雑貨屋さんに居候させてもらい始めて1か月が経ち、雑貨屋のご主人や奥さん、娘さん、そして小梅との仲もかなりよくなったある日のこと、小梅がいきなりこう言い出した。
「そら!職探ししましょ?」
「ふぇ?」
いきなりのことだったので素っ頓狂な声を出してしまった。
「いいけど、いきなりどうして?」
「いつかそらが独り立ちする時に困らないようにかな?まあでもそらみたいな身長でも働かせてくれる店があるかが問題だけどね?」
「低身長で悪かったね?」
まあ職を持つことは悪くないから受けとこう…それにしても独り立ちって親みたいなことを言うなぁ…
「じゃあ、早速行こう?」
「うん!」
「まず最初は…着物屋さんは特にすること無さそうだし……じゃあ、お隣のお食事処かな?そらはどこかここで働きたいって言うのはある?」
今もお手伝いをしている雑貨屋さん…というのは無しだろうから特に無し、かな?
「私はあまり分からないから任せるよ」
「わかった、じゃあまずお食事処ね。そらがもし働くとなったら……」
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「はい、それじゃあこの壱定食と参定食ですね、畏まりましたー!」
「お待たせしました!壱定食と参定食で…うわぁっ!!」ガッシャーン
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「…なんてことになり兼ねないからなぁ…」
「なんか失礼なこと考えてない?」
「いや、そらがお食事処で働くとなったら何かにつまづいたりして料理ひっくり返しそうだなって」
そんなことしないよ!と反論すると、
「いやいや、そら、この前私が商品持ってきてって言った時に行きに何もないところでつまづいて帰りにまた同じところでつまづいて商品ばらまいたじゃん…一応私通ってみたけど何もなかったよ?」
「む…」
何も言えなくなってしまった、確かに私の普段のドジっぷりは毎日見せているので当たり前なのだが…
「まあいいよ…まあ…とりあえず聞いてみよう?」
私とそらは求人と書かれた紙が貼られた扉を開け、
「誰か!いませんかー?」
すると、厨房から青年がすっと出てきた。
「お、小梅ちゃん!それと、そらの嬢ちゃんじゃないか!今日はどうしたんだい?」
「うっ…お兄さんか…」
「何故そんな不機嫌そうな顔をするんだい?」
雑貨屋さんとはお隣さん同士なのでそれなりに交流はあり三日に一回のペースで会っているような気がする。
「…ええっと、そらをここで働かせたいんだけど…」
すると、彼の表情が変わる。
そう、彼は普段はとても元気が良く評判のいい好青年であるのだがたまに彼の中身が出てしまう、それがまた変なものであって、
「…ああ、いいよ!はぁ…はぁ…そら『ちゃん』ここで働きたいの?いいよ!そらちゃんなら大歓迎だよ!」
そう、何を隠そう何をロリコンなのだ!
…なんか関わる男の人が皆こんなんなのは何故だろう、何かの宿命なのだろうか
「また始まったよ、お兄さんの小さい子が好きな変な趣味…しかも合格がノータイムだし…」
小梅もそこのところは理解している…受け入れてはいないが、だから入る時からも既に乗り気では無かったと言える。
「小梅…やっぱ無理かも…」
すると、彼女も気持ちを理解してくれたのか、
「そうだね、やめよっか…」
そして私達は少しくねくねしながら妄想に励んでいる彼を尻目に店を出た。
「さて、どうしようか?」
「次も任せるよ」
ご近所さん以外はあまり知らないが、普通の人であって欲しいと割と切実に祈るばかりだった。
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「はあ…そら…色々回ったけどいいところあった?」
日が暮れ始め、帰路に付き、雑貨屋に帰ってきたころにはもう日は沈んでいた。
「うーん…あまりピンとこなかったなぁ…門前払いも多かったしね…」
「まああまり交流の無い人に頼むのも駄目だったかもしれないわね…仕方無いわ、少しずつ絞って考えていきましょ?」
そうして、私の職は決めることはできなかった。
そして数日後、ある事件が起こる。
次回も日常編?になります