Re:あなたのそばで 作:KY
どうも。何とか、命をつないだ綾波シリーズのバク個体です。ヴィレに拉致られて数日たちましたが、私の扱いは爆弾みたいな扱いですね。今のところ私に自由はありません。ヴィレ内にてシンジ君が移動する時の拘束具が常につけてられているのが私です。因みに、背中には爆薬があり目隠しもされています。自由なのは耳と口だけです。
これでも、大分温情な方なんですけどね。多分射殺案とかあったんじゃないですか?ヴィレは怖いところですね。
さて、ここでヴィレについて振り返っておきましょう。
かつてのネルフ職員がゼーレによって解散されられた後、おそらく人類補完計画を知りそれを潰そうと加持さん達が立ち上がってできた組織です。目的は、ネルフの殲滅ではなく、あらゆる種の保存だったわけですが、彼無き今は前者の目的で動いている組織と言っていいでしょう。
さて、厄介な無号機君ですが、話を聞く限りヴンダーの外付けの火力装置に使われてますね。
AAAヴンダー。希望と称させる神殺しの艦 左右に広げた巨大な鳥或いはヒトの腕のような翼、艦中央下部より後方に長く伸びた尻尾状の構造物等、およそ通常の艦船からはかけ離れた異様な姿をしています。
それもその筈、これは神が人間に与えたもの、アダムスを利用した船であるからです。それをネルフから強奪し主機を初号機に変えて運用しているわけです。ただし、無理矢理接続してる分、火力は落ちています。それをこのわけわからんエヴァで補おうってわけですね。
っすー…。ミサトさんってこんな事しでかす人でしたっけ?種を保存する船をこんなに改造しているなんて加持君泣いていますよ。外付けの火力装置にしては過剰火力です。一応私に確認を取ってくるのはいいですが、聞いたときは三回くらい聞き直しました。多分、技術はがめっちゃ頑張ったんだと思います。頑張らなくていいいです。
「はぁ、にしても暇ですね。ずっと拘束されたままというのも苦ですね」
一人でしりとりをしながら暇をつぶしていたら、体が揺れていく感覚と警報が鳴り響いている音で今どのような状況化を把握しました。
「これ、襲われてますね」
恐らくは、ヴンダーが飛ぶ段階に入ったのでしょう。外付けの爆薬つけて飛ぶとか正気ですか?
「…ん!?」
轟音と共に体どころか拘束具ごと浮いた感覚で思わず声が出ます。というかこの感じ落下してません?
「ないですわー。耐久どうなってるんですか」
希望の船の耐久値を見直したほうが良いと思います。というかさすがに死にますので拘束具を破壊しましょう。
はい。拘束具を破壊して目隠しを取ります。空中ですね。上を見るとどうやらMark9が襲撃してきたみたいです。その余波で私が落ちたみたいですね。というかもっと安全な場所に格納して欲しいです。
さて、ここからどうしましょうか。
『…誰?』
んー綾波シリーズに気付かれましたか。どうしましょうか。いっそのことです暇をしていたのでこの子についていきましょうか。
『…ダメ。それは命令じゃない』
ゲンドウ君はさぁ。そんなに従順な綾波がいいのかですか。おそらく碇君を釣る為の餌ですね。ならば命令をよく聞く人形の方が効率的です。まぁ人形じゃなくなる可能性があるのが初期型なんですが。
『そちらの命令が何かは知らないけど、追手の処理が完了次第そちらに向かいます。』
『…了解…3番ドックに来て』
交渉は成立しました。まぁ、私も強奪できるなんて棚から牡丹餅ですからねぇ。流石にあのエヴァは来ないでしょう。
『うおおおおぉぉぉぉ‼︎』
はい、上から赤い流星ネコこと改二号機が薙刀を構えながら落ちてきましたね。。ここはサッと避けて様子見です。空のヴンダーには8号機ですか。これは厳しそうですね。
『今日は厄日ですかね』
『…すぐに降参する気はある?そっちの方が楽なんだけど』
「…わたし自身使徒が混じってるのは知ってる。だけど、そっちにいたらまずい」
DSSチョーカーなんてわたしにつけて、なんらかの拍子にパターンブルー出たら即首がポーンなのですが…なんで空飛んでんのにパターンブルー出てないんですか。絶対にやばい気がするので一体確認する時間をください。
『アンタもアイツと同じガキか‼︎?もう一度世界をめちゃくちゃにしたいわけ⁉︎』
『もうめちゃくちゃだし。この際いいんじゃない?というかわたしは世界をどうこうする気はないです』
『アンタがなくてもこっちは世界が終わる爆弾を放置しておけないってぇの!さっさと戻ってこい!』
『情熱的なのはありがたいんですけど、そうもいってられないんですよね』
DSSチョーカーを見せて爆発の兆しがないことを見せる。息を吞む声が聞こえる事からやばい事態に気付いたようだ
『ッ!このっならなんでよりよってネルフに行くのよ!』
2号機が突っ込みその手でわたしを掴もうととしますが、甘いです。はい、ゼルエルのATフィールドぶっ飛ばし。普通にできましたね。どうなってるんですか?
「あーあ。なんか余計な影が見えました。アスカ。そこから離れた方がいいですよ」
『うおおおぉおお!?』
はい。上空から無号機が降ってきました。君ヴンダーに組み込まれてなかった?なんか普通に8号機ぼこしてきてるですけど。こわー。
さて、さっさとおさらばさせていただきましょう。
着きましたか。思ったより遠い所でしたねこの3番ドック。ではここらで降りときましょう。なんか弄られたら嫌なのでATフィールドを張っておいて、ネルフ本部を探索します。
…ピアノの音が聞こえます。この曲は碇君とカヲル君の連弾ですか。ということは黒波には会っていますからあまり彼に会わない方がいいですね。では黒波を探しましょう。おそらくダミープラントのところにいるのでそこを目指して歩きましょう。
…かなりの量の武器ですね。予備パーツこんなにあって使いますか?。ですが全て量産がしやすいものです。
武器もいっぱいありますねぇ。バレットライフルにプログレッシブナイフ…その他もろもろ。ふと思ったんですけどバレットライフルなんて劇中で活躍しましたか?ATフィールドを中和してもあんまダメージがなくて後半は相手のATフィールドが強すぎて使えないと言う始末。
ですが、数の暴力とは怖いものです。武器を使う様子は少なめでしたけどね。腕だけのエヴァンゲリオン強いなと思ったのは私だけですかね。
そういえば旧劇の量産機は旧世界で残ってたものでアレが新劇ではアダムなんじゃないかという考察もありましたね。うなぎは複数いたからアダムスとは複数になりセカンドインパクトの時には四体のアダムスらしき者がいた。四体でセカンドインパクトが起きたからバチカン条約では一国のエヴァ保有数は3機までだったのかも知れません。ですが疑問も生じます。新劇の使徒はアダムスのどれから生まれたのか分からないのです。うなぎから使徒生まれるってなんか嫌ですね。他にも色々ありますが、ダミープラント前に着いたのでまた今度にしましょう。
「約束通りきましたよ」
「…!私…?」
「生み出された理由も知らずですか。まぁ問題ないでしょう」
「…あなた…あのエヴァに乗っていたパイロット?」
「そ。ここの司令官に会いたいんだけどいいですか?」
「…こっち」
黒波に案内されるまま何処に連れて行かれる私。遠目から見れば仲の良いコスプレ姉妹だが近くで見ると似過ぎて逆に怖い。だだっ広い空間に二人の足音だけが響く。連れて行かれたのは第13号機の建造所だった。そこはダミープラントとよく似た紫や赤黒い配色が並び巨大な球にいくつものパイプやコードが刺さっている。
(うーわ…。大分気持ち悪い建造所だなと思っていましたが想像以上ですね。LCLの匂いが濃いです。うわっ…今この球体動きましたよ。本当わけわかんねぇ奴で作ってますね。ここのエヴァは)
「…さっさと登場したらどうですか?」
「……」
はい。ネグレクト親父の登場です。はい相変わらずの顔ですね。全く顔色とか見えませんので面向かって探り合いとかしたくない相手です。
「…何者だ?」
君がそれ聞きますか?見た目通り君の奥さんの情報を使って造られた綾波レイの初期型ですけど。大分変な情報が入ってしまっていますが。
「…綾波レイですよ。人造の神の贄…ADVANCEに劣らない存在ですよ」
「…それはすでに分かっている」
ふむ…さてどうしましょうか。ここはゲンドウの計画に少し加担しましょうかね。ヴィレにも加担しますけど。新しい使徒作って、フォースインパクト起こして、カヲル君を堕として、フォースを止めるまでがQでのゲンドウ君のシナリオですね。さて、シンジ君のフォローでもしましょうか。
「私と…あのエヴァは計画に入ってるのですか?」
「…時が来ればまた話す」
「それまでは支部の方にいた方がいいですか?」
「…いや、第3の少年の相手でもしてやれ」
適当に返事をして黒波に手を引かれて退室する。…彼のフォロー大変そうですねぇ…。
「良かったのか碇。あの子とあのエヴァは計画に必要ないだろう?」
「使えるものは全て使う。計画の助けになると判断したまでだ」
「これは老人の勘だが、あの子の場合絶対に何かを起こすぞ。ユイ君と同じようにな」
「……」
ゲンドウと長い付き合いの冬月は、碇がバイザーの下でかなり焦っていたことを見逃さなかった。ゲンドウも大学時代の彼女に似ていることで大分心が掻き乱されたようだ。手の震えが止まってない。
「冬月…少し頼む」
そう言って、何処かに行くゲンドウ。
「やれやれ、昔とまったく変わっとらんな」
…いつまで手を繋いでいればいいのでしょう?ダミープラント前の黒波の部屋に連れてこられたのですが彼女がわたしの手をずっと握ってるんですよ。不思議そうに繋いだら手を見たり握ってきたり…わりと色々な事に興味津々ですよね彼女。
「…そんなに気になりますか?」
「いいえ、ただ私と同じなのに違う感じがするから不思議なだけ」
なんで分かるんですか?えっ混ざってるの分かるの?
「そうだろうね。わたしは使徒が入ってるから。多少君とは違うでしょう」
「…そう」
「違うからこそ良いのではないですか?綾波レイは複数いるが君は私の目の前にしかいない」
「…貴方の言ってること…分からないわ」
「ただ君は君だということを覚えておいた方がいいですよ」
そう言って手を離すと彼女も手を離した。不思議そうに手を見つめている。。
「私と手を繋いで連れて来いって命令されましたか?もし違うなら、それが君の選択です」
そう言って彼女は部屋から出て行った。一人残された黒波はやっぱり不思議そうに手を見つめている。
「私は綾波レイ。彼女も綾波レイ。でも彼女は私じゃない。なら…私は何?…綾波レイ…これが本当の私なの?」
表札の名をなぞりながら、ポツリとそう零した。
黒波に伝えるべきことは伝えたので、シンジ君に会いに行きましょう。
碇シンジ…この物語の主人公であり、被害者筆頭。
Qでのシンジ君は本来のメンタルよりずっと不安定ですね。いつの間にか周りが14年過ぎているので当たり前ですが。
下手に真実を告げたりするとカヲル君との繋がりが結べなくなり原作崩壊してしまうので気をつけていきましょう。
シンジ君に自分の事を告げるのは冬月先生との会話後かカヲル君と繋がりを持った後がいいですね。よくシンジ君はクソ雑魚メンタルとかめんどくさい男だなと思われがちですが、こうなるのも仕方ありません。
まずは幼少期。記憶はありませんが目の前で母親を失います。そして父親からも捨てられます。親戚の家でも歓迎されていない描写が目立ちます。そしてそのまま思春期真っ盛りの中学生。
いきなり父親に来い言われ、兵器に乗り、怪物と戦い、痛い思いをしたもののエヴァに乗る事にしました。父親は自分以外の家族を持っていて、居候先でも裏では監視されて、一度は逃げ出しますが、誰かの為にもう一度エヴァに乗りました。
しばらくは普通の中学生らしい日常を過ごせましたが、父親のやり方に反対し逃げ出します。やっぱり気になる子を助ける為にもう一度エヴァに乗り、上司も応援してくれ、助け出したと思ったのに目が覚めたらあの扱いです。彼を守るためと言っても、もう少し彼に説明してもよかったと思いますけどね。
ニア・サードインパクトは碇君に原因がある事を基として、アスカやミサトさん達はあえてその事を言わなかったのではないかという考察が出ています。何故言わなかったかと言うと、『綾波を助けようとしたのに、初号機に取り込まれてここにはいないし、世界をあんな風に変えてしまったのよ』と面と向かって言われたら、おそらく碇君即メンタルブレイクです。。まぁどの道メンタルブレイクは避けられないんですけどね。
とは言っても彼に会ってみたい気がします。これもプログラムされた思考なのでしょう。それでもいいと思えればきっと良いことなのでしょう。
「どうですか?ここには慣れたでしょうか?」
「えっ綾波⁉︎どうしたの?持ってきた本面白くなかった?」
「本?私は本なんてもらってませんし、君の知ってる綾波ではないですよ?」
「…何言っているんだよ。綾波は綾波だ」
はい。この天然ジゴロ。ちょっとキュンときました。
「まぁ、確かに私は綾波だけど、ちょっと事情が違うます。…綾波レイと会いましたか?」
「?さっきもというか、たった今もこうして会ってるじゃないか」
「違う。貴方と一緒に過ごした綾波とです」
「…何を言ってるんだよ綾波。あの時ちゃんと…」
「悪いけど、貴方と一緒に過ごした記憶はないです。だって私はまだ生まれてないもの」
「…ぇ?」
「私が貴方に伝えたいのは、君と過ごした綾波レイと目の前にいる綾波レイは違うということです。少なくとも君が思う綾波レイは貴方をほっといたりしないです。」
「綾波!君が何を言ってるのか全然分かんないよ‼︎」
「まだ分からなくていいです。ただ、真実を受け止める覚悟はしておいた方がいい」
そう言って彼女は部屋を出ていく。
「待ってよ!綾波!綾波‼︎…綾波…どうしちゃったんだよ…!」
シンジは訳も分からず頭を抱えるばかりだ。
「一緒に過ごした綾波じゃない?ははっそんなな馬鹿な。あの時ちゃんと助けたんだ。きっと忘れているだけなんだ…。」
だってさっきまで綾波と話してたんだあの綾波と。…待て…なんだ…この矛盾。綾波と別れてから十分もたってない。さっき綾波に本を手渡してきたばかりだ。シンジは部屋を飛び出して綾波の部屋へ向かう。
「綾波!綾波!聞きたいことがあるんだ!」
「…何。碇君」
「さっき僕の部屋に来た⁉︎」
「…いいえ。命令じゃないもの。行ってないわ」
「…はっ…はは…そう、そうだよね。ごめん綾波。急に来て」
「……顔色が悪いわ。どうかしたの碇君?」
「…ッ!なんでもない!大丈夫だから‼︎」
そう言ってシンジは逃げるようにダミープラント前から出て行った。
「ふむ…鈍感な彼でも気が付いたね。まぁ信じたりはしないだろうけど」
彼女は呟く。彼の苦しみをどうにかしたい。プログラムされた思考がそう訴える。だが、それは彼のためにはならない。物語の結末を知っているからこそ、手が出せないのだ。
「人工の天使…それに最も近い存在がこの世界になんのようだい?」
涼しげな声が聞こえる。
「リリンに最も近い君が言いますか。タブリス」
「…嫌だなぁ。今の僕はカヲルだよ」
アッシュグレイの髪と赤い瞳を持つ、極端に色白な美少年は私に笑いかける。
渚カヲル…この世界でたった一人私と同じ存在。
「そうですか。カヲル…君はあのエヴァをどう思いますか?」
「まさにリリンの業のなせる存在だね。君も含めて」
「同意します。この世界のリリンの罪は重い」
「けど、罪を償わない意思が無ければ贖罪を与えても意味が無い。もう既に贖罪をなされていると思うよ」
「にしては、その意思が偏っている気がしますがね。君もそうでしょう」
「…驚いた。君も僕と同じなのかな」
「いえ、この世界のバグのようなものですよ私は」
私は彼と違ってシンジ君を幸せにするつもりはない。彼が前に歩けるようにする事が重要だとプログラムされた思考が言う。それが物語の完結につながるからなのかは私は分からない。
分からないなりに私は行動するのです。
「…私は人工の天使ですから。告知くらいはしましょう」
「勤勉だなぁ君は。それも描かれたものだというのに」
「いいんですよ。私という存在は何処まで行っても綾波レイですからね」
碇シンジは簡素なベットの上で一人縮こまっていた。ぶつぶつと何か言っているのがまるでお経のようだ。
「さっきの綾波は綾波じゃない…じゃああの綾波は誰?…そもそも、綾波は一人じゃない?」
そこまで考えてシンジは頭をを振ってその考えを払う。そんなはずないと何度もそう言い聞かせた。だが、もしかしたらの想像が止まらない。
(…また彼女に会えたらもう一度聞こう)
そう考え、最悪の想像から夢の世界へシンジは逃げ出した。