Re:あなたのそばで 作:KY
はい。ヴィレに潜入したのはいいいですが、ガチガチに警戒されているので、色々な装備を身に付けることになりました。まぁ、私はDSSチョーカーが効かないので物理的にどうにかしようとしたわけですね。プラグスーツはごつごつしたアーマード化していますし、バイザーも付けられました。プラグスーツの各部位に爆薬と何らかの薬品。バイザーは大きめの爆弾になってますね。DSSチョーカーが使えないので、物理的に排除しようとするためだけにこのプラグスーツを作ったみたいですね。
「死装束というより着る棺桶ですね」
関節を曲げたりするたびに駆動音が響きます。ほぼこれパワードスーツですね。因みに私がヴンダー艦内を移動する時は棺桶みたいな拘束具に乗せられて移動します。全くもって人扱いされてないですね。正解です。
「とは、言ったものの隔離室の中でさえ拘束とは…警戒されてますねぇ」
ヴィレの隔離室で一人呟く私。しばらくすると、隔離室の扉のロックが外れる音が聞こえた。バイザーに表示された映像にはプラグスーツにエプロンを着た女性が映っていた。
「…医療班ですか。何か御用ですか」
「…副艦長から通達です。エヴァンゲリオン無号機に関する情報をすり合わせをするために移動します。私はその担当の鈴原サクラです。…よろしくお願いします」
「またですか。何度も言ってますがあれをヴンダーに組み込むのは反対ですよ。少なくとも私抜きでは無理です」
「私も貴方をエヴァに乗せるのは反対ですよ!それを含めてのすり合わせです」
サクラが私の身体のロックを外していく。身体を少し動かしてコリをほぐす。コリなんてあったんですねこの身体。
「…碇シンジのことが気になる?」
「当たり前です!ここにいる人で気にならない人はいませんよ!」
「そうですよねぇ。まぁ、彼はエヴァに乗ると思いますよ」
サクラの手が止まり、私に視線を合わせる。
「彼はまた、みんなや自分を不幸にしてしまう選択をするんですか?」
その目は冷たく、仄暗い。厄介な感情を抱えてますねぇ。彼女について少し、説明しましょうか。彼女は鈴原サクラ。鈴原トウジの妹です。かつて、第三新東京市に住み、エヴァに傷つけられ、救われ、奪われた人生を歩んだ存在です。エヴァが…シンジ君がいなければ、彼女は命を落としています。逆に、彼がいなければ、両親が死ぬこともなかった。
命の恩人でもあり、敵でもある。なんともいえない感情を抱えているのはそのためです。恨みだけあれば良かったのですが、シンジ君の功績を知っています。彼がエヴァに乗らなければ、全員死んでしまった事も。命を救われ両親を奪われた。更に彼はそのことを知らずにいる。
そんな彼をどう恨めばいいのでしょうか。私にはわかりません。彼女なりに答えを出すのが一番いいと思いますが、変な爆発しないといいいですね。
「目の前に希望があれば縋りたくなるのが人間です。彼はみんなのことを救いたい気持ちはあるんですよ」
「それでウチらに迷惑かけるは勘弁してほしいわ…!」
「でも、貴方もどこかで分かっているのでしょう?彼がエヴァに乗る事を」
「…碇シンジはエヴァに乗りません。…私がさせません」
「そうですか。では、貴女に天使のお告げを」
そう言って私はバイザー越しにサクラの目を見る。
「貴女は優しい。その優しさはきっと彼に受け取ってもらえるでしょう」
他人の優しさを受けても、受け取れなかったらそれはとても悲しいことですからね。
さて、サクラさんに運ばれたのは面会室のような一枚の厚いガラスに隔てられた部屋です。シンジ君が前にいたところですね。リツコさん及び技術班のメンバーが集まっています。
「…何度も言いますが、私は反対ですよ。無号機をヴンダーに組み込むのは。前回も普通に出ていったじゃないですか」
「それに関しては、私達も同じ意見よ。ただ、無号機と貴女を放置はできないもの。受け入れなさい」
「まぁ…それはそうですけど…ろくなことになりませんよ」
「百も承知よ」
技術班のメンバーは肝が据わってますね。神殺しの艦に神殺しの悪魔の力を付けた足すなんて。
「はぁ…そうですか。では、無号機について色々と説明しなければいけませんね」
「ここに連れてきたのはそれが目的よ。噓偽りなく答えなさい」
「了解です。まずはエヴァ無号機は普通のエヴァではありません」
「それはそうでしょうね」
「使徒のキメラというか、ツギハギの使徒と大差ありません。なので従来のエヴァのように活動限界がありません」
技術班に動揺が走る。リツコさんは冷静だ。まだまだこんなもんじゃないんですけどね。
「どんどん行きます。活動限界がないと言いましたが、これはエネルギー効率がいいのではなく、単純に無限のエネルギー機関が内蔵されているのです。使徒が無限に動けるのと同じ理由です」
「第二から第十の使徒の肉片から製造されているため、一部の使徒特有の能力も使えます。ただ、使ったことがないので使うとしたらぶっつけ本番です」
「エントリーシステムは従来のエヴァと同じですが、私以外はシンクロできないと思います。最悪、乗った瞬間に使徒に食われますよ」
「シンクロ無しに動いていた原因は分かっているの?」
「無限のエネルギーを持つ機体です。拘束しなければ勝手に動きますよ。私が目覚めた影響もあると思いますが」
「私とシンクロした方がコントロールが効きます。ただ、気になることが一つだけ」
「それは?」
私という異常な存在が気になるという事から周りの緊張感が高まる。それで良いです。これはかなり危ないと思っているので。
「無限にエネルギーを生み出す機関…S2機関というのですが、複数搭載されてます。数は不明ですが恐らくは、第二から第十の使徒の分があるのだと思います」
『…』
「…これを一体に何に使おうとしていたのか分かりますか?それが気になることです」
ネルフ本部では、シンジがこの世界の真実に触れ、綾波が一緒に過ごし、使徒から助けた綾波ではないと知ったところだった。また、全ては自分が招いた結果だと知り、父親との繋がりを捨てる。そこに渚カヲルが現れて、希望の槍としてロンギヌスとカシウスの説明をした。彼と繋がりを持ち、再びあのみんながいる世界に戻そうと決意した。そんな中シンジは冬月副司令との会話を思い出していた。
冬月に連れられて来た部屋は電力が不安定であった。しばらくした後に奥の方には碇ユイが初号機コアに取り込まれる様子が写っていた。そして綾波レイの正体は碇ユイの情報をもとにつくられたクローンであることを知った。
『碇はな…昔から君の母親に振り回されていてな…。彼女が行おうとしたコアへのダイレクトエントリーだって碇は反対し続けた。だが彼女は頑固でね。結局、実験は失敗し彼女の情報だけが残った。彼女を慕ってたものは、嘆いたよ。とくに碇は酷かった』
長い沈黙が走る…
『君の知る綾波レイは初号機に保存されている。これも碇の計画のうちだ。…そして、これは特に関係のない話だが…君たちと関わったもう1人の綾波レイは碇の天敵だ。父親に反撃したいなら協力するといい』
そして、運命の日。シンジとカヲルはプラグスーツを着込み、エヴァンゲリオン第13号機に乗った。もちろん黒波もバックアップとしてMark09に乗っている。Mark09は頭が無いが正常に稼働しており、大鎌を装備して第13号機とセントラルドグマを降下していく。
「これが…リリスの結界…?これは…まるで大きな蓋だ」
「そう。この14年間誰の侵入も許していない。それを突破する為のダブルエントリーシステムさ」
セントラルドグマ最下層への入口を塞いでいるのは黒い壁のようなもの。リリスが生前作り出したものだと聞かされていた。
「大丈夫。僕たちならできるさ」
「うん…」
2人のシンクロ率が高まり、同調していく。
「テンポを合わせよう。あの音楽会を思い出して」
『…ッ!』
第13号機の足が触れる直前にリリスの結界は渦を巻くように崩れていった。
『…第13号機がリリスの結界を突破しました。穴は開いたままです。どうぞ』
『了解。作戦開始!』
『…支援頼むわ』
『了解です』
始まりましたね。いまセントラルドグマの横穴に潜んでいて偵察係やってます。ここで私の装備を見てみましょう。
頭・バイザー
耳・通信機器
首・ 爆弾付き首輪
服・プラグスーツ(棺桶)
右手・ピストル
左手・バッグ
はい。まぁ少しは戦えますけど、体格差ってのはでかいんですよ?…たぶん勝手に無号機使った事怒ってますね。まぁ…せっかくヴンダーに接続させたのに何やってんだって話ですよね。確認してみましょう。
『今、第13号機がリフトから降りました。そして、こないだのこと根に持ってますね?どうぞ』
『了解。そのまま作戦通りに。………………約束は守ってもらうわ』
それはもちろん。下で動きがあったみたいですね。行ってみましょう。
「ついたよ。セントラルドグマ最下層。サードインパクトの爆心地だ」
「…アレは…エヴァ?」
「エヴァMark06。自律型に改造されたその末路さ」
シンジ達はリフトから降り、髑髏の山に足を下ろす。その後ろにはMark09が佇んでいる。
「あそこに刺さっているのが目標物?」
「そう。ロンギヌスとカシウス。2本の槍を抜くには魂が2つ必要だからね。そのためのダブルエントリーシステムさ」
「…なら、あっちの綾波でもいいんじゃないの?」
「いや、彼女の場合魂の場所が違う。変化しようとしているけどね。さぁ、始めるよ」
歩みを進めるシンジに何かに気付いたカヲルは待ったをかける。
「ちょっと待って。……槍の形状が同じ…?」
「…カヲル君?どうし…ッ!」
『どぅうりゃあああアアァアァア!!』
『アスカ…!』
上から降って来た2号機の攻撃を第13号機のビットが受け止める。
『…バカシンジ…やっぱり乗っているのね』
『…そうだよ。槍を抜いて、世界を救うんだ…』
『…はぁ…ガキね…本当にそんなことができると思ってるの?』
2号機が突貫するのをMark09が阻もうとするが、銃弾によって足止めされてしまう。
『今回は遅れなかったわね』
『いや〜私ってばやれば出来る子だから』
『あっそ。そっち頼むわ』
『あいよー』
「アダムスの器さん…。足止めはさせてもらうにゃん」
マリは次々に弾丸を放ち、しかも全て急所をとらえている。
だが、黒波は大鎌で放たれた弾丸を全て切り裂いた。
『はぁ!?ちょっ…マジ!?』
「…何処…」
(ヤバない?この銃の弾速既存のものよりずっとはやいはずなんだけど…あれ、あの機体に乗ってるのがゼーレの暫定パイロットだよね?あの子の話だと黒波って呼ばれてたアヤナミ・シリーズの…)
『見つけた』
『へ?うおぉおぉお!?』
壁の隙間に潜んでいた8号機に向けて大鎌で壁そのものを抉る攻撃を仕掛ける黒波。
『よっしゃー!こうなりゃヤケクソだい!』
互いに真正面で向かい合い熱い戦いが始まった。
『ガキシンジ!またサードインパクトを起こすつもり!?』
『違う!僕はただ、あの時みたいに…!』
『…いい加減夢から覚めなさいよ!』
『…分かっているさ…そんなこと。でも…諦め切れないんだよ!』
『…このっ!ガキが!』
アスカの攻撃が激しくなる。それを防いでいるのはシンジだけだ。
「カヲル君!どうしたのさ!」
「ロンギヌスとカシウス…2つの槍が必要なんだ。なのに、ここにあるのは同じ槍が2本…」
『君が信じるものが正しいとは限らない。割とリリンは狡猾ですよ。天使にお告げするのは変な気分ですね』
「…そうか、そういうことか!リリンの王!」
「カヲルく…グッ…!」
突然2人のエントリープラグ内に衝撃が走り、シンジは頭に走る激しい痛みにより、頭を抱え出す。
「!接続が切れた…?はっ!シンジ君!大丈夫かい!?」
頭を抱えてたシンジは顔を上げ、操縦桿を握りしめる。
「…槍を抜いて…みんなを救うんだ…!」
第13号機は槍へ向かい出した。すでにその目は赤く染まっている。
シンジ達を止めようとしたがエネルギーが切れてしまう。
「チッ!こんな時に!」
マリと黒波の戦闘は激しく、足元の髑髏を破壊しながら立ち回っている。
『どうしたのさ、急に動きを止めちゃって』
『…操縦が効かなくなった…?』
『…やっぱりか…姫!スペア行くよー!』
そして、第13号機は槍の目の前まで来ていた。
『コネメガネ!AA弾の使用を許可!』
『あいよー!』
マリがATフィールドを貫通する弾を放つが、第13号機に吸収され隠された腕が現れる。
『…!ATフィールドが無い…やっぱこの機体は…』
『…槍を抜かなきゃ…槍を抜かなきゃ…槍を抜かなきゃ…』
『シンジ君!シンジ君!!』
カヲルは何とかして機体を止めようとするが、止まらない。槍に手をかける。
『やめるんだシンジ君…!これは僕らの槍じゃない…!』
4本の腕に力を入れる
『やめろ!バカガキ!!』
カヲルとアスカの叫びが響き機体は動きを止めた。
しかし、その瞬間第13号機を囲むように赤い影が降って来て、4本の腕に纏わり付き無理矢理槍を抜き放った。
さて、彼は希望にすがるまま槍を抜き放ったようですね。…動きますか。
『作戦失敗。第13号機が外に出るからどうにかよろしく。あとアダムスの器にも気を付けて』
『無茶いうな!』
『…わかってましたけどぉ…やっぱり疫病神を信じるべきじゃない…』
『日向さんと北上さんうるさいです。リカバリーも大切ですよ?あと艦長。戦闘許可を』
『…何の為に』
『私と同じ存在がいる。多分、12番目の使徒はまだ生きてる。あと無号機を回収したいです』
『そうした方がいいのではないでしょうか。手札が多い方が有利。また、不穏分子を手中に収めておいた方が良いかと』
おや、意外なリツコさんからの後押し。不穏分子て。その通りですけどね。
その通信を最後にぱち波は耳につけた通信機器を外して破壊する。
「ふん。よし。取れました」
バキャ!という音がしましたが、壊したのではなく取り外した音です。
後は…
「うっ…おえェ…かなりでかいやつ仕込んでましたね」
はい身体に埋め込まれていた自爆装置を不取り外しました。これをつけたのはリツコさんでしょう。だから後押しをしてくれたんですね。
「さて、一応フォースを止めてみますか」
『…これが命令』
綾波レイ(仮称)はそう呟き、鎌を振るう。
Mark9によりMark6の首が切断される。その断面から第12の使徒が現れる。その姿は幾億もの六角柱の繊維をまとめたおおよそ生物には見えない使徒だった。突然、壁の横穴から飛び出した異物は第12使徒に立ちふさがる。ATフィールドを全開にして進路を阻むも彼女のATフィールドはみるみる浸食されていく。
「分かっていましたが、浸食タイプですか」
ATフィールドを用いた吹き飛ばしも使えそうにないですね。ピストルを打ち込んでも豆鉄砲もいいところです。全く効きません。やはり、無号機を持ってくる必要がありそうですね。全身をコア化して、第13号機を包み込みましたか。今の装備では、手の打ちようがありません。
「阻んでやろうと思いましたがそんなことはさせてくれないと言う訳ですね」
いつの間にか私の周りにはMark4の群れが隊列をなして迫ってきました。鬱陶しいことこの上ないですね。
「使徒の模造品と言ってもATフィールドは弱い。邪魔しないでください」
第三ドックまで飛んで行きましたが何ですかコレ。Mark4どもが無号機に纏わりついてるんですが。
「神にすがりたいのは分かりますが、それ悪魔の名前が与えられた存在なんですよねぇ」
『エントリースタート』
勝手にエントリー開始しないで下さい。まだ、乗ってないんですけど。遠隔でエントリーできるんですかこの機体。
『とんでもないシンクロシステムしてますね。まぁ、問題ないです』
『艦長に通達。無号機を強奪完了』
『了解。フォースを止める事に全力を尽くせ』
了解。システムオールブルー。
「エヴァンゲリオン無号機、起動」
天使達を連れた黒き悪魔が目覚めた。
『ありゃ…これはしっちゃかめっちゃかな状況ね』
『…私はヴンダーに行くわ。コネメガネはあのバカをお願い』
『ラジャ!』
すでにヴンダーはMark09によってほぼ掌握されており、墜落している最中であった。
『うぉおりゃあ!』
改2号機がヴンダーの主翼に乗りMark09と会敵する。速攻でかたをつけようとコアを狙い撃ちしたがゼーレの仮面に防がれてしまった。
『ずっる!ゼーレがやりそうなことね』
『コード・
獣化形態となってMark09に襲いかかるアスカ。
『…ナイスタイミング。エントリープラグ上部にコアらしきものがあるから、それとって。脱出できない』
『…開口一番がそれか!図々しいにも程があるでしょ!?』
『…そう?』
『…あぁもう!機体を少しだけ止めなさい!それぐらいできるでしょ!?』
『…了解』
アスカは黒波に教えられたとおりにエントリープラグの挿入口を噛みちぎった。
『…I’ll be back…』
そう言い残して黒波は脱出した。そこからコアを直接打ち抜いた。
『逆だし…。…次会ったら殴ろう』
しかし、直ぐにMark09は再生してしまう。
『コイツ全身コアか…!…これしかないか…ゴメン2号機!』
2号機の自爆装置を起動させ脱出するアスカ。それに巻き込まれてたMark09は消滅する。
はずだった。
『目標殲滅していません!』
『肉眼確認によるとMark4が改2号機を引き離したらしいです』
『マズいわ!このままだとヴンダーが!』
『システム内侵食されていきます!ダメです!防げません!』
世界の干渉である。基盤であるヴンダーさえ落ちてしまえばリリン達は戦う術を失うことを世界は知っていた。だが、黒き悪魔を世界は知らない。
『報告!新たな侵食被害が発生!勢力を拡大…いやMark09の侵食も飲み込んでいきます!』
「まさか…」
第三ドックから出て武器を回収してからヴンダーのところまで来ました。Mark09がまだ健在ですね。まずはヴンダーの侵食から解決しましょう。元々この船はアダムスのものですから、浸食くらいわけないです。
さて、Mark09とのバトルなんですけど、どう殲滅しましょうか…。全身がコアである以上、攻撃手段が限られますし。今もバレットライフルを撃ちまくってますが、再生されてジリ貧です。弾丸の一発一発にドリル状のATフィールドを張ってるんですけど。プログレッシブナイフで切り刻んでも再生するし…よしこんな時は火力ですね。
Mark09の光線を掻い潜り、無号機は距離を取った。背中の装甲がスライドするとそこから左右2対の黒い包帯のようなものが出てきた。それはムチのようにしなっている。また、左腕は青い水晶のようになっていた。
「この機体の主砲を見せましょう」
2対の帯はMark09の四肢を貫き固定する。青い左腕は変形し、生成した擬似的なコアにエネルギーを貯めていく。それを止めるようにインフィニティ達が現れるがヴンダーにつけられた青い染みから黒い棘が飛び出し動きを止める。
エネルギー充填完了 102%
「軽々しく100%超えないで欲しいですね。今は感謝しますが」
光が迸りMark09は完全に消滅した。
「さて、次は…」
高速でエヴァ第13号機に突撃した無号機は腕に纏わりついているエヴァンゲリオンたちを破壊し、2本の槍をもぎ取った。
「歯ぁくいしばってください」
2本の槍を13号機から奪い取り、胸に突き刺す。ついでにエントリープラグを一つ拝借する。
第13号機の目から2つ光が消え、落下し始める。
「マリ!よろしく!」
『あいよー!!』
間に合いました。ガフの扉が閉じられたので使徒化を切り、地上におります。ここら辺にしましょうか。
「…………」
碇シンジはエントリープラグ内で膝を抱え泣いていた。また自らの手で友達を殺してしまった罪悪感や自分を説得しようとしてくれた人達への申し訳無さがぐちゃぐちゃになって、シンジを動けなくさせていた。
「いつまで泣いてるつもり?」
凛とした声がプラグ内に響く
「…わたしの事…助けてくれないんだ」
その言葉にシンジは反応を示さない。まるで抜け殻のようだ。しかし、心の中ではマリの言葉もあり確かに揺れ動いている。
アスカは一度置いていこうとしたが踵を返し、シンジに蹴りを入れる
「まだ甘えてる…」
そして、虚なシンジをそっと抱きしめて
…いい加減自分や周りから逃げることをやめなさいよ…
アスカがボソリと溢す
少しの間だけ、シンジとアスカだけの時間は続いた。
「あぁーもう!立つくらい一人でできるでしょ!ん?」
そこに黒波が現れる。
「…私に一発殴られなさい」
スッと拳を構えるアスカ。
「……」
「…痛い」
「いい気味よ。貴方にも聞きたいことがあるし、とりあえず合流できるとこまで歩きましょ。ほら」
そう言ってシンジの手を引っ張って歩くアスカ。その拍子に落とした
S-DATを黒波が見つめる。
赤い大地を歩く三人。あの時と違い世界も自分達も変わった。運命を仕組まれた子供達はどんな結末を辿るのだろうか。この世界のようになってしまうのだろうか。
「乗って行きますか?」
台無しである。リアカーを引いた自転車に乗って空気を読まず颯爽と現れたのは彼女だ。
「あんたも一発殴られなさい」
「えぇ…」
「では、いきましょうか」
「何しに来たのよアンタ…」
「アスカが寂しがってそ「ふん!」…前が見えないです」
「で、何しに来たの」
「アスカと同じです」
シンジ君に目を向けながら答える。
「あっそ」
「…今は休みなさい」
シンジの頭を撫で彼女はそう言った。
彼女達はまた歩き始める。イレギュラーな彼女によって結末がどう変わるのかは分らない世界となった。そんな世界でも前よりも少しだけ優しい風が吹いていた。