俺ももっと語彙力が欲しいです。
放課後、今日もいつも通りホシノと学校から下校する。しかしもう2月ということもあり周りの景色を見ると雪解けが始まり、春の息吹を感じさせる草花が少しずつ地面から顔を出し始めていた。
『にしてもそろそろ僕らも高校生か。早いもんだなぁ〜。』
「なにいきなり黄昏れてるんですか?」
『いや、ふと思い出してな。』
『そういえば、ホシノは一緒にアビドス高校に進学してくれるんだよな。』
「そのつもりですが。」
『別にここに無理して一緒に来る必要もないんだぞ。それこそアビドス以外の高校とかに進学するとか。ミレニアムとかゲヘナみたいなデカいとことは言わないがここよりもっとマシだと思うし。』
「はぁ〜〜。これだからあなたは。」
なぜかホシノに呆れられるがそのまま歩き続ける。
『今日のアビドスも相変わらず人気がないな。』
「まぁ仕方ないんじゃないですか。砂まみれの場所に自ら進んで住むような人間はそうそういないですからね。それこそここの道も周りのビルも砂まみれですしね。それも含めて大体の原因は砂嵐ですけど。」
『砂嵐が完全収まってくれればアビドスももっとマシになると思うけど.....』
「いくら言ってもそんな夢みたいなことは起きませんよ、ヒカリ。」
『こりゃ手厳しいこった。』
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『ん?なにやってるんだあれ?』
ちょうど学校と家の間くらいまで来たとき、目の前に犬型の獣人が何かしている様子が見えた。しゃがみこみ必死にしていることからいったい何事かと近づくと、どうやら探し物をしていた。
「いったいどこに落としちまったんだ?.....」
(探し物してるみたいだけどかなり焦ってるっぽいな。さすがに見て見ぬふりなんてできないし手伝うか。となると...)
『・・・あの、ホシn...』
「ヒカリ、早く行ってきたらどうですか。」
『・・・え?』
「あなたの顔を見れば分かりますよ。今すぐ助けないと...って顔が。一体いつからの付き合いだと思っているんですか。」
ホシノに言葉に思わず驚いてしまい、そんなに分かりやすかったのかと思ってしまった。本当にいつも頭が上がらない。
(もしかして気を使わせたかね。ならさっさと終わらすか。)
「ちなみに私も手伝いますからね。」
一人で行こうとすると声をかけられ遮られる。別に僕一人でも問題ないと言ったが、心配だからと食い下がってこられてしまい...
『じゃあ一緒に行くか。』
『あの〜、何か探しものですか』
「あ〜〜実は指輪を落としちまってね。大事な指輪だからこうして探してんだよ。」
『なるほど、僕達も手伝いますよ。人は多いに越したことはないでしょうし。』
「いいのかい?ならお言葉に甘えさせてもらうよ。」
……
「坊主‼️そっちは見つかったかい?」
『すいません。まだ見つからないですね。』
あれからもう20、30分くらいたっただろうか。探しているものが指輪という小さいサイズの物であるためかなかなか見つからない。
「ヒカリ、こっちの方もないです。」
ここまで時間をかけてまで見つからないとなると、そもそも落とした場所はここではないのでは?と思い始める。ちょうど行き詰まってきたところで落し主の獣人が話しかけてくる。
「なぁ坊主、ここまで手伝ってくれたことには感謝するがこれ以上はさすがに申し訳ない。あとは俺が一人で探すぞ。元々落としたのは俺の責任だしな。」
「いやいやいや、まだ大丈夫ですって。こんなに元気ですし···ってうぉっ!?」
「坊主!?」
「ッ!?ヒカリッ!!大丈夫ですか!?」
『いってぇ〜。ん?』
調子に乗ってまだまだ動けるとアピールすると後ろを見ていなかったためか何かの段差に引っかかり転んでしまい、後ろ向きに倒れる。そして「ゴツン」と頭からぶつかる。ぶつけた場所をで押さえていると、もう片方の手に何か硬い感触がした。
『なんだこれ?···これって指輪だ!!』
「坊主!!これだよ、これ!!この指輪だ。」
「おぉ~。やりましたねヒカリ!!」
そうして見つけた指輪を返すと、獣人からお礼を言われる。
「本当によかった。これをなくしたとなると上さんに怒髪天を喰らうところだったぜ。坊主達、ありがどうな。これ、手伝ってくれた礼だ。」
指輪を渡すと探したお礼として何やら食券のような物を渡される。見るとラーメンのイラストがプリントされおりラーメンの食券だということが分かる。
『これは?』
「実は俺はここの近くでラーメン屋やってんだ。これ持ってくれば無料で食わせてやるよ。もちろんそこの嬢ちゃんもな。」
「私もいいんですか?」
『ハッハッハ!!いいさ、貰わなくても次俺の店にきたらタダで出すがな!!』
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—ホシノside—
「それにしてもいい人でしたね。大人にしては珍しく。」
『珍しくって、それ失礼だぞ。確かに良い人、いや良い獣人だったけど。』
(ヒカリは今日もどこの誰かも知らない誰かにお節介をかけてましたが、本当に昔から変わりませんね。私からしたら見ず知らずの人になんであそこまでやるのか分かりませんが、まぁそこがヒカリの長所とも言えるんでしょうか。)
それにしても‥‥
「なんでさっきから後頭部を押さえてるんですか?」
『ん?なんでもないって。』
「いや、ならその手どけてみてください。」
(ヒカリがここまでするの抵抗は珍しいですね。)
「ほら!!1回見せて見てください‥‥‥‥‥‥‥‥え?」
ヒカリの手をどかしそこを触ると液体が自身の手につく。それは赤黒く、生暖かい液体ですぐにそれが血であることが分かってしまった。それを理解すると頭から血の気が引いていき、呼吸が荒くなっていく。
「ヒカリッ、血がっ!!血がっ!!」
(なんで血が!?‥‥そうか!!さっき転んで頭をぶつけた時に!!早く、早く治療をしないと!!)
ホシノは手が震えたままだが、すぐにガーゼなどを取り出し治療を始める。しかし始めようとすると同時に頭に「ポンッ」と手を置かれる。
『ごめんな。心配かけて、でも俺は大丈夫だから‥‥‥‥ちょっ!?ホシノ!?』
ホシノはヒカリの体に顔を押し当て、懇願するように言葉を発する。
「ッ!!‥‥‥なんでっ、いつも私に何も言ってくれないんですか!!」
「もう見たくないんですよ‥‥‥ヒカリが傷ついたところは、ただでさえあなたは"私達とは違う"のに。」
『そうだな、確かに僕は他の人達みたいに"ヘイローを持ってない"からな。』
『だから次からはこうならないように善処するよ。』
「駄目です!!善処じゃなくてもう絶対に無理をしないと言ってください!!」
『‥‥‥分かったよ。分かったからとりあえず帰ろう。な?』
「はい。」