TS転生悪の組織の研究者VSど変態(魔法)少女 作:こばみご
感想の返信でも書きましたが、「私は過去の出来事のせいで気まずいけど何かきっかけがあればよりを戻すし他の人と話してるのを見たら普通に嫉妬する捻くれてじめじめした感じの百合」が好きです。対戦よろしくお願いします。
「馬鹿な……この僕が、負ける?そんな……」
ありえない。そんな表情をして、妖怪は目の前の存在、翠玉の魔法少女を見る。大した損傷もなく、未だ底知れぬまま立っている少女を前に、彼は現実を受け入れきれずにいた。そしてそのまま塵と化す。目の前の存在に槍で貫かれたからだ。死んですぐに身体が崩れるのは、魔としての格が低い証だった。
「驕りすぎっスね」
翠玉の魔法少女、眞下キョウコはつぶやいた。自信たっぷりで挑んできた割には拍子抜けで、思わず口から出た言葉。それが客観的に見た、妖怪への評価だ。そして実際に正しいだろう。ビル風に吹かれて消える粒を見つめながら、一つ息をつく。
「お疲れ様です、キョウコちゃん」
静かだが、風を透いて通る声。それの主がふわり、とキョウコの隣に降り立った。臨戦態勢を解いたキョウコは、声の方へ振り替える。
「ありがとうございます、ヒトミ先輩。……どうっスか?」
「ええ、だいぶ絞り込めてきましたよ」
魔法少女というよりかは魔女の格好をした彼女──
「彼らの出現位置の分布、頻度……そして思考。先ほどの坊ちゃんはおざなりでしたね、いいヒントをくれました」
悪の組織『サルバシオン』が本格的に危険だと判断されて数日。彼女はそれまでの襲撃の資料を引っ張り出してまとめたのち、こうして現地に赴いた。目的はもちろん、本拠地の特定だ。
城内ヒトミの固有魔法は読心。しかし、字面ほどの万能さはない。肉体とは結界であり、なにもしなくとも魔法に対する抵抗があるからだ。相手の身体の内側に魔法を発動させることが極めて困難なのもそれ故のこと。
だが、相手の死の間際は例外だ。大抵の生き物は死に際に強烈な思念を発するため、それを読むのが手っ取り早い。そして今回は当たりだった。サルバシオンの幹部を名乗った妖怪は、走馬灯の中に重要な情報をばらまいていったようだ。
ボスとみられる赤髪の女性、基地の内部構造、イチャコラしている触手生物と粘性生物、下水道……3番目がとてつもなく気になるが、それはともかく。パラパラと移り変わる一枚絵を読み、左手に持つ地図に円を書き込む。
「この辺りですね。大体直径700m以内でしょう」
「見積もりは?」
「5日、でしょうか」
特定には至らなかったが、これで大きく範囲を絞れた。ビルが多く映っていたことから、オフィス街を中心として大体350mの範囲だと予想する。建物の数は多いが、数に任せて虱潰しに回ればいい。運が良ければ、予想よりも早く引き当てることもできるだろう。
だが、一筋縄ではいかないはずだ。相手は一度、キョウコから逃げきっている。それに、引っかかるものがあった。既視感とも言える。赤髪の女性と、そしてもう一人。
「さて、どうなることやら……」
もうすぐで奴らの居場所が分かる。キョウコは遠くを睨みつけていた。先日のようなヘマはしないと、固く誓っているようだ。
記憶を読んで生じた疑問を消化しながら、ヒトミは歩き出す。雲行きが怪しくなってきた。
「あうっ……はあ……」
研究所の一室で、艶めかしい声が響く。うつ伏せに寝転ぶ女性は半裸。もう一人の女性が、両の手を這わせるように動かしていく。傍からだと、按摩をしている光景に見えるだろう。
「んんっ……」
下半身に近い広背筋から何かを押し出すようにぐりぐりと指圧を繰り返し、段々と上へ。丁度肩甲骨のあたりまで到達したところで、次は外側へ押し出すように刺激する。
両手は少しずつ背中から脇の方へと移動していく。少しずつ少しずつ、そしてベッドに接している前側、胸のあたりの方へと這っていき……
「あっ、あの……コレって本当にマッサージなんですか?」
「はい、リンパリンパです。リンパリンパリンパ」
「バカじゃねえの」
「あいたーーッ!!」
セクハラって言えるんだろうか、コレ。どさくさに紛れてマリの胸を揉もうとしたサキに正義の鉄拳をお見舞いする。なにがリンパリンパだ、怒られてしまえ。
長い偵察からマリが帰ってきたところ、疲れてるだろうからマッサージでもしますよなんてサキが言い出したのが始まり。最初は普通だったのに、俺が報告書を読もうと少し目を離した隙になんか行為が色っぽくなっていたのだ。なんでだよ。
暇を持て余してかサキがこちらの手伝いをしてくるようになったのは正直助かっているが、だからといって俺たちにセクハラをしてくるんじゃない。あれか、中身がおっさんだったりするのか。俺みたいな紛い物もいるわけだし、ありえなくはないんじゃないか。
「スキンシップを知らないので、とりあえず読んだ漫画を参考にしてみました」
…………なんて言えばいいんだよ。もうちょっといろんな漫画を読めとかだろうか。俺のブラック○○ック貸してみるか?
なんてことを考えつつ、報告書の読みかけ部分から目を走らせる。マリの偵察の結果は、こちらにとってあまりいいものではなかった。
一つ目は、幹部の一人が退治されたらしいこと。といっても一番弱かった奴だ。不幸中の幸いというべきか。……こんな名前だったっけか。入れ替わりが激しいので、あまり憶えていない。この組織、ボスとユキネで格を保っている部分がある。他は有象無象という感じ。頑張れば俺でも勝てそうだしな……組織って呼べるんだろうか、これ。
二つ目は、怪物の作りだめを察知されたのか、魔法庁も何かを準備しているらしいこと。まあ、普段から嫌がらせしてくる奴らが急に静かになったら怖いよな。そりゃ身構えもするだろう。
問題は攻撃の準備だった時だ。もとより時間勝負なのは承知しているが、やはり怖いものがある。防御を固める方向性にされても、それはそれで困るんだけども。
だって、どっちにしたって俺がひいこら言いながら作る怪物が主な突破口になるはずなのだ。多分、もうしばらくすればボスが軽い感じで「製造スピード上げて♡」とか頼んでくるこ……メールが来た。ボスからだ。あの人は時々俺のことをぶん殴ってくるが、今回は俺もボスのことをぶん殴ってもいいのではないだろうか。
「というわけだから、アイツの改造は自分でやってくれよ」
「それはもちろん!もうミコトさんの手を煩わせることはありません!多分!」
「煩わせてる自覚はあったんだな……」
ふんすと鼻息を荒くしながらサキが豪語する。この数日間、コイツは新しく作った生物の具合を確かめてはその都度調整するのを繰り返していた。たいていの場合全裸で。精密機械でもないのに、なんという情熱なんだろう。シャワーを浴びてからにしろ。
そんなこともあってか、先日のエロ生物──3番目なのでサンちゃんらしい──は、中々の重装備となっている。一見するとごちゃごちゃしているし、よく見てもごちゃごちゃしていた。詰め込みすぎている。
正直なところ、動いてる様を見るとちょっと怖かった。夜道で出くわしたら叫ぶ自信がある。サキが言うにはこれが「かわいい」らしいが、彼女の個人的な感性なのか、それとも最近の高校生はみんなそう思うのか。後者だったらやっぱり、叫ぶ自信がある。
という風に自分の作ったエロ生物にかまけているサキだが、一応テンちゃんとスラちゃんにもエサはやっているみたいだ。飽きて親に任せてしまう小学生みたいなことはしなくて良かった。
「そうだ、妖怪の素材で使いたいのがあるんですけども」
「え、まだ付け足す気?」
「はい!思いついちゃったので!」
そんな彼女は更なる要素を追加しようと考えているようだ。ビックリである。もう二体目を作ればいいじゃんとは思うが、やはりテンちゃんとスラちゃんの件が堪えたのだろうか。ド級の変態であるサキの脳みそをもってしてもNTRはきついらしい。割と自業自得だという点は言わないでおいてやろう。
「……まあ、事前に言ってくれれば、あるやつは渡すよ。で、なにが欲しいんだ?」
「虫型妖怪の素材です。具体的には蜘蛛なんですけど」
「え゛」
それは一体誰の声か。そう、マリの声だ。青天の霹靂。驚天動地。海は乾き、大地は裂け、ぞくりと悪寒が背筋を走り、身体が強張るっているのが分かる。俺に渡そうと手に持っていたコーヒーを落とすほどの衝撃。紙コップで良かった。
「や、やめてください。虫だけはやめて……」
「え、だ、大丈夫ですか。凄い顔してますけど」
「マリは虫が苦手なんだ」
「乙女……?」
いや、乙女だよ。誰しもお前みたいにぶっ飛んでいるわけじゃないのだ。……ないよな?
昔、Gに飛び掛かられたことがあったり、蜘蛛の巣に引っ掛かった挙句クソデカいのが引っ付いてきたことがあったり、友人が虫かご一杯のセミを見せてきたことがあったりしたそうだ。結構やんちゃだったのだろうか。
とにかく、それ以来カサカサしてるタイプの虫が苦手なのだそう。視界に入っただけで固まっているのを何度か見たことがある。それはもう、ビタっと。
「というか普通女子って虫が苦手なんじゃないのか。おかしくない?」
「この子がおかしいのは元からじゃないですか!」
「え?」
錯乱したマリがなかなか酷いことを言っているが、まあ実際その通りだ。はじめからコイツはおかしかった。今更である。エロありってなんだよ。嬉々として言ってんじゃないよ。まったく、苦手なものはないのか。
「とにかく、今回は勘弁してやってくれ」
「うう……じゃあ、糸だけ出せるようにさせてください。蜘蛛糸に縛られて~っていうのは定番ですし」
「定番……?」
「そうです。拘束は異種姦の基本ですよ!基本なくして応用はありえません!」
基本なんだろうか。まあ、イメージは確かに拘束されてるのが多いけども。でもそんなこと言うならまずその基本というやつを体験した方がいいのではないか。いきなり煮凝りにくっつけてもそれは基本なき応用な気がするが。
「そういうなら、まず3号を完成させてからにしなさい。それが物づくりの基本ってやつだ。
「う。そう、ですね。まずは一区切りつけないと」
「あと、最初はシンプルな方が良いぞ。腹から出た触手も、普段は内側にしまっておくとかさ」
「な、なるほど……場合によってはその内側に相手を入れてぐちゃとろにする、ということですね。なんて合理的な……」
「よく分からんけどエロに合理もクソもないのでは?」
言うや否や、サキはそのまま3号の調整に行ってしまった。なんでもかんでもエロに繋げるその発想力には驚かされるが……ぽんぽんアイデアが出てくるほどインプットしているのだろうか。
……そんなに異種姦ってありふれてるのか?確かに葛飾北斎も蛸とまぐわってる絵を描いていたけど、あれは北斎の性癖がおかしいだけなはずだよな。そう信じたい。信じさせてくれ。
まあ、そのおかげで虫の素材を使う話はなあなあにすることができたので良しとしよう。生まれたての子鹿になっているマリをあやしつつ、俺は怪物の製造に……あ、急かされてるんだった。くそう。
バトル描写の量、どれくらいがいいですか?
-
がっつりでいい
-
それなりがいい
-
最低限がいい
-
そんなことより俺と性癖バトルだ!!!