あれから数日。私は現在、元気に……
「おんらぁ!くたばりやがれください!」
「うぐわぁー!?」
賞金首狩りを行なっています。
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時は少し遡る。
その時、私はユメ先輩とホシノからアビドスが抱えている借金についての説明を受けていた。現在は約11億の借金を抱えているとのこと。あまり現実的ではない数字だ。まあ、キヴォトスだからね。(←現実逃避ともいう。)現在はアビドスの砂漠で宝探しをして見つけたものを売却しお金を稼いでいると聞いたが、数にも限界があるだろう。いずれ、発見すらもできなくなるはずだ。
そこで私はひらめいた。
「ユメ先輩。ホシノさん。アビドスに行く道中で戦闘になった不良の人達って賞金かかってます?」
ホシノは答える。
「そうですね…。ここは人が少なく、ゴーストタウンになっている場所も多いため賞金がかかっている不良の溜まり場になっている場合もありますね。………アユムさん。一体何をする気なのですか?」
ホシノの問いに私は考えついたことを答える。
「私は……賞金首狩りを行おうと思います。」
「アユムちゃん?危ないよ?」
ユメ先輩は心配した様子を見せながら、私に声をかける。
「大丈夫です。戦闘経験はあります。ただ、銃はあまり使ったことがないので少し不安ですが……。」
刀はあるんだよなぁ…。
「まぁ、いけると思います。」
そこで私は研究所から持ってきた銃である電磁砲を鞄から取り出して見せる。
「なんですか?これ。というか、この鞄に入るようなサイズではないのですが…。」
ホシノが困惑しながら聞いてくる。
「研究所から持ってきた電磁砲…名前はケラウノスです。このケラウノスも鞄もオーパーツなので…。ケラウノスは変形できます。」
私は実際に、ケラウノスを拳銃へと変形させる。
「ただし、変形は銃でしか変形できません。剣などの銃以外の武器には変形できませんでした。」
「「???」」
「あれですよ。ユメ先輩。あのスクーターと一緒です。」
「……なるほど!」
「何ですか、そのスクーターも……。」
オーパーツです。
「……さて、あとはこの鞄ですね。」
ユメ先輩とホシノにオーパーツである鞄を見せる。
「この鞄も…ですか。」
「…この鞄は、容量が無限です。」
「容量が無限…ですか。」
「はい。それと、どうやら収納する物のサイズはあまり関係ないみたいで……こうやってするりと入ります。」
そう言って、私は近くにあった、使われていない机を掴みあげながら、鞄の口に近づけていく。すると、机は、吸い込まれたかのようにするすると入っていき、やがて、何事もなかったかのように、掴んでいた机の全てが鞄の中へと入っていった。
二人は、そのあまりの情報量と絵面に驚くとともに困惑おり、静止している。
でも大体オーパーツってこんなもんでしょ。あまりに無法すぎるが。
「……なので、大丈夫だと思います!」
まさか、二人が静止するとは思わなかったが、それでも、私は説得を続けるために、声を上げた。
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説得は成功した。
最終的な判断材料は電磁砲の威力が理由だった。威力が過剰すぎるんだよなぁ。なんで、こう、爆発するんですかね。
何はともあれ、賞金首狩りデビューだ。出発する際にホシノから「危ない状況に陥った際は迷わず呼ぶように。」と言われた。どうやら、アビドスの一員として認めてくれているのだろうか。嬉しい。
私が最初に狩る賞金首は「血浴びのルカ」という人物のようだ。名前が物騒すぎません?調べると、ルカの戦闘スタイルはガンカタとのこと。殴ったりして血を浴びることから血浴びの二つ名が付いた……らしい。そのため、ブラックマーケットでは随分と有名だ。透き通るような青春は何処へ……?ちなみに賞金は約3000万。
そんな今更なことを考えながら、スクーターに乗り、ルカの根城に到着。根城となっていた場所はアビドスの廃墟、ブラックマーケットの近くの工場跡地であった。あまり人が近づかない場所だが、ブラックマーケットの住人にインタビュー(意味深)をしたら教えてくれた。どうやらブラックマーケットの住人には有名なようで。教えてくれた親切な人には報酬(拳)をくれてやりました。やはり暴力!暴力が全てを解決する。
それはともかく。根城についたのに何の反応もない。偽情報つかまされたか?まぁいい。ノックをすれば分かることだろう。私は、ケラウノスをサブマシンガンへ変形。そして神秘を込め、入口と思われるところへ弾丸をぶち込み、蜂の巣にしていく。さぁ、これだけノックしたんだ、流石に出てくれるよね?
「何してんだ!テメェ!」
蜂の巣にした建物から、赤毛を肩まで伸ばしたミディアムヘアの一人の少女が出てきた。顔は怒りに染まっており、怒っている影響か赤く染まっている。どしたん?そんなに怒って。話聞こか?
「何でお前が首を傾げているんだよ!お前がやったんだろうが!」
「ん?あぁ、貴方がルカさんでしたか。」
「あぁ?確かに、あたしはルカだが。」
「貴方を倒せばお金がもらえると聞きましてね。」
「ハッ、つまりあたしを倒して賞金を貰おうって魂胆か、テメェ。」
ルカはハンドガンを一丁ずつ両手に持ち、戦闘態勢を構える。
「いいぜ。ぶっ殺してやる。来いよ。」
ルカは私にそのように言うとともに、戦闘態勢に入り、こちらを迎え撃つように備え、こちらの様子をうかがって警戒している。
「ッ!」
私は、ケラウノスをショットガンに変形させ、引き金を引くとともにルカへと突撃していく。
「なんだ、その銃!」
それに対し、ルカは二丁の拳銃で迎え撃ち、拳銃を用いて自らにあたる弾丸を逸らす。そして、近づいてきたアユムに左腕を持っている拳銃ごと殴りかかり、引き金を引く。
「クッ!?アリですか!そんなの!」
「お前だって銃を変形させてんじゃねぇか!」
アユムはそれをジャンプで避け、ルカの背後へとまわる。そして、ルカの頭へと弾丸を発射する。
「チッ!後ろか!」
ルカはかろうじて避けることに成功するが、弾丸を二発ほど受け、怯んでしまう。
「グッ!くそっ!」
「シッ!」
その隙に、アユムはケラウノスをサブマシンガンへと変形させ、ルカに向けて弾丸を撃ち続ける。だが、ルカは意識を失う様子はなく、この弾幕から抜け出すことのみを考えていた。
そして…
「ら゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」
「えぇぇぇ…」
ルカはついに、アユムが仕掛けた弾幕を抜け、アユムへと迫ってきた。そのルカの様は、まるでパニックホラーに出てくるゾンビのようにボロボロで、衣類が、主に顔面が血塗れであるため、襲われている当人であるアユムはルカの執念とタフネスさに引いていた。おそらく、この強みがブラックマーケットで生き抜けた証明なのではないのだろうか。アユムは呑気にそんなことを考えていた。だが、戦闘とは、決して根性論で勝てるわけではない。現実では他の人から元気をもらったり、応援で立ち上がれるほど容易くない。確かに、この世界だって創作物の世界だ。だが、この世界には奇跡こそあれど、あくまで現実に準拠している部分はあるのだ。だからこそ、何が言いたいのかというと、
…と、いう訳で。
「おんらぁ!くたばりやがれください!」
「うぐわぁー!?」
アユムは、迫ってくるルカを、自らの拳で潰した。なんの変哲もないパンチだ。ただ、変哲もないというのは本人の認識であり、この身体でパンチをすると、鉄板を軽く貫くことができる。それに気づくのは数か月のことである…。
そして、アユムはこの世界での初めての戦闘を終えるのであった。
ちなみに、スクーターと鞄にも正式名称はありますが、本人達の認識ではスクーターと鞄で認識できているため、ちゃんとした名前では呼ばれません。