ゲマトリア兼デカグラマトン所属、エンターと申します。以後お見知りおきを 作:エンター・■■■■
あと2話くらいでアビドス編終わりそうです
アビドス対策委員会の面々と先生は、カイザー理事を乗り越えて、ついに建物の目の前までに迫っていた。だが、皆はそこでストップしていた。
その建物の校門らしき所の前に、人が一人、木の椅子と机を用意してピザ食って座っているのだ。しかもこんなPMC基地のド真ん中であり、砂漠の真ん中であるこの場所で、だ。
正直言って、頭がおかしいか、何かしら原因があるのだろうと、そう思っていた時期が私とアビドス対策委員会の皆は思っていた。警戒心というか警戒態勢は剥き出しであるものの、だ。
だが、そんな時でも困惑するときはある。そう、その机にあるものと、手に持つものだ。明らかに砂漠には合わないもの⋯⋯
(な、なんでピザ?)
そして彼はピザを1枚持ち上げて言う。
「Ça va?先生方?」
『それサバじゃなくてピザ!!』
ツッコミが一致した瞬間だった。というか、なんでこんな所でピザ食べてるんだろう⋯⋯しかもご丁寧に机と椅子まで用意されてるし。
少し⋯⋯いや、大分私と、対策委員会一行は引いていた。だが、そんなことも気にせず、目の前の彼は椅子から立ち上がって話す。
「ウィーウィーウィーウィー⋯⋯⋯ここから見るPMC基地は迫力物ですね」
「ん、そんな事どうでもいい。そこを通して」
シロコはさっさとどいて欲しいという思いがいっぱいで、警戒態勢&警戒心剥き出しの状態であった。そして、再起動を果たした私が聞く。
“あなたは一体、何者?”
「おや、そうでした。まだ自己紹介をしていませんでしたね」
そう言うと、一切れのピザを机の上にある皿に置き、お辞儀をして彼は自己紹介をする。だが、次のその言葉は私にとっては想定外の言葉だった。
「私の名はエンター。ゲマトリアのエンターと申します。以後、お見知りおきを」
“ゲマトリアっ⋯⋯”
対面する私はその名を聞いて即座に『大人のカード』を出すほどには焦った。
目の前にいるのがもう1人のゲマトリア、そして名をエンターと名乗った。あの子供を搾取する、黒服が入っている組織の名称を名乗ったのだ。そして私は凄まじい怒気を伝えながらも言う。
“ゲマトリア。私は君達の存在を許しておく事は出来ない”
「へぇ、だからどうしたのです?」
“⋯⋯だから、お前が私の生徒達を傷つける事があれば、私は『大人』としてその行為を断じて許さない”
私の怒気を全く気にすることはせず、彼は話す。どこか、他人事のように。
「別に貴方の許しなんて要らないですし、ゲマトリアはそういう組織だと知っているでしょうに⋯⋯あっ、そうそう。ご一緒にピザ、如何です?」
そう言いながら彼はピザを再度持ち上げ、此方に向けてくる。だが、私たちの答えは『否』だ。
“残念だけど、今はそんなつもりじゃない。今直ぐにそこを通して”
対策委員会の面々と先生は凄まじい圧を彼⋯⋯もといエンターにぶつける。その圧は小鳥遊ホシノには劣るが、それでも一級品。伊達にアビドスのカタカタヘルメット団を毎回殲滅してるのだ、戦闘能力は他の高校の一般生徒よりかはあるだろう。
だが、そんなもの気にしないと言わんばかりに余裕の表情を見せるエンター。彼が取ったのは、意外すぎる、それも想像の斜め上を行く行動だった。
「そうですか⋯⋯⋯では早速」
エンターは机の上にあるノートパソコンから伸びるUSBコードの先端を目の前のピザが置かれてある皿のピザカッターにつける。
つけた瞬間、そのピザカッターに電子版のようなナニカのシルエットが広がり、少し経った後に消えた。そしてそれを上に勢い良く投げる。
そしてカードケースから黄色のカードを取り出し、それをノートパソコンにスライドさせる。
「メタウイルス、『切る』インストール」
エンターのパソコンに繋がれたピザカッターがここに落ちて来る瞬間、ソレは緑色に発光して変形し始める。
カッターロイド
カッターロイド
カッターロイド
誕生しようとしているメタロイドの名前が電子音声で3回コールされた。そして、投げられたピザカッターが地面に落ちる前に、それが5分割されてその形を変えていく。
その異常ともいえるものに、対策委員会と先生は唖然としていた。
右腕の高速回転ピザカッターや両肩にある円盤型カッター、そして足にもあるピザカッターの丸鋸。まさにピザカッターが変形したロボと言えるだろう。
そして、誕生したロボットが右腕にあるピザカッターを高速回転させ始める。
「切る!」
その高速回転させたピザカッターを後ろの机にやると、エンターは何かを察したように机の上にあるノートパソコンをどける。
すると、その高速回転させたピザカッターが通った瞬間、その机が簡単に切れてしまった。そしてあのロボットが右腕のピザカッターを左腕で撫でながら言う。
「人も物も、この世の全てを、切るゥ!!」
“うっそでしょ⋯⋯⋯?”
「えぇっ!?」
「うそっ⋯⋯!?」
「これは⋯⋯すごいですね⋯」
『えぇ⋯⋯⋯⋯』
それに私は苦笑いを浮かべ、対策委員会も驚きの声を出す。つまりでいえば、だ。あの目の前の奴の胸にあるマーク、それが他のロボ⋯⋯前哨基地にいた奴、便利屋68襲撃時、銀行強盗から逃げる時の3つのロボにもそのマークが付いていた。
ということは、この人が⋯⋯エンターが生み出した主で確定するし、ピザカッターからあんなロボットが出来たということは、あの3つのロボットも、物から生み出されたということ。
そのヤバすぎることに、先生は冷や汗を流す。
「さ、後はお願いしますよ?カッターロイド」
“待てっ!!”
私は彼を制止させようとするが、カッターロイドに遮られてしまう。そして、彼は振り返りホシノが囚われている建物へと入っていった。
そして、残ったカッターロイドを見据える。
「Monsieurエンターの命令により、貴様らを排除する」
「ん、簡単に倒されるべき」
「ピザカッターですか⋯⋯」
目の前にいるロボット⋯⋯⋯もとい電子音声から察せるに『カッターロイド』それが奴の名前なのだろう。よく見てみれば識別番号らしきものが書かれていてCー10と書かれていた。
“ノノミはミニガンで牽制!シロコとセリカはタイミングを見て狙撃を!アヤネは補給物資の準備を!”
『「「「了解!」」」』
次の刹那、ノノミがミニガンで弾を連射する。その弾は神秘によって強化された破壊力のある弾丸。
「お仕置きの時間ですよ〜☆」
「遅い」
だが、それをカッターロイドは一飛で避けてその右腕にあるピザカッターだったものが高速回転し始める。まるでそれは丸ノコのようだった。
「全て切れろぉ!!」
そしてその丸ノコは高速回転によってドンドン熱くなり、その鉄が赤くなっていく。そしてそれをカッターロイドは振りかぶった!
「ノノミ!危ない!」
「ひゃっ!?」
その異常とも言える光景、行動に違和感を覚えたシロコはノノミを押して同時にしゃがませる。そしてその頭上にはエネルギーカッターのようなものが通り過ぎた。
対策委員会と先生はそのエネルギーカッターの行き先を見ると、その先にある廃墟のビルに行った。そしてそれが通り過ぎると、それが通り過ぎた。
その光景に違和感を覚えた対策委員会と先生の一同。それをよく見ると⋯⋯その切れたところからドンドンズレていき、その廃墟ビルが倒壊したのだ。
「あんなの食らったら⋯⋯」
「一溜まりもないわね⋯⋯」
それにノノミ、シロコ、アヤネ、セリカ、先生の頬に冷や汗が垂れる。あの一撃をモロに食らっていたら、確実に気絶していただろう。先生に当たったら確実に死んでいただろう。その最悪ともとれる考えが頭を過る。
そして次の瞬間、カッターロイドが右腕のピザカッターを下に振り下ろす。
「大地を斬り裂くゥ!!」
「嘘ッ!?」
そしてその刃が地面に当たった瞬間、その当たった場所から道路がひび割れていき、道路が崩れ始める。まるでそれは地面を抉っているようにも見えた。
その間からノノミとシロコ、セリカと先生に物理的に分断される。その間は小さいとは言え崖が形成されていた。まさに地面を『切って』いたようだった。
“シロコ、今!!”
「ん、作動開始!!」
だが、その一瞬の隙を見逃すほど先生たちも甘くない。即座に先生はシロコに伝令を流して、何処からか現れたドローンの用意をさせてミサイルを放つ。
その連撃はカッターロイドへと向かっていく。だが、それを許すほどカッターロイドも甘くはない。武装のピザカッターを高速回転させて、何個かのミサイルを斬り裂く。
だが、全てを斬り裂くことができなかったのか、何発かのミサイルがカッターロイドの身体に直撃し、そこから火花が散る。カッターロイドは大地を斬り裂くほどの威力を出せるとはいえ、ロボット⋯⋯こちらの世界で言うオートマタなのだ。
「ぐうっ!?」
“アヤネ、ドローンでグレネードを用意して!セリカ!アサルトライフルでそのドローンでぶら下げるグレネードの結び目を撃って!”
『了解しました!』
「分かったわ!」
狙うは右腕の巨大なピザカッター。あれがトリガーとなってスパスパと何もかもを切っている。だからこそ、アレを壊せば確実に弱体化すると踏んだからだ。
空からドローンが来る。それは、先ほどアヤネに言っていたもので、そのドローンには多くの手榴弾が入ってる箱を積んでいる。そしてそれが気づかれぬように、ドローンが上空へと飛んだ。
“今っ!!”
「はあっ!!!」
「なっ!?グレネードだとぉ!?」
その右腕を上にあげる前に、そのドローンに弾丸が当たり、そこから光が漏れ出る。その火力はキヴォトスでも高火力、現実世界でも大爆発に匹敵する程の威力だ。
それをカッターロイドは自身を守ろうとして右腕をガードに使う。それこそが私たちの狙いだった。思い通りにそのグレネードは大爆発を起こす。
そして煙が晴れ、カッターロイドの姿が顕になる。だが、それは最初に見たものとは違い、見るも無惨な姿になっていた。そして、狙い通りに右腕の巨大なピザカッターは破壊されていた。
「なあっ!?私のカッターが!?」
『よし、これで⋯⋯!』
「ん、もう潔くやられるべき」
「ホシノ先輩を返してもらいますよ!!」
「お仕置きの時間ですよ〜☆」
その無惨な姿になったカッターは所々が破壊されていて、バチバチと電気を流している。もうあの高速回転によるエネルギーカッターは使えないだろう。
だが次の瞬間、予想外のことが起こった。
「不味い!負ける!!⋯⋯と、言うとでも思ったか?」
顔の両端にある3つのカッターが重なったようなもの。そこが開き、そこからエネルギーカッターが連射されたのだ。そのエネルギーカッターは右腕のピザカッターとは違い、小さくとも火力がありそうなものだった。
床に地面を削りながら私たちの方に向かっていく。それをノノミとシロコは一飛で避けて、アヤネは私を庇いながら避けた。対策委員会と私は驚きの声を出す。
「まさかまだ対抗できたなんて」
「もう潔く倒れてよぉ!!」
「流石にキツイですね⋯⋯⋯」
“早くしないと⋯⋯!!”
刻一刻とホシノが実験される時間が迫っている。彼⋯⋯もとい黒服が言っていた神秘をどうたらこうたらする実験。あんなものに興味なんてものは1ミリも興味はないが、ホシノを助けなければならない。
「もういっちょぉ!!!!」
顔の両端にある3つのカッターが重なったようなもの。そこが開き、そこからエネルギーカッターがまた連射された。だが、一度出されたものはもう見切っている。
「もうそれは分かっています!!」
「シロコ先輩、補給物資を!!」
「ありがとう、アヤネちゃん」
私の伝令で、アヤネが用意した補給物資をシロコにドローン越しで渡す。一瞬の隙であろうとも、その隙を見逃すほど私たちも甘くないのだ。
そして、最後の伝令を出す。
“シロコ!!ドローンをまたお願い!セリカ、最後の一撃を!”
「ん、作戦開始!!」
何処からかまた現れたシロコ製ドローンからミサイルが発射される。その連撃は、その火力は、ボロボロになったカッターロイドにとってはかなりキツく、脆いものだった。
「ギャァッ!?」
そして、カッターロイドにミサイルが全て直撃し、カッターロイドの機械の身体から大量の火花が辺りを散らし、爆発音がこの誰もいなくなったPMC基地に響き渡る。
「これで、終わり!!」
そして、セリカのアサルトライフルがそのカッターロイドの身体⋯⋯それも正確に核の場所⋯⋯もとい顔を撃ち抜いていた。そして、それが倒れる。
“不味いっ、伏せて!!!”
そして、カッターロイドから大量の火花が散って大爆発を起こす。その力は、道路を、後ろの校門らしき物を、工事の看板らしきものも、全てを吹き飛ばした。
「やっと倒せた⋯⋯⋯」
「急がないと!!ホシノ先輩が!!」
そうして、カッターロイドを倒した先生と対策委員会は、小鳥遊ホシノが囚われている建物に入り込んだ。
UA5万ありがとうございます!!!
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