TS転生悪の組織の研究者VSど変態(魔法)少女 作:こばみご
前話にえげつねえ重複がありましたことをお詫びいたします。本当に申し訳ない。
「おお~……あんまり変わらないですね」
「まあ、変える理由ないしな」
現役の魔法少女からひいひい言いながら逃げてきたその数時間後。俺たちは引っ越し先である悪の組織の本部、その研究室に来ていた。元の住居とほとんどレイアウトは変わらない。でっかい機械が並んでいて、机があって、隅っこあたりに個室が取り付けられている。
今からするのは荷解きだ。持ってきた研究ファイルやら怪物の素体やら、後は普通に家具やら。なんで肉体労働した後に肉体労働をしなければいけないんだ。俺後衛職なのに。
かといってマリに任せるのもアレだし、とりあえず自分の分を自分でやるところから始めよう、という事になった。公平でいいんじゃなかろうか。……俺の荷物が一番多いけど……
「これが君の荷物な。触手とスライムもあると思うから」
「えっちの部屋も同じで?」
「同じだよ同じ」
サキの荷物は少ないがデカい。理由は勿論、エロ生物が入っているからである。触手の入り切る箱を見つけるのに苦労した。だって分解するわけにもいかなかったし……
荷物を受け取った彼女は、ヤリ部屋……ではなく自室に入っていく。正直驚いたが、彼女にも分別はあるようだ。
一応、まだおっ始めるんじゃないぞと忠告すれば、分かってますよぉなんて本当に理解してるんだか分からない声色で返事が返って来た。……不安になって来た。荷解き中に喘ぎ声が聞こえてきたらキレる自信があるので、本当に勘弁していただきたい。
とにかく、自分の部屋の分を始めよう。まあ、俺の個室にあったものはそこまで多くないけど。タンスとベッドと、あとは本棚くらいだ。
タンスは衣類が少ないのでいくつかの引き出しが小物入れになっているし、ベッドは折り畳み式なのでそこまで重くはない。そして本棚にはそれっぽい論文とブラック○○ックしかない。つまりどういう事かというと、荷解きがすぐ終わってしまうのである。
しかし、ここを終わらせたら研究機材の方を整備しなくてはいけない。あんなの一人では絶対やりたくないので、しれっと二人にも手伝ってもらおう。そのためにも、とりあえずみんなと同じくらいの時間に完了するように荷物をゆっくり運ぶ。時間調整のために途中でブラック○○ックも読んじゃおう。
……一話読んで満足してしまった。昔の漫画ってカロリー高いよな。それとも、文庫版だからなのか。
結局、20分と経たずに自分の部屋の荷解きは終わってしまった。サキは分からないが、マリはまだ作業をしていることだろう。一人でやりたくねえ~……
「んぎゃーっ!」
「うわっ……なんだなんだ」
荷物の多さを思い出して辟易していると、サキのなんとも情け無い声が聞こえた。どっかに足の小指でもぶつけたのだろうか。物音もしたので、もしかすると荷物の下敷きとかになっているかもしれない。それは良くないな。
彼女の部屋を開けてみるが、サキはいなかった。部屋は前の研究所と変わらないレイアウトになっている。とすると、ヤリ部屋の方か。……やっぱりおっ始めているのか?
「おい、大丈夫……」
「んーっ!んむ゛っ……んぶっ……んっ♡」
「……。……んん?」
案の定というべきか、サキは触手とスライムとえっちしていたわけだが……何かがおかしい。エロ生物の入っていた箱は開いていて、横にはテンちゃんとスライムが普通にいた。…………なんかイチャイチャしてないか??
じゃあ、サキの口やら胸やら股やらに群がっているのは一体何なのか。よくみるとちっこいのが5、6体ほどいることが分かる。分裂機能なんて付けた覚えはないので、おそらくはそれぞれが独立した個として動いてるんだろう。…………
「増えてるーーッ!!」
なんで?????
「いやあ、増殖するだなんて思ってませんでした。すごくよかったです……♡」
「よくねえよ!」
そのままひっぺがそうとしたがなかなか剥がれてくれず、動きを抑制する薬を奴らに打ち込んでようやっと無害化した後。俺たちはとりあえず部屋の前で会議をしていた。増えるなんて想像していなかった。しかも多いし。
「一応聞くけど、サキが産んだわけじゃないよな?」
「何百回出されたか分かりませんけど、それでも私のお腹からは出て来ませんでしたし、ないと思いますよ」
まあ、そうだよな。俺だってその機能はオミットした覚えがある。流石に孕ませるのは良くないし。でも実際にはこうしてちっこい奴がいるわけだ。ボスの工程で不具合が起こったのかもしれないが、正直考えにくい。とすると……
「あそこでイチャイチャしてる2匹だよな……」
「私そっちのけで子作りしたってことですか!!!」
「どういう感情だよ」
あれか、寝取られたみたいな感じか。寝てから……いや、寝まくってるな。
それはそれとして。これは怪物同士ならば生殖で増えるらしい、というなかなか興味深い結論に至るのではないだろうか。試したことがなかったので知らんかった。でも触手とスライムってどう考えても別種だよな。異種姦エロ同人最大の謎「なんで孕むんだ問題」を軽く超えるとは……魔力ってすごいね。
「君たしか、一緒の箱に詰め込んでたよな」
「そうですね。多分その時にこいつら交尾したんですよ。ロッカーに閉じ込められて勢いでヤっちゃうタイプのエロ同人ですね」
一緒の箱に詰めるなよ、かわいそうだろ。だがしかし、拗ね気味のサキの分析も間違っちゃいないだろう。箱の中は暗くて狭い、互いを意識するのもやむなし。後はそのまま雰囲気で……俺、なんでこんなことを考えているんだろうか。正直経緯とかどうでもいいよ。
「きっと二人で私をこねくり回している間になんかいい感じになってたんでしょ!そうなんでしょう!」
「知らんよ……あと行為の詳細言わなくていいから」
「テンちゃんが上半身担当で、スラちゃんが下半身担当です。私一度『そこはおしっこの穴だからぁ!』って言ってみたかったんですけど、叶って良かったです」
「アホボケ」
なんで高校生の(異常な)性事情を俺が聞かなきゃいけないんだよ。そういう事はキョウコとか友達と話せ。……大分かわいそうだな。捻じくれた性癖のことは明かしていなかったっぽいし、初見だと失神してしまうかもしれない。そして多分これ、実際にいつか起こるんだよな。可哀想すぎる。
しかし、あの子供たちはどうすればいいのだろうか。正直世話が面倒なので処分してしまいたいんだが。多分ボスからの受けは悪いし、これ以上増えられるのも困るし……本格的に生殖機能をぶっちんする必要がありそうだ。こういう所をしっかりしないと、死ぬほど恥ずかしい理由で組織が壊滅する可能性すらある。そう、エロ同人みてえな理由で……
──ぬちっ。
「おん?」
その時、変な音がして、胸元が重くなった。一体なんだよと自分の身体を見てみれば、不透明の緑色をしたゲル状の生物が張り付いているじゃないか。もにもにと俺の無い胸をまさぐって来るそいつは、やはりと言うべきか、スライムの幼体である。どうやら、ドアの隙間から飛び出してきたようだ。足音とかないので隠密向きだよな、とか思ったり。
「わあ、これがいわゆる乳首ねぶりスライムってやつですか?」
「なんだその名前……まったく、おとなしくしろって」
やはりなかなか剝がせないので、さっきも使った抑制剤をポッケから取り出す。コイツを使えば筋力の動きを制限されるので、ミニスライムも力が抜けて胸から離れてくれることだろう。
液体だか個体だかよく分からない部分に針を押し当てる。そのままボタンを押せば、ぷしゅっと間の抜けた音と共に薬液の残量が0であることを示すドットが表示された。
「……」
「……」
「……取っ、てくれない?」
「うーん、多分普通に取ろうとしても無理だと思いますよ。私の時はどれだけよがっても全然抜けませんでしたし」
「アホボケ!」
え、どうするんだこれ。普通の方法じゃ取れないから抑制剤を使おうとしたのに、頼みの綱が丁度切れるとか聞いてないぞ。詰め替えようにも現在液体があるのは研究室の引っ越し段ボールの中だ。ちなみに、どの箱にいれたかは忘れた。ばかやろう。
「んんっ……♡」
揉まれ続けてだんだん変な感覚になっていき、ついには思わず声が出る。背筋がぞわっとした。一応素手で剝がそうと試みるが、やはり掴めず失敗に終わる。やばくない?これ。やばいよね、これ。
助けを求める目でサキを見れば、彼女はきょとんとした表情でこちらを見た。そして何かを考えているのか顎に手を当てた後、笑みを浮かべて近づいて来る。……なんか粘っこい表情じゃないか?なんなら息を荒くしているし、後ろから抱き着いて来たし。
「いいんじゃないですか?1回ぐらい。気持ちいいですよ」
「いやいやいやいや」
「それに……働きづめで溜まってるんじゃないですか……?ちょうどいい機会ですし、今発散しちゃいましょうよ♡」
「駄目に決まってんだろ!耳元で喋らないでくれ!腹をさするな!!マリーっ!マリ助けてくれマリ!!」
俺の身に危機が迫っていた。さっきまでが命の危機なら、今度は貞操の危機だ。情けない声で叫ぶが、流石に人前で達する方が恥辱の極みなので仕方がない。俺の悲鳴が聞こえたのか、1番奥の部屋からマリが飛び出してきた。
「どうしたんですか所長!……ど、どうしたんですか!?」
「詳しい話は後にしてくれ、抑制剤の新しいのを持ってきて欲しい。あっちの段ボールの中にあうっ♡」
「へっ?」
背筋のぞわぞわが腰のあたりまで広がってきた。その衝撃でへたり込んでしまう。いまいち状況を把握していないマリは、いきなり変な声を上げた俺にビックリしたのか固まってしまう。本格的にまずくなってきた。このままでは俺の大事なものが死んでしまう。もう死んだ気もする。
「フフフ……いいですね、あと少しです。同じ趣味の仲間を増やす第一歩!」
「え、あの」
「ミコトさんの次はマリさんですよぉ!」
「ええ!?!?!?」
なんて恐ろしい奴なんだ。これもう悪の組織のリーダーだろ。多分、群がられた時にスイッチが入ってしまったんだろうな。傍迷惑すぎる暴走だ。いや、ほんとに。
しかしどうした事か、なんでか普通にピンチである。俺はもう力が入らないい゛っ♡……し、マリは固まってしまってサキと俺とを交互に見るばかり。意外と純粋なのだろうか、この子お゛っ♡
「はふ……ま、魔法少女呼ぶか?」
「色々と本末転倒じゃありませんか……?」
だよな。だめだ、脳みそが上手く動かない。胸に張り付いたコイツのせいである。やべ、ついに頭がびりびりして来た。げんかいが近い。
「ひぎゅっ♡」
あ、これ、死──*1
「まったく。何を遊んでいるんだ、お前ら」
「……お?」
限界に達するかどうかといったその時、ミニスライムの動きがピタッと止まった。何事かと思って下を見れば、がちがちに固まった奴の姿が。恐る恐る触ってみると、ひんやりと冷たい。どうやら凍っているようだ。
振り向いてみれば、ボスとは対照的な青い長髪が見える。声の主は呆れを隠そうともせずに、ひとつため息をついた。
「ユキネ!」
「サボっていないか様子を見に来れば……随分なザマじゃないか、ミコト」
ユキネは我らが組織のナンバー2。色々なものを凍らせる魔法を持ち、それ故にうちの組織の氷室係を兼任している。そう、買ってきた食料はコイツの手によって保存されているのだ。どう考えてもそんな雑に扱っていい立場ではない。いつもはやいやい言い合う仲だが、今ばかりはマジで救世主に見える。い、イケメン……
「そ、そんなあ!私の計画が!」
「なんだその悪役みたいな台詞は」
「さっきまでその通りでしたね……」
実際に悪だった。多分才能がある。成長したら本当にそうなってしまうかもしれない。きっとこの町を爛れた町にするために奔走するのだろう。嫌すぎる。
とりあえず後で説教だ。覚悟しておけよマジで。ハリセンの用意をしておこう。
「貸し一にしておくからな」
「ありがとう!!!!本当にありがとう!!!!」
「……そ、そんなにか」
立ち上がれないので足にへばりつきながら感謝をする。ラーメンとか奢ったげる。10杯くらい奢ったげる。ユキネの声色には若干引きの感情がこもっていた。馬鹿野郎こっちは大事なもん失うところだったんだぞ。
「ついでに部屋の中の幼体も処分してくれないか、炒飯も奢るから」
「おい、勝手に飯で返すことにするんじゃない」
「餃子も付ける」
「ラーメン屋じゃないとダメなのか……?」
だって戦闘の支援とかしようにもいらんって言うじゃないか。となるとやはり飯を奢るくらいしか無いわけで。
ともかく。正直、幼体だからと舐めていたわけだが、コレは危険すぎる。親と違って制御するための式も書き込んでいないし、小さいので見つかりにくいし、それでいて積極的だ。ほとんど妖怪と変わらない。下手したらそれよか厄介だ。野に放しでもしたら本格的にエロ同人ゲーが始まってしまう。
腰も治って来たので、マリを支えにして立つ。ユキネを先頭にしつつ部屋の扉を開けた。また飛び出して来られたらたまらないし。
部屋の中では触手とスライムの幼体がじゃれあっている。……が、どう見ても数が多い。確実にさっきよりかは増えていた。……また産んだのか?この短時間で?
サキと目を見合わせる。彼女も流石に引いていた。もう一度、部屋の惨状を見るが、幻とかではなかった。しっかり数えて19体いる。大体3倍だ。みんな元気にうねうね動いていた。
………………。
「……うちはいつから淫蕩生物の養護施設になったんだ?」
よし、ぜってー去勢しよう。俺は心に決めた。
〇玉垣(たまがき)ミコト
・24歳
・白髪
・けだるげ
私を誘拐した黒幕。なのに大分善良。どうして悪の組織に??でも私の欲望を叶えてくれるので、一杯要求しよう。あの事を話すかは保留。
撃てば響く感じ。住居で人と話すのは新鮮。楽しい。
一人称が「俺」なのはダウナー女性研究者キャラに合っていないのでは?と聞いたところ、マリさんは「そこがいいんじゃないですか」と答えていた。なるほど、奥が深い。私も研鑽しなければ。