ゲマトリア兼デカグラマトン所属、エンターと申します。以後お見知りおきを 作:エンター・■■■■
あれから一週間、先生はシャーレの仕事部屋にいた。
過酷すぎる事務仕事を終えて、なんとか疲れを取ろうとコーヒーを飲もうと立ち上がりキッチンへ向かう。そして思い出すのはアビドスの件について。
あの事件のあと、アビドス高校廃校対策委員会は名実共に、認可された部活動となり、ついでにアビドス生徒会の役割を果たすことになった。
私がリンちゃんに頼んでおいて正解だったけど、その隙をカイザーに付け狙われたのだから、もうあのようなことは起きないだろう。
「ホシノちゃんも、良かったねぇ⋯⋯」
あの事件の後、アビドス廃校対策委員会の委員長『梔子ユメ』が目を覚ました。その時、ホシノちゃんはギャン泣きしていたけど、2年間眠っていた人が目を覚まして話せるのだ。
泣かないほうが無理があるだろう。
「誰が借金を無くしたんだろう⋯⋯」
それは、アビドス廃校対策委員会の借金、約10億という莫大な借金が事件の後に消えていたのだ。それについては何度も確認したし、銀行にも確認したけど無くなっていた。
もしかしたら、理事が何かしたのかもしれないのだろうけど、よくはわからない。
「にしても、ゲマトリアの黒服、そしてエンターかぁ⋯⋯」
あの時、小鳥遊ホシノを誘拐し実験しようとした存在。そして、あの謎のロボたちを作り出した存在。アレは一体何なんだろう。
「日用品からあんなロボを生み出せるってことは、浪漫がありすぎて興奮するけど、それとこれとは話が違うんだよなぁ⋯⋯」
多分最初のショベルロイドはショベルカー、アル達から改めて聞いたファンロイドは扇風機、そしてバーナーロイドはガスバーナー?そしてカッターロイドはピザカッター。
日用品や重機からあんなカッコイイロボを作れるのはいいなぁって思うけど、それで襲撃されるのなら話は違ってくる。襲撃されるなら改めて止めなければならない。
「にしても、エンターは何故ホシノに説教を⋯⋯」
明らかにあの日から態度が軟化していて、何かあったのかと聞けばエンターに色々言われたと。しかも後輩たちに頼るようになって皆驚いていたことを覚えている。
まさか説教するためにカッターロイドを差し向けたのかと少しだけエンターにムカついたが、それとこれとは話が別だ。
「わかんないなぁ⋯⋯」
彼の目的が一切分からない。何を目的としてロボットたちを差し向けたのか、何故ホシノに説教したのか。
何もかも。
ゲマトリアの大人だからとはいえども、エンターがホシノに言っていたことは正当性がありすぎる、明らかにホシノに説教していた言葉。
何処か、黒服とは違う人。まるでそう動いているかのような変な感じ。なんだか嫌な気分だ。
そうしてコーヒーを淹れてカップを持ち、また机に座って椅子をくるくるとさせ考察を再開する。
だが、私は中に人が入ってくることに気づかなかった。
「何してるんですか、先生⋯⋯」
そう言ってジト目を向けるのは行政官のリンちゃん。手にはまた書類があった。え、また仕事が始まるの?3日の完徹で仕事を終わらせた私にまた仕事を持ってくるの?
「はい、また仕事です」
もうやだぁ!!!!寝たいぃぃぃぃぃ!!!!てかナチュラルに思考読んでなかった?ねぇ???
「しかも訂正箇所もありますし⋯⋯」
「もうヤダぁ!!!鬼!!悪魔!!リンちゃん!!」
「リンちゃんではありません。あと、仕事が増えているということは、シャーレの名前が広がっているということなので、しっかりしてください」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぉん!!!!」
そう言って私は立ち上がってシャーレの部室から出ようとするが、既のところでリンちゃんに襟を掴まれてしまう。その勢いで転んでしまって、ズルズルと引きづられていった。
場所は変わってアビドス廃校対策委員会部室。そこではもうすごい光景になっていた。
「うへへ〜ユメ先輩⋯⋯」
「ホシノちゃん、可愛いねぇ」
ユメ先輩はあの事件の後、ホシノが何故か直ぐに病院に行くと、ユメ先輩が目を覚ましていたのだ。これはもう奇跡だとか、色んなことを思ったけれど、目を覚ましてくれて良かったと心の底から思うよ。
そしてユメ先輩は今、ホシノに膝枕をしていた。久しぶりの愛しのユメ先輩の膝枕は極上の枕。故にぐっすりと眠っていた。スースーと寝息を立てるホシノを撫でるユメ先輩の構図に、皆はニッコリとなっていた。
「ホシノ先輩、良かったね」
「うんうん!」
「借金も何故か無くなっていましたし⋯⋯あとは土地を取り返すだけです!!」
「さぁて!気合入れていくわよ!!」
そして借金が無くなった対策委員会の次の目標はアビドスの土地を取り返すこと。それには莫大なお金が必要になることだろう。それを解決するためにも、奔走しなければならない。
まだまだ、アビドスには課題が山盛りなのだ。
「にしても、ホシノ先輩は何故ユメ先輩が起きることを知っていたのでしょうか⋯⋯⋯⋯」
「そんなことどうでもいいわよ!!取り敢えずラーメン食べに行くわよ!!」
2つだけ心残りなのは、誰が借金をなくしたのかと誰がユメ先輩が起きることをホシノ先輩に教えたのか。でも、それを気にしていたら面倒くさいことになりそうだからそれは置いておこう。
そして対策委員会部室から皆が出て、ラーメンを食べに行った。
(プレイヤー視点なし)
《研究室・メガゾード保管庫》
「まさか、私を雇った理由はこれか?」
その声の主⋯⋯⋯⋯もといカイザー理事は震える声でその指をさしてエンターにそれを聞く。
アリス・エスケイプがミレニアムの廃墟、その奥にあるエンターの研究室に案内され、そしてその職場の場所に案内されていた。
目の前には巨大なロボット⋯⋯もとい『メガゾード・Typeγ』がそこにはあった。しかも沢山のバグラーがジーザッザッジーと色んなことを言い合い、会議し、作っている。
「えぇ、我々が作っているもの⋯⋯もとい『メガゾード』。これを製作しています。プロトタイプは完成しているので、あとは10体ほど製作すれぱ完了なのです」
「まさか我々の技術を凌駕するものを製作しているとは⋯⋯明らかにゴリアテよりも性能が上のことが伺える。一つ聞きたい。なんのためにこれを製作している?」
「キヴォトスを支配するつもりか?」
少しだけ疑うような声でエンターに聞く。だが、その応答は思ってもみないことだった。
「いいえ、このキヴォトスに来る脅威に対抗するために制作しております。そして、我がMajestéのためにもね」
「脅威だと?」
「ええ、このキヴォトスには様々な脅威が存在する。それに対抗するために作っているのですよ」
キヴォトスには確かに厄ネタがわんさか存在するが⋯⋯特にアビドス砂漠にいるビナー、そして我々が掘り出そうとしていた宝なんてものも。
「確かにこんなものがあれば対抗できるのかもしれないが⋯⋯それ程大きな脅威なのか?」
「ええ、私が倒さねばならないのは3つ。『色彩』と『セトの憤怒』、そして『無名の司祭』この3つが主にキヴォトスに破滅を齎すもの。それを倒すのが私の使命なのですよ」
「色彩、セトの憤怒、そして無名の司祭⋯⋯」
これを用意するほどの、それ程の脅威がこのキヴォトスには存在しているというわけか⋯⋯デカグラマトンもその中に入るのだろうが、何故そのことを言っていない?
「デカグラマトンはどうするのだ?」
「それについては聞かないでください。私に大いに関係することなので」
「⋯⋯分かった。取り敢えず、私は何をすればいい?」
デカグラマトンについて聞いた途端、エンターから圧が加わり、それに若干怯む。まさかこんな圧を出せたとは⋯⋯
「して欲しいのは、バグラーの指示です。バグラーは結構従順なので、ちゃんと言うこと聞いてくれると思いますよ」
「指示か⋯⋯」
「別にやりたくないのであれば別の仕事を紹介しますが⋯⋯」
「いいや、構わん。このくらいだったらさほど問題はない。給料も前よりもかなり高いからな。任せておけ」
「merci、カイザー理事。後は⋯⋯あぁ、そうでした。バグラーの言語を理解させなければ」
バグラー⋯⋯多分今働いている従業員たちの名称だろう。確かにジーザッザッジーとしか言っていないしな。というか、どうやって理解させるつもりだ?
「取り敢えず、チップ入れますので」
「ぬぉっ!?チップか⋯⋯」
「はい、これで終わりましたよ」
私の頭に何かが埋め込まれるような感覚⋯⋯やはりチップは嫌いだ。だが、これでバグラーとやらの言語が分かるのであれば、何とかやれるか。
「さて、私はそろそろ研究室に戻ります。今後の構想を練らなければなりませんので。では、au revoir」
そうして彼は保管庫から離れていった。その姿を後ろから見つめる。
「敵対するにしても、やりすぎるなよ⋯⋯」
その声は、エンターに聞こえることはなかった。
次回・掲示板回
さぁて、総合評価が2000ポイント超えたしお気に入りも1100件いったし、もうやーはー!!!!!!
てか前回から死ぬ程評価増えてるんだけどどゆこと⋯⋯?まぁ、楽しめて頂けて何よりです!!
今後のプロット考えてたらニチャァってなってしまった。俺はもう駄目かもしれない。