ゲマトリア兼デカグラマトン所属、エンターと申します。以後お見知りおきを 作:エンター・■■■■
曇らせは最高の瞬間でやって欲しいという意見が多くて共感するのだ。
エンター君は腕もげないし、四肢欠損できないし、血も吐かないし、実質的に死なないし、なんなら超人レベルだけど、違う観点でみんなを曇らせてやろう。そう決意し、実行に移す私であった。
「⋯⋯⋯⋯疑問、なんですかこれ」
「それは私が聞きたいくらいです」
ミレニアムの廃墟、エンター在住の研究所ではとあることが繰り広げられていた。ピコピコと音が鳴り、テレビを見つつコントローラーを動かす⋯⋯もとい、ゲームをしていた。
ゲームとはいえども、その中の屈指のキチガイでありクソみたいなゲーム。後輩のゲーム開発部が生み出した悪魔の作品。
原作アリスをバグらせた元凶であり、それを使えばデカグラマトンをもバグらせる究極の切り札と成り得るゲーム。
もとい『テイルズ・サガ・クロニクル』であった。
そして、それをしていたアリス・エスケイプはコントローラーを床に叩きつけて怒りの声を漏らす。その顔は機械とは思いないほどに怒りに満ちており、青筋が少しだけ見えた。
「⋯⋯⋯これ、なんなんですか!?チュートリアルでBボタン押したら何故か死にますし、それを突破してみたらどこぞのドラ◯エみたいな敵モンスターに遭遇して、剣で攻撃できたと思ったら相手銃使って来ますし!!」
「これはもうほんとに演算処理が追いつきません!!!なんなんですかこのゲームは!?!?!?もう本当にぶっ壊してやりましょうか!?!?!?!?!?」
そう言うと背中に掛けてあるゴクとマゴグを取り出してテイルズ・サガ・クロニクルのゲームカセットに銃口を向けるが、それをエンターは素早く制止させる。
そして、エンターは驚きの声を漏らす。
「おや、喋り始めるときの2字熟語が消えていますね。Mademoiselleにも変化が訪れましたか」
「あっ、えっ!?ほ、本当ですね⋯⋯⋯どうしてでしょうか?」
「やはり、テイルズ・サガ・クロニクルは偉大ですね。アバターである私でさえも1時間30分かけないとクリア出来なかったんですから。凄まじい威力でしょう?後輩が作ったコレは」
「マスターがそんなに時間をかけるなんて⋯⋯一種のホラーですね、これ」
そうしてエンターはゲームカセットが入っていた箱を持ち上げる。それを見てアリスはもう本当に怒っていますというような声を漏らしつつも、感嘆の声を出す。
「でも、ゲームを愛していることだけは伝わります。でも、それとこれとは話が別です。どちらかといえば、ゲームより情報破壊兵器と言ったほうが正しい気がします。何故私に対して特攻持ってるんですかこれ」
「それは本当にそうだと私も思いますよ。最強のファイヤウォールと言っても差し支えないかと。アリス特攻よりかは電子系全特攻かと」
「えぇ⋯⋯⋯⋯もうゲーム開発部より情報破壊部と名乗ったほうが良いのではありませんか?」
「いえいえ、彼女たちにもプライドというものがありますからね。曲がりなりにも頑張っているのですよ」
一旦エンターはカセットの箱を床において、ゲームを再開させる。アリスには地獄を味あわせたい、同じ地獄を味あわせたいという思いが込められているようだった。
もうそこからは散々だった。狂気ともいえるバグのようで仕様の数々、明らかに文法や言葉が間違っているもの*1*2やバトルシステムが明らかに敵に有利過ぎることなどなど⋯⋯⋯⋯とてもじゃないが、ゲームとして成立しているかどうかも怪しいだろう。
なんだよ、秘剣燕返ししたと思ったら銃撃って。しかも「フッ」とか煽りポイントが高すぎるものだ。
その結果⋯⋯⋯⋯
「こ、ろ、し、て⋯⋯⋯⋯」
「あぁ⋯⋯同じ結果になっちゃいましたか」
チーンと効果音がつくくらいにグッタリとしているエスケイプ。まるで身体が白く見えるのは気の所為でもないだろう。
何とかゲームをトゥルーエンドで終わらせることはできたもののの、威力が高すぎたが故にグッタリとしてしまった。因みに掛かった時間は3時間。天童アリスと同等の時間だった。
原作アリスも同じようになっちゃいましたから仕方ないとはいえ、やはり情報破壊型ゲーム。威力は最高峰である。
「これの評価、どうします?」
「それは勿論⋯⋯⋯⋯」
《ゲーム開発部室》
アリス・エスケイプとエンターがテイルズ・サガ・クロニクルをしていた頃、こちらでも天童アリスがゲーム開発部の指導のもと、テイルズ・サガ・クロニクルをプレイしていた。
だが、同じアリスであるが故に、同じ機械の身体であるが故に、同じ
つまりで言えば⋯⋯⋯⋯⋯
「こ、ろ、し、て⋯⋯⋯⋯」
アリスがグッタリすることも必然的であったと言えよう。テイルズ・サガ・クロニクルというのはプレイする=機械の情報を破壊するという頭のおかしい性能をしたもの。
たかがゲームで、と思う人もいるかもしれないが現実は全く異なる。たかがゲームではない、このゲームが異常なだけなのだ。普通に考えて機械の演算能力を上回るどころか破壊することがおかしいことが何故分からないのか。
まぁ、それは置いておいて、だ。
明らかにギャグ漫画時空みたいなゲームを前に、アリスはなすすべなく撃沈した。クリアしたはいいものの、明らかに言葉が可笑しくなるのは必然的。だからこそだろうか
「すごいよアリス!開発者が2人とはいえ、3時間でクリアできるなんて!!」
普通に考えてこんな頭のおかしいゲームを3時間でクリアできることに違和感を覚えて欲しいものだ。開発者がいるとはいえ、ネタバレなどはしていないはずなのだから。
「勇者よ、汝が同意を求めるのならば、私はそれを肯定しよう」
“本当に多彩になってる⋯⋯!?”
その言葉に先生は驚きの声を出すも、変わらず話し続けるアリス。明らかにこの状態だと厨二病のソレだと思われることだろう。てか、そうでないとおかしい。
「ゲームだからそのまま覚えたせいで、ちょっとまだ不自然かもだけど⋯⋯言葉を羅列してただけの時よりかは、かなり良くなったと思う!」
何故、気付かない?明らかにおかしくなっているのは目に見えているはずなのにどうして違和感を持たない?
それだけこのゲームを過信しているのだったらもう自己肯定感がバカ高いとしか言いようがないだろう。
「こ、こう面と向かって聞くのはなんだけどさ⋯⋯」
「このゲームはどうだった?」
同時刻、エンターの研究所にいるアリス・エスケイプにもその言葉が聞かれていた。そしてその回答とは⋯⋯
「面白さ、それは明確に存在」
『全然面白くないです。キチガイすぎます』
同時刻、同じ身体。中身が違うものたちの意見は真反対となっていた。アリス・エスケイプは面白くないと、天童アリスは面白いと。それでも、少しだけ良いと思えることだけは一緒であった。
その後、ロッカーからユズが出てきてお化けと勘違いされたり、沢山のゲームをして日が明けて、次の日となった。
◇◇◇
次の日になって、ゲーム開発部はアリスにハッキングをして手に入れた学生証を手渡した後、とある部室へ来ていた。天才なのにバカが集まる部室、エンジニア部である。
その部長であるウタハは興味深いものを見る目で、アリスを見る。その目には、好奇心、懐疑心などなど⋯⋯エンジニアであるが故に、沢山の感情が詰まっていた。
「⋯⋯⋯⋯成る程、大体把握できたよ」
「新しい仲間に、より良い武器をプレゼントしたい⋯⋯と」
そう言いながらゲーム開発部の3人を案内するウタハ。ミレニアムというものは技術に左右される。
だからこそ、ここを頼るのは正解と言うべきだ。というのを少しばかし難しいような口調で説明するウタハであったが、許可を出した瞬間に飛び出していった後輩たちに少しだけ笑みを浮かべていた。
そして、アリスが選んだのは⋯⋯巨大な
それにモモイはえぇ⋯⋯と若干引いたような言い方でそのレールガンを見る。
「この宇宙戦艦の製作にはセミナーの一人のレイチも関わっているのだよ」
「ええっ!?レイチ先輩も!?」
「あぁ、彼も私たちと同じ同志だったからね。少しだけ予算を増やしてくれたのだよ。尤も、コストを抑えられたのも彼のおかけでもあるがね。だが、少しだけ宇宙戦艦の開発は断念している」
「ええっ!?なんで!期待したのに!!」
「いつものことながら技術者たちの足を引っ張るのは、想像力や情熱の欠如ではなく、予算なんです⋯⋯」
そう意気消沈しているコトリ。宇宙戦艦というのはやはりロマンがあるというものだが、それにも予算はつきもの。
レイチ⋯⋯もといエンターが自身の小遣い(貯金十億、ゲマトリア予算五億)から少しだけ捻出したとはいえ、宇宙戦艦を作るにはそれの何十倍は必要になるだろう。それをモモイは口に出して聞くと、まぁ、うん。宿命とも言えるだろう回答が返ってきた。
「愚問だね、モモイ。ビーム砲はロマンだからだよ」
それにエンジニア部の全員はコクリと頷く。エンジニア部はずっと前からロマンを追い求める集団であるのだ。モモイはもう、ドン引くよりも真っ先に口に出た言葉があった。それは⋯⋯
「馬鹿だ!頭がいいのにバカの集団がいる!」
これに尽きる。ロマンを追い求めるのは別に勝手だが、計画というものを立てたほうがいいだろうに、それをしないのがエンジニア部である。それ程にロマンが大好きだということだが。
「エンジニア部の情熱が注ぎ込まれた、この武器の正式名称は⋯⋯」
「『光の剣:スーパーノヴァ』!」
「また無駄に大袈裟な名前を⋯⋯」
ミドリがジト目を向けるが、それを気にしないというような形でアリスはこれを指さす。結果、アリスは巨大なレールガンを選んだ。
エンジニア部のウタハたちはそれを即座に止める。
「何故止めるのかと言えばだな⋯⋯単純に、個人携帯用には大きくて重すぎるんだ。 本当、バカ重い」
「基本重量だけで140㎏、更に光学照準器とバッテリーを含んだ上での砲撃を行うと、何と瞬間的な反動は200㎏を超えるんです!」
「にっ⋯⋯!?」
予想以上の重量と反動に、モモイは思わず目を見開く。 何だその重量は、まぁ確かに宇宙戦艦に搭載すると言った目的で作ったのであればそのくらいはするのかとは思うが。
そんな事を考えていたモモイに、ウタハは更に予想外の言葉を放った。
「因みに、ここにはいないレイチはこれをさも当然かのように持てるし撃てる」
「ええっ!?!?!?」
140㎏の重量と200㎏の瞬間的な反動にさも当然かのように耐えて、持って、撃てるなんてレイチは一体どんな身体能力を有しているのだろう? この時モモイを始めとしたゲーム開発部の心は一つになっていた。
そもそも、彼自体アバターなので重量という概念は存在しない。当然、重いとかも思わないし、やろうと思えばビルを電線を触手のようにして根本から持ち上げることも可能だろう。ただ、巨大過ぎるものは物理的に持てないのはここだけの話だ。
まぁ、だ。簡潔に言えば彼の真実を知らないものはみんなゴリラと呼ぶことだろう。事実ではあるが事実ではない。矛盾しているがそう言わざるを得ないのがレイチである。
完全に風評被害であるが、レイチはくしゃみなどもしないため虫の知らせなども気づかないだろう。
閑話休題
ウタハはそのレールガンを撫でながらアリスの方を向く。
「これをカッコイイと言ってくれただけで、、私たちは嬉しいよ。ありがとう。持っていけるのならば、本当はあげたいところなのだけど⋯⋯」
「汝、この言葉に一点の曇りもないと言えるか?」
「ん?この子、また喋り方が⋯⋯」
そう言ってアリスはレールガンの方へ近づく。流石にレイチでもないのだから無理だろう⋯⋯エンジニア部にはそう思っていた時期が一瞬だけあったが、アリスは気にせず持ち上げようとする。
「この武器を抜くもの!此処の地の覇者と成るだろう!」
結果、持ち上がりました。アリスに関してはロボである為、このくらいは造作もないのだろう。だが、エンジニア部&ゲーム開発部にとっては驚きであった。
「⋯⋯この子、レイチの知り合いとか親戚ではないよね?」
「あり得ないと思う。彼そもそも親戚とか居ないらしいし⋯⋯⋯⋯」
「それにしても、2人目が出てくるなんて⋯⋯」
もうそれはそれは、ドン引きものである。奇想天外、強靭、超人が代名詞のレイチは「まぁ、うん。だと思ったよ」と思われるくらいだが、一般人、それも連れてきた人が持ち上げたとなると話は変わってくる。
その後、レールガンの戦闘データを得るためにエンジニア部の皆さんと相手をして、結果的に『光の剣:スーパーノヴァ』はアリスの武器となった。
そして、次の日になり、午後からユウカとレイチが来るということも伝えられた。多分資格審査だろう。
だが、それは予想外の言葉によって始まった。
「あぁっ!!!あの時の!!!」
「えっ、知っているのですか?」
それは、驚きと困惑の声をあげて、始まった。
『テイルズ・サガ・クロニクル』
ミレニアムサイエンススクール所属のゲーム開発部が製作したキチガイゲームであり、屈指の クソゲー。クソゲーランキングワースト1位を獲得している。名前の意味が全て『物語・物語・物語』なのは気にしないことだ。
功績・天童アリス、アリス・エスケイプをバグらせる。
明らかにゲームの功績ではないが一応ゲームである。一応。多分きっとメイビー⋯⋯
誤字脱字報告ありがと〜
今日はエイプリルフールだから少しだけ嘘をつこう。
この作品は⋯⋯ん?誰!?何!?こっち来るn