東方深空録   作:・落ち葉・

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最近夜中に書くので次の日何書いたか忘れます
(´・ω・`)


第二十二話 戦後の日常、そして旅立ち

「それじゃ、今までありがとうございました。」

 

「ああ、元気でな」

 

「気をつけて行ってきてね?と言っても暫くは会えないけどね?」

 

「私もここにいたいけど何時までもいるわけにも行かないし、丁度いい機会だったからちょっと旅に出るだけだよ。まあ、宛はないけどね?でも、たまに戻ってくるから」

 

「うん、待ってるよ?私はそらの親友だから寂しくなったら戻っておいで?」

 

「あはは、諏訪子、お母さんみたいだね」

 

「そ、そんなお母さんだなんて…」

 

諏訪子は顔を赤らめて照れている。

うん、可愛い。

 

「ほら、そろそろ行ったほうがいいんじゃないか?」

 

「そうだね…それじゃ今度こそ行ってくるよ」

 

「うん、元気でね?あ、あと体調崩さないようにね?」

 

「あははっ、諏訪子、どっちも同じだよ…まあ気をつけるよ」

 

私は諏訪子からもらったお手製の御守りの勾玉を首にかけて懐に入れ神奈子特製の菅笠を被り草履を履いて出発の挨拶をする…というか、草履ってこの時代にあるのかな?まあ、そんなことを気にしていたらキリがないけど多分ここはそういう世界なのだろう。

 

「ま、そういうことで…行ってきます!」

 

「うん、行ってらっしゃい!」「ああ、行ってこい」

 

そうして、私は旅立ちの時を迎えた。

 

何故こんな展開になっているかは

大戦後に遡る…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

大戦後一週間…出発まで1ヶ月

 

「ふう、これで終わり!っと」

 

私は今、木材を運びそれを町の人の言う通りに立てていく、いや建設中だから寧ろ…建てていく、かな?

 

洩矢の国は現在復興中である。それこそ国自体への直接的な攻撃は御園生冷夏の件以外は無いのだが、彼女の攻撃で一部破壊された箇所があるのでそこを直すが、その一部が結構多い。だいたい全壊・半壊合わせて100棟はあるように思える。その内10棟は私の手伝いで終わり、住民も頑張って自分の家を直しているので、あと一週間ほどで修復は終了するだろう。

復興の内9割は住民のケアである。戦後、洩矢の国は大和の神々の傘下に正規に入り、王国では無くなってはいるので、ここを任された八坂神奈子が表向きでは支配している。しかし、新しい、それも部外者が支配者となるのだから、国民も「はいそうですか」と納得するわけもなく、八坂を受け入れる人は聞いた限り誰一人いないようで、ミジャグジ様への信仰はほぼ変わらないみたいだが、それもしっかり八坂もちゃんと受け止めた。しかも、それを利用して、表向きでは八坂が支配者だが、裏では諏訪子がミジャグジ様を操って、国民からの信仰を集めていた。

諏訪子と八坂はあれ以来、何故かすっかり仲が良くなってしまい、諏訪子は侵攻されたにも関わらず、「神奈子が来てくれて本当によかったよ!」と言い出す始末…いいのか悪いのかは知らないが、国民が知ったら複雑な気持ちにはなるだろう、ぶっちゃけ私も複雑な気持ちだ。

 

「あのー!藍空様!こっちもお願いしまーす!」

 

おっと、次は仲の良い家族の家の修復だ。

こんな調子で一週間が経つ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

それから二週間…出発まで二週間

 

「それでは、藍空様…有難う御座いました。」

 

「いいっていいって!それから『様』はやめてって言ったでしょ?」

 

「あ、すみません、藍空様…じゃなくて、そらさん!」

 

「うんうん!それでいいんだよ?」

 

私は今、最後の壊れた家を直し終わりほぼ元通りにし終わったところだ。

最初、一週間と言ったが、天候等の影響で色々遅れてしまった。しかし最近、全く雨が降っていなかったので丁度良かったと言える。これも諏訪子の雨乞いのお陰だ。そもそも諏訪子自体が神様であり、雨自体もミジャグジ様に頼めばよいのだが、これも形式だと言う…まあ、諏訪子が可愛かったからよしとする。

 

私は諏訪子の家に戻ってお昼ご飯にしようとしたら、丁度諏訪子と八坂が戻ってきた。

 

「あっ、藍空様!おかえり!」

 

諏訪子が茶化してきた

 

「だーかーらー!私は『様』なんて付けられるほどのことはしてないよって」

 

「またまたー…住民の家だけで無く、心のケアまで行っちゃうんだから…『様』付けは国民の中では当たり前のことになってるよ、それに、そらに信仰集まってるし、もう神になれる信仰の基準値越してるよ。やったね!そらも神様デビューだよ!」

 

「えっ?」

 

さらりと言われた。

 

「ん?」

 

諏訪子はキョトンとしている。

 

「…いやいや、私、当たり前のことしただけだし…こんなんで神様になってたら世の中神様だらけじゃない?」

 

「倭の国は既に神だらけだがな」

 

八坂が話に入ってきた。

 

「神奈子の言う通りだけど、そらの行いはやっぱりいい事だったんだよ!」

 

「まあ努力が認められたって思えばそれでいいんじゃないか?」

 

「うーん、まあそうなのかもね、でも本当にそれだけで神様になれるのかなー」

 

「まあまあ…そういえば、まだ昼ごはん食べて無いんだ!そらはまだ?」

 

「うん、まだだよ」

 

最近は忙しく、朝食以外、バラバラに食べることが多くここ一週間は朝食もバラバラだ。

 

「じゃあ、決まりだね!」

 

「久しぶりだねー」

 

「そういえば、空神と食べるのはあまり無かったな」

 

「まあ、丁度いいし…じゃあ、待ってて!」

 

「あ、私も手伝う!」

 

そうして、諏訪子と私は台所へ向かう。

 

「あ、空神!さっきのそういえばで思い出したが…」

 

「んー?何ー?」

 

「あ、やっぱり後ででいい」

 

「う、うん…」

 

三十分後、完成した。

 

「ふぅ、じゃあいただきます」

 

「いただきます」「いただきます」

 

久々に3人で鮭の塩焼きを食べる。

そういえば、皆で食べる時はいつもこれだ…もしかして、諏訪子はいつもこれを食べているのでは…

 

「んあ、そういえばで思い出した」

 

「ん?」

 

「八坂ー、さっきの話って?」

 

「ああ、いや、どうでもいいのだがな?」

 

「うんうん」

 

「小耳に挟んだ程度だが、つい最近、住民の話し声が聞こえてきたものでな。というか、寧ろ聞こえてしまったのだが…」

 

何か嫌な予感がする

 

「住民と言っても男だけだが、『藍空様に踏まれたい』『わかるわかる!』『俺、藍空様がこの前修復作業中に飛んでた時に丁度そこら辺は家が集まってて上に向かって風が吹くんだが、そこでな?あとはわかるな?』『うわー、羨ましい!』『ふふっ、俺なんかな…作業中に着物が乱れて直してくるとおっしゃったんだが、誘惑に負けて見に行ってしまったんだがな』『うんうん』『華奢な体が本当に可愛くてそれからあの小さな双丘が…』と言っていたが、私は忙しくてそのまま通り過ぎてしまったのだが…」

 

うん、あれだね、うん

 

私は箸を持ったまま10秒くらい静止してしまった。

 

「おーい?」

 

諏訪子が手を振っている。

 

「はっ!それで?八坂は何も思わなかったの?」

 

「いや、忙しすぎてそれがどう言う意味かわからずさっき思い出したところでな」

 

「うん、それで諏訪子はどう思う?」

 

「え?ああ、もしかしてもしかしなくてもそらってそれで信仰集めてるんじゃないの?」

 

「えっ?」

 

だとしたら素直に信仰は受け取れなくなりそう…別にそれは人それぞれなものではあるけれども…

 

「多分そうだと思うけど、だとしたらそら…色んな意味で人気者だねー?」

 

諏訪子がわざとらしく言う。

 

「諏訪子はそんな対象になったことがないからそんなことが言えるんだよ」

 

「ん?いやいや、私はいつも言われてるよ?でも別に慣れたからもういいかなーって?」

 

いやいや、よくないよくないって!

 

「まあそこのところも受け止めないと、王様はやっていけないけどねっ?」

 

そういう意味でも諏訪子は凄いと思う。

 

「…でも、たまに凄い口にしてはいけないなと思う段階の人は…」

 

お望み通りにしてあげるけどねっ?

と、笑いながらも目が笑っていない諏訪子であった。

 

「だから、そらもそんなことがあったら言う通りにしていいよ?元国王の私が認める…でも、ある程度は我慢しなきゃだめだよ?」

 

私は諏訪子にほんの少し恐怖を感じなから、お昼ご飯を食べ終えた。

 

 

 

「はー!久しぶりに3人で食べたけど、よかったねー!」

 

私は色々疲れたけど…

 

「八坂と諏訪子はこのあとどうするの?」

 

「ああ、またちょっと執務が残っててな」

 

「ちょっとってレベルじゃないけどねー」

 

「空神はどうするんだ?」

 

「あー、ちょっと街をブラブラと」

 

諏訪子の気をつけなよーという視線を感じ取りながら

私は言う。

 

「そうか」

 

そして諏訪子は何か言いたげな視線も送ってくる。

 

「な、何?諏訪子?」

 

「いや、まだ1ヶ月だけどさ…そろそろ名前で呼ぶようにしたら?」

 

唐突な提案だ。

しかし、呼び続けてきた呼び方を変えると言うのは違和感を感じる。

 

「しかし…違和感を感じる」

 

八坂も同じことを考えていたようだ。

 

「そんなこと言ってたらキリがないよ!」

 

「それはそうだけど…」

 

「じゃあ、もう名前で試しに呼び合ってみたら?」

 

「んー…じゃあ…神奈子?」

 

「…そら?」

 

悪くないかもしれない、まあ仲良くなることに悪いことは無いけれど

 

「悪くないな」

 

「お、じゃあ決まりだね!ほら握手握手!」

 

諏訪子に言われるがまま握手をする。

そういえば、なんだかんだ言ってこれが初めてのしめしかもしれない。

 

「ああ、まあ、なんだ…よろしくな『そら』」

 

「うん、よろしく…『神奈子』」

 

そうして私達の仲はどんどん深まって行く。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

そうして出発前日の朝

 

雀の鳴き声が聞こえる早朝、朝日が差し込み、今日も1日が始まろうとしていた。

 

「よし!決めた!」

 

私は旅に出ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

「ええっ!?そら、旅に出るの!?」

 

朝早く起きた諏訪子は眠そうにしており、旅に出たいと告げると眠そうな顔から一瞬で驚きの顔に変わった。

 

「うん」

 

「ええっ!?」

 

そんなに驚くことかなぁ、と思いながら更に諏訪子が驚くであろう言葉を発した。

 

「思い立ったが吉日!…とは言うけれど流石に今日は大変だから明日にするよ」

 

そうしたら案の定、諏訪子は更に驚きの表情を見せた。

 

「明日でもあまり変わらないよ!え?どうして?私が嫌になっちゃった?それともあの件?それなら私が男達をどうにかしてあげるから!」

 

「違う違う!旅に出るのは私の勝手な思いつきであって、嫌になったとかじゃなくて、しかもこれ以上いても迷惑かかっちゃうし…」

 

「いや、迷惑だなんて!」

 

「諏訪子、これは私の勝手だけれど、ここだけじゃなくてもっと他の所を見たいの…だから許して?」

 

「…うん、わかった。私もこれ以上そらに依存してても駄目だしね?」

 

「ありがとう!」

 

「うん!じゃあ今夜の料理は腕によりをかけて作らなきゃね!あ、神奈子にも伝えなきゃ!」

 

そうしてその日の夜…諏訪子が作ったとは思えない程の豪勢な料理が出た。

そして、新たな出発の話に盛り上がりながら時は過ぎ…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

…今に至る

 

私は地図を手に前進する。

ちなみに、最初に言った通り宛はない。

だが、それは漠然としているからであって完全に真っさらなわけではない。

その宛というのは…

「『都』…かな?」

最近、藤原京に変わって新しい都が出来たと聞いた。

藤原京は前世でも存在した都なのでこの世界はもしかしたら前世と同じ世界なのかもしれない。

話は逸れたが、藤原京に変わる次の都と言ったらもうあれしかない…

「平城京…だね」

確証が持てないので宛はないとしているが行ってみる価値はある。

ここはだいたい長野県あたりだろうから奈良まではかなりあるがそれも別にいいだろう。

 

どうせまだまだこの新しく与えられた命は途切れはしないから…どうせなら、同じ道を歩き続けるのでは無く、新しい道を歩んでいこう。

 

私は朝日を背に受けながら、西へ西へと新しい人生を切り開いていくのだった。




そらさんは新しい道を見つけました。
これからどうなっていくのでしょうか。
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