Re:あなたのそばで   作:KY

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その9

さて、いよいよ作戦開始です。ヤマト作戦それは第13号機の無力化です。フォースインパクトには13号機は欠かせませんからね。ここでの私の役割はエヴァ第13号機の再起動までの時間稼ぎをどうにかすることです。完成艦と未完成艦の違いをまざまざと見させられますからね。

 

ヴンダーは種子保管ユニットを投下。そろそろ大気圏に突入ですね。無号機のATフィールドもあるので、機体には何ら損傷もありません。

 

「モニター回復します」

 

そこには正にカオスと呼べるような色をした空と黒の十字架が並んでいました。はい。ここが旧南極爆心地後です。

 

「ここが穢れた生命を拒絶するというL結界の中…」

 

「ああ、そんな場所を俺たちは祝福を受けずに進んでいる。加持のデータとアンチLシステムのおかげだ」

 

「L結界境界面を航行中。異常なし」

 

『祝福が欲しいならあげますよ?人に戻れませんが』

 

「それ、ただの呪いだし」

 

「まぁ…そうさせるのもネルフの思惑ですよ。エヴァの呪縛なんて」

 

にしても、静かですね。そろそろ来ると…ほら来ました。

 

どこからか使徒が放つレーザー音が響く。

 

「右舷に被弾!損害軽微!」

 

「無号機のATフィールドも貫通ですか。あちらも火力をあげてきましたか」

 

「2番艦エアレーゼ…やはり完成していたのね」

 

右舷後方より、ヴンダーに似た戦艦が現れる。いや、むしろ本来の姿というべきか。

 

「すまんな。いま少し碇のわがままに付き合ってもらうぞ」

 

冬月コウゾウが先陣を切り、現れた瞬間だった。

 

『最強キャラの登場ですね。受けて立ちましょう』

 

「第13号機再起動までの時間稼ぎか」

 

「同じ神殺しの力…厄介ね」

 

「タイマン上等!右舷砲撃戦用意!ネルフ艦をけん制しつつ潜行ポイントまで急ぐ…」

 

ミサトは大きく息を吸う。さぁ、開戦だ。

 

「撃てぇい!!」

 

ミサトの号令により、4つの砲塔からエネルギー弾が発射される。しかし、ネルフ艦の装甲を貫けない。むしろはじかれている。

 

『いや、硬すぎでしょうに。無号機も硬さで行ったら負けてませんがそれを普通戦艦の装甲に使いますかね』

反撃とばかしにネルフ艦からの砲撃が迫る。一撃でATフィールドを貫いてくるが、二枚目のATフィールドまでは破られてはいない。しかし、衝撃は強く、ヴンダーは航行姿勢を取るのが精一杯だ。

 

「あちこちに被弾、あっちの火力が圧倒的です!」

 

「くそ!どこが同系艦だよ。」

 

「未完と完成艦の違いだな。だが、主機はこっちの方が上だ!それに…」

 

「レイ!主砲展開準備!」

 

「こちらには天使のご加護があるでな」

 

ヴンダー後方の装甲がずれ、そこには巨大なスナイパーライフルのような機器に接続された無号機が現れた。

 

「ほう。それが鬼札か」

 

冬月はわずかに眉をひそめる。どこにも属してない少女と忘れ去られた神々の名残。それが盤上にどんな影響を及ぼすのか図り切れずにいた。

 

 

『了解。主砲展開…目標ネルフ艦…敵装甲が思ったよりも堅めです。足止め程度ですが大丈夫ですか?』

 

『問題ない。カウント省略!撃てぇい!!」

 

『っ!』

 

瞬間、より強い光線がネルフ艦を貫き、大きく体制を崩した。

 

『砲塔冷却中。30秒は撃てません』

 

「十分!潜行ポイントまで急ぐ。」

 

ヴンダーはスピードを上げ、ネルフ艦を突き放していく。

 

「L結界潜行可能ポイントに到達」

 

「急速潜航!」

 

ヴンダーはそのままのスピードでL結界内部を進んで行く。

 

「L結界第一層を抜けます。L結界第二層に突入」

 

「艦首前方にエヴァインフィニティの大群です!」

 

「雑魚にかまうな!このまま突っ切る!」

 

エヴァインフィニティの群れを抜けていく。時折ちょっかいかけてくる奴をレイが副砲で黙らせる。

 

「艦首12時方向に艦影発見!」

 

「待ち伏せか!」

 

エヴァインフィニティの群れの中にひっそりと姿現したのはネルフ艦エルムズ。

 

「3番艦エルムズね。まんまと挟撃されたわね。」

 

前方と後方からの攻撃で艦にダメージを蓄積させていく。

 

「やばいです!このままダメージを喰らうと航行に支障が!」

 

『…ATフィールド全力展開。重要な所は守ってるよ』

 

「艤装が手薄な三番から排除する!舵そのまま最大船速!」

 

「了解!」

 

ネルフ艦よりも優れた主機を用いて、エヴァインフィニティの群れをかき分け進んで行く。流石に、まずいと思ったのか、ネルフ艦も動きを見せる。

 

 

「3番艦回避行動!」

 

「逃がすな!このままぶつける!」

 

3番艦の船首下にそのままヴンダーがぶつかる。衝撃でエヴァインフィニティの群れは散っていく。

 

「艦を回せロール角180°!敵艦と体制を入れ替える!」

 

「了解!」

 

艦を回して、敵艦を盾にする豪快な作戦だ。

 

『流石は、ミサトさん。無茶をしますね』

 

「インフィニティの群れを抜けました!L結界第3層に突入!」

 

「目標!ネルフ本部を発見!既に黒き月の下方にシフトしているもよう!」

 

「第13号機の再起動が近いな」

 

「2番艦及び3番艦、後方より接近中!」

 

「時間がない。黒き月を盾にしつつ外部主砲で迎撃準備!誘導弾発射用意!」

 

『…砲身冷却完了。これより先、強度、安全面は度外視します」

 

じゃないと無理ですねこれ。あちらの火力と装甲が強すぎる。

 

「艦尾6時方向よりネルフ戦艦郡接近中」

 

集中砲火ですね。あちらこちらに被弾しています。

 

というか私の足場を狙ってますねこれ。流石、冬月先生。やることがえげつない。

 

「艦を傾斜。被弾面積を最小限に抑える!」

 

「了解!左舷重力ブラストブロー10」

 

「主翼の艦艇軍の保護を最優先。ATフィールドを集中して!」

 

それでも、ネルフ戦艦の攻撃を受けきれるわけではない。ATフィールドをが薄い部分は破壊されていく。

 

『…外部主砲固定台損傷率がまずいです。そのため、飛びます』

 

「外部主砲棟が大破!袋にされてます!…いま飛ぶって言った?」

 

無号機は自身を固定していた拘束具を破壊し、私も拘束具から抜け出す。結局、爆発しますから関係ないですね。まぁ、この封印柱入りのバイザーのロックはかかったままですが。しかし、裸なのは格好がつかないので、プラグスーツでも生成して着ておきましょう。

 

さて、外部主砲を担いだまま、ネルフ戦艦郡と接敵します。

 

「エネルギー流入開始、S2機関6機まで稼働許可」

 

砲身はこれでだめになりますが、時間稼ぎにはなるでしょう。

 

「薙ぎ払え」

 

外部主砲から放たれたレーザーはネルフ戦艦郡を切るように命中した。爆炎が上がり、こちらと相手側の間に即席の煙幕ができた。

 

『ATフィールドを正面に集中させて損害を防ぎましたね。流石は冬月先生。ですが、足止めには十分でしょう?』

 

無号機は砲身が焼き切れた外部主砲を投げ捨て、黒き月外壁に座る。

 

『…さて、とりあえずはこんなところでしょうか』

 

はてさて、私のこの行動も計画の内なのでしょうか。そうだとしても、やれることはやっておきましょう。

 

『煙幕は持って20秒です。その隙に何とかしてくださいね』

 

「十分!発射ポイントまでは!?」

 

「軌道に乗りました!」

 

「誘導弾全弾発射!」

 

「誘導弾全弾発射!」

 

日向の操作により、主翼に取り付けられていた戦艦ミサイル…誘導弾が全弾発射される。それらは軌道のとおりにネルフ本部に命中する。

 

爆破された後のネルフ本部にはエヴァ第13号機の姿もあった。

 

「最終目標、エヴァ第13号機を光学で確認!」

 

「予想通りまだ再起動前ね。13号機はまだ動けない」

 

ネルフ本部の四面からおびただしい量のエヴァが飛び出してくる。

 

「接近中のエヴァ7シリーズを確認!数は超いっぱい!計測不能です!」

 

「雑魚にかまうな!エヴァ両機の射出を急げ!」

 

「マヤ!エヴァ両機射出準備!」

 

「了解!エヴァ両機射出準備!」

 

「射出!」

 

その瞬間ヴンダーから切り離されたエヴァ両機がネルフ本部に向かって降下していく。

 

「頼んだわ。アスカ、マリ…」

 

『さて、こちらもサポートしますかね。S2機関6機運用継続。エネルギー流入を外部循環から内部循環に切り替え」

 

黒き月の外壁の隙間からスナイパーでもしてみます。ネルフ戦艦郡は…妙に静かですが。

 

無号機の腕は青い水晶体のように変化し、疑似的なコアも生成していた。

 

『さて、360°どの攻撃にも即座に対応してくる使徒の強さを見せましょう。』

 

こちらに向かってくるエヴァ7シリーズを見ながら私はそうつぶやいた。

 

ヤシマ作戦で殲滅された第6の使徒はエヴァの近接攻撃の脅威を学んだ個体でした。自分の懐に近づかれる前に殲滅してしまおうというコンセプトです。その使徒の断片を使い、S2機関6機も稼働しているわけですからね。殲滅力は自慢できますよ。とは言っても、アスカとマリがほとんどを殲滅してくれるので、楽な作業です。

 

「それでも、これから何ですけどね。」

 

降下していくネルフ戦艦郡を見ながらそうつぶやいた。というかそろそろ離脱しないと巻き込まれそうです。

 

「変です。ネルフ戦艦郡が戦線を離脱…降下していきます」

 

「呪われたセカンドインパクトの爆心地カルバリーベースか」

 

「地獄の門が開いている…まさか!?」

 

 

「光の翼…セカンドインパクトと同じ法則でフォースインパクトを起こすつもりなの?」

 

「いいえ、アダムスをトリガーにはできない。それに黒き月を取り巻く事象が異なる。これはゼーレのシナリオにない私はたちの知らない儀式よ」

 

「レイ!貴女は?」

 

『知っていますよ。止められるかは別として、インパクトはインパクトそこに変わりはありません』

 

「話す気はないということ?

 

『話す時間がないです』

 

「…そのとおりね。全くの予想外…アナザーインパクトと言わけか」

 

「状況はどうあれ、ネルフの計画は全て叩き潰す!主砲発射準備3番艦から先に沈める!」

 

「使用可能な主砲を全て3番艦に向けろ!」

 

「超電磁直撃弾装填。方位版連動不要。各砲準備出来次第発泡開始!」

 

「しかし、建造計画では4番艦まであったはず」

 

『…艦首下方に注意ですよ』

 

「何!」

 

ヴンダーを貫いて現れたのはネルフ戦艦の4番艦ギベータ。

 

「主砲棟システムダウン!」

 

「罠にハマったわね。私たち」

 

エヴァ2号機が13号機に捉われている様子を見て、私は一人呟く。

 

『…まぁ、これまでは想定通…」

 

「不穏分子。黙ってここで見ていろ」

 

碇ゲンドウ…その男に胸を貫かれている。

 

「ごふっ…君がここで来るとは想定外ですよ…」

 

「やはり、人ではないか。まぁ、いい。無号機さえ封印してしまえば問題はない」

 

「…強勢停止信号プラグですか、そうそう止まるものではないですよ」

 

「儀式までの時間稼ぎだ。問題はない」

 

ゆっくり腕を引き抜き、レイを横抱きにする碇ゲンドウ

 

「…そういうところが…人を捨てきれてないと思いますよ…」

 

「勝手にいなくなって、邪魔をされても困るのでな」

 

「そうですか」

 

君も君で複雑な感情を持っていますからね。

 

「では…しばらくは大人しくしていますよ…」

 

「あぁ…そうしてくれ」

 

そう言って、私は目を閉じ、体を預ける。

 

 

「新2号機及び無号機全て信号ロスト!パイロットの状況不明!」

 

浮いているのもやっとのヴンダーの中心で爆発が起こる。

 

「補機N2機関大破!」

 

「くそっ!今度はなんだ!」

 

日向が叫ぶ。叫んだところで状況が変わらないのは分かっている。それでも、叫ばずにはいられないのだ。

 

「エヴァっぽいなにかです!取りつかれました!」

 

「パターン青…エヴァオプッファータイプね」

 

「パイロットごとMark9を新造したのか!」

 

不気味なエヴァMark9は腕を変化させ、ヴンダーを物理的に乗っ取ろうとしていく。

 

「やばいです!艦内が物理的に侵食されていきます!」

 

「排除急いで!」

 

「やっていますが…侵入速度が早過ぎて対処が追いつきません!」

 

「Mark9…VT防壁を突破!」

 

「駄目です!コントロールが全部乗っ取られました!うわっ!」

 

コントロールを奪われたことによる、ヴンダーのエントリーも解除、固定されてしまった。

 

また、対爆管理室のドアのロックも解除され、レイの封印柱入りの拘束具のロックも外された。

 

「こりゃあ…やられたな」

 

「流石は冬月副司令…見事だわ」

 

これで光の翼は4つそろう事になる。

 

「人工的なリリスの再現、黒き月の槍への強制流用。舞台は整えた。後の大詰めをどう演じる…碇」

 

「艦首管板上に侵入者を確認!」

 

「碇指令…とレイ…!?」

 

 

艦首の上で二人と相対する。横抱きにしていたレイは地面に座らせている。

 

「君か」

 

「ご無沙汰です碇指令」

 

「これまでご苦労だった葛城大佐。この船は予定通り私たちが使わせてもらう」

 

銃声が響き、ゲンドウの顔がぶれる。

 

「君か…問答無用とは…相変わらず目的遂行に関し躊躇がない」

 

「ええ。貴方に教わった事ですから」

 

銃声が数度響き、ゲンドウは倒れる

 

「っ!」

 

「神に障壁はない。来るものを全て受け入れるだけだ。」

 

「碇ゲンドウ…ネブカドネザルの鍵を使って、人を捨てたか」

 

「捨てきれてないと思いますけどねぇ」

 

「レイ!」

 

「大人しくしていろと言ったはずだが?」

 

「これでも大人しくしている方ですよ」

 

レイはバイザーを外し立ち上がる。その胸は空洞が開いていた。

 

「…知ってのとおり、私は人ではありません。神でもないですけど」

 

「で?君が人類の進化と補完を担うのですか?」

 

「そうだ」

 

「そのためにアスカを使い捨てるか!碇ゲンドウ!」

 

「綾波と式波型パイロットはもとよりこのために用意されたものだ。問題ない」

 

槍となった黒き月は地獄の門に突き刺さり、フォースインパクトの始まりともされるエヴァインフィニティの群れが大量に押し寄せる。

 

 

「全ての生命をコアに変えて、エヴァインフィニティと一つにする。その始まりに儀式ですね」

 

「そうだ。セカンドインパクトによる海の浄化、サードインパクトによる大地の浄化、そしてフォースインパクトによる魂の浄化、人類のコア化とは魂の物質化。人類の器を捨て、穢れ無き楽園へいざなう最後の儀式だ」

 

「これが…君の父上…葛城博士が提唱した人類補完計画だよ」

 

「父の世迷言必ず止めて見せます」

 

「知恵の実を食した人類に神が与えた道は二つ」

 

「生命の実を与えられた私たちに滅ばされるか、その座を奪うか。もうすでに、神が与えた試練に私たちは敗北しているというわけです」

 

「私たちは神に屈した補完計画による絶望のリセットより、希望のコンテニューを選びます」

 

「私は神の力をも克服する…人間の知恵と意思を信じます」

 

「いいですねぇ。だからこそ、使徒は君たちに破れた。君はどうですか」

 

「真理の捉え方の違いだな。葛城大佐には世界が、赤城君には幸せのかたちが見えていない」

 

「人の想いでは何も変わらんよ」

 

その言葉はどこか重く、哀愁を含んでいるように見えた。

 

「では、預けていたエヴァ初号機を返してもらう」

 

碇ゲンドウが踵を返そうとしたとき、声が響く。

 

「父さん!」

 

やっと主人公の登場ですね。さて、これからの人間の知恵と意思を見せて下さい。

 

私も私なりに終わりを目指してみましょうか。

 

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