知らない褐色の女性と顔に傷を負った男が話している光景が目広がる。だが、何故か鉄也はこの光景を見たことがある様に思えて仕方がなかった。
「未だ不完全な状態と言えます。この段階で出撃すれば鉄也は……」
「……しかたあるまい」
『元より死ぬのは覚悟の上だぜ』
ニヤリと笑いながら自分の声が聞こえた。恐らく、この光景は自分が失った記憶の光景の一つ……なのか?
「鉄也」
「鉄也くん目覚めていたのか……」
『まぁ殺せるのなら殺してみよって話ですがね』
「……」
「現段階でグレートマジンガーが最大戦速で機動すれば君の身体は30分とはもたんぞ」
声でわかる。褐色の女性は……自分を心配している。だが、……自分は……否、記憶を失う前の鉄也はその事に気付いている故に、力強い声で答える。
『心配すんなジュン。万全に整えて挑める戦いなんざ俺には経験無いぜ』
その答えに怪我を負った男は笑い、更なる覚悟を決めた顔へと成る。
「戦いの時は来た!」
今こそ立ち上がる、偉大なる勇者グレートマジンガーがっ!!
『ブレーンコンドル発進!!!』
パイルダー……否!!グレートマジンガーの脳!ブレーンコンドルが海中から空へと突き抜ける!!そして!!!
『マジィーンッゴーッ!!!』
そして海中から更なる存在が現れるっ!!
「そうこれが、マジンガーを超えるマジンガー!!!」
『偉大なる勇者、まさしく!!!』
グレード!
グレードッ!!
グレードッマジンガー!!!
『ファイヤーッオンッ!!!!』
「スクランブルッダッシュ!!!」
そう大声で叫びながら、剣鉄也の上半身はベッドから、力強く起き上がっていた。
「……なっ!?」
今のは……恐らく失った記憶の一部なのだろうと予測しつつ、今鉄也が目覚めベッド周辺を見回すと、そこは病院の病室であった。
「ここは……?……ぐっ!」
何とか起き上がろうと、ベッドから出ようとすると、全身に痛みが走る。それでも、立ち上がった瞬間に扉が開く音が聞こえ、振り向くとアヤネが居た。
「っ!!先生!?起きたんですね!ちょっと皆呼んできますので待っててくださいね!」
「待てっ!!」
しかし、アヤネは走ってすぐに去って行き、鉄也は追いかけるのは諦め、ベッドに座りホシノ達を待つことにした。
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「……俺が爆発で気絶した後にそんな事があったのか」
しばらく待ち、急いで来てもらったホシノ達にあの後何が起こったのか聞いた後、現状も同時に教えてもらう。
「やはり……目的は金以外か?だが、金以外なら何だ?」
そう……それだけが未だにわからないのである。ただでさえマズイ今、今後を考えるとどうしても焦りが見えてくる。
「でも、先生は無事でよかったよ〜おじさん先生死んじゃったのかもと思ってすっごいビックリしちゃったんだから〜」
「……すまなかったな。ホシノ」
「いやぁ~気にしなくていいよ〜」
その後も生徒達と色々と話し合い、明日の退院後にアビドス砂漠へ行く事となり、それぞれ解散していった。
「……シロコ」
「やっぱり先生は気付いてたの?」
「そうだ」
窓から侵入してきたシロコに視線を向ける。
「……ホシノ先輩のバッグに入ってた」
そう言い渡してきた物はホシノの退部届であった。