GM: 意識が浮上する。最初に感じたのは、肌にまとわりつく湿気と、喉を焼くような熱気だ。目を開けると、そこは巨大なシダ植物が空を覆い、極彩色の花々が毒々しく咲き誇る密林だった。
ケイマン:「……う、うう。長いプロローグの後にこれかよ。おいアリス、生きてるか? 俺たちはハーヴェスのパビリオンにいたはずだが……状況を照合しろ」
アリス(GM):「主任、生存確認。バイタルに異常ありません。周囲の植生から現在地を特定中……照合完了。……『分かりません』ということが分かりました」
ケイマン:「役に立たねぇポンコツめ……。仕方ない、俺がやる」
GM: では知識判定を。目標値は高めだよ。
ケイマン: (ダイスを振る)……よし、成功だ! 俺の博識っぷりを思い知れ。
GM: 流石だ。ここは君がいたハーヴェス王国とは、気候が根本的に異なる。何者かによって連れ去られたどころか、世界そのものが変異したような違和感があるね。……と、考察にふける君の背後の茂みが、ガサガサと不自然に揺れた。
アリス(GM): 「主任、後方に熱源反応! 観光ガイドじゃなさそうです!」
GM: 茂みから飛び出したのは、2匹のコボルトだ! 飢えた目で君たちに襲いかかる。
第二章:魔動機の沈黙
ケイマン: 「チッ、歓迎会にしては野蛮すぎるな! アリス、前衛を頼む。俺は後ろからトラドールでぶち抜く!」
GM: イニシアティブはプレイヤー側だ。アリスが盾を構え、君が銃口を向ける。
ケイマン: 〈ターゲットサイト〉で攻撃技能+10。さらに〈ソリッドバレット〉を装填……ぶち抜け!(ダイスを振る)命中だ!
GM: 弾丸はコボルトの胸を貫通。14点のダメージ。1匹は悲鳴を上げる間もなく絶命した。
ケイマン: 「あと1匹……。アリス、そのまま押さえろ。次の装填で終わら……っ!?」
GM: その時、異変が起きる。君の傍らで輝いていたマギスフィアが、まるで行き止まりにぶつかったかのように明滅し、力なく地面に転がった。銃に込めたマナが霧散し、鉄の塊へと戻る。
アリス(GM): 「ガ、ガガ……出力……低下……。マナの供給……拒絶反応……主任、これ……は……」
ケイマン: 「アリス!? クソ、こんな時に魔動機が故障かよ! 帰ったら備品担当に整備不良だと問い詰めてやる」
GM: 動きを止めたアリスを嘲笑うように、残りのコボルトがケイマンへと肉薄する。手に持った錆びた短剣が、君の喉元に迫る――。
第三章:助っ人の降臨
???: 「ちょっと失礼。あまりに無様な光景を見かねて、つい首を突っ込んでしまいました」
ケイマン: 「……ッ!? 誰だ!」
GM: コボルトとは別の茂みから現れたのは、少女だった。ハーヴェス王国の洗練された服とは違う、どこか未開の部族を思わせる装束。だが、その瞳には知性が宿り、首元には魔道士を思わせる水晶の首飾りが光っている。
???:「自己紹介は戦闘が終わってからにしましょう。では、コボルトさん眠りなさい〈スリープ・クラウド〉!」
GM: 彼女が不思議な発音で呪文を唱えると、突撃していたコボルトはガクンと膝を折り、その場で盛大ないびきをかき始めた。
ケイマン: 「……スリープ・クラウドだと? 高位のウィザードか?」
???: 「お目が高い。私(わたくし)はミトナ。悟りの部族に属し、清く正しく、そして何より『clever』であることを信条とするソーサラーです。将来は……そうですね、賢者の頂点に君臨する予定です。以後、お見知りおきを」
ケイマン: 「助かった……と言いたいが、お前、俺が持ってるこれを見て怯えないのか?」
ミトナ: 「怯える? まさか! むしろその『ガラクタのような見た目から放たれる圧倒的殺傷力』に、私の中の知的好奇心が爆発四散しました。何ですかその鉄の筒は? もしかしてそれがベルディア帝国の魔術師が語る古代魔法王国の遺物? それとも、爆音を奏でる新種の楽器かしら?」
ケイマン: 「楽器で人が殺せるかよ……。だが、こいつは今やただの鉄屑だ。マギスフィアが死んじまった。……なぁ、この近くに工房はないか? 腕の良い魔動技師がいるような街だ」
ミトナ:「工房? ドワーフの職人がいるような町は、この辺りにはありません。……あぁ、でも、もしかしたら我が主であるメルキシュ様が興味を示すかもしれません」
ケイマン:「メルキシュ様……?」
ミトナ:「私たち悟りの部族がお仕えする神獣です。最近のメルキシュ様は、暗黒の民の戦争が終わって暇をもて余…もとい知的好奇心を満たす未知なるものを求めています。とにかく、その面白いオモチャがどう動くのか、私に詳しく教えなさい。断る権利はありませんわ。なんせ、命の恩人ですからね!」
ケイマン:「大人しそうな見た目のわりにグイグイくるな。魔動機を見たことないのか?こいつは銃っていって弾丸に込めたマナを撃つ武器さ。マナを弾丸に込めるにはそこに転がってるマナスフィアが必要なんだけど壊れちまって困ってる」
ミトナ:「魔動機……?マナスフィアでマナを弾丸に込める……?すごい、何も分からなくて逆に清々しい気分になりました!」
ケイマン:「そ……そうか。なんか喜んでもらえて嬉しいよ。何も解決してないが」
ミトナ:「私には1ミリも理解できませんでしたが、メルキシュ様は、知恵を司る神獣。きっとそのガラクタの正体も知っているはずです」
ケイマン:「あとさっきから神獣って言ってるけど、お前達は動物の神様を祀ってるのか?」
ミトナ:「メルキシュ様は、山猫の姿の神様です。とても賢くて何でも知ってるんです。人間の知らない魔法とか、クリスタニアの外の世界とか、今日の残り物で作れる夕飯の献立とか」
ケイマン:chatG○Tかな?神獣とか言ってるけど、動物のコスプレをした物知り爺さんでもいるんだろうか?まあ他にアテもないし、そのメルキシュ様とやらに会ってみるか。
ミトナ:ありがとうございます。ちょうどここから半日くらい歩いたところに我々部族の大きい町があってメルキシュ様もそこにおられます。道中でお互いの良いところを言い合って親睦でも深めておきましょう。
ケイマン:何一つ言える気がしない……