ゲマトリア兼デカグラマトン所属、エンターと申します。以後お見知りおきを 作:エンター・■■■■
書き始め⋯⋯23時
書き終わったの夜の1時
疲れた
ネルがドリルロイド(赤)とメガゾードγと戦闘し、高速で帰還していた頃、ミレニアムサイエンススクールでも行動が起こっていた。
ヴェリタスは差押品倉庫の道筋の案内と電力の遮断を、エンジニア部部長のウタハはC&Cの1人のカリンと戦闘を。それぞれがゲーム開発部の援護をしていた。
それにユウカは苦虫を噛み潰したような顔を浮かべる。流石に電力を遮断されるのはユウカは想定外だったようだ。
「してやられたわっ!まさかここまでするなんて!」
「懸念していた通りでしたでしょう?全く、私が対抗策用意してなかったらどうするつもりだったのですか?」
「本当に助かったわよ!お願いするわ!」
「りょーかい」
そうしてレイチはパソコンでミレニアムタワーに繋いでキーボードをカタカタとすれば、たちまち校舎の電気がついてく筈だったが、非常用電源まで差し止められているようだ。
そして改めて連絡を取る。
「やられましたね。まさか非常用電源までするとは。アレも使えないですし⋯⋯はぁ、面倒くさいものですね」
「レイチでも駄目なの?まさかそこまで徹底しているなんて⋯⋯!」
「時間をかければ可能ですが、そんな時間はありませんのでね」
時間をかければ可能だ。時間にして大体5分程度。だが、そんな時間をかけたらゲーム開発部を確実に取り逃してしまうだろう。それを察知したユウカはアカネに連絡を取る。
「差し押さえ品のロボットを全部出して!」
「指揮権は?」
「当然メイド部にやって!」
「だそうですアカネさん。後は宜しくお願いします」
『承知しました。ロボットも使わせて貰って、改めてゲーム開発部を『お掃除』します』
そうして通信を切ったレイチはとある場所に待機している者達にユウカに聞こえないほどの小さい声で連絡を取る。
ヘッドフォンではなくpathの通信で連絡を取り、通信ログさえも遮断していたことにユウカは気づくはずがなかった。
「そろそろお願いします。彼は今どこに?成る程、そこですか⋯⋯ならあるポイントにきたら出撃、物の回収を確認したら撤退してください。これは伝令です」
「さて、上手く事が運んでくれると助かりますが、まぁ彼女たち次第でしょう。先生も中々にやり手ですね」
その呟きは、聞こえることもなく、部屋の騒がしさと爆発音によって吸い込まれていった。
◇◇◇
場所は変わってミレニアムの校舎廊下。
そこでは『C&C』の『コールサイン01』アスナがゲーム開発部の三人の前に立ち塞がっていた。先生の指揮で善戦出来ているとはいえ、彼女は立派なエージェント。それ故にゲーム開発部は窮地に陥っていた。
「うぁぁっ!!」
「これがC&C⋯⋯!」
そしてアスナは考える。このゲーム開発部の面々について。
(双子だからこそのチームワークって奴かな?その点においてはベテラン級の強さ⋯⋯)
双子だからこそだろうか。息がぴったりであるし、動きなども予測しながらも2人が邪魔し合わないように立ち回っている。腕を磨けばかなり強くなるだろうとも。
そしてアスナは目を開いてモモイとミドリに対して言う。
「双子のパワーって奴?良いじゃん良いじゃん!」
「ここでアスナ先輩と出くわすなんて⋯⋯!」
「お姉ちゃん、一旦退こう!」
「そうはさせないよっ!!」
次の瞬間、モモイとミドリが退こうとして後ろを振り向いて走り始めた瞬間に、その場所に大口径弾が壁を貫通して飛んでくる。それは巨大な爆発音となって、校舎に響き渡った。
「大口径弾!?何で!?」
「これ、カリン先輩の⋯⋯っていうことはまさか、ウタハ先輩⋯⋯!?」
それは、想定しうる最悪のものであった。エンジニア部のものを使用したとしても、C&Cのエージェントの1人。一筋縄では行かないのが普通というものだ。
「ハレ先輩から連絡!カリン先輩を抑えられなくなって、ウタハ先輩が捕まっちゃったって!」
「見れば分かるよ!」
「あっ、マキからも!アカネ先輩がシャッターを爆発させて脱出したみたい!同時に、物凄い数のロボットがこっちに来てるって⋯⋯!」
「ええっ!?」
その顔には焦りが見え始めた。この2人で大量のロボット&C&Cのエージェント3人相手に出来ることは高が知れているだろう。そもそも勝てる道筋すら思い浮かばない。
そして、アスナは何が何だか分かっていない様子だが、こちら側が圧倒的優勢であるというのとに気付いていた。
「もしかして、そっちの計画は失敗寸前かな?」
その状況はまさに絶体絶命。だが、屈強に立たされても尚諦めなかったもの、それがゲーム開発部であった。だからこそ、期待していた。アリスが鏡を持ってきてくれると。
「ちょっとずつ必死さが無くなくなってる気がするけど⋯⋯まさか諦めた?」
「この状況なら、賢明だと思いますよ?」
「レイチに同意見よ。さて、久し振りね?」
その声にモモイとミドリは驚き、顔を青褪める。つまりで言えば、これは完全に詰みとも言える状況だった。そして、ユウカとレイチは青筋を立てつつ、言い放つ。
「まさか散々引っ掻き回してくれるなんてね⋯⋯でも、それはそれ。これはもうやり過ぎよ」
「もう悪戯じゃ済まされないですからね。無条件の1週間の停学、拘禁くらいは覚悟しておいて下さい」
「停学!?拘禁!?」
「そんな!1週間だと⋯⋯ミレニアムプライスが終わっちゃう!」
やらかしたこと、その他諸々でも妥当な判断なのだが、彼女たちにとってはヤバすぎることに変わりはない。どちらにせよ、捕まったらそこでジ・エンドなのだ。
そして、ニッコリと圧をかけながらユウカはモモイとミドリに対して言い放つ。
「アリスちゃんも、今は反省部屋だし⋯⋯あなた達が来れば彼女もきっと喜ぶ筈だわ」
「ううっ⋯⋯どうにかして突破しないと!!」
「へぇ?
だが、こんな状況で突破できるのは不可能に近いだろう。そして、更なる絶望がゲーム開発部たちに襲いかかる。その声はC&Cのエージェントの者の声、アカネがここに来ていた。
「ふぅ、やっと着きました⋯⋯こんなに息が切れるなんて、まさか本当に体重が⋯⋯?そんな筈は⋯⋯」
「嘘ッ!?」
「アカネ先輩に戦闘ロボットまで!」
それはまさに絶体絶命。C&Cのエージェントが3人、セミナーが2人、そして大量の戦闘ロボット。これで勝てるものは、キヴォトスのトップレベルの実力者くらいしか無理であろう。
「ふふっ、今度こそは『本物』みたいですね。初めまして、モモイちゃん、ミドリちゃん。マキちゃんとコトリちゃんはまだ許せる範囲かも知れませんが⋯⋯あなた達はここに入ってしまった以上、言い訳の余地はありませんよ」
それはもう圧倒的な宣戦布告。勝ちを確信しているからこそ出せる言葉。というかこの状況をこの者たちで突破できるのは不可能に近いため、半ば煽っていた。
そして、目を鋭くしたレイチが先生を見据える。
「あと、先生。シャーレに抗議文送りつけますので。よろしく?」
“まだ、諦めちゃいけない”
だが、ゲーム開発部の空気は、もう終わりだという悲しみに包まれていた。両方にセミナーとC&Cと大量のロボット。諦めムードも始まった時だった。
その音が聞こえたのは。
「ターゲット確認」
「えぇ、作戦は敗北に終わりますね」
「魔力充電100%」
「どちらともの作戦も、ですがね。ゴク、マゴグ」
そして、それを察知したミドリはモモイと先生を伏せさせる。その謎の行動に3人は疑問符を浮かべ、レイチは何かを察したのか手を頭にやる。
「「「?」」」
「あっ」
「光よっ!!!」
「ファイヤー!!!」
天井から、壁から、その眩い光と大きな衝撃波。そして大爆発ともいえるほどの大きな煙が辺りに立ち込める。しかも、天井からも攻撃されたようで、ロボットたちは全滅していた。
C&Cの人たちは直ぐ様安否確認をするが、大丈夫なようだった。そして、その光景に驚いたユウカが口を開く。
「なっ!?アスナ先輩とロボットが全滅!?どういうこと!?」
「カリン、状況を報告してください!天井崩落とビーム砲は何処から⋯⋯!?」
「なるほど、カリンもやられましたね」
そして、煙が晴れ、その姿が顕になる。それは天童アリスであったが⋯⋯⋯そのあと一人。天井崩落を引き起こした犯人が意外⋯⋯いや、想定さえもできない信じがたいものだった。
「ええっ!?」
「なっ!?」
「嘘ッ!?」
「なっ、なななっ!?」
「アリスちゃんが2人!?!?」
そう、天井崩落を引き起こした犯人は紛れもない、天童アリスであった。だが、アリスと違うのはポニーテールをしていて、少しだけ身長が高く、服装も違うものだった。
「!? アリスが2人に分身しました!いつの間に分身魔法を獲得したのですか?」
「それ分身じゃないよ!!」
急に現れたものに天童アリスはゲーム知識から導き出して答えを出すが、モモイが即座に否定する。そして、ユウカとアカネは最大級の警戒を置く。
そして、天童アリスのそっくりさん?にユウカは問う。
「あなた、何者なの?」
「初めまして、私は⋯⋯」
「こっちがゴクで、こっちがマゴク。そして私は、アリス・エスケイプ」
「アリス⋯⋯」
“エスケイプ⋯⋯”
先生は即座にアリス・エスケイプと名乗るアリスのそっくりさんを見る。武器は今さっき自己紹介で見せびらかした銃剣、ゴクとマゴクなのは確定だろう。
そして、目に映ったのは、アリス・エスケイプと名乗る少女がつけていたネックレス。それを見た瞬間、目を見開いた。それはエンターが作るロボットについている、こちらで言うヴァグラスのマークにそっくりであったから。
“アリス・エスケイプだったっけ?”
「えぇ、2度目の邂逅ですね。ユウカさんと先生?」
「まさか、あの時会ったのはあなただったのね!!道理で間違えるわけだわ!!」
「えっ、知り合い?」
「シャーレ奪還作戦の時にワカモと戦ってた人!」
「厄災の狐と⋯⋯!?それは本当ですか!?」
「そうらしいですよ?何やら不穏な空気がしますが⋯⋯」
「アリスの分身ではないのならドッペルゲンガーでしょうか⋯⋯」
「それだと死んじゃうよ!?というか、アリスちゃんに親戚?がいるなんて!」
「親戚ではないのですけど⋯⋯」
唐突に現れた新しい敵。それにはもう盛り上がる、盛り上がる。わちゃわちゃし始めた頃に、先生は聞く。そのネックレスの意味を。
“そのネックレス⋯⋯まさか、エンターの関係者?”
「答える気はないですけど、特別に答えてあげます。回答はYESですよ♪先生?」
“⋯⋯⋯”
それに先生は沈黙してしまう。明らかに彼女は今までのロボットとは違う。アリスと似ているもの⋯⋯アリスはどちからといえばアンドロイドに近い。
そして、先生は二つの考察を導き出した。それは、アリスの製造元がエンターだったか、それか目の前のアリス・エスケイプが別の場所に保管されていて、それをエンターが偶然見つけたか⋯⋯
それでも、その子がここに襲撃してきたということは、だ。確実に何か目的がある。まさか大事な生徒にまで使って襲ってくるなんて⋯⋯!というよりも、目的は⋯⋯
⋯⋯⋯⋯まさか、鏡?それだと本当に不味い!!
「というか、アリスちゃんは何でここに!?」
「沢山のゲームをやってきて、その主人公たちは決して諦めたりしませんでした。なので、アリスもそうします!」
「試練は、共に突破しなくては!!」
天童アリスはそんなカオスな状況に負けずも話す。そして、戦闘が開始されようとした、その時だった。
「ふふっ、三つ巴の戦いというやつですね?」
「ですけど⋯⋯私がやるとは、一言も言っていませんよ?卑怯者と、言われてもこれが戦法ですので♪」
アリス・エスケイプは持ってきていた水入り花瓶をいつの間にか割っていた。この廊下には、少しでも水分が舞っている。水蒸気が、湿度が上がっているのだ。
そして、次の瞬間⋯⋯この場にいる、全員が倒れた。レイチは倒れているフリでヘイロー投影機も消しているため、完全に寝ていることを再現できる。まぁ、そこは関係のない話だ。
「ステルスロイドさん、お疲れ様です。潜入捜査特化型メタロイドでも、かなり強い部類ですね」
「えぇ〜やはり、これは面白いですねぇ〜」
そして、後ろを振り向けばそこから歪みが現れて、その姿が見える。
透明なビニール素材のような身体を持ち、所々に白色のアーマーが付いている。内部にミレニアムのロゴを模した電子回路が透けて見える。右腕にはミレニアムのロゴが、左肩にはヴァグラスのマークが刻まれている。
そして右腕に装着された巨大なアサルトライフルと左腕に持つ剣。
ステルスロイドがそこにいた。
「透明化して手負いの者に水分を高圧の弾丸のように発砲して意識を一度に全員奪う。先生には少しだけ首をトンとする。予定していた通りです」
「えぇ〜〜雨の日には無敵の性能を誇るのが私ですので〜水があれば最強と言ってもいいでしょ〜う!」
「マスターもきっと喜びます。ステルスロイドさん。鏡は?」
「えぇ〜こちらに〜!」
その手には、鏡の入ったUSBメモリが握られていた。
ステルスロイドの能力というのは、簡単に言えば名の通り透明化の能力。
周囲の水分を吸収して自身の屈折率を調整し、水辺や雨の日、さらには湿度の高い場所では完全に無敵の透明化を維持できるという特異生のあるメタロイドである。
水入り花瓶を持ってきて割ったのは、少しだけ湿度を上げるためであり、弾を補充させる為でもあった。
「さて⋯⋯では、帰還を⋯⋯」
『そうはさせませんよ?』
「「!?」」
急に、学校の校舎のアナウンスの声が聞こえ、それに即座に警戒するアリス・エスケイプとステルスロイド。そして、目の前には、防御セキュリティによる壁が出来上がった。アカネが破壊したものとは別のもの。それが出てきていたのだ。
そして、倒れている者たちは丁度全員外に出ていた。そして、窓の外から沢山のロボットが襲来してきた。
『ふふっ、知っているとは思いますけど、ミレニアムが誇る一輪の可憐なる花であり、超天才清楚系病弱美少女ハッカーのヒマリです』
「⋯⋯連邦生徒会より、特定完了。明星ヒマリ⋯⋯ミレニアムの全知の称号を持つ者。そんなあなたが何の用で?」
『後輩を傷つけられて黙っている先輩なんていませんからね』
「理解、なら相手をしましょう。でも、このくらいだったら余裕ですよ?」
『何も、そのロボットだけが相手ではありせんよ?お願いしますね』
次の瞬間、そのセキュリティの壁を破壊して降り立った生徒を、2人は見る。スカジャン、メイド服、そして両手に持つサブマシンガン『ツイン・ドラゴン』その姿から想像できるのはただ一人。
「美甘⋯⋯ネル」
「やってくれたな?アリスのそっくりさんとそこにいるロボットよぉ?てめぇら、覚悟しておいたほうがいいぜ?」
「何を、ですか?」
「ぶっ潰される、覚悟ってのをなぁ!!!!」
その言葉を皮切りに、戦闘が始まった。
能力:光学迷彩により背景に完全に溶け込み、熱源や音紋まで遮断する。さらには、周囲の水分を吸収して自身の屈折率を調整すし、水辺や雨の日などの湿度の高い場所では完全なる透明化を維持できる。
透明な状態から右腕に装着された巨大アサルトライフルによる高圧の重水を弾丸のように発射する。因みに一度に何発も撃てるため、同時に攻撃することが可能。どこから撃たれたか判別できない不可視の攻撃。
胸のパーツから特殊な電波を放ち、通信などの管制を一次的に麻痺させる。だが、一度使うと1時間のクールタイムがあるため、注意が必要。今回は来る前に先に使っていたため、通信が解除できなかった。
デメリット:『熱』
エネトロンを少しずつ消費して透明化しているため、強力な熱源を浴びると、光学迷彩が焼き付いてバグが発生し、姿が露呈してしまう。