ゲマトリア兼デカグラマトン所属、エンターと申します。以後お見知りおきを 作:エンター・■■■■
新たな小説のネタが思いついてしまう⋯⋯インスピレーションがすごぉい!(今の小説書きやがれ俺)
曇り空が辺り一面を支配したトリニティでは、混乱が巻き起こっていた。人は疑い、傷つけ合い、憎しみ合い⋯⋯やがて、一つのものへと収束してくかに思われた。
例えば、そう。聖園ミカ。彼女は騙された被害者であり、加害者でもある。そして、また彼女に問いが投げかけられた。クーデターを起こそうとする目の前の部下たちを眺めながら。
「お待たせしました!行きましょう!」
元はと言えばミカ自身が引き起こした出来事。セイアが入れ替わっていたとは言え、襲撃されたこと。そして、自身がクーデターを起こしてしまったこと。
そして、エデン条約のテロ。
自身が引き起こし、そしてそれが広がってしまったこと。それに罪悪感を感じないわけがなかった。自身で自身を責めるほどに。クーデターについては“演習”という名目で揉み消されたが罰などは与えられていた。
だからこそ、目の前の部下たちを見据える。
「ふーん、成る程ね⋯⋯状況は大体分かったよ。つまり⋯⋯みんな、私のファンってところかな?やー、仕方ないなぁ。サインでもしてあげよっか?」
ファンという冗談を交えながらも、その視線は鋭かった。多分目の前の者たちが次に言う言葉はミカにとっては嫌でも分かる。そう、ゲヘナについて。
「い、いえそうではなく。ご覧になったかと思いますが、現在トリニティは⋯⋯」
「うん、分かってるよ。で、ここのみんなは何?まさかクーデターとかゲヘナに宣戦布告とか考えてたり?」
「はい、その通りです!今こそゲヘナの奴らを消し去るチャンスかと!」
「あなた様が望んでいた通り、ゲヘナとの全面戦争を⋯⋯!」
パテル分派はゲヘナが大嫌いなのが過半数。この混乱に応じて宣戦布告をしようと企み、その首長であるミカに同意を求めようと来たのだろう。
今のミカにとっては⋯⋯嫌なほどわかる嫌悪感。ゲヘナと同じくらい、嫌なもの。ゲヘナにも多分あることは分かっていた。ミカはゲヘナが嫌いだ。とても嫌いだ。でもそれ以上に嫌いなのは⋯⋯
不甲斐ないミカ自身こそが、大嫌いだった。
「今すぐにトリニティ全域に戦闘命令を!」
「⋯⋯あはっ」
目の前の部下がしようとしていることに、嘲笑う。
これじゃ私の二の舞だとミカ自身が分かっていた。
「みんな記憶力いいね。うん、私はゲヘナが大っ嫌いだよ」
「で、ゲヘナと全面戦争する為に私の所に来たってわけ?どうしてそんな命令を欲しがって来たわけ?」
「はい?」
それは確認の質問。
もう、迷わない。
「他の派閥を抑えたんでしょ?実際の所、宣戦布告なんて手続きもう要らないじゃん。今すぐゲヘナに殴り掛かれば良いのに、自分たちの代わりに怒って、命令してくれって⋯⋯何それ、面白いことするね?」
怒りを偶発させるように、挑発する。その相手の反応は、困惑と怒気⋯⋯⋯嫌なほどわかる嫌悪感。トリニティではよく見かけるもの。「気に障ったらごめん」と言いながらも言葉を続ける。
「うん、私はゲヘナが大嫌いだよ。機会があれば、どうにかしてやりたいと思うくらいにはだーい嫌いだよ」
「でもさ、今の私はあんまりそういう気分じゃないんだよね。だから悪いんだけど、帰ってもらえるかな?」
嘘をついて帰ってもらおう。そう思いながら口に出した言葉はミカ自身も驚くほどに冷たい声だった。気分というのは嘘だ。本当はそんな事したくない。今それをしたら、ナギサやセイアが傷ついてしまうということを分かっていたから。
「今がどれだけ重要なタイミングなのか、わかっていらっしゃるのですか。それをたかが気分の問題で⋯⋯」
たかが⋯⋯なんて言葉。ミカにとってはそのたかがが一番大事だった。
「⋯⋯『たかが』?何言ってるの、それが一番大切なことでしょ? 私は私の気分とか気持ちの問題で、ゲヘナが嫌いなの。その事の何が悪いのさ。別に、その裏に隠れた理由なんてないんだよ?」
「こんな冗談で宣戦布告なんて、別にいらないって分かってるよね?なのに自分たちの代わりに憎んでくれだなんて、変なことを言って⋯⋯」
「もう、帰ってくれないかな?今はそういう気分じゃないし、そろそろ面倒になってきちゃうから」
拒絶する言葉を、ミカは言い切った。
「なんだと?」
「お耳掃除でもしてあげよっか?命令されなきゃ憎むこともできないの、って言ってるの」
追撃するように、又は煽るように目の前のパテル分派に向けて言う。だが、それはティーパーティーのパテル分派⋯⋯つまりは自身の部下の逆鱗を踏むに等しかった。
「このっ、言わせておけば⋯⋯っ!」
そうして、拳を振りかぶり⋯⋯ミカの顔を殴った。他の者達もそれに伝播するように殴る、殴る。ミカはそんな痛みをもろともしないが、心の傷だけは徐々に広まっていっていた。
更には、銃撃され⋯⋯少しの痛みはあるが、心の傷だけが、どんどんと広がっていった。何も言わず、ただ宿罪を受ける様に暴行を受け止めるミカ。
だが、そんな時だった。止める声が聞こえたのは。そして、ミカとティーパーティーの者達の間に割って入る。
「い、虐めはダメっ!どうして、こんなに大勢で寄ってたかって⋯⋯⋯⋯⋯!」
「こんなの、私が許さないんだからっ!!」
補習授業部の一人、下江コハル。
その人は、まるで太陽のようだった。だが、そんなものを諸友せず、目の前の人たちは激昂する。「どきなさい!」や「緊急事態」だと言って退かそうとするが、コハルは一歩も引かなかった。
「こんなの、絶対駄目っ!!」
「それなら⋯⋯⋯っ!」
ミカ自身は殴られてもいい。それが罰になるのなら受け止める、そう思っていた。だけど、関係のない人⋯⋯少しは関係があるがその太陽を穢すことだけは許すまいと、ミカは銃を取り出して向けようとした。
その時だった。端からコツコツと音が聞こえてくる。そして、その声が聞こえた。
“コハルは補習授業部の、大切な一人の生徒だよ”
「せ、先生っ!?」
その声に、その言葉に私は驚いた。どうやって私の場所を⋯⋯やらどうしてやらそんな考えが頭を巡る。目の前の部下たちも驚きつつもそこから聞こえるのは困惑の声。
そして、先生は口を開いた。
“お願いだから、先ずは暴力を辞めてほしいな”
その言葉に、部下たちは口籠り⋯⋯言い訳などができないと判断したのか逃げていった。
私を守る為にコハルは立ち向かう勇気と優しさ、それと同時に怖かったのも事実。あんなにも囲まれてたんだから無理もない。目尻に涙を浮かべ、確認するようにしきりに先生と呼ぶコハルに「よく頑張ったね」と労いの言葉を送り頭を撫でる先生。
そして次に私へ目線が向けられると、ずっと開けていたままだった口に気が付いたミカは、切り替えるかのように笑みを浮かべて挨拶を交わした。
“ミカ、君はどうしてさっき⋯⋯”
何も言わずに暴行を受け止めていたのか、とか宣戦布告を起こさなかったのかとか。多分そんな事を聞こうとしたのだろう。それにミカは口を開く。
「何だかさ、少し前までの私を見てるような気がしてさ」
ちょっと前⋯⋯セイア、ナギサ、ミカが揃っていた時にアリウスの和解を持ちかけた時。ゲヘナにイライラしていた時。そんな時だったら思わず了承していたのだろう。
だが、セイアは入れ替わっていたとは言え殺されかけ、挙句の果てにはナギサまで殺されかけた。更には先生たちも⋯⋯そんなものを連続で目の当たりにして心が変化しないわけがなかった。
「宣戦布告とか、ちょっと前までなら認めちゃうくらいにはゲヘナが嫌いだったんだけどさ⋯」
今さっきの部下たちも⋯⋯少し前の私とよく似ていた。醜いゲヘナへの執念においてがとっても、とっても。憎悪というものはどんどんと肥大化していく。理由がなくとも、理由があったとしても。
そして、その先の結果がこれなのだから。
「憎悪とかさ、理由とかもないのに。みんなが傷ついちゃってさ、私⋯⋯⋯⋯ちゃんと話したつもりだったんだけどなぁ⋯⋯」
そうして、ポロポロと涙が溢れ出る。
罪悪感で押し潰れそうになる。
「ごめっ、ごめんなさい⋯⋯ごめんなさい⋯⋯」
誰に謝っているのかも、分からない。否、迷惑をかけてしまったセイアたちに謝る言葉なのだろうそれは涙と共に紡がれる。何度も、何度も。
それを見かねたのか先生は私を無言で抱きしめた。背中をぽんぽんと背中を優しく擦りながら、慰めるようにして私を抱きしめる。
“よしよし”
そうして、嗚咽が混じりながらも涙を流し続けた。それを先生はしっかりと受け止めていた。
先生はミカを慰めたその後、保健室へと行ってハスミやツルギなどの負傷者へのお見舞いへと向かった。ツルギはピンピンしていたことに少しだけ先生は驚いた。
その際にソウジキロイドが目に入ったが目が合った瞬間に
「ゲヘナ風紀委員会はあちらですよ。さっさとお見舞い行ってきなさい」
とまるで清掃員おじさんムーブをしながら指をグッグッとさせていた。ちょっとかっこよかった。
そして、トリニティにいるゲヘナ風紀委員会に挨拶しに行った後、外にいるであろうヒフミたちに会いに行った。だが、そのヒフミたちの顔はとても曇っていた。
「先生⋯⋯」
“ヒフミ⋯⋯”
目尻に涙を浮かべながら、ヒフミは話す。
「先生、アズサちゃんが⋯⋯」
確かにこの場にいない。私が寝ている間に何かあったのだろうかと心配になる。だが、ヒフミから紡がれた言葉は悲しみを帯びていた。
「アズサちゃんが戦っています⋯⋯ずっと」
“⋯⋯うん”
何が起こったのかはその言葉だけで瞬時に理解できた。出来てしまった。アズサがアリウスへ行ってしまって、今でも戦っているのだろうと。何かが起きてしまっているのだろうと。
「居場所が違うんだ、って⋯⋯それで、私、何も分からなくて⋯⋯エンターさんが助けてくれたとしても、私みたいな平凡な学生には何も⋯⋯」
“⋯⋯エンターが?”
「はいっ、『助けを求める声が聞こえた』って言って駆けつけてくれたんです。緊急転送マーカー?っていうのも聞こえた気がしますが⋯⋯」
緊急転送マーカー⋯⋯?というのは扠置き、エンターはほんと何やってるのだろうか。セイアとミカの所に車で突撃したり、端はゲマトリアとして暗躍?暗躍⋯⋯?したり。何が目的なのだろうか。
それはいいとしてだ。
「私たちに、何かできることはないのでしょうか⋯⋯」
「それでも、見捨てるわけには行かないでしょ!?立ち位置なんて関係ない!わ、私は知ってる⋯⋯!一人でいることが、置いていかれることとか、それがすごく悲しいって!だから、アズサを一人にはさせられない!」
コハルがそう叫んだ。確かにそうだそれにハナコもそうだと肯定する。確かにそうだ。一人でいるのはいいけど、独りになることはとても辛い、それはどんな時であってもそうだ。だからこそ、私はヒフミに言葉を投げかける。
“今まで、補習授業部を引っ張ってここまで頑張ってくれたんだ。だから今がある”
「そうですよ。ヒフミちゃんが諦めずにいたから、私もこうしてここにおられるんです」
「私は頑張った。でもその陰で、あんたがたくさんの面倒なこととか、部長としてのこととか色んな事をしてくれたのも、ちゃんと知ってる」
ヒフミの部長としての頑張り。そして、色んな事を支えてくれたんだ。此方も、それに応えなければならない。それが先生の在り方だから。生徒の味方⋯⋯いや、大切なものを守ろうとする者の味方かな。
“今は駄目だとしてもね、一緒に悩んで、考えて、相談して⋯⋯⋯沢山のことをして、解決しよう”
私も同じ事をしたから。今さっき自分で考えて、セイアにヒントを出してもらって、自分で解決したんだから。
「⋯⋯はい、ありがとうございます」
「私もちゃんと学びました。諦めません、いつまでも悩みません。だから、私は!私に出来ることを!!⋯⋯アズサちゃんを助けに行きます」
やる事を決めたら即やる。ヒフミはそういう人なのは銀行強盗のときのペロロ様回収で分かっていた。だからこそ、思いは同じだ。
“ヒフミらしいや、でも、助けに行くのは同じ。手伝うよ”
「では、皆で行きましょうか」
ハナコも少しからかおうとしたようだが、雰囲気を見て辞めたようだ。決意が固まっていく。みんなの勇気が、希望が生まれていく。
「う、うん!友達を、助けないと⋯⋯!」
「アズサちゃんに会って、今度こそ⋯⋯」
「言いたいことは、伝えないと。ですね」
「⋯⋯はい」
「しっかり伝えなければなりません、同じ世界にいられないなんて、私は⋯⋯⋯」
“友達でも、言わないと伝わらないからね”
誰だってそう。言わなきゃ伝わらない。言わなきゃ苦しみも悲しみも一人のままなのだから。そう言った瞬間、ヒフミの目は決意に満ち溢れた目になった。
「はい!今度こそ、はっきり言ってみせます⋯⋯!」
「そうですね。私もちゃんと直ぐ側にいます」
「えっと⋯⋯と、兎に角行くんでしょ?ほら、早く!!」
かくして、補習授業部の決意は固まった。
そして、集まり始める。
曇り空のある、古聖堂に。
先に聞いておこう。パヴァーヌ編第二章の先生たちにとっての攻略難易度を聞いておきたい。
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MAX HAZARD ON!(最小)
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アークの意思のままに
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ハイパー無慈悲ー!エクゼーイド!
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逢魔時王必殺撃!!(最大)