鏡を、見ていた。
鏡に映る
まあ、それはともかくとして、だ。
どうして、こうなったのだろう。
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
時は少し遡る。
そんなある日、とうとう教授から「お前出席してこいやオラァ!」という内容の電話が来たことで泣く泣く自分の家から出ることとなったのだ。
家を出た僕は、暑いのか寒いのかはっきりしない気温に対して愚痴をはさみつつ、自宅の最寄りのバス停まで移動する。それからバスに乗り、大学の最寄りのバス停に降りる。そこから歩きである。随分と久しぶりに見る大学への風景を見ながら歩き、交差点を渡っていた時のことだった。
最初は驚いたものだった。運転席をよく見ると、意識を失っているのか、かなりグッタリとした様子で運転手は虚空を見ていた。そして、体重の全てをアクセルにかけているのか、物凄い轟音と速度を叩き出している。まるで、猪のようだ。成程。これが巷で噂の異世界トラックか。
え?考えている余裕があるなって?余裕ではないよ?少なくとも、気付いたのはさっきだし。何より、僕にめがけて爆走してるし。これは、余裕というより、走馬灯に近いようなやつかなぁ。
それから約二秒後。僕の身体は宙を舞い、辺りに悲鳴が響き渡る。
……あー。……新しいゲームとか、やりたかったんだけどなぁ……。
ブルーアーカイブの新しいストーリーだってやりたかった。
無念である。
僕の意識は段々と闇へと沈んでいき、やがて、目覚めることはなかった。
僕と言う人間の生涯を終えた瞬間であった。
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
そう。終えた、はずなのだ。
しかし、段々と闇から浮き上がってくる感覚がある。
あれ?もしかして、生きている?
それから、目が覚め、自分の瞳を開けてみる。
「………どこだ?ここ。」
目が覚めた場所は何らかの廃墟であった。
そして何より、違和感がある。
周りのものが大きく感じることだ。
「そう言えば、身長が低くなると周りのものが大きく見えるって何かであったな……?」
つまり、今の自分は身長が低いということである。
違和感はまだある。
僕の声が、ヘリウムガスでも吸ったかのように高くなっているのだ。
また、頭が若干重く感じる。
膝の裏がくすぐったいので、原因を探ってみると、どうやら髪の毛のようだった。というか、
「何で……。白髪になってんの……?」
そう。今まで黒髪だったのに、急に白髪になっていたのである。
それから時間が経ち、自らの状態を確認したくなってきた。
なんか、自分の状態が確認できるものはないかな……。
っと、鏡があるじゃん。確認してみるか。
ははっ。まさか、まさかだけど、ね?TSしてたりとかはないよなぁ。
HAHAHA!
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
そんなまさかがありました。
「まじでTSしてる………。」
今現在、鏡に映る白髪のアルビノ風の幼女が自分だった。
身長は約140cm。目の色は左右で違い、左目が赤色、右目が黒色だった。
所謂、オッドアイというものである。
そして、女子用の制服に身を包んでいる。
最初は着せたやつの趣味だとでも思っていたんだけどなぁ。
そして何より、目に映ると言うか、物凄く目立つものが一つ。
なんか…なんかこれ……すごい既視感があるぞ…。
あぁ。そうか、これは、
「ブルーアーカイブに出てくるヘイローか!」
え?何?もしかして自分、キヴォトスにTS転生でもした?
……だとしたら不味い!キヴォトスでは銃撃戦は当たり前であり、最悪は爆発に巻き込まれることになる。それらを回避するために、銃器等が必要になるのだが、この身一つだけ。つまり、自衛手段を持っていない。
「………ここって廃墟だから、何か残っていないかな……?」
とりあえず、この廃墟を探索してみることとした。
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
探索して分かったことなのだが、どうやら此処は何処かの研究所らしい。
乱雑に置かれた書類や一体何に使うのか分からない機材などが放置されている。研究員は逃げたのか。それとも死んだのかは分からないが、何かが起きたのは確実だった。まあ、それはどうでも良いんだ。
今現在、僕の目の前には銃器のような形をしたゴツい兵器が置かれている。近くの資料を見るに、どうやらこれはオーパーツの一種であるらしく、兵器としての種別は電磁砲であるようだ。電力の供給は電磁砲の中にある永久機関が行うらしく、耐久実験にて、破壊されることがなかったとのことだ。ミサイル数百発に耐えるとか頭おかしい。損傷も見られないとか更に頭おかしい。
とてもゴツく重そうに見えるのだが何故か軽く持ち上げることができたので、これをメイン武器とする。
ただ、この武器を試しに使ってみないと戦闘でいざ動くことができないため、試射することとしよう。そのためには外に出ないとね。
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
この廃墟の出入り口を見つけ、外に出てみる。
TSしてから初めて太陽を浴びることとなる。自分の姿はアルビノ風の幼女だが、太陽の光は大丈夫なのだろうか。そんな心配をしながら外に出る。
この姿になってから、初めて見た景色は………砂漠だった。外を見上げると、変な輪っかのようなものが宙に浮かんでいるのが目に見える。それと、サンクトゥムタワーも。
キヴォトスであった。しかも、砂漠ということは、今の僕はアビドスにいるということになる。遭難しそう。
それから暫く経ち、恐れ慄いていた僕は本来の目的を思い出し、近くの岩場へと移動した。
安全装置を解除する。その時、電磁砲から電流のような音が聞こえてきた。かなりヤバめの。
「大丈夫なの?これ?」
不安を抱えながらも、引き金を引いてみる。すると、
「??? え?何これ。威力ヤバ……。」
最初に困惑。次に、あまりの威力に若干引いた。
「………まぁ。此処はキヴォトスだし…。何かあっても大丈夫か!」
何か言われたら変えることとしよう。
これを人は現実逃避と言います。
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
それから、廃墟の探索に戻り、全体の探索が終わった。
水や食料品やらを乱雑に置かれていたバックの中に入れる。賞味期限などは切れていないようだ。
もう、この研究所に用はない。
そのため、外に出てみようと思う。
研究所から拝借した、これまたオーパーツらしいスクーターのような乗り物に乗り、電磁砲と食料品等が入ったバックを背負う。
「そうだ!せっかくキヴォトスに転生したんだから、口調も変えてみるかぁ。………
それから、
敬語口調系美少女キャラっていいよね。