その後俺達はアビドスに戻る最中絶望的な状況から勝った事を話しながら帰っていた。…話しながら帰って行ったのだが…。
「まさか勝っちゃうなんて、じゃありませんよ、ホシノ先輩…勝たないと学校が不良のアジトになっちゃうじゃないですか…。」
そうアヤネがそう言うとシロコが反応し今回の勝因を考え、喋る。
「先生の指揮が良かったね。私たちだけの時とは全然違った。これが大人の力…。すごい量の資源と装備、それに戦闘の指揮まで。大人ってすごい…。」
そう分析しているが、俺は自分の指揮が無くても彼女らは勝てていたのだろうと思う。無論今よりも疲れているだろうが、やはり今まで5人でこの学校を守ってきた事による経験が何よりも大きい。そこに不足していた物資や装備があればもはや100%勝てる…と俺は思う。そう俺もこの戦闘を分析していたのだが、恐らくシロコの大人ってスゴイという発言に反応したホシノが。
「今まで寂しかったんだね、シロコちゃん。パパが帰ってきてくれたおかげで、ママはぐっすり眠れまちゅね。」
と何故そんな話題になった…?という話を始めた。…っていうか俺が父親って我ながら無理だろ。正直恋人とかよりも軍人とかで傷付きながら戦って悲しませると思う…。…のだがこの世界では死はとても遠い物である。故に軍人とか戦争とかピンと来ないからこそ、俺のような存在にもそんな話をするのだろうか?
「いやいや、変な冗談はやめて!先生困っちゃうじゃん!それに委員長はその辺でしょっちゅう寝てるでしょ!」
そうセリカがホシノの話を止め、俺はハッと正気に戻る。…正直パパという反応に反応してしまった…。…その時ふと…俺を彼女と共に送り届け、そして背中を押してくれた父親が頭に浮かんだ。
「そうそう、可哀そうですよ。」
「…そうだ…俺が父親って…。自分が言うのもなんだが流石にやめといたほうがいいぞ。それに俺は誰かを愛したりするよりも誰かを守る為に戦うと思うしな…。」
「あはは…少し遅れちゃいましたけど、あらためてご挨拶します、先生。私たちは、アビドス対策委員会です。私は、委員会で書記とオペレーターを担当している1年のアヤネ…。こちらは同じく1年のセリカ。」
「どうも。」
と猫耳が生えている生徒が…セリカが言う。…言うのが俺はそれよりも猫耳が生えている事に驚きつつも心の中に押し殺し表情に出ないよう我慢しつつ、挨拶を返す。
「そうか。セリカというのかよろしくな!」
「そしてこちらが、2年のノノミ先輩とシロコ先輩。」
そう言って砂漠で倒れた時に助けてもらった狼の耳が生えた銀髪のシロコと、マシンガンを持つノノミを紹介される。…こんな女子高生が恐らく俺でさえ無理な程マシンガンを軽々と扱えるのを見ると…負けたな…と思ってしまう。
「よろしくお願いします、先生~。」
「よろしくな。ノノミ!」
「さっき、道端で最初に会ったのが、私。…あ、別にマウントを取ってるわけじゃない。」
「分かっている。それにあの時しっかりと名前も教えてもらったしな。」
「そして、こちらは委員長の、3年のホシノ先輩です。」
そう言って最後に紹介されたのがピンクの髪を持つホシノ…という生徒だ。…恐らくこの生徒…いや…今まで会った生徒達よりも一番強い生徒…用心しておかないとな。
「いやあ~よろしく、先生ー。」
「無論お互いに頑張ろうホシノ。」
だが…それよりもやはりその心の中の闇から救いたいと思ってしまうのはエゴなのだろうか…。そう仮面を被ったような彼女の表情を見つつ、学校に辿り着いた。
「ご覧になった通り、我が校は現在危機にさらされています…そのため「シャール」に支援を要請し、先生がいらしてくれたことで、その危機を乗り越えることができました。先生がいなかったら、さっきの人たちに学校を乗っ取られてしまったかもしれませんし、感謝してもしきれません…。」
「すまない。一つ分からないところがあるのだが、対策委員会って何か教えてくれないか?…いや恐らく不良やこの学校を廃校にしない為の対策とは予想しているがちゃんと聞いときたくてな。」
「そうですよね、ご説明いたします。対策委員会とは…このアビドスを蘇らせるために有志が集った部活です。」
(なっ…!?蘇らせる…?それほどまでにこの学校はマズイ状況なのか…?俺が知ってるアビドスの情報はほんの少しだけ…しかもアビドスが昔健在だった頃…。例えばビナーという謎のヘビがいたとかなんとか…。)
「うんうん!全校生徒で構成される、校内唯一の部活なのです!」
「全校生徒といっても、私たち5人だけなんですけどね。」
「成る程5人で頑張っているのか…凄いな…。恐らく俺には無理だろう。…それにお前達の努力は絶対に俺が報いてやるさ!借りた恩は返さないといけないからな!!」
「先生のその言葉で少しは元気がでる。…だけど…他の生徒は転校したり、学校を退学したりして町を出て行った。学校がこのありさまだから、学園都市の住民もほとんどいなくなってカタカタヘルメット団みたいな三流のチンピラに学校を襲われてる始末なの。現状、私たちだけじゃ学校を守り切るのが難しい。在校生としては恥ずかしい限りだけど......現状、私たちだけじゃ学校を守り切るのが難しい。在校生としては恥ずかしい限りだけど......。」
「やはりどうにかしてヘルメット団を追い出してから考えないといけないな。」
「それとシャーレからの支援がなかったら…今度こそ、万事休すってところでしたね。」
そうだな…敵も少しは考えている。補給線を断てばこちらが出来るのは補給する為に誰かが…または全員で突破するかジリ貧の中で抵抗することを強いられる…。だが…ここで少し違和感を感じながらもその違和感を俺は掴めなかった。
「だねー。補給品も底をついてたし、さすがに覚悟したね。なかなかいいタイミングに現れてくれたよ、先生。」
「うんうん!もうヘルメット団なんてへっちゃらですね。大人の力ってすごいです★」
「かといって、攻撃を止めるような奴らじゃないけど。」
(とは言っても正直俺は争いや攻撃なんてものよりもアビドスやヘルメット団の両方に学校生活を満喫して欲しいのが俺の願い…なんだがな…。)
「あー、確かに。しつこいもんね、あいつら。」
「…確かにあんなにも攻撃したのに戦意が衰えていなかったのには確かに不自然だな?…なぁ何かあそこまで戦う意思を持つ心当たりはあるか?」
「…いや。思いつかないから憶測で一つしか無いわね。憶測でアイツらは大人数の拠点が欲しくてアビドスに襲いかかっているとしか思えないわよ…。」
「それにしてもこんな消耗戦を、いつまで続けなきゃいけないのでしょうか…。ヘルメット団以外にもたくさん問題を抱えているのに…。」
そうだな。一応物資は持ってきたが、それも限りがある物だ。故に同じ補給線断ちを更に厳しくしたものをやられると今度こそマズイ…。
「そういうわけで、ちょっと計画を練ってみたんだー。」
ここで出るかっ!ホシノの言っていた作戦とやらが!?
「えっ!?ホシノ先輩が!?」
「うそっ…!?」
ここで二人にそんな反応されるとは…ホシノは普段どんな事をしているんだ…?
「いやあ~その反応はいくら私でも、ちょーっと傷ついちゃうかなー。おじさんだって、たまにはちゃんとやるのさー。」
「…で、どんな計画?」
「ヘルメット団は、数日もすればまた攻撃してくるはず。ここんとこずっとそういうサイクルが続いているからねー。だから、このタイミングでこっちから仕掛けて、奴らの前哨基地を襲撃しちゃおうかなって。今こそ奴らが一番消耗しているだろうからさー。」
「い、今ですか?」
成る程…確かにヘルメット団は撃退した後疲れた体を癒そうと休憩したりしているはずだ…。そんな油断している所を更に追い打ちすれば効果はある。だが、上手くいくのかが不安…だがその不安を取り除くのが自分の役目であろう…。
「そう。今なら先生もいるし、補給とか面倒なことも解決できるし。」
「なるほど。ヘルメット団の前哨基地はここから30kmくらいだし、今から出発しよっか。」
「良いと思います。あちらも、まさか今から反撃されるなんて、夢にも思っていないでしょう。」
「そ、それはそうですが…先生はいかがですか?」
「そうするか。だが一つこの作戦を相手は見抜いていた場合の想定をした上で行う。」
「先生〜?流石にヘルメット団にそんな事思いつくとは思ええないよ〜?」
「分かっている。だが一応念ためな。それじゃ全員バレていた場合の行動を言うからそれを聞いてから行うぞ!」
「は〜い。」
―
「よっしゃ、先生のお墨付きももらったことだし、この勢いでいっちょやっちゃいますかー。」
「善は急げ、ってことだね。まぁ先生のバレた場合の指示を聞く時間で少し遅れたけど。」
「はい〜それでは、しゅっぱ一つ!」
「カタカタヘルメット団のアジトがあるとされるエリアに入りました。半径15km圏内に、敵のシグナルを多数検知。おそらく敵もこちらが来たことに気付いているでしょう。ここからは実力行使です!」
「それじゃあ総員!突撃!」
「はい!!」
そうして始まった奇襲作成。まずは油断しているヘルメット団にノノミのマシンガンとドローンの高火力兵装で怯ませ、その間にシロコが敵を撹乱させて、その隙にホシノとセリカが目標の補給所や弾薬庫の破壊を目指す。
「クソッ!奴らアタシたちをボコボコにしたのにっ更に追い打ちしてきやがった!総員戦闘配備につけ!!」
「無理だ!!準備がぁっ」
「くぅ…あの狼っぽい奴に弾当たんねぇ!ウッ」
「なんだよ!救いは…救いはねぇのか!!あっアイツ!アタシたちの弾薬庫を破壊していやがる!次は補給所…いやこのアジトも破壊しようとしている!?ぐっ…ソ」
それでもヘルメット団は抵抗を試みるが、奇襲に対応できずに次々と倒れていき、遂に残っていたアジトと補給所が破壊されて気絶していなかったヘルメット団も全滅させた。
「敵の退却を確認!並びに、カタカタヘルメット団の補給所、アジト、弾薬庫の破壊を確認。」
「これでしばらくはおとなしくなるはず。」
「よーし、作戦終了。みんな、先生、お疲れー。それじや、学校に戻ろっかー。」
そして破壊され煙が立ち昇るヘルメット団のアジトを背に俺達は学校に帰って行った。
「お帰りなさい。皆さん、お疲れ様でした。」
「ただいま〜。」
「アヤネちゃんも、オペレーターお疲れ。」
「火急の事案だったカタカタヘルメット団の件が片付きましたね。これで一息つけそうです。」
「そうだね。これでやっと、重要な問題に集中できる。」
「うん!先生のおかげだね、これで心置きなく全力で借金返済に取り掛かれるわ!ありがとう、先生!この恩は一生忘れないから!」
「…すまない。今…借金返済って言ったか…?」
「....あ、わわっ!」
…どうやらまだまだこの学校には問題があるらしい…。
ちなみに皆さんは真マジンガーZero対暗黒大将軍の最初に出てきた剣鉄也彼はクローンより存在なのかアニメとかのようにただグレートに乗れるほどの在野の天才だったのだろうか…?