そこはとても静かな場所だった。
通常、ダンジョン内、しかも21階層という深層では既知領域であろうとモンスターがそれなりの数押し寄せてきて騒がしいことこの上ない状況と化す。
それであろうとこの一角はとても静かだった。
「……て」
あなたは何時ものようにダンジョンのでスピースピーと心地の良い寝息を立てながら昼寝をしている。
「……てよ!」
あなたは昼寝が三度の飯より好きとはいえないが三度の飯と同じぐらい好きである。あなたにとって昼寝とは誰にも侵されたくない
「…うに起きてよ!」
よってあなたはアインシュタインをもベロをしまって深く頷き、ガンジーでも暴力を許し、シュレディンガーでさえも屁理屈で反論を挟まないような超絶合理的な理由にのっとりあなたの肩を揺すりながら大声で喚き散らす不調法者のクビを締め上げることに決めた。
「本当に起きてよ!花梨がブチギレるんですけど!え何その右手」
主文後回し、俺の昼寝邪魔をした罪により死刑。
寝起きのフルパワー右腕で不調法者の首を締め上げる。ギュェと汚らしい音が不調法者の喉から奏でられ、いくらか俺の怒りを和らげる。
この女には流石に死は与えない。ダンジョン内だからたとえ殺しても死に戻りにやる復活で記憶が抜け落ちてしまう。それはダメだ。俺の邪魔をした報いである程度のトラウマは与えてやろう。
む、殺気。
あなたはそれを感じ、右手を
「あなたねぇ…私達
音ごと切る斬撃、流石だ。
あなたはケホケホと咳をする
チャキチャキと日本刀特有の鯉口音があたりに響き、本能的な恐怖心により威圧感を生物に与える。
本当に流石だ。俺も数少ない友人として鼻が高い。
あなたは鎧に包まれた分厚い胸筋を張り、フルフェイスのヘルムの下の素顔を自慢げな笑顔で歪ませる。
「数少ない友人ってどんな物言いよ!第一アンタもそんな友達いないでしょうが傭兵!」
へぇ?!この前良さげなカフェを見つけたはいいものの誰を誘えば角が立たないかそもそも誘っていいのか、嫌われていたりしないか、スルーされちゃったりしないだろうか、いいよと言ってくれたがただ単に先輩後輩の付き合いで内心では嫌がれているんじゃないかと気にしていたのにかぃ?
あなたは笑い転げながらも器用に人差し指を友人に向け、煽った。
「本当、こいつぅ!」
「やめとおいたら?君じゃこいつとの舌戦だったら散々揶揄われた後煙に巻かれるのがオチだよ」
あなたは腹を抱えて転がる事をやめ、ひーひーと息を切らしつつも胡座できちんと座り、ようやく真面目に話す体制に移った。
「や、傭兵。21層にまで呼び出すとはどういう事だい?知っての通り僕達こと
あなたは頷き、ポーチにしまってあるそれなりに血に濡れた紙を取り出した。
その紙には25Fという文字と緻密な線と文字によって描かれた地図がそこには書かれていた。
「25層の既知領域すれすれの既知外領域の地図!レベル上げ、探索はもちろんなこと他の倶楽部の奇襲、妨害、あわよくば新しいレイドが見つかるかもしれない足がかり!いや本当見事なもんだ。よく作ってくれたよ」
あなたは
戦闘要員の最低条件たる
だから油断する。
だからこんな比較的低階層でメイン武器も担がず、サブの武器でいいかと甘んじる。
我々はAランク倶楽部の中でも最強の「
あなたは地図に夢中になっている4人からバレないようにひっそりと背後に合図を送った。
「オッケー、こちらも確認が終わったよ。報酬の400万銭はいつもの口座でいいかな?」
いや、別にいい。
あなたは劇団員のように大げさに首を振り、両手を広げた。
空気が冷え、空間内に殺気が満ちる。
「…何をしたのかな?」
いやなに、この地図はそれなりに苦労したんだぞ作ることが。
あなたの声はいやに響いた。
ただ作るなら400万でもよかった。ただ作るなら。
ただ…独占はいただけない。そんな面白くないことだけはいただけない。それなら他の倶楽部にも情報売って両者に争わせてその中に乱入させた方が楽しい。
あなたは背中に背負った背嚢型マジックバックから至って普通で平凡に見えるロングソード、己のメインウェポンたる愛剣を取り出した。
「…足音的に10人って言ったところかな?知った顔もいるね」
「よぉ
「
あなたはこれで
あなたは傭兵である。
あなたはどこの勢力にも属さない傭兵である。
あなたはどんな人にも金次第で尻尾を振るう傭兵である。
あなたは金と信用にうるさい傭兵である。
だがあなたは完璧に傭兵を成していない。
あなたは割とノリと勢いで物事を進める人間である。
あなたは金と信用を全部奈落に捨てても楽しい方に全てを捧げる人間である。
なぜならあなたは高専三年生のただの思春期バリバリの傭兵であるからだ。
これはそんなあなたが学園を最高に楽しむ物語である。
この後あなたは残った
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次回、傭兵と腹ペコ狼少女
ぜってぇ見てくれよな!