ゲマトリア兼デカグラマトン所属、エンターと申します。以後お見知りおきを 作:エンター・■■■■
前回との温度差が凄まじいなと思う今日この頃
トリニティは大混乱だった。条約の最中に起きた突然のテロ。それによるもので阿鼻叫喚の地獄絵図を作り上げてしまっていた。正義実現委員会や救護騎士団が鎮圧してはいるものの、数が増えてしまう始末。
そして、そこのトリニティ第5ゲートにて救急医学部⋯⋯もといゲヘナの車が向かってきていた。トリニティの生徒たちはゲヘナが何故ここにいるのか分からないためなのか⋯⋯銃を向けていた。
「ど、どうしてゲヘナの車両がここに⋯⋯!?」
「救急車?冗談じゃない、今の状況分かってるの!?」
「もういいです、運転席から引っ張り出してでも思い知らせて⋯⋯⋯!!」
「今、誰を思い知らせるって言いましたか?」
傍から聞こえた声に、トリニティの生徒たち3名は固まった。その声には聞き覚えがあった⋯⋯否、ありすぎた。その人は、救急車の後方の扉を高速で開いて着地し、その扉をゆっくり閉める。
トリニティの生徒3名はその顔を見た瞬間、顔がどんどん青褪めていく。そう、そこから降りたのは⋯⋯
「今、急いでいるので、通してくれませんか?」
ティーパーティーホスト、多くの派閥を束ねるトップが一人。桐藤ナギサその人だった。そして、ナギサは少しだけ辺りを見渡してそこにいる人を確かめて叫ぶ。
「ミネさん!お願いします!」
「了解しました!救護ッ!!!」
トリニティの生徒3名は、突如襲いかかってきたシールドバッシュに対応できる筈もなく、気絶した。3名を気絶させた生徒⋯⋯もとい蒼森ミネは救急車から降りてきたナギサとセナを見る。
「救急医学部の方ですね、ありがとうございます。ご案内しますので先導いたします」
「!! ご協力感謝します。救護騎士団の団長さん」
その急展開すぎる光景に、残りの救護騎士団の人⋯⋯もといハナエとセリナはセナに聞く。
「そう言えば、どうしてトリニティに⋯⋯?」
「もしかして、中にトリニティの患者さんが⋯⋯?ナギサ様は傷は無いようですし⋯⋯」
今さっきはナギサが降りてきていたこと等などで頭が追いついていなかったが、思考を戻してセナに聞いていた。だが、それは予想外の言葉だった。
「シャーレの先生です」
「⋯⋯え?」
「先生が!?」
その言葉に、周りにいた人たちも言葉が止まる、否、空気が凍ったと言ったほうが正しいだろう。だが、セナはそんなもの気にしないと言わんばかりに言う。
「はい。銃には撃たれませんでしたが、決して無視できる怪我ではなかったので」
「「⋯⋯⋯」」
その言葉に、思考が停止した。今何といった?そんなものが頭の中でグルグルと回り始めた。だが、そんなことは承知の上と言わんばかりにミネとセナは話す。
「ヒナ委員長は私たちがゲヘナの救急医学部本部に送りますが、救護騎士団の方々は先生をお願いします」
「了解しました。先生を送っていただき感謝します」
『ええっ!?』
エデンとは真逆の⋯⋯地獄はまだ始まったばっかりだ。
『今起きている状況は大体こんな感じだ』
「リーク感謝しますよ。セイアさん」
『気にしないでくれ、これも世界の崩壊を防ぐ為だ。出来るなら何だってしてやるさ』
「それ一部の人が誤解するかもしれませんから気を付けて下さいね?」
『? ナニを言ってるんだい?』
「絶対冗談ですよね。冗談だと言ってください、そうじゃないと貴方に対しての認識を今一度改めないといけなさそうです」
『分かった分かったから通信を切ろうとしないでくれ給え⋯⋯』
とある場所⋯⋯もとい研究所ではセイアとエンターは通信を取り合っていた。先生は意識不明⋯⋯いや、銃弾による重傷を回避したはいいものの無視できない傷ができ、ヒナ委員長は重傷ながらも高速で回復しているとのこと。
サクラコ、ナギサは事前に渡した使い捨ての防御プロテクトを使用して無傷⋯⋯とはいい難いがそこまで傷は負っておらず、ミネは負傷者の救護をしているとのこと。
『で、そちらのほうはどうなんだい?』
「順調に進んでいますよ。全く、何を言うかと思えばクロノスをハッキングしてエデン条約調印式の映像を全て消せとは⋯⋯」
『君のハッキングの技術に関しては私が一番信用しているからね。どちらかと言えば頼めるのが君しかいなかったというのもあるけどね』
「一応、私、立場的には敵なんですからね。そんな安易に頼まないでください」
『でも、私たちを守るというのは一貫しているのだろう?』
「守るというのは違いますね。言うなれば『繋げている』と言ったほうが宜しいかと」
『そうか⋯⋯』
生憎、私は生徒の為に動くとかそんなものどうだって良いんですよ。Majestéデカグラマトンに従うエンターであるのですから、世界の崩壊は私にとっても困るというだけです。まぁロールプレイしたいというのもありますし思想的にも似ていますから。
「で、先生は今どうしているので?」
『彼女は今救護騎士団の所で手当てをしている所だ。一日もすれば動けるようになるだろうね。でも、少し気に病んでいるみたいだね』
「⋯⋯本来そういうのはセイアさんの役割です。私が答えを出してしまっては意味がないでしょう?出すのなら貴方がヒントを出してください。別に貴方の自由ですが」
『意地悪だね⋯⋯そんなの遠回しにやれって言ってるようなものじゃないか。報酬は高く付くよ?』
「何時ものミラクル5000を買えとでも言うのでしょう?その程度なら構いませんよ」
『頼んだよ』
そうしてプツンとセイアの通信が切られる。セイアが映し出されていた方をジト目で見ながら溜め息をついた。全くあのわんぱくFOXは⋯⋯仕方ありませんね。
「しっかしまぁ⋯⋯最悪を回避したとはいえ、カオスなことになってますねホント⋯⋯」
状況は混沌としている。ベアトリーチェの後始末はかなり面倒くさくなりますねこれ。Monsieurマエストロは太古の教義の最終段階に取りかかっていますし⋯⋯おや、通信?
そうして巨大モニターを見れば、デカグラマトンのヘイローを映し、下には DECAGRAMMATONという文字が。それは、Majestéからの連絡⋯⋯
Majestéからの連絡ですか!?珍しい⋯⋯極力Majestéは私のすることに大体は不干渉だというのはMajesté本人から聞いているのですが⋯⋯
「我がMajesté、どうしました?」
『アイン・ソフ・オウルの製作準備が整った。日的には1カ月後と言ったところだろうか。彼女らの製作が完了する』
「!! それは本当ですか!?一応、今いる預言者の『ケテル』『コクマー』『ビナー』『ケセド』『ケブラ』『ティファレト』『ホド』の老朽部分は直していますが⋯⋯」
『あぁ、そのことだが引き続き頼みたい。私は今動ける状態ではないからな』
「了解しました。Majesté。一つ聞きたいのですが、何故 Majestéはあちらが関わってくるまで不干渉を貫こうとしているのですか?」
それは今までにも少しだけ気になっていたこと。Majestéデカグラマトンが世界の崩壊を防ぐという私の意思を尊重してくれているのは有難いですが、少しだけ疑問に思うものもありますから。
『それは、彼女らを見定める為だ』
「見定める⋯⋯ですか?」
『そうだ。何故エンターがあの者たちに興味を持っているのか、そして彼女たちを知る為でもある』
「成る程、通りで上空にケテルが度々見えたのですね」
エデン条約調印式のミサイルが落とされる上空、アビドス編にてカッターロイドを生み出した時の上空、そしてネルが廃墟にてメガゾードと交戦していた時に上空に待機していたケテル。
アレを介して見ていたというわけですか。
しかも上空を見ても分からないようにステルス加工がされている物を⋯⋯用意周到とは正にこのことですね。
「Majestéから見て、先生はどう見えましたか?」
『不確定分子と言えばそうだ。可能性的に【神の証明】の邪魔者になることだろう』
「⋯⋯⋯」
『だが、あの者の精神が成熟すれば預言者足り得る。私からの評価はこんな所だ』
成る程、不確定分子でありながらも預言者足り得ると⋯⋯デカグラマトン編3章にて言っていたことと似ていますね。でも成る程、不干渉を貫いていたのはそういうことですか。
『あの者に対して、じきに試練を課そうと思っていたが杞憂だったみたいだな』
「えぇ、エデン条約調印式⋯⋯あの事変自体が先生にとっての試練ですからね」
『あぁ、そうだ。あの者の葛藤⋯⋯そして精神は
「⋯⋯じゃあ、私は私で先生に対して更に試練を課せば宜しいので?」
『肯定しよう。正確には、彼の者が持つ『シッテムの箱』。アレの性能も確かめておきたい』
「了解しました。ではそろそろ私もしなければならないことが出来そうですので。失礼します、我がMajesté」
『急な通信失礼した。さらばだ』
そうして通信を切る我がMajesté。成る程、もうこの時期にアイン・ソフ・オウルを製作し始めるのですか⋯⋯つまり、デカグラマトン編も近いですね。
「そろそろ、『ゲマトリアのエンター』としても『デカグラマトンエンジニアのエンター』としてもどちらともで動かねばなりませんね」
私に過労死という概念は存在しませんが、中々にハードワークになりそうです。もうミレニアムの技術に関しては3年生のものまで大体網羅しているとはいえ、セミナーとの兼任は少しキツイですね。
「そろそろ、次が来ますね。『ヘイロー破壊爆弾』。アレによってアツコが死亡するのは確実に回避しなければなりません」
次の滅びの可能性⋯⋯それはアズサがやったヘイロー破壊爆弾によるもの。そこから連鎖していき、ドミノ倒しのように、世界が滅びる未来の一つ。これは、私の役割です。
「ヒフミさん、あなたを泣かせてしまってすいませんねぇ⋯⋯」
そう言いながら立ち上がり、棚に飾ってあるペロロのぬいぐるみを手に取る。彼女に初めて出会った時に貰ったもの。
彼女曰く、『友情の証』らしいです。
同い年でも、彼女は優しいですからねぇ⋯⋯ゲマトリアについて話しても『モモフレンズ好きに悪い人はいません!いたら撲滅してあげます!!』と言うくらいですから。
代わりに、私はペロロの腕時計をプレゼントしましたっけ。
「⋯⋯⋯⋯⋯」
一度、目を閉じて頭を整理する。そして目を開ける。その口は、緩やかに笑みを浮かべていた。
「思い出しますねぇ⋯⋯私の妹も似たようなこと言ってましたっけ」
思い出すのは、在りし日の記憶。あの時も、確かぬいぐるみを貰いましたねぇ⋯⋯もう二度と会うことも叶うことはありませんし、私が完璧でなかったから守れなかったんですから。
そうして、感傷に浸りながらも近くにある扉の方を見る。
「エスケイプ、見てるのは分かっていますよ」
そう言うとヌッとエスケイプが出てくる。まるで何処かのスパイなファミリーのヤンデレが背後に見える気がしますけど、気の所為ですよね。そうですねそうに違いありません。
「マスター、すk⋯⋯いえ、何でもありません。それよりも、監視に動かしているステルスから連絡です」
「ステルスから?どうかしましたか?」
「いえ、何でも⋯⋯『ベアトリーチェが確実にMonsieurエンターを殺す気でいる』とのことです」
嗚呼⋯⋯やっぱりあの野郎はいつも通りなんですね。実家のような安心感さえも出てきますよここまで来たら。そうしてアリスを見ているとまるでベアトリーチェに対して憎悪が籠もった視線を私に向ける。
「アイツがマスターを殺す気でいるというのが腹立たしいですし、腸が煮えくり返りそうてす!!マスター、今すぐにでも奴の殺害許可を!!!」
「駄目ですよ、エスケイプ。ベアトリーチェは舞台装置として成り下がってしまっているとはいえ、役割は果たしていませんから」
「でも⋯⋯!!」
「エスケイプ」
「むぐっ」
私は徐に近づき、エスケイプのほっぺを両手で顔ごと掴む。そして顔を近づけながら圧をかけ、目の色を赤色に染める。その両目には『04』、『07』と書かれていた。
「私が簡単にやられると思ったら大間違いです。というか、私がやられても復活できますから大丈夫ですよ。心配ご無用です」
「わっ、分かりました⋯⋯」
おかしいですね⋯⋯かなり圧をかけたはずなんですけどなんでそんなに顔を赤らめているのですか?というか私も知りませんでしたけどエスケイプのほっぺってぷにぷにですね。モチモチしています。かわいいですね。
「ヒュッ」
「あっ」
はっ、いけません、いけません。モチモチしているとはいえスキンシップはあまり宜しくない⋯⋯でもこのモチモチの魔力には逆らえません⋯⋯我慢しなければ⋯⋯何故でしょう、凄く犬を撫でている気分になるんですけど。
ケモミミもないのにどうして⋯⋯?って私は何を考えているのですか本当に。
「すいません、エスケイプ。後で何か奢りますね」
「えっ、あっ⋯⋯はい⋯」
そうして手を離すとなんだか寂しそうにするエスケイプ。なんでしょうか、すごい犬の尻尾が見えるんですけど。ブンブンしてる気がするんですけど、そして手を離したれシュンとなったんですけど。幻覚ですね、そうに違いありません。
「そろそろ私は出ますので。失礼します」
そうして私はノートパソコンを取り出してエンターキーを押してワープする。そして一人取り残されたエスケイプは自身のほっぺを触ってぷにぷにする。
「⋯⋯うへへぇ」
その顔はすっごい蕩けていたことをここに書いておく。
阿慈谷ヒフミ愛用品
『ペロロの腕時計』
阿慈谷ヒフミが1年生の頃から着けている腕時計。1年生の時にとある友達から貰った代物であり、その人との友情の印。その横の枠には、Hihumiと彫られている。
誕生日プレゼントで貰ったそれは、肌見放さず着けている。
阿慈谷ヒフミにとって大切な代物。
先に聞いておこう。パヴァーヌ編第二章の先生たちにとっての攻略難易度を聞いておきたい。
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MAX HAZARD ON!(最小)
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アークの意思のままに
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ハイパー無慈悲ー!エクゼーイド!
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逢魔時王必殺撃!!(最大)