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1話:「げ、原作ブレイクしちゃった…」
外に出てみての感想。
うん。砂漠広すぎない???
当てもなく進んでみたものの、ここまで景色にあまり大差がないことってある?もう移動してから数時間も経過しているのだけれど……。
心が虚無になりそうだよ。
「はぁ……。休憩しましょうか。」
スクーターを停止させ、休憩してみることとする。
広いとは知っていたが、まさかここまで広いとは想像すらできていなかった。
「うーん。これは、時間がかかりますねぇ……。……ん?」
あまりにも時間がかかることに如何しようかと悩んでいたその時だった。
近くで人の呻き声のような音が聞こえてきた。私は聞こえた方向に向かって行く。
もしも本当に人が倒れたりでもしていたら気分が悪いからだ。
呻き声のような音が聞こえてきた場所に着いた。その場所には案の定、女の人が倒れており、意識を失っている。私は影がある場所を探し、意識不明の人物をそこに寝かせた。その人物はどうやら、最低限の資源しか持っていないようで、水や食料品等を所持していなかった。砂漠は朝や昼間は灼熱の温度であり、夜になると逆に極端に冷える。それなのに、如何して最低限の資源で砂漠を歩いていたのだろうか。そんな疑問も感じながら、私は介抱していく。
水や食料品等がなかったので、おそらくこの人物は脱水症か飢餓で倒れたのだろうとあたりをつけ、先ずは体を冷やしていく。
「それにしても。何だかこの人、見たことがあるような気がするんですよねぇ。」
うーん。どこで見たのだろうか。ウンウンと唸っていると、意識を失っていた人の意識が戻ってきた。
「うっ…!」
「! 大丈夫ですか?」
私は指を二本立てながら問う。
「今、指を何本立てているか見えますか?」
「に、に……ほん…?」
「…きちんと見えるようですね。とりあえず、お水をどうぞ。飲めますか?」
私はストローがついた水の入ったボトルを差し出す。
「う……うん…。あり…が…とう…。」
彼女はお礼を言いながら私が差し出したボトルを受け取り、飲んでいる。
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それから暫く経ち。
「ありがとう!おかげで助かったよ!」
すっかり元気を取り戻した彼女は笑顔を浮かべながら私にお礼を言ってきた。
なんというか、雰囲気が微笑ましい。助けることができて良かった。
「ふふっ。どういたしまして。私も助けることができて良かったです。
しかし、なぜこんなところで遭難していたのですか?」
私がそう問うと彼女はバツの悪い表情を浮かべながら答えた。
どうやら、融資を得るために遠方の銀行へ行こうとしていたらしい。
……聞いたことあるな。なんか。え?まさか。
「え、えっと、名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「あ!そういえば、自己紹介してなかったね!
私はアビドス生徒会の生徒会長の”梔子 ユメ”といいます!よろしくね!」
……げ、原作ブレイクしてしまった…。
というか、現在の時系列ってポスタービリビリ事件の後だったのか…原作の開始前じゃん。
「あなたの名前は?」
「…あー。」
どうしよう。名前。うぅーん…。
……研究所に記載されていた、私のこの身体の概要を元に名付けるか…。
「…那由多 アユムと申します。よろしくお願い致します。」
「うん!よろしくね、アユムちゃん!」
ユメさんはにっこり笑いながら返答してくれた。
そういうことで、今日から私の名前は”那由多 アユム”となったのであった。
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ユメさん曰く、今いる座標は砂嵐がひどいことになっているらしく、これ以上先には行けないそうだ。
そのため、ユメさんの提案に従いアビドス高等学校へと行くこととなった。
だが、そこで一つ問題が。
残念ながら、私が持っているスクーターは
「うーん…どうしましょうか…。」
「私が運転して、アユムちゃんを上に乗せようか?」
「恥ずかしいのでやめてください。」
いや、本当にどうしよう。
悩んでいたその時だった。
スクーターから、カタンッという音がした。
私達は気になり、音のしたスクーターを見てみると、
「………。」
「アユムちゃん!なんか、サイドカーが出てきたよ!今どきのスクーターって高性能なんだね~。」
「ぇ……何ですか、これ。知らないです。怖ッ……」
「アユムちゃん!?」
まぁ。何はともあれ、問題は解決したので私達はアビドス高等学校を目指して移動を始めるのだった。
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それから、約半日が経ち、私達は無事にアビドス高等学校につくことができた。
行く途中にヘニャヘニャヘルメット団とガチガチヘルメット団という訳のわからない集団の抗争に巻き込まれたが、なんとか無事だった。
話を聞くに、どうやらフライドポテトの硬さが原因で抗争が始まったようだ。
いやいやいや、訳が分かんないって。
それに巻き込まれた私とユメさんの心境を考えて欲しい……。
しかし、ユメさんは冷静に対処していた。
どうやら、こんなのは日常茶飯事らしい。
流石キヴォトス。治安終わってるなぁ。
「よいしょっと。スクーターはここに駐車してよろしいですか?」
「うん!いいよ!」
よし。なら、ここに駐車しよう。
それにしてもこのスクーターは何なのだろうか?
抗争に巻き込まれた時も思っていたのだが、このスクーター、本気を出せば自動車の速度を超えるのではないのだろうか。
それに何かサイドカーが出たり、変形したりするし…。
変形する度、ユメさんは「最近のスクーターってすごいんだね!」なんて言ってくる。
何回も訂正したが。…まさか、キヴォトスといえどそんなことはないよね?
このスクーターがオーパーツだからこんなことになっているだけだよね?
「……? どうしたの?」
「…いえ。この世の真理を、ちょっと…」
「本当にどうしたの!?」
そんな風に騒いでいたからだろうか。
奥の方から小柄な姿と何やら叫んでいるかのような声が聞こえる。
「………ぇ……ぁ…ぃ…!」
「…ん?何か言いましたか?」
「え?何も言ってないよ?」
「ユメ…せぇ……ぃ!」
「……なんか、段々、近づいてきてません…?」
「あ!もしかして!」
声の主は走っているのだろう。
移動している音がバタバタと聞こえてくる。
叫んでいる声はハッキリと聞こえるようになり、姿も捉えることができるぐらいまで近づいていた。
そして、その姿は淡いピンク色の髪色をした、金色と青色のオッドアイの少女であった。
その少女がユメに向かい、走っている。
「ユ゛メ゛先゛輩゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」
「ホシノちゃーん!」
そう。声の主は”小鳥遊 ホシノ”であった。
走って飛び込んできたホシノをユメは受け止め、抱き合い、謝罪を行いながらも再会を喜んでいる。
いやー。感動的だな。原作だったら、喧嘩別れみたいな感じだったし。
それにしても何でここにいるのが分かったのだろうか。
何かユメさんに関するセンサーでも搭載されているのか…?
「…ぅっ…ぐすっ…。ところで、そちらの方は、誰ですか?」
「紹介するね!この子は砂漠で死にかけていた私を助けてくれた那由多 アユムちゃんだよ!」
「那由多 アユムと申します。よろしくお願いいたします。」
「……私は、小鳥遊 ホシノと申します…。那由多 アユムさん。早速、尋ねたいことがあるのですが、よろしいでしょうか。」
え、目が怖い。ちびりそう。
「……何でしょうか?」
「あなたはなぜ、砂漠にいたのですか?」
……これ、どうやって、言い訳しよう……。
スクーターはオーパーツです。
使用者の要望により度々変形します。
やばいですね。