姿さえマトモに見えなかったため、『未定』とされたのだ

 

「オールド・オスマン。私が『生きる歴史書』とも呼称される貴方様を呼び寄せたのは他でもありません。今、ミスタ・ドアルが報告にあげたようなモンスターを、ご存知では無いでしょうか?」

 

アンリエッタにそう問われ、沈黙するオスマン。だが、すぐに申し訳なさそうな表情を浮かべ...

 

「私は、自分の年齢を忘れるほど生きてきましたが....申し訳ない。そのような生物は見たことも聞いたこともございませぬ」

 

オスマンが深々と頭を下げる。その時、頭の中で閃光が弾けた。数百年も生きてきた自分の直感が危険を告げた

 

「ミスタ・コルベール」

 

「なんでございましょうかオールド・オスマン」

 

「嫌な予感がする。直ぐに学院に戻ってくれ」

 

コルベールは何か言おうとするが...オスマンの表情を見て何か悟ったのだろう。分かりました、と言い、アンリエッタ女王などにも挨拶をした後部屋を出て行こうとする

 

「何かあったのですか?」

 

「何、老いぼれの戯言です。それと、失礼なのじゃが馬車を一台出してくれまいか?」

 

「分かりました。アニエス、ミスタ・コルベールがお帰りです。馬車を引き、学院に送り届けてください」

 

「...御意」

 

一瞬アニエスは顔を顰めたが、女王陛下の頼みを断るはずもなく命令に従った

 

そして、コルベールは馬車に乗り、トリステイン魔法学院に向かい、途中でタバサとキュルケに会った

 

_____________________________

 

場面戻ってタバサ、キュルケ。

馬車と並走するシルフィード。

 

「お前は風竜に乗っていけ!!私も追いかける!!」

 

「分かった!!」

 

アニエスが叫び、コルベールは馬車の後ろにある降り口を開ける。それを確認したシルフィードは馬車の左斜め後ろを飛ぶ

 

「ジャン!!乗って!!」

 

キュルケが手を出すが、コルベールは身軽な動きでシルフィードに飛び乗った。その後魔法を使い、先程までガリガリと音をあげてた馬車の扉を閉めたのはコルベールの性格を表しているようだ

 

「気をつけるんだぞ!!」

 

アニエスがそう叫ぶ。タバサ達は頷き、シルフィードは一気に加速し、馬車を置いていく。アニエスも馬を加速させるが到底シルフィードに追いつけるものではない。それでも彼女は馬を走らせた

 

 

アニエスより一足先にタバサ達の視界に学院が映る。だが...それは黒煙をあげていた。明らかな異常事態に一同は驚愕した

 

 

 

 

 

グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!

 

「ぬおっ!!」

 

「ひぃ!!」

 

突如轟いた咆哮に耳を手で塞ぐ一同。シルフィードもあまりの恐怖に逃げ出したくなるが、それを気合で押し殺し、学院に接近する

 

そして到着し、一同は絶句する。

 

そこは一言で表すなら...地獄だ。

 

炭や肉塊と成り果てた生徒、教師の死体が辺りに散らばっていて、所々では火災が発生しており、死体を燃やす。そんな光景を見たキュルケとコルベールの顔に憤怒の表情が現れる

 

「グオオオオオオオオオオ!!!」

 

その咆哮がタバサ達を現実に引き戻す。咆哮をあげていたのは『飛竜種』に分類されるであろうドラゴン。体長15メイル以上、紅の甲殻、見るものを畏怖させる巨大な翼。シルフィードがトリスタニア上空で見たドラゴンであった

 

そんなドラゴン...リオレウスの約20メイル先にサイトがいた。その姿を確認し、安堵するタバサだが、左腕がありえない方向に曲がっているのと血がドクドクと流れ出るのを見て、これまでにないくらい怒りの表情を出す。

 

そのリオレウスは柱の陰を覗いている。モンモランシーが、リオレウスの目の前で腰を抜かしていた。

 

「シルフィード、行って」

 

シルフィードにそう命じ、タバサ達は『フライ』で飛び降り、シルフィードはリオレウスに向かって突貫していくのだった...

 

 

 

 

 

 

 

 




無理矢理終わらせたかんが半端じゃない...

※1『王立生物研究所』
100年前、ハルケギニア国々が共同で立ち上げた機関。有名ではないものの、各国に支部が配置されているため、生物による被害などの情報が真っ先に飛び込んでくる。火竜、風竜のような名前もここでつけられる

※2『第一級危険生物』
簡単に言えばモンスターの危険度ランキング。ちなみに普段の火竜は『第二級危険生物』に分類される

下記設定

『遠見』マリコルヌが得意としている魔法だが、タバサも使える。ただし、『遠見』に関して言えばマリコルヌの方が上手い。なお、『遠見』のイメージは目だけが移動しているようなもの
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