ゲマトリア兼デカグラマトン所属、エンターと申します。以後お見知りおきを 作:エンター・■■■■
今回はミレニアムでのエンターが、少しだけ。
私はゴルコンダ、デカルコマニーのいた場所からノートパソコンの能力による転移で、黒服のビルに訪れていた。
「で、Monsieur黒服、一体何用ですか?私も少し急いでいるので、手短にお願いしたいのですが」
そこには椅子に座り、ゲンドウのポーズと言えばいいだろうか。そのような感じの黒服がいた。それに私は黒服に話しかけると、私の雰囲気で察したのか、さっと話し始めた。
「⋯⋯⋯⋯なら、アイスブレイクは必要なさそうですね。ならば先に本題から入りましょう」
「小鳥遊ホシノ⋯⋯⋯“キヴォトス最高の神秘”を手に入れる為に、共に手を組みませんか?」
それは協力の要請だった。
「心をへし折る為にユメを助けた私を利用したいというわけですか?それともカイザーに関わるのが面倒くさいとか、そういうこともありますか?」
「クックック⋯⋯私の考えの、どちらともお見通しの様ですね」
そう言って溜め息をつく黒服。カイザーというか、あの理事が面倒くさいのだろう。
協力関係をあちらとも築いているため、関わるのは必然的。だが、何分高圧的な態度を取ってきてるために嫌なのだろう。
別に捨てることはできるのだが協力していたほうが都合がいいとはいえ、黒服は出来るだけ関わりたくないのだろう。
だからこそ私に目をつけたというわけですか。
「構いませんよ。丁度私もあの方たちの神秘を集めていますので」
「ほう?神秘を?」
「ええ、後に会議の時に明かすつもりでしたが⋯⋯神名文字というものを集めておりまして、そこでアビドスの面々に目をつけているのですよ」
神名文字⋯⋯⋯⋯現在アビドスのものはホシノが2個、シロコが1個、セリカ、ノノミが1個ずつ。アヤネは0である。サンプル用としても、最低でもそれぞれ3か4は欲しいところ。
「なる程⋯⋯神秘を得ることを目的としている我々にとっても、都合がいいですね。しかも神秘を得る方法を確立しているとは。流石ですね」
「だから今、Monsieur黒服と利害が一致しているんですよ。よって協力関係を結びましょう」
「クックック⋯⋯なら、計画についてはご説明したほうがよろしいので?」
「私は未来を知っています。当然、黒服がしようとしていることも。だから大丈夫ですよ」
「流石、未来の可能性を予知する能力でしたか。まぁいいでしょう」
そうして黒服は立ち上がり、窓の外を見る。そこには住宅街と、そこからでも見えるほどの大きな砂漠があった。そして黒服は話し始める。
「貴方はあの時、色彩が到来することは確定している。そう言いました」
それは本編が始まる前の会議の後、ベアトリーチェ以外のメンバーで集まり言ったこと。未来を観測できる能力についてで、色彩が到来するということを。
色彩関係に関してはゲマトリアは天敵として見ているため協力関係を出しておいたほうがよいと話したのだ。
尤も、ベアトリーチェは色彩を呼び出すとかいうアホなことするために色々と準備しているのだ。それを知らせるわけにもいくまい。
まぁ、そのことについては何も言っていない。色彩が到来しなければ確実にキヴォトスに滅びがくるし、到来しても結構な確率で滅びてしまう。そう思うと本当にギリギリなのだろう、この世界は。
それは置いておいてだ。その上記の関係で、黒服、マエストロ、ゴルコンダ、デカルコマニーに協力関係を申し出た。流石に隠しておくわけには行きませんからね。
「そして、重大なのは『その色彩関係の多くがアビドスに関係がある』とも」
「ええ、確かにそう言いました」
「だからこそ、キヴォトス最高の神秘を、暁のホルスを手に入れなければならない。そう思っていた時期がありました」
「ほう?」
「ただ、最近考えが変わり始めているのです。奴の力は絶大、それ故に私が暁のホルスを手に入れてしまえば、色彩が到来し滅びが来てしまうのではないかと」
成る程、色彩の滅びの力。それが全てアビドスに関係があるとすれば、当然暁のホルスにも関係がある。それを起こしキヴォトスを滅ぼしてしまったら元も子もない。そう言いたいのだろう。
「だからこそ聞かせて貰いたい。
「⋯⋯⋯⋯」
それは、その感情は疑惑。この箱庭を探求するが故に天敵を呼び寄せることになってしまったら元も子もない。だからこそ、未来を観測できる私に聞きたいのだろう。まぁ、原作知識のため、『擬似的な』という前書きがつくが。
それに私は少しだけ黙って、口を開く。
「先に言っておけば
「!⋯⋯ならば安心ですね」
そう言って黒服は一息つく。流石に、内心ドキドキしただろう。
「流石に未来を教えるわけにはいきませんが、これだけ言っておけば安心でしょう?」
「ええ、流石にドキドキしましたよ」
「まぁ、それはよいとして⋯⋯要件はそれだけですか?」
「あぁ、そうそう。あのカイザーから依頼です」
「どんな依頼で?」
「それは⋯⋯⋯」
私は黒服のビルから離れて、研究所に戻って来ていた。そして計画についての追加項目を練る。
「まさか重要書類、それもカタカタヘルメット団についてものを消せという依頼とアビドス襲撃の依頼ですか⋯⋯」
はぁ⋯⋯と溜め息をつく。あのスクラップ共はそんなにもお宝にご執心らしい。それは今、ビナーが守って手を出せるわけがないというのに、よくもまぁ頑張るもです。
ウトナピシュティムの本船も列車砲シェマタも、どちらとも警護してくれているビナーには感謝しかありません。まぁ、列車砲シェマタに関しては
「確かにそういうことについては私が適任かもしれませんが⋯⋯多分、黒服は暁のホルスについてご執心。それに関係ないことには手を出したくなかったのでしょうね」
多分、研究者としてのプライドか、それとも単純に嫌だったか。どちらにせよ、私が体よく扱われていることについては少し嫌ですが、そのくらいは別に構わないものです。
そんな事を考えていると、ガチャっとドアの開く音が聞こえてくる。青く長く、ポニーテールをしている髪に紫色のヘイロー。アリス・エスケイプですね。
「失礼します。マスター」
「む?エスケイプ、何用ですか?」
「報告、メガゾードγの製作が完了しました」
その知らせは私にとっても思ってもみないことでした。もうちょっと遅くなると思っていたのですが⋯⋯多分、コクマー、ビナー、ケセド、ケブラのお陰ですね。有難い限りです。
「それは本当ですか!!えぇ、今すぐに見に行きます!!」
「了解、案内します」
そして私は立ち上がり、エスケイプの方へついていく。そして進んだ先、メガゾード保管庫にそれはあった。
それは戦闘機が人型へ変形したような、シャープさと重量感を併せ持つ機体だった。全身を覆うのは、鈍い光沢を放くダークグレーの装甲。関節や関節の結合部から漏れ出る、冷ややかなエネルギーラインが、その機体が未だ高出力で駆動出来ることを見せつけている。
カメラアイは無機質なモノアイで、赤いラインが一条の閃光のように機体正面を走っていた。
戦闘用のメガゾードが一つ。メガゾードγ。
それが目の前にある代物だった。
元々、メガゾードγというのは新型と言ってもその本質はタイプαとタイプβの双方のデータを元に造られた物。
その機動力、パワーのどちらもそれぞれのタイプの機体とは比べ物にならない程に高く、エネルギーシールドの展開機能を基本性能として持ち、両腕からミサイルを発射する他、両肩に装備された2本の剣を武器に用いる事もある。
ただ、タイプα、βがない分、預言者たちの戦闘データを元に改良に改良を重ねて作られているので、かなりの高スペックへと至ることができている。
また、頭部のモノアイから吸収したエネトロンや物質を亜空間へ転送する事も出来る。
そして私はバグラーから渡されたメガゾードγについての説明などを見る。そして私はその説明書を閉じて、メガゾードγを見る。
「
それは称賛の言葉。目を輝かせ口が三日月のようにパッカンと笑っていて、何処か不気味な笑顔でもあった。そして彼は続ける。
「流石です。皆さん」
その言葉にバグラーたちは「ジーザッザッ」としか言っていないが、その喜び具合が目でわかる。やはりこういうものも良いですね。
「これでお仕事は終わりですが⋯⋯もしまた頼みたい事があれば即座に伝達しますので」
そう大きな声で、バグラー全員に伝わるように言う。それにバグラーは同時に頷いた。
「さぁて、これで本当の準備が完了しました。待っていてください、先生?」
そして私は振り返り、その言葉を口にする。ロールプレイの本番が始まって、それの用意ができたのだ。さぁ、パレードを始めるとしましょうか。
ミレニアムサイエンススクール。それは技術大国と言われるほどに他の学園よりも進展した技術を持つ学園である。
そして、そんな学園の生徒会⋯⋯もとい『セミナー』の一室では、カタカタとパソコンのキーボードを叩く音が忙しなく鳴り響いていた。
「はぁ⋯⋯」
そして溜め息をつく生徒が一人。セミナーの『早瀬ユウカ』である。そして隣に生徒がもう一人、『生塩ノア』はそんなユウカをからかう。と、言ってもノアは先に終わっているため、少しだけからかったら手伝おうかと考えていた。
「ユウカちゃんのため息、今日で28回目ですよ♪」
「ノア、一々数えないでよぉ⋯⋯」
ビルを3棟破壊。それも窓ガラスとかではなく物理的な破壊。C&Cが作戦でやってくれたことである。
今朝のニュースで見たそれを思い出しつつC&Cのアカネが差し出した報告書を受けとって目を通していく。内容としてはビルを破壊したということと本人の名前、状況や理由やら⋯⋯そして頭が痛くなりそうな被害総額。
それに目を通したユウカは本当に疲れたOL見たいな顔をしていた。まぁ、無理もない。実験棟の爆発やらそういうものがもう毎日のようにあるが故に、机に突っ伏していた。
「しかも今日に限って、謎の実験の被害総額、やたらと多い材料費⋯⋯⋯あぁ、早く来て⋯⋯」
早瀬ユウカはとある人が早く来るのを願っていた。多分キヴォトスで唯一の男子生徒である彼を。そんな時、ガチャっとドアの開く音が聞こえた。
「失礼しますよー」
「あっ!?やっと来た!!遅いわよ!!」
そんな声がするとユウカはバッと机から顔を上げてドアの方を見る。その先に映る彼⋯⋯天然パーマの茶髪の、眼鏡を掛けた生徒であった。
「今日用事があるから遅くなると言った筈では?」
「ううっ、そうだけど⋯⋯」
その正論とも取れる言葉にユウカは少しだけ顔を曇らせる。ユウカは感じていた。この人がいないだけでどれだけ効率良く回らないのかと。本当に有難いと感じていた。
「うふふ、ユウカちゃんはレイチ君が来るのを楽しみに待っていたんですよ♪」
「ちょっ!?ノア!?」
「そんなに楽しみにしていたならモモトークで連絡してくれれば早めに来たのですが⋯⋯」
「真に受けないでよ!!⋯⋯あっ、ごめんなさい、そんなつもりじゃ⋯⋯⋯⋯」
「おや、それはそれで悲しいですね、およよ⋯⋯」
「ううっ⋯⋯⋯ノーアー!!!!」
「うふふ♪」
そんなノアのからかいのノリに軽く乗っている生徒⋯⋯セミナーの情報処理担当『
尤も、それを知っているのはゲマトリア*1とデカグラマトンと預言者たちだけである。因みに、疑似ヘイローを展開していて、顔も少々プロテクトを張っているため、エンター=零壱とはならない様に工夫している。
それはそうと、ここに来た以上、仕事をせねばならない。
情報処理能力に関してはもうお察しの通りであるが、デカグラマトン由来の演算処理能力と自前の頭脳によりアホみたいに速いため、セミナー内というかミレニアム内で超人なのでは?と言われるほどに優れているのは別の話だ。
「で、何をすれば宜しいので?」
「ええっと、これとこれを⋯⋯」
「あぁ、これですね⋯⋯成る程。終わりましたよ」
「速いと言うかもう、恐ろしいわよ⋯⋯」
ユウカが口ずさみ、それにレイチことエンターは苦笑いする。流石に書類見て2秒程度で把握して10秒で書き終えるとかいう頭のおかしいレベルの速さであるためである。
デカグラマトン由来とはいえども、書類仕事関係は連邦生徒会長という名の本気ものの超人に教えてもらったがゆえに、馬鹿みたいに速かった。
みるみるうちに仕事が終わっていく。そしてそれにつられてユウカの顔色にどんどんと艶が元に戻っていく。
ミレニアムシナシナアオモップからミレニアムツヤツヤアオモップもといミレニアムオオフトモモに進化()した瞬間であった。
そして書類仕事が終わったと同時に、ノアが話しかける。
「流石ですね、レイチ君」
「ノアの完全記憶には負けますけどね」
「あら、レイチ君の情報処理には私も追いつきませんし⋯⋯また勝負してみますか?神経衰弱で」
「ノアから提案してくるとは珍しいですね」
「⋯⋯情報処理能力と完全記憶能力。どちらが強いのかの勝負、今の段階では25勝25敗50引き分けですからね♪」
「ならやります?勿論、イカサマ無しで」
「ふふふ⋯⋯」
「Hahaha⋯⋯」
バチバチと音が鳴ったような気がした。ノアの完全記憶とエンターの情報処理。性質は違えど中身は似たようなもの。故に度々ゲームで戦っていた。
尤も、運動系はノアに提案してやってみたらノアは驚くほどに運動神経が皆無だったので、スミレにシゴイて貰った過去があるのは此処だけの話だ。
次の日にはノアは筋肉痛どころの騒ぎではなくなっていて、物理的に死にかけていたのも此処だけの話だ。
そんな日常がノアとユウカは続くと思っていた。
だがそんな淡い期待は、もっと先の未来で裏切られることになることになるとは思いもしなかった。
十条レイチ(ジュウジョウ レイチ)/エンター
エンターの生徒の姿で、ミレニアムサイエンススクールの2年生。セミナー所属であり情報処理能力がアホみたいに速いため、セミナーの情報処理担当を務めている。
ミレニアム内では連邦生徒会長レベルの超人で実は連邦生徒会長=変化した零壱とちょこちょこ囁かれているが、本人は否定している。というか実際そんなことはない。ただ、直々に教えてもらった結果こうなっただけである。
零壱=エンターだと知っているのは、デカグラマトンとその預言者一同、黒服、マエストロ、ゴルコンダ、デカルコマニーである。勿論ベアトリーチェは知る訳がない。省いている訳では無いがそもそもの話で伝える訳がない。
以上!閉廷!!
本編更新順に関してどっちがいい?(最終編以降は除く)
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ブルアカ原作の更新順
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volごとで一気にやってほしい