ゲマトリア兼デカグラマトン所属、エンターと申します。以後お見知りおきを 作:エンター・■■■■
評価щ(゚д゚щ)カモーン
感想щ(゚д゚щ)カモーン
誤字報告ありがとうございます
てなわけでほんへどうぞ
薄暗い場所でただ一人座って眺めている男がいた。その場所は廃墟と化した映画館。フィルムによって映し出されるかなり昔の映画は、ジリリと鳴りながら映し出されていた。その男⋯⋯⋯又の名をエンターはポップコーン片手に口ずさむ。
「映画、つまりご覧の⋯⋯」
「アミューズもの提供!人々が己のくだらなさをこんなに臭わせるために⋯⋯⋯Très bien」
そして、ポップコーンを一つつまんでからまた投げ入れ、エンターは立ち上がり背後を向く。廃墟となった映画館でも、エネトロンによる少量の電気変換で簡単に動いていた。そして、後ろのfinの文字と同時にその映画は締め括られる。
「そう!我がMajestéにも是非!」
そして、エンターは映画館の映写機に移動すると何時も通りの感覚でそのシールを貼り付ける。そして、青いカードを取り出してパソコンにスライドする。
「メタウイルス、『見せる』インストール」
エンターに繋がれた映写機はエネトロンとメタウイルスの力により、その形状がデータへと変換される。
フィルムロイド
フィルムロイド
フィルムロイド
誕生しようとしているメタロイドの名前が電子音声で3回コールされ、インストールが完了したと同時に映写機から橙色のデータのようなものが飛び出し、それが台の上で改めて形成される。
まるで二股に分かれた帽子を被ったピエロのような姿をしており、胸には映写機にも見えていた映し出すものが飛び出ている。映写機から作られしメタロイド
『フィルムロイド』
作り出されたと同時に、フィルムロイドはまるでピエロのように動いて一回転し、お辞儀をする。
「わーひっひっひ」
「わー、うんー!」
その姿をエンターはじっと眺めていた。
《ミレニアム・セミナー執務室》
その真っ暗な部屋の中に2つの影が入ってきた。方や車椅子に乗って、方やサングラスを掛けている十条レイチと明星ヒマリ、その2人であった。だが、ヒマリは少しだけ不満の声を漏らす。
「あら⋯⋯超天才清楚系病弱美少女の来訪を、電気もつけずに迎えるなんて⋯⋯⋯⋯」
「流石に、こんな真っ暗なのは頂けませんね」
「来客をもてなす気がこれっぽっちも無いという点、とてもあなたらしいとは思いますけど⋯⋯」
「ですが、暗い部屋でモニターを付けていると目が悪くなりますよ?」
「「―――リオ(会長)」」
その暗い部屋では幾つものモニターが光っており、その前に立っていた人は此方の声に気付いたのか此方を向いて歩いて来る。ミレニアムの生徒会長、又の名をビッグシスター。調月リオである。
「万全を期しているだけよ、この会談を誰にも知られてはならないもの。そのためであれば、この程度問題ではないわ」
「この訪問はデータベースには残らない。つまり、記録上私たちは会っていない事になっている。全ては、これから話す内容の機密を守るため」
いつにも増してその目は真剣さを帯びていた。今から話す内容が、如何に重要なことをそれが物語っている。だが、ヒマリは軽口を返す。
「リオったら真面目なんですから⋯⋯『貴方たちは私の姉なの?』くらいの軽口を返せないとユーモアから程遠いですよ。今のだって、超天才清楚系病弱美少女の軽い冗談なんですから」
「⋯⋯貴方たちは私の姉ではないわ、急にそんな非合理的な話をするなんて⋯⋯どうしたの、ヒマリ」
「会長、流石に冗談の一つや二つは受け入れましょうよ⋯⋯冗談に合理も非合理もあるわけじゃないんですから」
ヒマリが冗談を言い、リオが真面目に受け取り、それをレイチがツッコむ。改めて見ても違和感のない普通の光景だと、3人を知っている人たちならばそう言うだろう。だが、ヒマリとレイチにとっては普通に頭を抱えるものである。
少し落胆交じりの声をヒマリは出した。
まるでなんとか納得させたような、搾り出したような声。
「⋯⋯ええ、ええ。そうでした、貴方はそういう人でしたね。ユーモアを解さずに『合理』だなんて⋯⋯貴方の好きな表現でしたね、それ」
「好悪の話ではないのだけれど⋯⋯事実でしょう?この会合が秘匿されていることくらいは、あなたたちも理解しているものだと思っていたのだけれど」
「⋯⋯⋯⋯⋯それは普通に話しやすくするためだと思いますよ。直ぐ本題に入ったら後々気まずくなるじゃないですか。アイスブレイクってやつですよ」
もうこれ埒が明かねぇ。それがレイチ⋯⋯⋯否、エンターの感想である。この調子で本当に大丈夫なのだろうかと、少し心配になるくらいだが。
「レイチの言う通りですよ。そもそも、人目を気にするのであれば、他の場所にすれば良かったのでは?」
「⋯⋯他の場所?」
「ええ、例えば⋯⋯誰かさんがこっそり作ってる――『セーフハウス』とか?」
図星を突かれたようで押し黙るリオ。ヒマリ先輩やっと気付いたんですね⋯⋯とこれから自身がすることの計画を一から思い出すレイチ。そしてリオは口を開く。
「⋯⋯本題に移りましょう?」
「あらあら、話を逸らすつもりですか?ふふ⋯⋯いえ、構いませんが」
「ヒマリ先輩、流石に意地悪が過ぎると思います」
少し遠い目をしているレイチであるが、まぁ当然である。まるで正反対の二人に何故かブチ込まれては誰だってこうなる⋯⋯と思いたいというのがレイチの感想である。どちらかといえばなってくれと言ったほうが正しいが。
「先ずは、互いの認識の擦り合わせを」
そういうと、モニターに映し出されたのはいろいろな画像。
「前回、『鏡』を巡ってミレニアム生が起こした一連の騒動⋯⋯そして、第三者による『鏡』を狙った襲撃」
「第三者の襲撃は予想外のことだったけれど、その一連の騒動は私たちが共に仕掛けたことだったわね」
以前の⋯⋯⋯パヴァーヌ1章での出来事。『鏡』という手段を用意し、リオが『C&C』という危機を提供する。そしてレイチはその擦り合わせを行う。奇しくも、普通であれば絶対に交わらないであろう2人とそれを収めている人が協力したことである。
その目的はただ一つ。アリス⋯⋯否、Al-1Sの正体を明かすために。だが、その過程でとある人による襲撃が起こり、その正体を探ろうとしていた。名をエンター、そしてアリスそっくりのアリス・エスケイプ。
そして、先生曰く――『物から生み出された存在』
名をメタロイド。そして、ヒマリからの一部報告により発見された『設計図』に記されていた巨大ロボ『メガゾード』。その謎に包まれたロボットたちの正体を明かすために。
「第三者の襲撃、それは後にするとして。アレから随分経つけれど⋯⋯⋯⋯解釈の結論は出たかしら?」
「勿論です」
「同意見ですね」
―――――――アリスの正体は、無名の司祭が崇拝する『オーパーツ』であり、遥か昔の記録に存在する『名もなき神々の王女』
「⋯⋯⋯2人共、同じ解釈になったようね」
「つまり、『あの存在』の本質は⋯⋯」
「
「⋯⋯⋯
2人の言葉が全くの真逆になった。もう面倒くさいですね本当!!!それがレイチが今最もぶち撒けたい心の内である。そして額に手を添えてチーンとした表情を送る。だからこそ、もうそうするつもりではあるのだ。
「⋯⋯?」
「⋯⋯あら?」
「⋯⋯あなたは一体、何を言っているの?」
「リオこそ、何を言っているのですか⋯⋯?」
気まずい空気が流れる。この話の流れ的に話題は⋯⋯
「あなたは」
「どう思うのですか?」
「「レイチ?」」
レイチはまた頭を抱えた。そして、結論を言う。
「ふむ⋯⋯⋯えぇ、理解はしていますよ。アリスは世界を終末へと導く兵器であり、ミレニアムに転入した生徒であるということを。つまり、どっちも理解できる」
「ですが、生憎リオ会長は」
――――アリスの入学を受け入れていない
そう、リオはアリスの入学を認めていない。普通に考えてヴェリタスがやったことを2人が認識出来ないわけがなく、リオ会長は一時的に仮入学させて様子見としたのだ。
「あくまでも、様子見として一応発行しているだけ。だからこそ何時でも切り捨てることができる」
「ですが、ミレニアムで過ごしたこともまた事実。だから後輩と称することができる」
手の人差し指を両手とも出してそれを示すように動かす。その後、人差し指でクロスさせて☓印を作る。
「でも、そのようなことで揉めるのならば私の結論を一つ出しましょうか」
「アリスはアリス。それ以上もそれ以下もありません」
その言葉に、2人は固まった。
「あの超純粋無垢で可愛いアリスが
「ま、私の結論はそんな感じですね。2人がどう判断するのかは知りませんけど、面倒事だけは起こさないでくださいね。唯でさえ書類が溜まっているのにここが破壊されたら私がブチギレますので(圧)」
「うっ⋯⋯」
確実に何かしようとしていたなこいつという目をレイチはリオに送る。だが、その視線はリオが逸らした。レイチは普通は温厚であり、怒ることは滅多に無いのだが、ブチギレた時は本当に怖い。
というか、何しでかすか分かったものではないというのはミレニアムの共通認識である。ある時はその部屋のブレーカーを一時的に遮断され、ある時は壁が少し凹みそうなくらいの威力の叩きを見せつけたり⋯⋯兎に角怖いのだ。
「取り敢えず、リオ会長はちょっとは誰かを頼ってください。リオ会長がヘイロー破壊で殺人犯になったら悲しいですから」
「理由は勿論、お分かりですね?唯でさえお金横領しているというのに、更に罪を重ねられたら主に私がキレますので覚悟の準備をしておいてくださいッ!!いいですねッ?」
他の人が言うならまさにこう言うだろう。なんかワザップジョルノ口調じゃねぇかお前、と。だが、リオに無茶振りされているのは事実であり、それを必死にバレまいと色々細工しているは事実である為、妥当である。
「ううっ⋯⋯⋯⋯」
「ふふっ⋯⋯⋯ふふふふっ⋯⋯⋯」
その圧にリオは涙目を浮かべて押し黙るしか出来ない。その顔を見てヒマリは少しだけ笑っていた。あのリオがそんな顔をするということ自体が珍現象なのだ。笑わないわけがない。
だが、リオはどうにも焦っていたらしい。まるでトロッコ問題のように、大多数のために少数の誰かを切り捨てようとしていたことを、リオは少しだけ反省した。
「後は、エンターのことね」
その話になると、ヒマリはスッと笑っていた表情から真面目な顔になる。
「まだ、調べは全くついていないわ。エンターという人も相当手練れみたい。此方でも調べるけれど、ヒマリとレイチもそこはお願いできるかしら」
だが、その言葉に少しだけ虚を突かれた。あのリオが私を頼った⋯⋯!?という想定不可能で予想外すぎる出来事。だが、ヒマリの答えはYESだ。なにせ、一泡吹かせられているのだから。
「当然です。リオが初めて超天才清楚系病弱美少女を頼ってくれた瞬間ですから♪」
「まぁ、分かりました」
そうして、夜は過ぎていった。まだ晴れる、その夜を。
《観測者視点なし》
次の日、レイチことエンターは自身の仮家にて意気消沈していた。主に昨日のことについてだが。
「Gênant⋯⋯⋯もうあの間に入りたくないです」
リオとヒマリ、その正に正反対のソレはエンターにとってはもう面倒くさい代物でしかないのだ。もう通算5回ほどそんな会談をしているが、意見があったことはあのアリスの件しかない。
唯でさえ、ゲマトリアログによって見つけたあのデータの詳細位置特定とこの自身の計画の為に奔走しているのに、それにあの仲裁まで加わったらもう無い筈の胃が砕け散りそうだった。
「はぁ⋯⋯⋯これだけが唯一の楽しみですよ」
その手にあるのはZライザー⋯⋯みたいな玩具である。エボルドライバーやらメガレンジャーのケイタイザーは見た目だけの玩具である。まぁやろうと思えば変身装甲『は』作れはするのだが、ゴーバスターズのモーフィンブレスと同じようにお金が足りないのである。
性能も盛れないし、そもそも特殊能力を神秘由来でも作れないので諦めているというのが本音である。
一応、こんな見た目というか転生しても精神状態はまだまだ高校生止まり。少し大人びているとはいえ、まだまだ子供である。故にロマン大好きであったため一人で遊ぶようにと作ったのだ。
「ただ、これ自体がゲームとして見られているんだったらヤバいですよねぇ⋯⋯」
これである。だからエボルドライバー、Zライザー、ケイタイザーしか作れていないのだ。変身遊びをかなりしたいのだが⋯⋯もし見られているのならレイチ=エンターと分かってしまう可能性がある。その為迂闊に遊べないのである。
シンゴウアックスを作ったからでもあるため、自業自得ではあるのだが。まぁ少しだけ見られている気がする時だけは真面目になればいいのでどうにでもなるのだが。
そんなこんなでZライザーを使って遊ぼうとしていた時だった。ピーンポーンという音が鳴り響き、焦って落ちそうだったのを必死に止める。そして、それを押し入れの中の更に奥の隠し扉の中に隠して誰が来たのかを見る。
そして、ドアを開ける。
「⋯⋯⋯⋯おや、どうしたのですか?」
「アリス」
「パンパカパーン!アリスはレイチと遭遇しました!」
目の前にその話の種が来ちゃいましたよ⋯
ヒマリさん、リオさん、その人が襲撃起こした犯人ですよー