Re:あなたのそばで   作:KY

6 / 8
シン編突入


その6

 はい。今日も今日とてリリンが輝かしく生きる世界にいる偽天使です。今は、テクテク赤くなった世界を一人で歩いています。アスカ達とは一旦別行動です。ミサトさんからの指令でエヴァをとって来いだそうです。

 

 何故私が行かなければいけないかというと、起動できるのが私だけなのと L結界密度が高すぎるところにあるからですね。L結界密度が高いところは人間は入れないのです。

 

 自転車はアスカに渡しましたし、使徒化すると爆破されるのでしょうがなく歩いています。浄化された世界もこんな感じでしたね。世界を終わらせるのが世界の意思なのだとしたら、その理由はなんなんのでしょうね?今更ですが、そう思いました。

 

 世界に意思があるなら終わらせるにも理由があるはずです。エヴァンゲリオンの世界はループしてるみたいですからね。ループするたびに私が生まれているのでしょうか。

 

「ないですね。こんなバグのような存在がいていいわけがありません」

 

 自覚はしてますが、私はバグのような存在ですからね。だからこそ、できることもあるわけですが。

 

 にしても…真っ赤っかですね。目が痛い。海も陸も赤くなり空だけが青に染まっている。と言ってもインパクト時には全てが赤くなりますけど。…あんの黒き月も引っ張り出されてます。月と言うには球体じゃないですね。聖杯のように見えます。

 

「リリスの契約…結局分かりませんでしたね」

 

 リリスの契約。これはリリスとリリンが結んだ契約で内容は断片的にしか分かってない。ゼーレの願いは魂をガフの部屋に持って行き浄化、進化をすること。リリスはガフの扉を開けるかわりに使徒の殲滅、つまりアダムの子孫の殺害を願う。

 

 それとMarkシリーズの建造。アダムス達も何かしらの重要な役割を持っていたはず。だから、建造方法が他と異なり異形な姿をしていたのかもしれません。

 

 次にネブカドネザルの鍵。これは旧劇で言うとこのアダムの肉体みたいな位置づけでしょうか。人間を超える或いは捨てる為に必要になるもの。これはゲンドウ君が使ったやつですね。さて、人間を捨てなければいけない場所に、何があるのやら。

 

 裏死海文書。死海文書からゼーレが隠した文書のこと。いわゆる予言書みたいなもの。それが旧劇では白き月に入ってた。多分、新劇にも白き月があるんだろうけど出てこないんですよね。というか、アダムじゃなくてアダムスというのが更に謎ですよね。

 

 

そんなことを考え、移動していたら目的地に着きましたね。

 

 

『エントリースタート、ハーモニクス異常なし。シンクロ率86.9%安定』

 

勝手にシンクロするのが珠に傷ですよね。私専用機ではありますが、あまりシンクロしたくないんですよねぇ。何かの拍子に爆発しそうなので。私が。

 

…ビー…ビー…

 

「パターン青…早速潰しにきましたか」

 

 贋作使徒のおいでましですね。全く、あんなものを作った冬月先生には脱帽です。一体一体が通常兵器超えなんだからすごいですよね。

 

「陽電子砲装備に擬似ロンギヌス装備…おまけにライフルとナイフ装備の歩兵…戦力高いですね」

 

 しかも全機強化されてるし…なんですかあれ。装甲が弾け飛んでますけど。

 

「…偽装コクーンにもいますね。コアブロックでしょうか」

 

 さて、壊しますか。

 

「エヴァンゲリオン無号機起動」

 

 空中からの攻撃や陽電子砲の狙撃を避けつつ、歩兵を殲滅していく。陽電子砲の攻撃はATフィールドを貫通するがそれまで。無号機の縦横無尽な動きに対応しきれてない歩兵のバレットライフルを奪い、展開した第3、第4の腕で対空攻撃を続けている。

 

「目標をセンターに入れてスイッチってやってみたかったんですけどね」

 

 

 無号機の頭上で殲滅されるエヴァ擬きを見ながら、様子をうかがう。凄まじいスピードで殲滅していきますね。流石、S2機関を複数積んでいるだけありますね。

 

「浸食も同時に実行ですか。強いですねぇ」

 

 歩兵の身体に触れるたびに青い斑点が増殖して機体を乗っ取っていく。さらに、地面まで広がったそれから黒い棘が飛び出し脆いATフィールドもろとも貫いていく。無号機が展開するATフィールドは特殊で常時形を変化させている。時には盾に、時には武器に変化することも可能。

 

 

 破壊の限りを尽くした黒き悪魔の周りには荒れた大地と十字架が残っていた。

 

「…状況終了。お疲れさまです」

 

 戦闘終了です。負けませんよそりゃ…。というかまずいですね。ロンギヌスのコピーと思って甘くみてたらアンチATフィールド付きでした。この量を量産されるとまずいです。ロンギヌスの槍の雨とか怖すぎますね。

 

「さて、次の目的地は…花の都ですか」

 

流石に、このままだと無号機は飛べません。走りますか。無号機の手の中に入り、ショック体制を取る。

 

「んじゃ…よろしくお願いしままままま」

 

言い終える前に動き出さないでほしいです。

 

 ここはパリ上空。そこには葛城艦長率いるヴィレがいた。彼らはユーロネルフのエヴァの予備パーツや武器弾薬を回収する作戦を立てた。フォースでの抗戦でエヴァ二機を大幅に損傷してしまったからだ。機能停止しL結界に閉ざされたユーロネルフを復活させる…L結界除去をするためユーロネルフの封印柱を起動させることが今回の作業だ。

 

「16年ぶりのパリ…かつて花の都と謳われた街がこの有り様とは…痛ましいわね」

 

 プラグスーツに似た服を着たリツコが柱の上に立ち街を見下ろす。その視界に広がるのは赤一色。大地も建物も道も全てが赤に染まっている。これがいわゆるコア化と呼ばれる現象の結果なのだろう。ニア・サードインパクトで引き起こされた産物だ。

 

「予想よりもL結界密度が高い…封印柱の起動オペは今より800秒とします」

 

 マヤと3人の若い隊員が封印柱に接続し、作業を始める

 

「なんだよ予定より110秒長いじゃん。帰投時間考慮してんのかなこれ」

 

「…この恥ずいスーツのおかげなのが腹立つ。アイツが作ったこれ、本来のスーツよりも長くL結界密度が高いとこで活動できるから背に腹は変えられないし…こういうのは、アイツらだけにして欲しいわ」

 

「でも、北上先輩…あの子に着せ替え人形にされていませんでしたか?サイズ合わせの為に…あの子から聞きましたが満更でも…ヘブゥ!」

 

「…今度余計なこと言ったらそのメット割るわ」

 

「いいから…口の前に手を動かせ」

 

「動かしましたー」フリフリ

 

そんなくだらない言い訳を溢す北上にマヤは近づき…

 

「げぼばぁ!」

 

思いっきり腹パンをお見舞いした。

 

「手を 動かせ 」

 

「「「はい!」」」

 

 封印柱の解読を進めていくマヤ班。北上は作業の邪魔が入らないかお腹をさすりながら目を光らせている。

 

「どう?アンチLシステムは起動できそう?」

 

「はい。ステージⅢからのReDoでいけそうです」

 

 それができる理由は前任者がいたからである。中のパネルには血でこう書かれていた。

 

 後を お願い 

 

 

 

「…貴方達の思いは引き継ぐわ…」

 

マヤは手を合わせ、目を瞑りながら感謝と敬意を捧げてた。

 

 

「うっわなんですかこれ…。本当にこんなのに触れていいんですか?」

 

「…この世界においてこんな言語見たことない」

 

「いいから、作業始めるわよ」

 

 作業を開始してすぐに北上が叫んだ。

 

「来ました!エヴァ44A航空特化タイプ…4時方向から接近中!」

 

 そこには隊列を組みまるで二人羽織のような姿のエヴァが飛行していた。いや、これをエヴァと呼んでいいのか分からない。もはや、人の形を留めておらず、ペストの仮面をつけおそらくロンギヌスの模造品であろうものを頭?につけている。

 

「…自ら軍隊を編成するとはもはや、新たな生物ね。マリ!迎撃を頼むわあと600秒もたせて」

 

「がってんでい!全ての敵をあっしが一気に引きつけるよー。たっちゃん、ながらっち!操演よろぴくーっ!!」

 

 そう言ってマリとエヴァ8号機は上空に吊るされていく。今の8号機は腕がなく円状の機械に腕がついており、360度回転させることができる。腕にはマシンガンが装備されており、全方位から射撃も可能だ。

 

「うーん…面白いけど違和感あるなぁこれ。せめて、人型の可動域は踏襲してほしい。にゃ!」

 

 44Aに向けて銃を乱射するマリ。彼らのATフィールドは脆く、次々に破壊されていく。しかし、数が多く油断すれば一瞬で囲まれてしまうだろう。

 

 

「8号機、44A第1波と抗戦中。続いて第二波を確認。作戦通りです。作業残り時間あと420秒」

 

 マヤ班のメンバーはより速く手を動かしていく。人類とは違った技術の集合体のため、ヴィレが所有する高性能なデバイスでも8ビット並だと若手の隊員が愚痴を零している。

 

「エヴァ同様人外未知の未解明システムですもの…人類の言語じゃ楽に制御できないわよ」

 

(ホントはあの子のエヴァよりマシって言いたい)

 

マヤは14年たっても苦労していた。

 

「あの子…なんでこれを解明できたんでしょうか?」

 

「さぁ。使徒と合体するとそういうものもわかるんだろ」

 

「…ステージⅣをクリア…時間がおしてます」

 

「焦らず、まくわよ」

 

「「「はい」」」

 

マヤの力強い言葉によって気を引き締め、オペのスピードを上げていく

 

 

 

 一方空では戦闘が続いていた。空中移動はヴンダーの立体操舵によって行われている。マリは細かく指示を出し、44Aを殲滅していく。

 

「んーーにゃーー!んにゃにゃにゃにゃにゃ〜!にゃにゃにゃにゃ」

 

 全方位に散らばる敵を撃ち抜いていたが連射のしすぎで砲身が折れてしまった。その隙に第4波がやってきて8号機を取り囲む。数の暴力とは恐ろしいものだ。いくら一機一機が弱くとも集まれば大きな脅威となる。そんなピンチの中でもマリは好戦的な笑みを浮かべていた。

 

 

「作業残り時間あと360秒!」

 

 こちらもピンチに陥っていた。人類未解明システムの壁は厚くどうにも時間が足りない。せめて、ステージⅣから始められてればよかったのかもしれない。

 

「ダメです!ステージⅤへのショートカット見つかりません!」

 

「ダメって言うな。奥まで探して」

 

「無理です!残り時間じゃデータの上書き間に合いません!」 

 

「無理って言うな!」

 

「しかし…整備」

 

「弱音を吐くな!これだから若い男は…!」

 

 整備長。最後まで聞いてあげて下さい。

 

(私なんて、これの数倍訳わかんないエヴァの解明したのよ!無理だったけど!あの子の言ってることが異世界の言葉に聞こえたわ!)

 

 整備長は強気にメンバーを激励していたが心では泣いていた。そっとしておこう。一体誰がこんなに整備長を追い詰めたのか。

 

 マリは次々突貫してくる44Aを蹴りや体当たりですっ飛ばしていく。最後には一機を盾にして他の機体を集めまとめてぶん投げて破壊した。

 

「ふふーん。お茶の子さいさいにゃ」

 

 第4波を殲滅した瞬間、偽装虚空にヒビが入った。

 

「ほほう。使徒もどきがおとりを使うとは…洒落臭い!」

 

 偽装虚空を破壊して現れたのは、数機のエヴァらしきモノ。陽電子砲を四体のエヴァが担ぐ形で一体化しているモノは下半身の触手のようなもので砲身を固定している。

 また、エヴァの下半身二つで支えて自律している発電システムをのせた機体も多く襲来した。

 

「出ました!ボスキャラです!」

 

「エヴァの軍事転用を禁止したバチカン条約違反の代物.…。陽電子砲装備の陸戦用4444cとお付きの電力供給特化型の44Bのダブル投入とは…冬月副司令に試されてるわね私達…」

 

 現れた機体は歩みを止め、エネルギーをチャージし始める。

 

「44Bに高エネルギー反応。増大中!」

 

「全艦、対地防御シフト!総員、対飛燕防御!」

 

 リツコの指令により旋回していた全艦が重なり、まるで花の形のような防御体制を取った。船底には第六使徒の時に使われた盾の改良型を取り付けてある。

 

「4444C発射体制に入りました。44B大電力を発電中。エネルギー超高電圧エネルギーシステムへ…4444C全給電システム開放!陽電子加速システムも起動…きます!!」

 

 北上が声を上げた瞬間。4444CからATフィールドすら容易く破る狙撃が放たれた。改良型の盾も破壊され、リツコ達に破壊された戦艦が突っ込んでくるのをギリギリでマリが防いだ。しかし、次撃たれたらリツコ達は跡形も無く消え去るだろう。

 

「再び44Bに高エネルギー反応!大出力電力放射装置に蓄電中。って早っ!4444C早くも発射態勢!?ちょーマズい!!第二射すぐにきます!激ヤバですぅー!!」

 

 やばい状況を更に悪化させるべく、偽装虚空からさらに44Aが多数襲来し8号機を取り囲む。既に陽電子加速装置が起動されておりすぐに発射できる。

 

「チッ!邪魔!!早く4444Cをやらないと全部おじゃんになる!」

 

 8号機の足掻きも虚しく4444Cに近づけない。

 

「ロックされました!これは…無理ですね…」

 

 北上が計算し自分たちの生存率がほぼゼロなことを知り溜息を吐いた。

 

「あーあ。最後に美味しいもの食べたかったなぁー」

 

ビー!!ビー!!ビー!!

 

(後方から高エネルギー反応…?)

 

 かつて人類を守った陽電子砲が今、人類に向けられ放たれた。

 

 

 

 

 

しかし、その青白い光線は同じレベルの光線で相殺された。

 

『諦めるのは少し早いですよ北上さん』

 

高速で飛来したのは無号機。腕は青い水晶体になっている。背中に展開した黒い帯で8号機周辺の44Aを貫いていく。

 

『いや〜助かったニャ〜』

 

『全く、贋作だからって油断できないですね』

 

 はい。日本からすっ飛ばしてきました。途中邪魔が入りましたが轢き潰してきたので問題ないでしょう。さて、陽電子砲装備でさらに電力供給付きですか…。先程戦った奴よりも強力なやつですね。というかあれヤシマ作戦で使われたやつじゃないですか?

 

「S2機関5つ稼働中です。負けはしません」

 

擬似的なコアが複数出現し、エネルギーを貯めていく。しかし、装填速度は相手の方が早い。

 

『…マリ!陽動お願い!』

 

『合点承知!いくよながらっち!』

 

 マリが折れたエッフェル塔を持ち4444Cに突撃する。そちらに気を取られてるうちにこっちは誤差を修正しておこう。

 

 

「…気温、気圧、重力…。全部計算に入れてギリギリまで修正中です」

 

ピッ!lock-on

 

「撃てぇい!」

 

 

 

 加速粒子砲が放たれる。8号機が避けた瞬間4444Cが陽電子砲を放つもこちらの加速粒子砲が上回った。

 

「…かつての人類の敵に守られるとは思って無かったわね」

 

 

 敵を殲滅できてもまだ終わらない。まだ戦いは続いてる。

 

「残り作業時間後30秒!」

 

 

「アルゴリズム解除!」

 

「最終セキュリティロック解除!」

 

「アンチLシステム、ステージⅤを全てクリア!」

 

「アンチLシステム起動!」

 

 アンチLシステムが起動した瞬間赤く染まっていたパリの街に色が戻った。更にユーロネルフと全凍結システムも再起動し、地下から物資が次々に現れる。

 

 作戦は成功だ。

 

 

 肩で息をすることマヤにリツコは労いの言葉をかける。残り時間は11.4514秒だった。まさにタッチの差だ。

 

 

「おぉー。復元されてますね」

 

封印柱にこんな機能があるとは…人類もまだまだやれますね。

 

 

「さて、シンジ君。ここからですよ」

 

ボソリと呟いた言葉は空に溶けていった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。