結束バンド 全アルバム簡易レビュー 2023-2030 作:ぱらいそ
Best Album「結束バンド」
Vocal, Guitar:喜多郁代
Guitar:後藤ひとり
Bass Guitar:山田リョウ
Drums:伊地知虹夏
結束バンド、初のベストアルバム。時系列順ではなくバラバラに曲が収録され、最後は新曲とカバー曲で締める構成。「小さな海」「星座になれたら」は新アレンジで収録されている。やや下降気味だったセールスが解散効果で回復し、最大売上の3rdアルバムは超えられなかったものの自身2番目のヒットを記録。有終の美を飾った。
なんとほとんどの選曲が初期3作に偏っており、4th~6thの後期3作からはそれぞれ1曲ずつしか選ばない(しかもうち2曲はリアレンジ版)という冷遇っぷり。オアシスの「Stop The Clocks」を思わせる偏りっぷりだが選曲はメンバー全員で行われたと言われており、おそらく結束バンドは初期こそが完成形だという総意があったのだろう。
実際、なんだかんだで結束バンドといえばこの内省的で勢い任せなロックサウンドのイメージが一番強いし、ぶっちゃけこれ以降で今作収録曲を超えるようなヒット曲も出なかったので後期をバッサリ切ったのは案外英断だったかも。しかも書かれたのこそ初期だが後期発表で音楽性がまるで違った「小さな海」「星座になれたら」はわざわざ初期のサウンドに合わせたリアレンジを施して再録音されており、統一感も抜群。バンドの名刺代わりの一作と言っても過言ではない。
新曲「フラッシュバッカー」は初期の流れを汲んだロックバラード。後期は作品数を重ねるごとにこの路線からかけ離れていき、最終的にはほぼ別のバンドとなって終わってしまう所だったので、最後の最後に「らしい」楽曲でバンドを終わらせられたのは良かったなと思う。
「転がる岩、君に朝が降る」はギターの後藤が歌うASIAN KUNG-FU GENERATIONのカバー。なぜこのタイミングでこの曲をこの人が歌うのか、謎が多い選曲となったがバンドには明らかに影響を与えている大先輩の曲(そういえばメンバーの名字も全員被っている)だけに非常に原曲に忠実なリスペクトあるカバーに仕上がっている。
数年後には後期の楽曲も網羅したオールタイムベストが出ているので、基本的にはそっちを選んだ方が無難だろうけど、「忘れてやらない」「青春コンプレックス」みたいな代表曲しか知らない・それだけ聴けりゃいいという人ならCD1枚で手っ取り早く聴ける今作でも充分だろう。
その後バンドは解散ツアーとFC限定のライブハウス公演をもって活動を終了。以降はお互いのソロ活動でサポートとして呼び合う事はあるものの、4人全員が揃った楽曲は出ていない。
喜多郁代は半年ほどの休養を経てシンガーソングライターに転向。バンド時代はほとんど行ってこなかった作詞作曲を一手に引き受けて活動を続けている。
後藤ひとりはSIDEROSのサポートギタリストとしてワールドツアーに帯同するなど、ソロのギタリストとして現在も精力的な活動を行っている。しかし解散以降作詞は完全に辞めてしまったようで、楽曲提供でも作曲か編曲のどちらかしか担当していない。
山田リョウは解散後すぐにソロユニットを始動。並行して作曲家・アレンジャーとして様々なアーティストに楽曲提供するなど元メインライターらしいキャリアを辿っている。
伊地知虹夏は解散を機に音楽活動を休止。数年後ライブハウスの職員として勤務しているとの報道があり、事実上の引退状態となっている。