キラーチューンとの生活   作:雪夜

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わりと難産でした。クリップの口調はわりと公式から出てるんですが、エミュが難しい。

あと、UAが1000を超え、お気に入り数が10を超えました。見てくれる人がいるって嬉しいですねぇ。


キラーチューン・クリップとスマホ

 ロタリーとの昼食後、僕はクリップの部屋の前にいた。というのも、朝食の後、ネムイ、と言って部屋に戻ってから未だに起きてこないようで、精霊とはいえ不健康すぎる、と起こしに来たのである。まずはノックを何度か。少し強めに叩いても物音1つ聞こえてこない。随分と熟睡しているようだ。

 

「クリップ、まだ寝ているのかい?これでも起きないようなら部屋に入ってしまうけれど」

 

 今度は声を出してみる。……反応はない。とりあえず、宣言通り部屋に入ることにした。ドアを開けて入ってみれば、綺麗な部屋が目に入った。本や雑誌はきっちり棚に収まっており、埃の1つすらない。言動や普段の行動に、幾分か粗雑なところがあるクリップではあるが、生活力はかなり高いらしい。家主としては助かるばかりである。

 

 少し部屋を見回すと、ぐっすりと熟睡しているクリップが目に入った。いつもの鋭い目つきや、ギザギザとした歯は今は見えず、穏やかな顔をしている。普段の荒っぽいクリップも良いが、こういう姿も悪くない。少し、頭を撫でてみると少し、身じろぎをして、壁の方を向いてしまった。

 

 さて、今回の目的は、寝ているクリップを愛でることではなく、起こす事である。ぐっすり寝ているクリップを見ていると起こすのは躊躇われるが、生活リズムが崩れて、体を壊されても困る。……いや、精霊に体調不良の概念があるかは不明なのだが。

 

 とりあえず、手始めに体を揺らしてみることにした。ガクガクと揺さぶってみるが、起きる気配はしない。多少身じろぎはするものの、それだけである。

 

 ふと、彼女の頭の上でなにかが鳴った。正体を確かめてみれば、彼女のスマホである。どうやら、通知が来たらしい。あまり覗き見するのも良くないだろう、と目を逸らした。

 

「……いや、アラームをかければいいじゃないか」

 

 それなりの音量のアラームであれば、熟睡中の彼女とて起きる。普段からそうして朝起きていると聞いていたからまず効果はあるはずだ。早速アラームを、と自分のスマホを探る。右ポケット、左ポケット、尻ポケット……。

 

「あれ?」

 

 ない。スマホがない。いや、ミクスと遊んでいた時は持っていたし、その後もキューから連絡を受け取ったりしていた。落とした訳ではないはずなのだが……。慌てて、上着のポケットや全身を探ってみる。だが、ない。誰かに渡した記憶もない。いよいよマズイことになってきてしまった。

 

「ドウシタ?マスター」

 

「いや、スマホが見当たらなくて……って、クリップ。起きたんだね」

 

 そうしてドタバタしているうちに、クリップを起こしてしまったらしい。これで当初の目的は達成である。とはいえ、今はそれどころではない。この時代、スマホ無しというのはとても不便である。重要な情報も入っているし、万が一悪人に拾われていてはシャレにならない。とりあえず捜索に行こう、とした時、クリップが僕の袖を掴んで引き止めていた。

 

「どうしたんだい、クリップ。悪いけど、今はスマホを探さないといけないんだ。その、起こしてしまった事に怒っているならお詫びは後でしよう」

 

 

「ソレハイイ。ソレヨリモスマホ、見ツケタ」

 

 

 そう言って部屋を出ていくクリップを慌てて追いかける。見つけた、と言うが、遠隔で見つけたのだろうか?それにしても方法が不明だ。まだ、理解しきれていない部分がある、というのを痛感する。

 

 クリップについて行き、階段を降りる。外へ行くのか、と思ったが、行く先はリビングのようである。そこにいたのは紫色の髪の少女、キラーチューン・キューである。いつものように座ってスマホを弄っている彼女の姿になんらおかしいところはないように見えるが、クリップは真っ直ぐキューの元へと向かい、スマホを取り上げた。

 

「わっ、びっくりした。マスターにクリップ、どうかした?と言うかそれ返してよ」

 

「コレ、マスターノダロ。ドロボー」

 

「え、分かるんだ、そういうの。でもドロボーじゃないよ。さっきここに来たら置きっぱだったから、面白いものないかな~って見てただけ」

 

「なんにせよ、無くした訳ではなくて良かったよ。ただ、すぐ届けて欲しかった、という文句はあるけどね」

 

「あはは。ごめんごめん。」

 

 軽く笑い飛ばすキューへのちょっとした呆れとスマホが見つかった安堵からため息が漏れる。袖に刺激を感じて、視線をそちらへ向ければ、またクリップが袖を掴んでいた。

 

「ホメロ。スマホ見ツケタノ、クリップ」

 

「勿論、助かったよ。ありがとう」

 

 

 褒めを要求するクリップに、感謝を伝えながら撫でくりまわす。気持ちよさそうに目を細めるのが、とても可愛い。そのまま一旦頬をモチモチしてみた。不思議そうな目でこちらを見るが、クリップはされるがままである。

 

「大人しくなったね~クリップ。マスターの前とはいえ、ここまでなるとは思ってなかったかも」

 

「来た当初はいたずらっ子で、気性も荒かったからね。あの頃のクリップにこんなことをすれば指を噛みちぎられているかもしれない」

 

「クリップ、ソンナコトシナイ。マスター二、傷ツイテ欲シクナイカラ」

 

 

「クリップ……君は本当に可愛いな。」

 

 

 思わず撫でる手に力がこもる。そのまま、抱きしめて椅子に座り、膝の上に乗せてみた。体重を全てこちらに預けてくるクリップに癒されてながら午後の時間を過ごすことにした。……保護猫が懐いてくれたような感じがして、とても嬉しい、と思ってしまったのは、絶対に内緒である。

 

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「ね、マスター。わたしのことも撫でていいよ?ほら、ほら」

 

「嬉しい申し出だけど、今はクリップを愛でることにするよ。」

 

「え~。つまんない。…また後で、いっぱい構ってね?」

 

「…キラーチューンは皆不意打ちが得意だね。危うく昇天するところだった」

 

「ま、暗殺業もやってたからね。カワイさで殺せちゃうなんて、やっぱりわたしが1番カワイイってことかも。マスターはどう思う?」

 

「どう答えても角が立つのでノーコメント。それにキラーチューンは皆可愛いからね。」




次は勿論キューです。ちなみに、皆さんはどのキラーチューンが1番好きですか?ビジュの話、性能の話、この小説内でのキラーチューンの話、どれでも大歓迎です。
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