ゲマトリア兼デカグラマトン所属、エンターと申します。以後お見知りおきを 作:エンター・■■■■
無言で夜中に更新していくスタイル
「セナ!こっち!」
便利屋68の強力な協力。その予想外すぎるイレギュラーにアリウススクワッドは戸惑いを隠せない。その内にとヒナは救急医学部のセナを呼ぶ。
そして、1台の救急車がその近くに止まり先生とヒナとナギサに手を伸ばして3人を連れ込む。
「させるかっ!!」
だが、そんなことをさせまいとアリウススクワッドは救急車に向けて銃弾を放つ。だが、それはファンロイドのボディによって遮られた。
そしてお返しと言わんばかりにアルのスナイパーからサオリに放たれる。
「させないわよ。先生を傷つけさせることは契約違反でもあるし、何より先生を傷つけようとした貴方達にやらせるわけがないわ」
それは、何時ものポンコツなアウトロー()ではなく、本物のアウトローの風格を持ち合わせていた。その中にあるのは揺るぎない怒りであったからだ。
「貴方達が何者なのかとか知らないわ。でも、大事な人を傷つけるなら容赦はしない。それが例え大人に支配されているものたちだとしてもね。それが、ゲヘナだから」
「っ!!」
「聞いたわ。貴方達、虚しいとかずっと言ってるみたいね。なら、大切なものはないの?虚しいとか言っているけど本当は抗いたいんじゃないの?」
「⋯⋯黙れっ!!」
便利屋68は、アリウスの事情については色々と聞いていた。エンターからの2回目の依頼。それは、エデン条約調印式にて起こるテロから先生を守るという依頼。
最初聞いたときは「えっ?」となっていた便利屋68だったが、その実情と背景をエンターが組まなく話したうえで同意した。だからこそアルは問いたかった。
「まぁいいわ。ド派手に行くわよ!」
そうして戦闘が始まった。
サオリのシンゴウアックスは神秘によって火力が馬鹿みたいに高くなっている。銃撃の合間に挟まれる瓦礫と、それを諸共粉砕するシンゴウアックス。だが、それを簡単に受けるほど甘くもない。
ファンロイドはすかさず空中へ浮かび上がり胸に搭載されている巨大なファンを回しはじめる。その風は周りの瓦礫をまるで台風のように浮かび上がらせアリウススクワッドに瓦礫を飛ばす。
「ちっ!」
「さぁ〜さぁ〜風よ〜舞え〜」
サオリとミサキはアクロバティックな動きでそれを避けつつも瓦礫に隠れたヒヨリがスナイパーで弾丸を放つ。だが、その弾は飛ばされた瓦礫によって遮られ、その内にファンロイドはハルカをだっこして飛ぶ。
「アル様の敵を滅殺する爆弾をどうぞ⋯⋯!!」
上空からハルカが持っていた爆弾がばら撒かれる。それは時限式の爆弾、それも設定可能な優れもの。それを大量にばら撒く。それは予想外とも言えるが、アリウススクワッドもそうはいかない。
「⋯⋯⋯⋯」
「ちっ!!」
「ひぇぇぇ〜〜〜!!」
「くっ⋯⋯!」
ファンロイドによって飛ばされた瓦礫を盾にしてその爆弾の爆発と爆風を防ぐ。かなりの火力がある故か、周りのビルの外壁は砕け、窓ガラスはミサイルによって破壊されたのがさらに壊されて悲惨な事になっていた。
アリウススクワッドはゲリラ戦法を得意とする。だが、建物の地理などは関係なく、その土地を活かして戦うことに関しては演算能力がある故か、ファンロイドと同等レベルだった。
(今⋯⋯!)
カヨコはアリウススクワッドの隙を伺っていた。一瞬の綻び、その一つ一つの動きを正確に見て予測して、その場所に弾丸を放つ。単純かつ難解なお仕事。そして、瓦礫の隙間に弾丸を弾いた。
(さて⋯⋯どうするか)
アリウススクワッドの一人、サオリは考える。この4人と一体のオートマタはかなりの戦闘力を持ち合わせるのは明白、更には得意とするゲリラ戦法を風で物理的に封鎖してくる厄介ぶり。一時撤退⋯⋯そこまで考えがつこうとしていた。
「風よ〜〜まえ〜〜」
そして、またファンロイドが瓦礫を飛ばしてくる。だが、サオリはもうそれを読み切っていた!
「はあっ!」
目の前に来た瞬間にシンゴウアックスを振って瓦礫を一撃で粉砕し、その際に挟み込まれた弾丸をシンゴウアックスで防ぐ。それは正に一瞬の出来事。だが、便利屋の動揺を誘うには、十分だった。
(嘘ッ!?行動を読まれた⋯⋯!?)
その一瞬の隙は戦場では命取りになる。
そして、カヨコの身体にヒヨリの20mmの銃弾が挟み込まれそうになる。だが、その前にムツキが爆弾の入ったバッグを間に挟み込み、空中で爆発させた。
「へえっ!?一体何を⋯⋯?」
「くふふっ!特製の爆弾だよ!」
その隙にカヨコは体制を立て直す。
5対4の熾烈な争い。その過激さは他の攻撃や支援さえも許さないほどの協力体制と敵の観察、そして敵を潰すという明確な思い。そのどちらともが便利屋68にもアリウススクワッドにもあった。
故にこそ、手を抜けない。否、抜けるはずが無い。その力は、その過激さは一層深くなる。だが、そんな時だった。超がつくほどの声が聞こえながら銃撃が挟み込まれた。
「あああああああっ!!!!」
『!?』
その突然の行動、突然の銃撃。それに対応できるのは皆無に等しい。だが、この場にいるのは卓越した戦闘力を持つものばかり。直ぐ様それにも対応した。
主にその銃撃の弾が向かったサオリはその体を捻りつつその弾丸を避け、その銃撃した者の方に4人は銃口を向ける。
「まさかここで会うとはな」
「まさか姿を現すとはね⋯⋯⋯そのまま逃げ出しても文句はなかったのに」
「えへへ、お久し振りですねぇ⋯⋯」
息を切らしながらもその目は正に全てを射抜くかのような鋭い目、血管が浮き出てその手にもつ銃にも力が入っている。そう、便利屋68とアリウススクワッドの前に現れたのは⋯⋯
「はぁ⋯⋯はぁ⋯⋯はぁ⋯⋯どうして、どうして⋯⋯!」
補習授業部の一人にしてアリウスの者が一人。白洲アズサその人だった。便利屋68も彼女の参戦は予想外だったので少しだけ固まっていた。
「私の言った通りだっただろう。トリニティにも、シャーレにもお前の居場所はない」
「血に塗れた私たちを受け入れてくれる場所なんて、彼ぐらいしかない。それ以外にはこの世界にはないんだよ」
まるで思い返すかのように目を閉じるサオリ。それはまるで何もかも諦めたような、そんな言葉。サオリはまた続けて言う。アズサのことを否定するように。
「そんな場所があるように見えても、全ては儚く消える。⋯⋯⋯こんな条約のようにな」
「⋯⋯全ては無駄だ。無駄なんだよ。なのにどうして足掻く、白洲アズサ」
その煽りとも取れる言葉に、アズサはブチギレた。それは、アズサが過ごしてきた青春を、補習授業部との楽しい日々を、虚しくても抗うということを教えられた日々を。全て全て否定されてしまったから。
だが、その先に進もうとするのを止めた手があった。
「やめておきなさい」
「っ!?」
アルはそっと手を伸ばしてアズサを止める。だが、アズサはあんな言葉を言われて黙るほどの無情な性格はしていない。仲間を貶されて黙る者はいないように。
「⋯⋯でもっ!!」
「今、突っ込んでいったらあの人たちの思う壺だよ。今は一旦引いたほうがいい」
アルの思惑が伝わったのかカヨコも静止させる。そんな2人の言葉に、アズサは苦虫を噛みつぶしたような顔をしながらも、怒りに包まれながらもその足を止めた。
そしてサオリは睨みながらもその行動を祝福する。
「良い判断だ。残り時間は?」
「大体5分くらい。そろそろ状況を把握して両学校の予備兵力が到達する頃だと思う」
「十分だな」
そしてサオリは独り言のように呟く。やれミカがここに来る予定だったが馬鹿は使えないやら、ナギサがのうのうと出てきたことやら。
「だが、貴様らは想定外だったな。何者かは知らないが」
「まぁいい。何が起きているのか教えてやろう」
「私たちは『エデン条約』を奪い去った」
それは、アルたちも予想外のこと⋯⋯いや、予想自体はしていたが、利益になる点が見当たらないからと少しだけ頭から外していたことでもあった。
サオリから聞かされたのは今さっきまで何が起きたのか。条約が締結される古聖堂に巡航ミサイルを捻じ込み、邪魔者たちを片付けた。ただ、ナギサたちが無傷でシスターフッドやらが抵抗してきているのは想定外だったこと。そして条約の内容を捻じ曲げたこと。
便利屋68も、アズサも、それを理解できないでいた。いやできるはずがなかった。アズサにとっては小さい頃から過ごしてきた者たち。その人たちが新たにできた大切なものを傷つけたのだ。理解出来るわけがない。
「アズサ、忘れた?私たちには『トリニティ』としての資格がある。この条約は『第一回公会議』の再現。あの時までは各派閥がそれぞれ権力を持っていた。そして公会議当日、全ての派閥が集まって新たなトリニティとなった⋯⋯アリウスを除いて」
「だから私たちは何も変わっていない。まだ形式としては、権限を持っている」
そして続けてエデン条約のETOを私たちに書き換えたという旨も伝えられた。その背後には複製されし者たち、名をユスティナ聖徒会。それが顕現していた。
「『ユスティナ聖徒会』戒律の守護者にして、トリニティの伝説的な武力集団」
「正確にはその複製だが、戒律を守護する存在だ。即ち、私たち『ETO』を助ける存在となる」
「トリニティとゲヘナの敵対行為は、神聖なる戒律への違反行為。つまり紛争の原因でもあり、鎮圧対象だ」
それを説明し終えると、怒りが少しだけ収まったのかアズサはサオリたちの方を見る。だが、その怒りはまだ消えていなかった。目の奥にはまだ静かに怒りの灯火が燃え上がっていたから。
「ようやく理解した。この襲撃は条約を書き換えるため、そしてそのユスティナ聖徒会を顕現させるためか」
『⋯⋯戻る気はないの?』
「⋯⋯アツコ、それは出来ない」
アツコが手話でアズサに会話するが否定する。それを見たサオリは前から変わらないことだと切り捨てる。だが、サオリが次に紡いだ言葉は、アルたちにとっても琴線に触れるほどの言葉だった。
「⋯⋯その意地を、思いを、直ぐ側で煽る存在がいたのだろうな。この世界の真実を隠し、事実を歪めて、嘘を教える⋯⋯そんな大人が」
もしここにエンターがいたならば「それベアトリーチェのことですよ」と言うだろう。無自覚ながらもベアトリーチェの本質を突いているサオリだが、サオリにとっては先生のことを言っているのである。
「先生を片付けることが出来なかったのは少しだけ残念だが⋯⋯まぁいい。だから後はゆっくり教え直せばいい」
その言葉に、便利屋とアズサはブチギレかけた。ハルカとムツキは爆薬を取り出して直ぐ様投げれる様に背後で準備し、カヨコは冷静ながらもその顔に血管を浮かび上がらせ、アルは何時もの穏やかな雰囲気とは違って威圧的な雰囲気となっている。
そして、サオリは続ける。
「⋯⋯⋯トリニティでは楽しそうだったな。あの生活は楽しかったか?好きな人たちと一緒にいること、お前を理解してくれる人たちと一緒にいることは」
「⋯⋯虚しいな」
「思い出せ。お前を理解して受け入れてくれるのは、私たちだけだ。ここがお前の居場所だ。お前はその真実から目を逸らし、甘い嘘に目が眩んだ。だから足が止まっている」
「⋯⋯黙りなさい」
その言葉に、その煽りとも取れる言葉に、先生を貶す言葉に。それに反応したのはアズサではなかった。便利屋68の社長、陸八魔アル。その人だった。
「さっきから聞いていれば、虚しいとか、そこのアズサ?だったかしら。その子の居場所はそこじゃないとか⋯⋯貴方が勝手に決めてるんじゃないわよ!」
「人は誰でも、自分のいるべき場所を探しているわ。そこは偽りのない、陽の当たる場所⋯⋯。そこのアズサは自分で見つけ出した⋯⋯らしいわ。だけど、そこを汚したり、貶したりする権利は誰にもない!」
「それに、先生が悪い大人ですって?先生のことを何も知らないくせに、先生を語らないで頂戴」
アルに宿っていたのは明確な『敵意』。便利屋のことを気にかけてくれた先生のことを貶され、アズサの大切な居場所さえも奪おうとした彼女を、アルが許すわけがなかった。何故こんないい子がアウトローを目指しているのかは謎だが。
内心はそうでもないようだが。
(言っちゃったぁ〜〜!!これ何どういう状況なのよ〜!?!?公約会議とかもう訳わかんないわよ!?!?と、取り敢えずキレたから思ったことそのまま口に出しちゃったけど、収集つかないわよぉ〜!!エンターさん助けてぇー!!!)
いつものアルクオリティーである。もうホントに内心さえ見なければ、かなりのアウトローなのだがこれがアルクオリティーである。でも、許せないのは変わらない。だからこそだろうか、握り拳を作っている。それに連なりムツキも口を開く。
「くふふっ、言うねぇ〜アルちゃん。でも私も同意見だよ。でも、貴方達にはこう言わせてもらうよっ!」
「うっさい、バァァァカ!!ってね!」
「「「『!?』」」」
その大声にアリウススクワッドは少しだけたじろいだ。直ぐに体制は立て直しているものの、少しだけ怒気を交えかけていた。そして、カヨコとハルカも口を開く。
「ア、アル様がそういうなら⋯⋯」
「私も同意見。アリウススクワッドだっけ?覚悟しておいたほうがいいよ。私たちは何でも屋⋯⋯それ以上言うのなら⋯」
「確実に殺す」そう言おうとしたがぐっと堪える。アルが握り拳を作っているのを見て、カヨコも抑えたのだ。一番許せないのはアル社長であると気付いているから。
「そうか。なら止めたいか?私たちを」
「やって見せてみろ。いや、こう言ったほうがいいか?」
「私のヘイローを破壊してみせろ」
『!?』
その言葉に、便利屋とアズサは目を見開く。ヘイローの破壊、それはこの世界でいう『死』であり、それを破壊するということは『殺害』すると同義。つまりで言えば、人殺しとなれと遠回しに言っていた。
そしてサオリは続ける。
「条約の主体である私たちが存在する限り、この戒律は永続し続けるだろう。ヘイローを破壊でもしない限りはな」
「まぁいい。特に危険な分子⋯⋯百合園セイアは必ず殺すか捕らえる」
その目に宿るのは明確な『殺意』その眼光は相手を射抜き破壊し得るほどの圧力。その圧力に便利屋は警戒するが、アズサがポトリと落としたそれを見て察した。
同時に、サオリがそれを認識した。
「⋯⋯ぬいぐるみ?」
次の瞬間⋯⋯そのぬいぐるみは爆ぜた。アズサは前々からそういうものは用意するタイプ。だからこそこんな時でも簡単とはいかないが対応できる。そしてまた次の瞬間にはファンロイドが風を台風のように巻き起こして煙をさらに蔓延させる。
その煙に巻かれている間に、便利屋とアズサは逃げる。
サオリは引き留めようと銃撃しようとするが、ミサキが話しかける。
「リーダー、ティーパーティー傘下の砲撃部隊と正義実現委員会が見える。予想より早いし戦力が多い」
そしてまた爆撃音が鳴り響く。ティーパーティー、正義実現委員会⋯⋯ならば残る治安維持部隊はあと一つ。
「反対側から50mm迫撃砲⋯⋯風紀委員会の予備部隊かな」
別地点、そこでは迫撃砲を用意しているティーパーティー、正義実現委員会の部隊が揃い、セイアが通信で直々に命令を下していた。
『聞こえているかい、砲撃部隊の人たち』
「えぇ!聞こえております。セイア様」
「確かアリウス⋯⋯でしたっけ。この主犯は!!」
『正確にはその裏で操る大人が主犯だ。彼女たちは加害者でもあり被害者でもある。被害は最小限に留められているとはいえ、注意してくれ』
更に別地点、そこでは風紀委員会の砲撃部隊も揃っていた。その中の天雨アコは委員長のヒナが傷つけられたことに怒りを覚えていた。
「よくも、よくも委員長を⋯⋯!絶対に許しません!」
それはここに来るまでに出会ったトリニティとゲヘナの者たちから聞いたこと。風紀委員会のヒナ委員長と先生が傷を負った。そしてその犯人は⋯⋯アリウスという者たちであると。
そして、それをビルの屋上から眺めるものが一つ。その者は連絡を取っていた。
『言われた通り、先生たちの救助とアリウススクワッドの足止めに成功したわ』
「
『了解したわ』
そして通信を切り、その光景を静かに眺める。その光景は過去に私が見た光景に似ていなくとも、そのものは重なっていた。
物は焼き焦げ、建物は倒壊し、血が滴る光景には。特に。
「何故今になって⋯⋯家族はもういない。私が完璧でなかったから救えなかった、それだけでしょう。私が完璧を目指す理由はただそれだけでしょう。なのに、なんですか。この胸が締め付けられるような嫌悪感は」
その手を自身の胸に当てつつも服を握りしめる。データが欠けていたとしても、そのトラウマというものは無くなることはない。
まるで家族の一件とは違う、別のナニカがあるような感覚。それを考えようとしたが、頭を横に振って頭を整理する。
「⋯⋯切り替えましょう。うじうじしてても何も変わりません。次の行動に移らなければ」
そして、その姿は何時の間にかかき消えていた。
そう言えばUA20万件ありがとうございます!
評価とお気に入り登録もありがとうございます!
先に聞いておこう。パヴァーヌ編第二章の先生たちにとっての攻略難易度を聞いておきたい。
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MAX HAZARD ON!(最小)
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アークの意思のままに
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ハイパー無慈悲ー!エクゼーイド!
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逢魔時王必殺撃!!(最大)