ゲマトリア兼デカグラマトン所属、エンターと申します。以後お見知りおきを 作:エンター・■■■■
注意
これは、あちらでのゲームでは公開されない情報です。ご注意ください。
ではほんへどうぞ
■■■■の記憶
そこでは、忙しなく動く影が一つあった。研究室⋯⋯⋯今で言う水没地区の一角である『研究地区』の研究室であるその場所では、ある人が動いていた。その廊下でコツコツと歩きながらも必至な形相で向かっている。
「百鬼夜行の紛争は今どんな感じですか!」
「百鬼夜行紛争調停委員会は今押されてるね。こりゃ面倒くさいよ」
「仕方ありません。バカ狐⋯⋯いえ、クズノハに連絡を取ってください!兵力を向かわせます」
そう言いながら歩く人⋯⋯⋯後の未来に、エンターと呼ばれるその人は動いていた。だが、何時ものエンターの姿形はなく、研究員の服を着ているのみであった。その隣には研究室職員の一人が隣に追いつくように必死に歩き、スマホ片手にその人を見る。
「トリニティの方はどうなっていますか!」
「あちらはバルバラさんに連絡を取りましたが紛争は収まりつつあるとのこと。ですが、アリウスでまた紛争が起こりそうとのことです兄さん」
そうしてレセプションルームの壁の凹みの部分を開け、315と入力すると、たどり着いた先は研究室のモニター室。そこではキヴォトス各地の監視カメラに繋がっていて、さながら秘密基地である。
レセプションルームというのはあくまでも仮だ。もし別のスパイやらそういうのが探りで入ってきた際に、それを即座に察知するために作られたものだ。ここには一部の人どころか頭と側近ぐらいしか知らない。
だからこそ、ここを知っているということはスパイということなのだ。俺はマークされやすいからな。だから、敢えてスパイに握らせる。そして来た奴を記憶処理して徹底的にその組織を叩きのめす、そういう所なのだ。ここは。
「全く、あのゴミ共があのシステムに仕組んでいたことといい⋯⋯⋯どうしてこうもキヴォトスというのは治安が終わってるんですか!!」
「もうそれは仕方ないよ。あっちの方はまだ大丈夫だけど、そろそろだね」
「くっ⋯⋯一応俺中学3年生なんだからな!?子供のうちに過労死したら元も子もねぇぞ!?」
「それはないよ。普通に死ぬような思いをして力を得ている兄さんに出来ないことは⋯⋯精々恋人を作るくらいじゃないですか?兄さん鈍感ですし」
「俺がクソボケなのは百も承知だ!!人の心読むのは得意でも感じるのは下手くそなんだからな!」
そう言いながらジト目でその研究員⋯⋯妹を見ると、妹はフッと鼻で笑いながら俺を見る。それにまた青筋を立てるが、研究員は悪辣な笑みを浮かべながらも目を合わせるように見つめた。そして頭を掻いてモニターを見る。
「たく、面倒せぇなぁ⋯⋯⋯新システムの改良、紛争の調停の協力⋯⋯中学3年生に課していい業務じゃねぇだろ」
「一応、私中学2年なの忘れないでください。兄さんよりは苦労してるんです」
「えぇ貴方の業務はそこまで少なくて楽そうですね!!」
「お褒めに預かり光栄(笑)とでも言っておきましょうか?でも紛争に先人切って敵を薙ぎ倒してる姉さんは兄さんと同い年なんですから」
「アイツは根っからの戦闘民族だろ!?」
「それだと私たち戦闘民族になりますけど」
「あぁもう!一旦話を戻しますよ!」
そんな事を言いながらも研究員⋯⋯彼に見た目が似ている妹らしき人はモニターに接続されているパソコンを動かしてモニターの出力されている画像を変える。
その画像は地図と設計図。
「全く、俺がいくら使えるからって酷使しすぎだろ⋯⋯頭も側近も皆姉さんや俺、妹を信用してやがる⋯⋯」
「まぁ私も兄さんも姉さんも結構頭回りますからね。ここが酷使するのは当たり前じゃない?」
「労基にでも訴えてやりましょうか⋯!」
「労基って何?」
「こっちの話だ!」
そう言いながら近くにあるロッカーに行くと、指を挟み込み指紋認証でそのロックを解除して開く。その中の引き出しを開くとそこには■■■■■■■■があった。そしてそれを手に取り腕にセットする。
「全く、面倒くさい!!速攻で倒しますから覚悟してくださいね!クズノハ、今行きますよ!」
そう言うとその人は消えた。
「死に晒せぇ!!」
「てめぇがなぁ!!!」
「はいはい倒れてくださいねー」
場所は後に百鬼夜行自治区と呼ばれる場所で、紛争している敵を速攻で敵を殲滅していく。百鬼夜行は様々な自治区がそれを争っているが、クズノハが言う通り些かやり過ぎな部分がある。
温厚、お人好しな派閥がクズノハの所属する所でもある。ウチはそういう、今後もやっていけるような奴らを支援する立ち回りをしている。それが■■■■■だ。
対・絶対者自律型分析システム⋯⋯⋯⋯あのシステムも、元来は神を証明して神を作り、紛争している所に入れて治めようとするものだ。
元々、神を証明したい!しようしよう!みたいな軽いノリで作られていたロマン大好きな組織であることは確かなのだが、それは表向きの姿だ。
裏側ではキヴォトスの統治⋯⋯⋯いや、紛争をなくすために暗躍したりするスパイ組織みたいなものだ。かくいう俺もそれに目をつけて契約したんだが⋯⋯そのせいでその組織はとある奴らに目をつけられた。
奴ら『■■の■■』がそのシステムにとあるウイルスを組み込んだせいで面倒くさいことになった。アイツラは何度も何度もこの世界を壊そうとしているクソみたいな奴らだ。
現実には干渉できない代わりにコンピューターウイルスや精神干渉を行ってくる。
そのせいで、あのシステムがとあることを引き起こす原因になってしまった。まぁ、その事例は解決しかけているが⋯⋯⋯⋯⋯いや、今この話をする時ではないな。
「来たぞ、クズノハ」
そう言ってとある神社の襖を開く。そこに欠伸をしながら待機していたのは後に百鬼夜行連合学院と呼ばれる所に百鬼夜行紛争調停委員会を設立し、百蓮を作り出した人。そして巫女である者⋯⋯⋯クズノハである。
「⋯⋯⋯⋯遅いぞ、退屈しておったわ」
「いや、時間には間に合っている。しかも10分前だ」
「遅いのじゃ、もうちょっと速くせんかい」
「無茶苦茶だ」
「一応そこら辺の紛争は止めてきたみたいじゃの。ありがとうな。これで少しばかしは進むじゃろう」
「俺は業務を果たしただけだ」
「ブレないのぉ」
そう言いながら狐の尻尾をペシペシしてきているクズノハ。まるで不服だと言わんばかりにペシペシしてきている。懐からクシを取り出して尻尾を解くと円満な笑みを浮かべる。
「やはり気持ちいいの」
「ケモナーには大興奮だろうな」
「ケモナーになってもいいのじゃぞ?」
「生憎俺はそういうのを前面に押し出すつもりはないし業務中だ」
「ふふ、そうか。なら今はいいのじゃぞ?」
「遠慮しておく」
ここはあまり知られていない場所だ。クズノハが所属している学校からもかなり離れていて、さらには山の中の洞窟の中に建てられている、何がどうしてそこに作られたのか分からない場所だ。
まぁ、クズノハの性格的にここなら大丈夫だろうとか、神秘的だからいいな的な名目で作られたのだろうが。そして俺は設置されてある机の横に正座してクズノハを見る。
「で、俺を呼んだってことは何かあるのか?」
「のう、これを見よ」
「これは⋯⋯⋯?」
「あやつらが起こしている紛争地点じゃ。其方は何個か解決したじゃろうが、あやつらも一筋縄ではいかぬ。あの小説の通りにしておるが、それが仇となるからの」
そう言いながらクズノハは机の上に地図を広げる。そこの赤い点が紛争している地域なのだろう。地点は10個、場所は成程⋯⋯相も変わらずなんでこう都市⋯⋯?に繰り広げるかなぁ!!
「逆にその通りにしなけりゃならないっていうことだからな。未来の物語は定められてはいるが⋯⋯⋯まぁ、今後は俺もそうなるわけだがな」
「全く、そのシステムはすごいのぉ⋯⋯⋯」
そう言いながらジト目を向けるクズノハ。それに俺は満更でもないような顔をして言う。
「一応、これはある人の技術なんですから。私はそれをトレースしているだけだ」
「また一人称と口調が変わっている。さては、おぬし何か起きたな?まさか恋人でも出来たのか?ヒューヒュー!」
そう言いながら立ち上がって何処かから取り出したクラッカーをパンとしようとする。それを直ぐ様止めて圧をかけながら一言。
「おちょくってんなら帰るぞ」
「其方もノリが悪いの⋯⋯⋯いや、そう言いながらクラッカー取り出して⋯⋯⋯もしかして乗ろうとしたのかの?」
「はっ、いつの間に!?」
「くっ、ハハハハハハ!!やっぱり面白いの!!」
そう言いお腹を抑えるクズノハ。
やっぱてめぇ殴ってやろうかな。
「冗談は扠置き、其方はやはり⋯⋯」
「あぁ、完全にそうなるのも時間の問題だ。意識はないにしろ、性格や口調が少しずつ変化しかけている」
「其方も面倒なことを引き起こしたの、しかも対処も一筋縄ではいかぬ面倒なものをな」
「ま、それは其方が解決する問題じゃ。どうしてもと言うのなら力は貸してやるからの」
「感謝します。クズノハ」
「やはり違和感があるの⋯⋯」
そう言いながらクズノハは俺を訝しむ。それに俺ははぁ⋯⋯とため息を付きながら地図を見る。だが、クズノハの距離が近い、頭一つ分くらいもないゼロ距離、しかも頭あたってるし。
「可愛いんだからもうちょっと距離をどうにかしてくれねぇかな」
「妾が可愛いのは当然じゃ!まぁでも距離が近いほうが其方は良いのではないか?」
「まぁ、それは⋯⋯そうだが」
「ふふっ、男のツンデレは需要はないが其方は弄りがいがある」
「はっ倒すぞ」
「して、其方の姉と妹は元気かの?」
「彼奴等がどうかしたのか?」
少し、握り拳に力が籠る。もしかしたらあの2人に何か起こる可能性だってある。だから俺が守らなくちゃいけない。姉さんはともかく、妹は特に。
「それが本題じゃ。そのままだとあやつらは――」
「それは、預言か?」
「じゃな」
「ありがとう、お陰で色々と動ける」
「あやつらにはお世話になっているからの、このくらいは当然じゃ」
そう言って懐からとある物を取り出す。それは小さい四面体である4つの木材
「運命は変えられるが、その代わり犠牲となるものが出てくる。それが世界の摂理じゃ。それは、分かっておるな?」
3つの木材を並べてそれを動かす。例えばAが死ぬはずだったのをBが塗り替えると、その代わりにBか他人のCが死ぬことになるというもの。
ただ、それは身体が崩壊することやデータの一時的消滅も含まれる。だからこそ胸を張って言える。
「当然だ」
「究極の自己犠牲とは正にこのことじゃのう⋯⋯
「一応、ダメージは蓄積されるからな。まぁ高速で復活するが」
「じゃから、其方が動くのは⋯⋯」
そう言って、時間が過ぎていった。
クズノハとの会談が終わり、一度研究室に戻って来ていた。クズノハが言ったことを冷静に整理していたのだ。かつて⋯⋯転生前に目の前で妹を失ってしまった時のように。完璧でなかったから、救えなかった。そんな事を思い浮かべる。
「兄さん、考え事?」
「いえ、何でもありません。そろそろ時間ですから通話しなければならないと思いましてね」
「定期的にやらなきゃいけないんだっけ、それ」
「えぇ、通知ログをアイツらに悟られないようにするのは苦労しますよ」
「やっぱ口調変わってるよね?」
「気の所為だ」
「ならいいけど、ちゃんと言ってね」
そう言って離れていく妹。そして、俺はとある装置を起動してとある場所に繋げる。その中でも浮かび上がっているデータ型キーボードを動かしてアイツラに悟られないように繋げる。
「そろそろ⋯⋯繋がったか」
『⋯⋯⋯聞こえるか?』
「はい、こっちは大丈夫です。そちらは大丈夫でしょうか?」
『あぁ、なんとか悟られないように動いた。陣のサポートも徹底的にしている』
「いえいえ、元はと言えば私の世界の奴らが仕組んだというのに⋯⋯申し訳ないです」
『それはもう過ぎてしまったことだ。変えられない。それに私たちに手伝ってくれているんだ、そう卑屈にならないでくれ』
「でも⋯⋯⋯⋯」
『一旦、その話は後にしよう。今はこれだ』
そう言いながら、隣に映るモニターを変えてそのモニターに映る人は言う。
「陣さんにも色々とサポートしてますけど、あの時見せたもので大丈夫でしたか?」
『あぁ、というか絶賛していた。というか【本当に中学3年生と2年生が作ったもんかこれ?そっちの研究職員総出で作ったんじゃねぇかこれ?】と怪しんでたくらいだが』
「一応、俺と妹で描いて姉さんに強度確認して研究職員に少しだけ確認させただけだけどな⋯⋯⋯」
『ははっ、バスターマシンの製作に君がいてくれたらなんと心強かったことだろうかね。それはそうと、こっちはあの日から大体5日程度だが、そちらはどうだ?』
「こちらは大体10ヶ月ですね。こちらの時系列で1年に一度はやはり、時間差があり過ぎる。ですが、私はもうその件まで付き合うと決めているので」
『成程、だからか⋯⋯情報提供感謝する』
「いえ、この程度は当然です」
そう言うと、反対側のモニターを映してとある物を見せる。それは、バスターマシンとメガゾードの設計図であった。
「私は、決して許されないことをしでかしたのですから。それが例え『■■の■■』がウイルスを仕組んだことだとしても、私が対・絶対者自律型分析システムに入っていることに気付かずに送ってしまったのは事実なんですから」
『⋯⋯⋯⋯⋯』
「そうでしょう?」
「桜田ヨウスケ、センター長」
・桜田ヨウスケ
皆の想像通りの人。
・■■■■
今はまだエンターとも呼ばれていない時期。とある組織に所属していてキヴォトス各地の紛争を止める仕事をしている中学3年生。口調が徐々に変化してきている。
・クズノハ
■■■■をおちょくりがいのある年下の後輩と認識している。本来ならば百鬼夜行に入学するはずだったが、あることがあってその■■■■の思いは途絶えてしまった。現在復活しているのを観測してヤッタァとなっているが、記憶を失ってしまってミレニアムに入ってしまっているのを見たため今はぶすくれている。
因みに、もしゲームであるのならクズノハと呼ばれているところは全てゲーム内では■■■■となっています。最終編になってから明かされるタイプの人ですねコォレハ
次回パヴァーヌ編スタート