ゲマトリア兼デカグラマトン所属、エンターと申します。以後お見知りおきを   作:エンター・■■■■

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『おばあちゃんが言っていた。たとえ世界を敵に回しても、守るべきものがある、と』
【仮面ライダーカブト】より

『仮面ライダーカブト・天道総司』


Mission17 黒き者と希望の邂逅

 

 

簡潔に言えば、アル率いる便利屋68VSカイザーPMCの軍人との戦いは呆気なく終わった。まぁ、神秘を持つものと持たないものではこの差は歴然だろう。

 

 

「これであとはあなた達だけよ!カイザー!」

 

「むぅ、やはりな」

 

 

それに対して、カイザーは予想していたかのように息を吐いた。そもそも、この計画自体はエンターと黒服が提案したものだがエンターとカイザーは察していた。

 

便利屋を退け、メタロイドを退け、さらにはPMCのものまでも退けた。そんなものに勝ち目を期待しても裏切られるだけだ。

 

 

「予想していた通りだ。だが、何故そこまで戦闘力が上がる?」

 

「うるさいわね、そんなの知ったこっちゃないわよ!あんたなんかより先生の方が、一緒に仕事がしやすかった!それだけの話よ!エンターの時も仕事はしやすかったけどね!」

 

「あはっ。雇い主を裏切ることくらい、悪党としては当然でしょ!そんなことも予想できなかったの?」

 

 

悪党のように醜悪な笑みを浮かべるムツキ。便利屋68はアウトローを目指している何でも屋。故に、そんなことは当然の如く起こせるのだ。それにアヤネは少しだけ涙を浮かべる。

 

 

『便利屋の皆さん⋯⋯』

 

 

そして目を覚ましたように対策委員会のメンバーは声を出す。

 

 

「そうだね、確かに悪党としては正解」

 

「⋯⋯⋯お陰様で目が覚めました。私たちに今、迷っている時間はありません」

 

「そうだよ!!何よりもまず、ホシノ先輩を助けないと!!」

 

「非公認?不法組織?そんなのだって構わない!!そんなことは今、何の関係もない!!」

 

 

それは迷い、辛く、悲しみの果てに、対策委員会が便利屋の助言をもとに導き出した答えに等しかった。

 

それは決意の表れであり、怒りであり、必死に抗わんとしてきたアビドス廃校対策委員会がもう一度結束した瞬間であった。

 

 

「ホシノ先輩を助ける、今大事なのはそれだけ」

 

「やはり貴様らは無駄な抵抗をするのだな」

 

“⋯⋯よくも、私の大事な生徒を!!ホシノを返してもらうよ“

 

 

先生が出した言葉、それは怒り⋯⋯⋯⋯⋯⋯又は激情とも取れる言葉であった。先生は生徒を守る存在、それ故にカイザーが犯した蛮行が許せる筈がなかった。

 

 

「成る程、それが貴様らの意思か。ならば正々堂々、向き合わねばならぬと言うもの」

 

「貴様のせいだぞ、エンター。お前のおかげで、昔を思い出せたせいでこのような感情を抱くことになるとはな」

 

 

それはエンターと関わり始めてから変わり始めた自分に対しての言葉。だがその言ったこととは真逆に、顔は機械でありながらも少しだけ口が緩んでいた。

 

そして、まるで決意した戦士のように理事は叫んだ。

 

 

「アビドス廃校対策委員会、並びに便利屋68!!」

 

『!?』

 

「私はカイザーコーポレーション並びにカイザーPMCの理事である!!戦いを始めようか。正々堂々、かかってこい!!!!!」

 

 

その言葉を火蓋に、戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその抗争を眺める影が3つ存在した。

 

1つはゲマトリアの件の首謀者『黒服』

 

1つはゲマトリアの黒服の協力者『エンター』

 

1つはその仲間の『アリス・エスケイプ』である。

 

 

「クックックッ、まさか理事があそこまで意思が強くなっていようとは。驚きです」

 

「前々から変化の兆しは見えていましたよ?私と話している時限定でしたがね」

 

「疑問、対策委員会は何故あそこまで頑張れているのですか?」

 

 

エスケイプは純粋な疑問をマスターであるエンターに聞く。まだ人の心などを理解していないエスケイプにとっては疑問でしかなかった。何故あそこまでして守ろうとするのか、何故あそこまで争うのか。それにエンターはこう答える。

 

 

「大切なものというのは、己を賭してでも守りたいものなのですよ。例えそれがちっぽけであったとしても、守らなくちゃいけないものなんですよ」

 

「理解⋯⋯⋯⋯不能」

 

「大丈夫です。これから理解してけばいいのですから」

 

 

その言葉は『仮面ライダーディケイド』での門矢士がファイズの世界で言った言葉。ちっぽけであったとしても、ちっぽけだからこそ守らなくちゃいけない。この青春の物語も同じようなものだ。

 

 

「そういえば、黒服は先生をもう呼んでいるので?」

 

「いいえ、後で呼ぼうと思っていたところです。エンターはどうします?」

 

「いえいえ、私は私なりのやり方で先生と会うつもりですのでご心配なく」

 

「そうでしたか。おや、そろそろ決着がつきそうですよ?」

 

 

そう黒服が指差した先には倒れ伏すカイザー理事を持ち上げようとしているPMCの軍人と、それを眺める便利屋68と対策委員会の姿があった。

 

 

「hmm⋯⋯やはり対策委員会が勝利しましたか」

 

「えぇ、やはり舞台と言うのは思いが強い方が勝つ。らしいですからね」

 

「感情論ではありますがね。そろそろ私は準備するので失礼するとしましょう。エスケイプ、行きますよ」

 

「了解、マスター」

 

「えぇ、お元気で」

 

 

そしてエンターとエスケイプは振り向くと、次の瞬間には風が吹いてその姿が消えていた。

 

「クックック⋯⋯⋯先生の決意を、とくと拝見させて頂きましょう」

 

そして次の瞬間には、黒服も消えていた。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

場面は戻ってアビドスVSカイザーPMC

 

結果はアビドス&便利屋68の力により圧勝していた。最後辺りにゴリアテを出動してかなりの大打撃を与えたが、それでもやられることはなかった。そして負傷した理事にオートマタが駆け寄る。

 

 

「理事!!大丈夫ですか!!」

 

 

直ぐに色々な所を確認するやいなや、ほかのPMCの兵士のオートマタ達に叫び伝言を散らす。

 

 

「理事⋯⋯傷が!!直ぐに治療を!!」

 

「いいや、後で良い。今は退却命令を出す」

 

 

そして理事は手に持つトランシーバーで兵士たちに退却命令を出す。それは敗北したというのを認めた証拠でもあった。そして理事は話し始める。

 

 

「ふん、貴様らの決意は見させてもらった」

 

「どうよ!!」

 

「ん!!!」

 

 

それに対して胸をバリバリ張る便利屋68のアルと対策委員会のシロコ。こういう所で堂々としていればハードボイルドの貫禄があるというものを⋯⋯⋯

 

 

「貴様ら、覚えておけよ?」

 

 

そう機械でありながらもニヤリと笑っていそうなその顔は、何処か楽しそうでもあった。そしてそう呟きながら何処かへと行き、兵も退散して行った。それに対策委員会と便利屋68と先生は喜びの声を上げる。

 

 

『敵兵力、退却していきます⋯⋯⋯!』

 

「ふぅ⋯⋯」

 

「⋯⋯ん」

 

 

戦い続けていたから結構お疲れな様子の皆。何時間も戦い続けていたらそりゃそうなるだろう。それでも耐えれているのがキヴォトス人の凄いところなのだが。

 

 

「いや〜でも何だか不穏な空気漂わせてたね。だけど、覚えておけよ!なんて三流の悪党みたいだね」

 

「想定通り、大体上手く行った。風紀委員会相手でも通用するといいけど⋯⋯⋯」

 

“取り敢えず、帰ろっか”

 

『はい、先生』

 

 

そして帰った後、先生は一つのビルへと向かっていった。とある人から招待された、その手紙を持ちながら。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

《夜・黒服所有のビル》

 

 

 

 

先生はビル前にいる警備員に手紙を差し出して、中に通してもらい、エレベーターで登っていた。鬼が出るか蛇が出るか⋯⋯それが先生の考えていることだった。

 

そしてエレベーターのドアが開き、目の前にある部屋に入る。その中には1人の男がいた。黒いスーツにまるで異形のような、顔が割れて光が漏れ出ているような頭。

 

そして目の前の彼は話し始める。

 

 

「⋯⋯⋯⋯お待ちしておりましたよ。◯◯先生」

 

「あなたとは一度こうして、顔を合わせてお話ししてみたかったのですよ」

 

 

どうぞこちらへと椅子に座って、対面で話し始める。目の前の異形はゲンドウのポーズを、私は礼儀正しく掌を膝の上に置いて、彼が喋るのを待つ。

 

 

「貴方のことは知っています、連邦生徒会長が直々に呼び出した不可解な存在」

 

「そして彼から聞いたこと⋯⋯もとい、オーパーツ『シッテムの箱』の主であり、連邦捜査部『シャーレ』の先生」

 

「貴方を、“貴方自体を”お待ちしておりしましたよ」

 

 

そう言い放つ。先生は考える。“彼”とは一体誰なのだろうか。何故シッテムの箱のことを知っているのか。そして私自身を待っていたというのは一体どういうことなのか。

 

その頭に限りなく思いつくその疑問に振り回されながらもそれを一旦振り払って目の前の男の話を聞く。

 

 

()()、あなた達と敵対する気はありません。寧ろ協力したい⋯⋯そう考えています」

 

「私たちの計画において、最大級の障害と成りうる存在、そう我々は考えています」

 

“あなた達は一体何者?”

 

 

目の前の異形に最大級の警戒を置きつつも、彼がなんなのかについて聞く。そうすると、何か忘れていたかのように話し始める。

 

 

「おっと、自己紹介がまだでした」

 

「私たちはあなたと同じ、キヴォトスの外部のもの⋯⋯それもあなたとはまた違う領域の者です」

 

「適切な名前がありましてね、その名前を拝借させて頂いています。私たちのことは『ゲマトリア』そうお呼びください」

 

 

ゲマトリア⋯⋯⋯明らかに何処かの組織の名称だろう。それも子供について何も思っていない所の協力者なんて碌でもない所なのは目に見えて分かるのだが、想定以上のヤバい奴が出てきた。

 

 

「私の名は『黒服』とお呼びください。これが一番気に入っている名前なのでね」

 

 

黒服⋯⋯⋯それが彼の名前。というかそのまんまじゃん!?黒いスーツ姿で黒くヒビ割れて光が漏れ出てる顔だから黒服?だれそんな名前つけた人?

 

と内心先生はツッコミまくっていたが、そんなことは今考えることではないと頭を振って話を聞く。

 

 

「ゲマトリアというのは⋯⋯⋯観察者であり、探求者であり、研究者です。あなたと同じ、『不可解な者』又は『不可解な存在』と思って頂いて構いません」

 

「答えは分かりきっていますが、一応聞いておきます。私たちと、もといゲマトリアと協力する気はありませんか?」

 

“あるわけないでしょ。巫山戯ないで”

 

 

先生は高速でその誘いを断る。生徒を守るものにおいて、それを蔑ろにするものと一緒になる気はない。それが先生の考えであった。

 

 

「⋯⋯⋯左様ですか」

 

「ならば聞きましょう。あなたは真理と秘儀を手に入れられる提案を断ってまで、このキヴォトスで何を追求するつもりなのですか?」

 

“私はただ、ホシノを返してもらいたいだけ”

 

 

何も追求する気なんてない。私は生徒を返して欲しいだけ、ただソレだけなのだ。先生としての責任、それがあるが故に。

 

 

「クックック⋯⋯やはり、聞いていた通りです。あなたは面白い存在だ。だからこそこの質問をします」

 

「ホシノはもうアビドスの生徒ではない、なのに守る。そう言うのですか?」

 

“まだ()()()()()()()サインしてない。”

 

 

その言葉、それが一番の正当性がある。大人と子ども、先生と生徒。その関係上、それが一番の効果があると先生は分かっていたのだ。

 

 

“だからホシノはまだ対策委員会所属だし、アビドス副生徒会長だし、まだ私の生徒だよ”

 

「⋯⋯そうですね。私とホシノさんが交わした契約はあくまでホシノさんが学校をやめていることが前提。それが覆された以上、手を出すことはできません」

 

 

黒服が意味をなくした契約書を破り捨てる。だが、それとは裏腹に顔から漏れ出る光はより強めていった。まるで興奮しているかのように。

 

 

「⋯⋯成るほど。学校の生徒、そして先生ですか。これはなかなかに厄介な概念ですね」

 

 

背もたれに背を預け、ふぅと息をつく黒服。どこか余裕のあるその表情は私に不快感を少しずつ与えてくる。

 

コイツラは子供を騙し、心を踏み躙り、苦しみを利用した。決して許される存在ではないのだ。そして一息ついたあとに黒服が話し始める。

 

 

「いいでしょう。ホシノさんが今どこにいるのかお教えします。その代わり私の2つの質問に答えていただきませんか?」

 

“質問?”

 

「あなたは、本当に生徒の味方なのですか?」

 

“それは一体⋯⋯どういう”

 

「貴方の言う“生徒”には、当然不良なども含まれております。それも立派な“生徒”。貴方はその者たちにも当然救いの手を差し伸べる。そう言っているのが貴方の言う“生徒に味方する”ことです。本当に、生徒の味方なのですか?」

 

“⋯⋯⋯⋯⋯”

 

「シャーレという連邦生徒会の権力を持つ者、だから救うことができる。ならばここ、アビドスに来る前までに不良は沢山いた筈、そしてそれを救えた筈。なのに、何故救えていないのですか?」

 

「答えてください。先生」

 

 

それに私は少しだけ黙って考え始める。確かに不良も生徒である。確かにそれを救わなければそう言えない。だけど、私は変わらない

 

 

“まだ、知名度が低かった。そしてこのアビドスの1件で一気にシャーレは広がる。だからそうやって広げていって、不良も救う”

 

“だから私は、生徒の味方であり続けたい。それが私だから。大人である私の責任だから”

 

 

そう言うと、黒服がクックック⋯⋯と笑い始めて、少しだけ経ったあと、彼が話し始める。

 

 

「やはり、想定していた通りです。あなたはそういう存在⋯⋯成る程、彼が言っていたことが理解できました。確かにそれなら彼がそうするのも理解が及ぶというもの」

 

「さて、話題を戻しましょうか。ホシノさんの居場所ですね。ホシノは、アビドス砂漠のPMC基地の中央にある、実験室にいます」

 

 

その言葉をアロナに録音させておく。もし分からなくなったときのために、もしもの時のためにも。

 

 

「先生、微力ながら幸運を祈ります」

 

「ゲマトリアはあなたのことをずっと見ておりますよ」

 

 

その言葉を聞かずに、私は黒服のいる部屋から出ていった。そのあと、黒服は呟く。

 

 

「クックック⋯⋯エンター、あなたが成すこと。それも応援しておりますよ。ゲマトリアとしても、個人としてもね」

 

 

そうしてホシノを助けるための総力戦が幕を明けた。

 

 





誤字報告ありがとぉ⋯⋯

3/22〜3/23
日間10位???
で3/23昼15位???
んで今日18位???
私目を疑ったよ?ほんと椅子から転げ落ちた。

それはそうと、UA4万、お気に入り900件超えありがと~

もし掲示板回やるとしたら、この世界線で放送されているのは?(改訂版)

  • 特命戦隊ゴーバスターズ
  • 動物戦隊ゴーバスターズ
  • 特撮はあるけどゴーバスターズがない世界線
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