禪院全「全ては僕の為に」   作:羂索ハードモード

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呪術規定に基づき、オマエを——『呪い』として、祓除する



呪胎戴天編
26.両面宿儺-いにしえの呪いの王


 二〇一八年、六月。

 宮城県仙台市、杉沢第三高校。

 

 その校庭の片隅で、禪院恵はひどく焦っていた。

 今年の春に呪術高専東京校の一年生となった彼は、禪院家当主である禪院全の「若いうちから外の空気を吸ってこさせる」という施策により高専への入学者第二弾として送り込まれていた。

 一足先に入学し、今や二年生となった()()()()()からは「オラ、後輩なんだからパシリやれ」「影遊びばっかしてないでフィジカル鍛えろ」と理不尽にいじられつつも、それなりに充実した学生生活を送り始めた矢先のことである。

 

 今日の任務は、この高校の百葉箱に安置されているはずの特級呪物——『両面宿儺の指』の回収。

 本来であればそこに行って箱を回収し、さっさと東京へトンボ返りするだけのお使い程度の仕事のはずだった。

 ……のだが。

 

「無い……」

 

 古びた百葉箱の扉を開けて中を覗き込んだ恵は、冷や汗とともに呻いた。

 あるべきはずの木箱が、影も形もない。空っぽだ。

 嫌な予感しかしない中、恵は渋々スマートフォンを取り出して担任の番号へコールした。

 

『やっほー。どしたの恵、お土産はずんだ系スイーツとかでいいんじゃない?』

 

 電話の向こうのふざけた声に、土産の相談じゃねえよと怒鳴りたいのをぐっと堪え、恵は苛立ちを抑えながら事実だけを端的に告げた。

 

「……先生。百葉箱、空でした」

 

 すると、受話器の奥からは「ははっ」という軽薄な笑い声が返ってきた。

 

『マジで? ウケるね(笑)』

「笑い事じゃありません。特級呪物ですよ?」

 

『まあまあ。誰かが持ち出しちゃったんでしょ? 悪いけど、それ回収するまで帰ってきちゃだめだから。じゃ、よろしくー』

 

 ツーツー、という無機質な切断音。

 恵は握りしめたスマートフォンを、危うくそのまま百葉箱の角に叩きつけて粉砕しそうになった。

 

(あのクソ教師……ッ!)

 

 ぶん殴りたくなる衝動を深呼吸でなんとか腹の底へ押し込み、恵は百葉箱の周辺に残された微かな呪力の痕跡——残穢(ざんえ)へと意識を集中させた。

 足取りは重いが、任務は完遂しなければならない。

 

 残穢を慎重に辿って街中を駆け回った末に、恵はとある総合病院のロビーへと行き着いた。

 ひどく濃い特級の呪力残滓を纏っている人物は、すぐに見つかった。受付のベンチで、一人ぽつんと座り込んで書類を眺めているピンク色の髪の少年だ。

 

「――おい。ちょっといいか」

 

 恵が声をかけると、少年はビクッと肩を跳ねさせて顔を上げた。

 

「ん? なに? お前、誰?」

「……禪院恵。オマエに用があって来た」

 

「用? なんだよ急に。俺は虎杖だけど」

 

 虎杖と名乗った少年の怪訝そうな顔を意に介さず、恵は端的に用件を告げるべく彼の足元へと視線を落とした。

 そこには、特級呪物の残滓が色濃くこびりついたリュックサックが置かれている。

 

「オマエ、最近変な木箱を拾わなかったか。気味が悪いお札みたいなのが貼ってあるやつだ」

「あー……」

 

 その少年――虎杖悠仁は、祖父を亡くしたばかりで遺品の整理や手続きに追われているはずなのだが、妙にサバサバとした様子でリュックの中をごそごそと漁り始めた。

 そして、恵が探していた例の木箱をあっさりと取り出して差し出してきた。

 

「これか? 落ちてたから拾ったんだけど」

 

 手にとって見ると——妙に軽いし、呪いも薄い。

 

「……箱だけだ。中身はどうした?」

 

 顔を険しくして問い詰めると、悠仁はあっけらかんと答えた。

 

「ああ、中身の紙で巻かれたやつは、オカ研の先輩たちに渡した。今夜学校でお札を剥がしてみるって言ってたぞ」

「なんだと……ッ!?」

 

 恵の顔から一気に血の気が引いた。

 特級呪物の封印を呪力を持たない非術師の素人が夜の学校で剥がす。それは文字通り、自殺行為以外の何物でもない。

 呪物が放つ強烈な呪力に引き寄せられ、周囲の呪霊が一斉に群がってくる。このままでは死人が出ると直感した恵は踵を返した。

 

「……そこに居ろ。すぐに行かなきゃならねぇ」

 

 恵は呪力を練り、身体能力を強化して夜の街を弾丸のように駆け出した。もはや一刻の猶予もない。

 呪力強化を引き上げ、一般人には到底目視すらできない速度でアスファルトを蹴り飛ばしていく。

 

 ——だが。

 

「ちょっと待てよ、先輩たち何かヤバいのか!?」

 

 すぐ側から聞こえた声に、恵は思わずギョッとして横を向いた。

 そこには、息の一つも乱さずに彼の全力疾走へ並走する悠仁の姿があったのだ。

 

(……なんだこいつ!?)

 

 恵は目を剥いた。呪力による身体強化を施した呪術師の走りに、ただの高校生がついてこられるはずがない。

 もしや在野の呪術師か何かかと目を凝らすが、悠仁からは術師と言えるほどの呪力は感じられない。量は完全に非術師のそれだ。

 

(コイツ……純粋な素の筋力だけでこの俺の走りに並走してるのか!? 呪力が全く無いわけじゃないから不完全だろうが、真希や親父と同じ『天与呪縛』持ち? いや、今はそんな事より——)

 

 恵の脳裏に、実家や高専で嫌というほど見せつけられてきた規格外のバケモノたちの姿——実の父親である禪院甚爾や、学年が上だからと先輩風を吹かせまくる禪院真希の理不尽な暴威がフラッシュバックした。

 常識を超えた異常なフィジカル。だが、今はその正体を追求する暇はない。

 

「お前は帰れ! 死ぬぞ!」

「そんなこと言われたら尚更帰れるかよ! 先輩たちが危ないんだろ!」

 

 食い下がる彼を無理やり引き剥がす時間すら惜しく、恵はそのまま杉沢第三高校の正門へと滑り込んだ。

 気を取り直し、夜の闇に沈む校舎を見上げた恵の足が、ピタリと止まる。

 

 ゴクリ、と。無意識に喉が鳴った。

 校舎全体がドス黒く粘り気のある異様な呪力の重圧に包み込まれていた。

 

 恵の横では先ほどまで彼の全力疾走に平然と並走していた悠仁の足もまたピタリと止まっていた。

 普段は非術師には感じられない筈だが、今まさに杉沢第三高校の校舎から立ち込める呪力はあまりにも強大で、あまりにも禍々しかった。

 皮膚を粟立たせるような本能的な()の気配が、非術師である悠仁の身体を縛り付けているのだ。

 

「……っ」

 

 悠仁は息を呑み、校舎を見上げたまま動けない。その顔から先ほどまでの勢いは消え、明確な怯えが浮かんでいた。

 その様子を一瞥し、恵は好都合だとばかりに短く息を吐いた。

 

「オマエはここにいろ」

 

 恵は悠仁に向き直り、低く、有無を言わさぬ声で命じた。

 一般人が足を踏み入れれば、文字通り秒で肉片にされかねない空間だ。下手に付きまとわれて庇いながら戦う余裕など、今の彼にはない。

 

「部室はどこだ」

「……よ、四階の……一番奥の扉……」

 

 悠仁は震える声で答えながらも、ハッと我に返ったように一歩前に出た。

 

「待てよ! 俺も行く! 先輩たちが危ないんだろ!」

「足手まといだ。帰れ」

「でも……ッ!」

 

 なおも食い下がろうとする悠仁。

 その真っ直ぐで無鉄砲な善意は、今の状況下では最も厄介な代物だ。

 恵は苛立たしげに舌打ちをすると、悠仁の胸ぐらを掴み上げてその体を強引に引き寄せる。

 

「聞け」

 

 恵の黒い瞳が、悠仁の顔を真っ直ぐに射抜く。

 幼い頃から天与の暴君たる父や、呪術界の頂点に君臨する当主の姿を間近で見て育ってきた恵の眼差しには年齢に似合わない凄みと、殺意にも近いほどの圧が込められていた。

 

「オマエが行っても、何の役にも立たない。ただ死ぬだけだ。それどころか、オマエを庇って俺まで死ぬかもしれない」

 

 事実を冷徹に、刃のように突きつける。

 悠仁の息が止まる。

 

「だから、ここにいろ。これはプロの仕事だ」

 

 恵はそう念押しすると、悠仁を突き放して背を向けた。

 そのまま振り返ることなく、異様な呪力に包まれた暗い校舎の入り口へと足を踏み入れていく。

 残された彼は、その場に立ち尽くすことしかできなかった。

 

 杉沢第三高校の薄暗い廊下。

 雲の切れ間から差し込んだ冷たい月明かりが、窓ガラスを通して床に長い影を落とす。

 その影が、突如として不気味に蠢き始めた。

 

 ズルリ、と。泥のような黒い海から浮上するように、恵の姿が音もなく四階の廊下へと出現した。

 

 ——操影呪法・影渡り

 

 それは禪院全が術式混淆により生み出して恵に与えた、影そのものを物理的かつ概念的に使役する術式、操影呪法の応用である。

 影のある場所から別の影へと移動するこの技術は、幼少期からライバルとして競い合ってきた『天与呪縛』の真希に対し、純粋な膂力だけでなく、呪力強化込みのスピードで完敗するようになって以降、恵が血を吐くような鍛錬の末に重点的に磨き上げてきたこの術式のテクニカルな側面であった。

 

 力で勝てないなら、手札の多さで翻弄する。

 それが恵が実力至上主義の禪院家で生き残り、そして真希という理不尽な壁を超えるために選んだ彼なりの戦い方だ。

 

「……チッ」

 

 影から浮かび上がった恵は、すぐに周囲の惨状を察知して舌打ちをした。

 四階の廊下には気色悪い形状をした三級程度の呪霊がうじゃうじゃと湧き出しており、特級呪物の封印が解かれたことで生じた異常な呪力に引き寄せられまるで羽虫のように群がっている。

 そして、その直後。

 

「きゃああああっ!!」

 

 奥の教室――オカルト研究会の部室があるという方向から、少女の悲痛な悲鳴が夜の校舎に響き渡った。

 間に合わなかったか。だが、まだ死んではいないかもしれない。

 

 恵は即座に頭上へ第二術式を発動させた。

 眩いばかりの()()が、まるで小さな太陽のように恵の頭上にポッカリと浮かび上がる。

 全の意向によって得たこの光の術式は、それ自体は目眩まし程度のささやかなものだが、恵の『操影呪法』にはこれ以上ない最強のシナジーを生む。

 

 強烈な光源が恵の足元から濃く、太く、そして長い影を落とし込んだ。

 

「……拡張術式:影法師・巨影(きょえい)

 

 恵が呪力を滾らせて印を結ぶと、足元の巨大な影がドロリと立体的に隆起し始めた。

 それは十種影法術のように決まった式神を召喚するのではなく、恵自身が想像し、形作ることができる無定形の影の分身。

 

 影は瞬く間に天井スレスレの高さまで膨れ上がり、やがて明確な人型――麦わら帽子を被り、ワンピースを着た()()()()()()()()のシルエットへと姿を変えた。

 

「…………」

 

 高専での初披露時、これを見た真希はドン引きした顔で「お前、マジでやってんのか」と軽蔑の眼差しを恵へ向けてきた。

 あまつさえその話はすぐに本家へとチクられ、普段向こうからは連絡をしてこない父親の甚爾から『お前、女の趣味は自由だが……呪霊はやめとけ。そもそもあれは全のやつだぞ』と、珍しく真剣なトーンの手紙で諭されるという、恵にとっては大変不本意で屈辱的な黒歴史を生み出した代物である。

 

 だが、誤解である。

 決して性癖などではない。断じて!

 恵にとって幼い頃から一番身近で一番大きく、そして一番『守ってくれる圧倒的な強者』のイメージが、全が使役し、何を思ったか恵をあやすのに使ってきた特級呪霊『八尺様』の姿だったというだけなのだ。

 恵にとっての純粋な強さのイメージとして彼女の形を模倣したこの影の巨人は、実家の変態的な風評被害と引き換えに、確かな制圧力と暴力的なまでの強さを彼にもたらしてくれている。

 

「雑魚どもを掃討して道を開けろ」

 

 恵が短く命じると、影の八尺様はコクリとどこか嬉しそうに頷いたように見えた。

 次の瞬間、天井に頭を擦りつけるほどの巨躯が音もなく滑るように廊下を前進し始めた。

 

 ギ、ギャアッ!?

 グギャッ……!

 

 群がっていた三級呪霊たちが長く靭やかな腕によって手当たり次第に引き裂かれ、壁に叩きつけられ、塵を払うように一掃されていく。

 圧倒的な質量と物理的破壊力を持つ影の巨人が、恵の前に完璧な血路を切り開いていく。

 

「行くぞッ!」

 

 恵もまた、影の女が切り開いた道を弾丸のように駆け抜け、悲鳴の主を探して駆け出した。

 

「邪魔だっ!」

 

 恵の怒号とともに、頭上に浮かぶ光球が位置を変え、背後に伸びていた影が瞬時に前方に長く鋭く突き出された。

 実体を持った漆黒の槍が、廊下に群がる呪霊の群れを次々と串刺しにしていく。

 

 その横では影の巨人が長い腕を振り回して残りの三級呪霊たちを次々と壁に叩きつけ、ミンチに変えていた。

 恵が意図的に光球の位置を上下左右に動かすことで足元の影は時に伸び、時に曲がり、変幻自在の軌道を描いて死角から獲物を狩り取る。

 全の与えた二つの術式――『操影呪法』と『光球』の組み合わせは、まさに完全なシナジーを発揮していた。

 

「……ここか!」

 

 血と呪力の残滓が濃く漂う廊下を曲がった先。

 恵の視界に、目当てのオカルト研究会の部室と――その前で、異様に膨れ上がった二級相当の呪霊の姿が飛び込んできた。

 

 呪霊の巨大な腹部には意識を失った男女二人の生徒が、まるで底なし沼に沈み込むようにズルズルと飲み込まれかけていたのだ。

 

(クソッ……あいつらごと呪物を取り込むつもりか!)

 

 恵の額に冷たい汗が滲む。

 呪霊の目的は生徒たち自身ではなく、彼らが持っているであろう『両面宿儺の指』だ。もし呪物が完全に呪霊の体内に取り込まれてしまえば、この呪霊は一瞬にして変異して恵の手には手におえない大災害となるかもしれない。

 

 しかし、距離が遠すぎる。

 恵が立っているのは廊下の端。呪霊は反対側の奥深く。

 走って間に合う距離ではない。かといって、この距離から影の槍を全速力で伸ばせば、命中精度が下がり、最悪の場合は呪霊の腹に沈みかけている生徒たちごと貫いてしまう危険性がある。

 

(……間に合わない!)

 

 絶望的な計算が恵の脳裏をよぎり、奥歯を噛み締めたその瞬間。

 

 ——ガシャァァンッ!!!!

 

 呪霊の背後、四階の廊下の窓ガラスが外側から凄まじい勢いで蹴り破られた。

 月明かりを背に受け、粉々に飛び散るガラス片とともに一つの人影が夜の校舎へと躍り込んできたのだ。

 

うぉぉぉぉぉぉぉらぁぁぁッ!!!!

 

 空を舞い、一直線に呪霊の背中めがけ飛び蹴りを放ったのは。

 校門の前に置き去りにしてきたはずの、ただの高校生——虎杖悠仁であった。

 

「……なっ!?」

 

 恵は自分の目を疑った。ここは四階だぞ。

 どうやって下からここまで一気に跳んできたというのか。

 

 だが、その疑問を挟む間もなく、悠仁の両足は完璧なフォームで呪霊の巨体に突き刺さった。

 

 ドゴォンッ!!

 

 呪力の一切こもっていない、純粋な物理的打撃。

 当然、それだけでは呪霊に決定的なダメージを与えて祓うことはできない。

 

 ——しかし、恵は知っている。

 呪力がなくとも、規格外の純粋なパワーがあれば呪霊を怯ませてその行動を阻害できるということを。

 幼い頃から、天与呪縛の甚爾や真希が呪力なしの素手で呪霊をボコボコにする光景を幾度となく見せつけられてきたのだから。

 

グェェェアアアッ!?

 

 悠仁の規格外のドロップキックをまともに背中に受けた大柄な呪霊は、たまらず体勢を大きく崩して前につんのめった。

 その衝撃で呪霊の腹部の肉壁が緩む。

 

「先輩ッ!!」

 

 悠仁は着地するや否や、呪霊の腹に半分埋まりかけていた男女二人の生徒の腕をガシッと掴み火事場の馬鹿力で力任せに引っこ抜いた。

 ズルンッと嫌な音を立てて、二人の身体が呪霊から引き剥がされる。

 悠仁はそのまま二人を抱え込むようにして廊下の床をゴロゴロと転がり、呪霊から距離を取った。

 

(……やりやがった!)

 

 恵は驚愕を通り越して感嘆した。

 一般人が特級呪物の気配に当てられた空間で自らの意志で動き、あまつさえ呪霊に物理的ダメージを与えて人質を救い出すなど、到底あり得ないことだ。

 

 だが感心している暇はない。

 人質という枷が外れた今、恵の行動を躊躇させる理由は何もなかった。

 

「今なら……ッ!!」

 

 恵は頭上の光球に限界まで呪力を注ぎ込んだ。

 パァッと、廊下全体を真昼のように照らす強烈な閃光が弾ける。

 その光を受けて恵の足元に落ちた影がこれ以上ないほどに濃く、鋭く、鎌首をもたげながら長く伸びる。

 

「貫けッ!!」

 

 恵の叫びと共に、圧縮された漆黒の槍が廊下の端から端まで一瞬にして直進した。

 それは体勢を崩して怒り狂う大柄な呪霊の胴体をど真ん中から無慈悲に串刺しにした。

 

ギャァァァァァッ……!!!!

 

 呪霊の絶叫が夜の校舎に木霊し、その巨体が紫色の煙を上げてシュウシュウと溶け落ちていく。

 恵の影の槍が確実に呪いの核を貫き、完全に祓除したのだ。

 

「ハァッ……ハァッ……」

 

 呪霊がじわりと消え去っていくのを、悠仁は息を荒げながら見つめていた。

 

「な、なんだこれ……」

 

 先ほどは先輩を助けるために後先考えずドロップキックをかましたというのに、いざ目の前で怪物がドロドロと溶けて消えていく非現実的な光景を目の当たりにして今更のように顔を引き攣らせて後ずさる。

 

「……」

 

 恵は頭上の光球をスッと消し、影の槍を元の長さに戻しながら、悠仁の元へとゆっくりと歩み寄った。

 

「なんで来た、と言いたいところだが……」

 

 特級呪物の気配が充満する空間に一般人が飛び込み、あまつさえ呪霊に物理攻撃を当てて人質を救出するなど常軌を逸している。

 だが、結果として彼が飛び込んでこなければあの二人の生徒は呪霊の腹に収められていたかもしれない。

 

「……よくやった」

 

 恵は短いながらも本心からの称賛を口にした。

 

「なんでちょっと偉そうなの」

 

 悠仁は少しだけ引き気味にツッコミを入れつつ、改めて消えかけていく呪霊の残骸を見つめた。

 

「つーか、なにこのバケモン? 妖怪?」

「それは呪霊だ」

 

「ジュレイ? 幽霊みたいなもん? こんなの始めて見た……」

 

 慄きながら呪霊をしげしげと見る彼に、恵は淡々と答えた。

 

「……人間の負の感情から生まれる化け物で、普通は目に見えないが今回は特別だ。お前たちが見つけた例の箱の中身——呪物の気配に引き寄せられて集まってきたんだよ、それを喰ってより強い呪力を得るためにな」

 

 彼は悠仁の足元に転がっているそれを顎でしゃくった。

 

「お前の足元に転がってる、それだ」

「あ?」

 

 悠仁は不思議そうに足元を見下ろし、そこにあった封印の札が剥がれ、転がり落ちていたあの箱の中身をヒョイと拾い上げた。

 

「……うっわ、指じゃん! きっしょ!

 

 悠仁は顔をしかめ、まるでゴミでもつまむように両面宿儺の指を摘み上げて仰け反った。

 

「それが呪物だ。これからは、変な物は拾わないことだな」

 

 恵が忠告すると、悠仁は「へー、こんなミイラの指がねぇ」としげしげと観察し、ふと視線を恵の背後へと移した。

 

「……ちなみに、そっちのなんかエロい影は?」

「エロ……!?」

 

 恵の背後。そこには、先ほどまで雑魚呪霊を蹂躙していた()()——天井スレスレの身長を持つ、麦わら帽子にワンピース姿の異様にスタイルの良い影の女が音もなく静かに佇んでいた。

 悠仁のそのあまりにもストレートで下世話な感想に、恵の顔がボンッと赤く染まる。

 

「バカ言ってんじゃねえ……」

 

 恵はサッと巨影の前に立ち塞がり、彼の視線を物理的に遮る。

 

(初見の反応がそれかよ……ッ!)

 

 内心で頭を抱えながらも、恵は大きく咳払いをして冷静を取り繕った。

 

「これは俺の式神だ。……というよりお前、普通に見えてるんだな」

「え? ああ、バッチリ」

 

 悠仁が当然のように頷くのを見て、恵は呆れたように息を吐いた。

 

「こういう()()は普通見えねぇんだ。死に際とか、こういう呪力が濃い特殊な場でもなきゃな。俺みたいに普段から見える奴でないとこいつらにダメージは与えられない。……オマエ、かなり危ない橋を渡ったぞ」

 

 恵の真剣な警告に、悠仁は少しだけバツが悪そうに頭を掻いた。

 そして、「ふぅ」と大きく息を吐き、自分の足元で意識を失っている二人の先輩——オカルト研究会の男女へと静かに視線を落とした。

 

「……ぶっちゃけ」

 

 悠仁の顔から、先ほどまでのおちゃらけた空気がスッと消え、年相応の、どこか悲しげで真剣な表情が浮かび上がった。

 

「ジュレイ? っていうバケモンが視界に入ったとき、めちゃくちゃビビったけどさ」

 

 悠仁は倒れている先輩たちを庇うように、その手を優しく握りしめた。

 

「今日、爺ちゃんが死んで……『人は死ぬんだな』って、実感したから」

 

 その言葉には、たった数時間前に唯一の肉親を喪ったばかりの少年の生々しい喪失感が宿っていた。

 人はいつか死ぬ。それは理屈では分かっていても、目の前で命の火が消える瞬間を経験した者にしか分からない重みがある。

 

「せめて、知ってる人には……こんな理不尽な死に方してほしくないなって、必死だったんだよ」

 

 悠仁は照れくさそうに、しかし真っ直ぐに恵の目を見てそう言い切った。

 

「……」

 

 恵はその言葉を聞いて、小さく目を見開いた。

 呪術師でもない一般人が、ただ「理不尽な死から他人を救いたい」という純粋な動機だけで、死の恐怖を乗り越えてこの地獄へ飛び込んできたというのか。

 

 恵の脳裏に実家で目にしてきた「力こそすべて」という実力至上主義の中で生きる術師たちの顔がよぎる。

 強くなるために呪いを狩り、呪詛師を資源として消費し、己の欲望と生存のために戦っている。

 それとは全く違う、ひどく不器用で泥臭くもあまりにも真っ直ぐな()()

 

(……こいつ、少しだけ……あの人に似てるな)

 

 恵はかつて一度だけ高専で顔を合わせたことのある特級呪術師、夏油傑の姿を思い浮かべた。

 呪術界のシステムから離れ、弱きを救うために孤軍奮闘しているというあの真っ直ぐな男の瞳を。

 

「——さあ、危ないのがわかっただろ。それ渡せ」

 

 恵は悠仁の手に握られている両面宿儺の指へ向かって、静かに右手を伸ばした。

 この純粋な善意を持つ少年を、これ以上この理不尽な呪いの世界に関わらせるべきではない。これを受け取ってすぐに東京へ帰ろう。

 

「あ、ああ、わかった。ほらよ」

 

 悠仁もまた、恵のその落ち着いた言葉に従って素直に特級呪物を差し出そうとした。

 指先が触れ合う、まさにその瞬間だった。

 

 ——ガシャァッ!!!!

 

 頭上のコンクリートの天井が、突如として爆音とともに粉々に砕け散った。

 

「ッ!?」

 

 異様に発達した筋肉と複数の腕を持つ巨大な呪霊が特級呪物を奪わんと天井の穴から一直線に巨大な腕を突き出してきたのだ。

 

「危ない……ッ!」

 

 恵は咄嗟の判断で、指を差し出そうとしていた悠仁を力任せに突き飛ばした。

 

「うおっ!?」

 

 悠仁の体が廊下を滑るようにして吹き飛ぶ。

 それと同時に、恵の背後に控えていた『巨影』が素早く反応し、近くの床に倒れていた二人の先輩を両脇に抱え込み、一瞬にして後方へと退避した。

 

 だがその一連の動作の代償として、悠仁を庇う形となった恵の身体は完全に無防備となる。

 

ガァァァァッ!!

 

 呪霊の巨大な手が、恵の身体を容赦なく鷲掴みにした。

 ギリッ! と骨が軋む嫌な音が響き、恵の口から「がふっ……!」と血の混じった空気が吐き出される。

 呪霊はそのまま恵を握りしめたまま、背後の壁をぶち破り、校舎を繋ぐ渡り廊下の屋根へと弾丸のように飛び出していった。

 

「お、おいっ!!」

 

 悠仁の焦燥に満ちた叫び声が、開いた壁の穴から響く。

 

 渡り廊下の屋根に叩きつけられ、呪霊の巨大な手にギリギリと締め上げられながら、恵の意識が激痛で一瞬飛びかける。

 

 集中力が途切れた瞬間、後方の廊下で先輩たちを抱えていた巨影の輪郭がドロドロと崩れ、紫色の煙となって溶けるように消滅してしまった。

 恵の術式が切れたのだ。

 

(くっ……!!)

 

 恵は薄れゆく意識の中で必死に呪力を練り直そうと奥歯を噛み締めるが、呪霊の圧倒的な握力が肺を潰し、呼吸すらままならない。

 このままでは握り潰される。

 

 その絶望の淵に立たされた恵の視界に、夜空を背に壁の穴から飛び降りて一直線に落下してくる一人の少年の姿が映った。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!」

 

 悠仁だ。彼は呪霊の頭上から、全体重を乗せた渾身の踵落としをまるで隕石のように容赦なく叩き込んだ。

 

 ドゴォォォォンッ!!

 

 常識外れの物理的威力が直撃し、呪霊の巨体が大きく揺らぐ。

 

 その衝撃で呪霊の腕の力が一瞬緩んだ。恵の身体が拘束から解放され、渡り廊下の屋根の上へとボロ雑巾のように転がり落ちる。

 

「ゲホッ……! ガハッ……!!」

 

 恵は咳き込みながら血を吐き、激痛に顔を歪めた。

 肋骨が何本かイカれている。影を落とすために頭上の光球を再展開しようとするが、痛みのせいで呪力がうまく練れず、術式が発動しない。

 

「だいじょぶか!?」

 

 悠仁は恵を背に庇うように立ち塞がり、再び襲いかかってこようとする呪霊に向かって、迷いなくファイティングポーズを取った。

 そのまま呪霊の振り下ろす巨大な腕を紙一重のダッキングで躱し、空いた腹部へ強烈なラッシュを叩き込んでいく。

 

 ドスッ! バキィッ!

 

 重い打撃音が響くが、呪霊を多少怯ませることはできてもダメージにはならない。

 

「やめろ……ッ!」

 

 恵は歯噛みしつつ、血塗れの顔を上げて叫んだ。

 

「さっき言ったろ……呪力のないオマエじゃ、そいつにダメージは与えられない……ッ!」

 

 今の恵はまともに戦える状態ではない。

 そして悠仁の打撃は呪霊を祓うには至らない。

 

 このままではいずれスタミナが尽きてジリ貧になり、殺される。

 

「早く逃げろ……! あの二人を抱えて逃げられんのは、もうオマエだけだ……!!」

 

 恵の悲痛な叫び。それは彼を巻き込んでしまった呪術師としての責任感と、一人の少年を死なせたくないという必死の願いだった。

 

 だが、悠仁は呪霊の強烈な薙ぎ払いを間一髪で躱しながら背中越しに言い放った。

 

「今帰ったら、夢見悪いだろうがッ!!」

 

 それは、理不尽な死を前にしても逃げることを選ばない少年の真っ直ぐすぎる善意の咆哮だった。しかし、現実は非情だ。

 呪力のない自分の打撃は化け物には通らない。逃げれば恵は死ぬ。

 

 完璧な板挟み状態。

 迫りくる呪霊の凶刃を躱しながら、悠仁の脳裏に先ほど恵が口にした言葉がフラッシュバックした。

 

 ——()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 特級呪物。それを喰えば、呪力が強くなる。

 

(——なんだ、解決法あるじゃん)

 

 悠仁は自分のポケットに手を突っ込んだ。

 そこには先ほど恵に渡す直前に呪霊の襲撃を受けた後、咄嗟に仕舞い込んだままになっていたあの干からびた気味の悪い()があった。

 

「要は俺にジュリョクってのがありゃいいんだろ」

 

 悠仁はその指を無造作に取り出すと、一切の躊躇いもなく口元へと運んだ。

 

「……なっ!?」

 

 恵はその光景を目にして、心臓が凍りつくような悪寒を覚えた。

 

「馬鹿ッ、やめろぉッ!!!!」

 

 恵が血を吐くような声で叫んだ。

 特級呪物は人間にとっては致死性の猛毒だ。飲み込めば確実に死ぬ。

 いや、それよりも最悪なのは——万が一、その呪物と彼の肉体が『適合』してしまった場合だ。

 

 ゴクリ、と。恵の絶叫も虚しく、悠仁は特級呪物『両面宿儺の指』を、一息に飲み込んでしまった。

 

「…………っ」

 

 その瞬間、悠仁の身体がビクンと大きく跳ね、その場に崩れ落ちそうになる。

 それを好機と見た呪霊が巨大な腕を振り上げて彼を粉砕せんと襲いかかってきた。

 

 ——だが。

 

 ——シュパァンッ!!!!

 

 悠仁に殴りかかろうとした二級呪霊の頭部が、まるで紙屑のようにあっさりと吹き飛んだ。

 

「……えっ?」

 

 呪霊の巨体が頭を失ったまま数歩よろめき、ドシャァッ! と盛大な音を立てて渡り廊下の屋根に崩れ落ちる。

 

 その背後でゆっくりと立ち上がったのは。

 先ほどまでの純朴な少年の面影を残しながら全く別の、あまりにも邪悪で圧倒的な呪力を纏った存在だった。

 

 月明かりに照らされた悠仁の顔には、先程まで無かった異様な黒い文様が浮かび上がっていた。

 更にその両目の下には、パチリと開かれたもう一対の不気味な眼が存在している。

 

「あ、あ、あァ……」

 

 恵は絶望に顔を歪め、ガチガチと歯を鳴らした。

 

「ケヒッ、ヒヒッ……!」

 

 喉の奥で噛み殺すような笑いの後。

 静寂の夜空に、あまりにも凶悪で、歓喜に満ちた哄笑が響き渡った。

 

「ああやはり……光は、生で感じるに限るな!!」

 

 呪霊を屠ったその手を見下ろし、己の肉体を得た歓喜に打ち震えながら夜空を仰ぐ存在。

 

 ——ああ、最悪を引いた……ッ。

 呪物との適合。それによる、いにしえの呪いの王の現世への復活。

 

 恵は目の前で歓喜の哄笑を上げる悠仁——否、その肉体に受肉した両面宿儺の姿に、己の無力さを呪うように強く、強く歯噛みしたのだった。

 

 ——ビリリッ!!

 

 静かな夜の空気を引き裂くように悠仁の着ていた学ランが乱暴に破り捨てられた。

 現れたのは筋肉質に引き締まった上半身と、そこにびっしりと浮かび上がった刺青のような禍々しい黒い文様。

 

「ハハ……ッ!」

 

 その口から漏れる笑い声は、先ほどまでの少年とは似ても似つかない、地を這うような低い声だった。

 宿儺は忌々しげに足元の呪霊の残骸を蹴り飛ばす。

 

「呪霊の肉などつまらん! 人は! 女はどこだ!!」

 

 千年の時を経て現世に受肉した呪いの王は渡り廊下の屋根の縁へと歩み寄り、眼下に広がる杉沢町の住宅街を見下ろした。

 無数の家々の窓から漏れる明かり。そこから立ち昇る、微弱だが確かな無数の生命の営み。

 

 宿儺は両目の下にあるもう一対の目をカッと見開き、恍惚としたように口角を吊り上げた。

 

「いい時代になったものだ……。女も子供も、蛆のように湧いている」

 

 その言葉には、純粋な悪意と破壊衝動だけが込められていた。

 

「素晴らしい……! 鏖殺(おうさつ)だ!!」

 

 両手を広げて己の支配欲と殺戮の渇望を夜空に宣言した、まさにその瞬間だった。

 

 ——ガシッ!

 

「……あ?」

 

 宿儺の右手が自らの意志に反して動き、己の首をギリリと強く握りしめていた。

 突如として制御を失った肉体に、宿儺の顔に困惑の色が浮かぶ。

 

「人の体で何してんだよ。返せ」

 

 宿儺の口から出たのは先ほどまでの低い声ではなく、間違いなく虎杖悠仁の声だった。

 

「オマエ……なぜ動ける?」

 

 宿儺が自身の支配下となったはずの肉体の持ち主に向けて驚愕の声を漏らす。

 いかなる強靭な精神の持ち主であろうと、呪いの王たる宿儺が受肉すればその魂は即座に押し潰され肉体の主導権を奪われるのが明白だった。

 それがただの一般人の少年によって、意志の力だけで抑え込まれようとしているのだ。

 

「いや俺の身体だし。……いや、どうなってんだこれ?」

 

 悠仁は自分の身体に浮かび上がった文様や、自身の口が意に反した言葉を垂れ流す奇妙さに戸惑いながらも、必死に宿儺の意思をねじ伏せようとしていた。

 

 一人で首を絞め合い、二つの人格がぶつかり合って困惑する宿儺と悠仁。

 その信じがたい光景を前に。

 

「……ハァッ……ハァッ……」

 

 恵は肋骨の激痛に顔を歪め、口から血を垂れ流しながらも震える足に力を込めてゆっくりと立ち上がった。

 呪霊に握り潰されたダメージは深く、立っているだけでも意識が遠のきそうだ。

 

 だが、ここで倒れるわけにはいかない。

 目の前にいるのは、単なる呪霊や呪詛師などではない。

 

 いくら悠仁が一時的に主導権を握っていようとも、いつ宿儺に完全に肉体を乗っ取られ、眼下の街で大虐殺が始まるか分からないのだ。

 

「……動くな」

 

 恵の声は低く、そして冷徹だった。

 

 ズォォォン……!

 

 恵の頭上に再び『光球』が眩く煌めき始める。

 呪力の枯渇と激痛を押し殺して全神経を集中させ、影を濃く長く引き延ばす。

 

 恵の足元からドロリと黒い影の海が湧き上がり、先ほど一度は霧散した巨影が再び渡り廊下の屋根にその巨大な姿を現した。

 麦わら帽子を被った八尺様を模した影の巨人が、ゆっくりと宿儺——悠仁の背後にそびえ立つ。

 

「虎杖」

 

 恵は自分を庇ってくれた少年の名を呼び、血の滲む拳を握りしめた。

 その目には呪術師としての非情な覚悟と、彼を巻き込んでしまったことへの深い後悔が入り混じっている。

 

「オマエはもう、人間じゃない」

 

 悠仁がハッとして恵の方を振り返る。

 宿儺の文様が刻まれたその顔に、恵は無慈悲な事実を突きつけた。

 

「呪術規定に基づき、オマエを——『呪い』として、祓除する」

 

 巨影の巨大な手が、悠仁を粉砕せんと大きく振り上げられた。

 月明かりの下、少年と呪術師の運命が、最悪の形で交差した瞬間であった。




真希「実家にチクッてやろ」  恵「やめろ」
甚爾「恵、お前……」    恵「違うから」
真依「引くわ……」     恵「違うって!!」
直哉「やらしい事にも使うんやろ?(笑)」
全 「悪いけど彼女は主力の一人だからあげられないよ」

恵「…………ああもう!!」

みたいなことがあったかもしれない

■ 禪院恵
高専進学祝い(?)によって二重術者となった。
追加術式として「光球」を貰い、真っ暗闇でも術式の操作が可能に。
操影呪法はあくまで“影”を操作する術式であるため、最低でも一度具現化する為に影を作る光源が必要。
魔虚羅抜きにしても術式の爆発力はやや下がっているかもしれない。
その代わり、実家のシゴキや術式の応用幅で術師としての総合力・生存力は上がっている。
●拡張術式:影法師
十種影法術のように式神が欲しくなった恵が操影呪法で自らの影を実体化させて半自動で動く式神を作り出した。デザインは自由に変えられる。
様々な試行錯誤をしている最中であり、主力は「巨影」ともう一体。
◦巨影:八尺様をモチーフとした影法師。
本物には及ばないが、フィジカルも耐久力もなかなか高い恵の主力。編み出したのは高専に入ってからだが、決して実家の八尺様が恋しかったとかではない。
真希によって実家に存在をチクられた。

■ 虎杖悠仁
原作通り、両面宿儺を受肉してしまった。
基本的には現状原作と大差ない状態であるはず。



呪術0編から期間があいてしまいましたが、ついに原作第一話の時間軸に到達!
全本人を出す機会は前章よりやや多目かも?
比較的アグレッシブに動くタイプとはいえ、全面に押し出せる章はまだ先
それでも彼が好き勝手に動いてきた結果の影響力と存在感が計り知れない……的な感じを出していきたいですね

原作で言う呪胎戴天あたりまで、全七話となります
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