東方深空録   作:・落ち葉・

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第二十七話 ここで装備していくかね?

妖怪退治屋として生きていくことになった。

しかし、流石に雑貨屋で開くわけにもいかないので隣の空き家を使わせていただくことになった。

 

空き家と言うがご主人の土地でもあるらしく、自由に使っていいとのことだった。

 

というか、なったとかだったとか多いねえ…

 

それは置いといて

 

「うわぁ…埃っぽい…」

 

問題なのは長い間使っていないせいで掃除されていないことだ。

 

「まず、埃とかどうにかしなきゃね…そら、手伝うわよ?」

 

「ありがとう!」

 

「それじゃあ、頑張って綺麗にするわよー?」

 

おー!と掛け声を挙げて私達は掃除を始めた。

 

 

三十分後、床や壁はピカピカになった。

 

「ふぅ…あらかた終わったねぇ」

 

ふふん、私もやる時はやるのだよ…

 

「まだ一部屋しか終わってないわよ?」

 

……まだだった

 

 

 

数時間後、全ての部屋を掃除し終えた。

 

 

「あぁ!沢山動いた掃除した!」

 

「私が殆どやったんでしょ?そら結局三部屋しかやってないじゃない」

 

「ううっ」

 

仕方無いじゃん…身長差とか体力差もあるし…

 

「まあ、そらも頑張ったわね…」

 

「そう?ありがとう…」

 

「今日は疲れたわね…早く帰って夕飯食べて寝ましょ?」

 

そうだね、と疲れ気味に返して私達は帰路に着いた。

 

…というか何の為に掃除してたんだっけ?

 

 

翌日、私は空き家に移り住んだ。

移り住んだと言っても、隣に引越しただけだし、ましてやご主人の土地なので正確には部屋を変えただけと言うべきかもしれない

 

家具は少し持って行っていいと言うので、棚を移すことにした。

 

「そういえば、どうやって持っていく?」

 

「そうだねぇ…重いしねぇ?」

 

「…そら、貴女の能力で移せないの?」

 

「それだ!」

 

「他人に言われて思い出す能力ってどうなのよ…」

 

いやーうっかり忘れてた…誰かに言われないと気付かなかっただなんて…てへっ?

 

「そういえば、貴女のその空間転移っていうの?その能力って何処でも行けるの?」

 

「あー、それはね…まあ行けると言えば行けるんだけど…」

 

「だけど?」

 

「行ったことある所だと思い出してそこにピンポイントで移すことは出来るんだけど…行ったことない所だと最悪の場合大変なことになる」

 

「大変なこと?」

 

「うん、行ったことない場所は頭の中に浮かんでくるはずが無いから予想した場所に向かって持ってる情報を元に一直線に進む感じかな?要するにそこにちゃんと着くとは限らないし、移ったところが何かの中だったらどうなるかわからないけど痛いどころじゃすまないことは確か」

 

久しぶりにまともな説明した気がする。

 

「でもそれを確かにそらはやったのよね?たまにそらってぶっ飛んだことするけど、あれは特に飛んでるわね」

 

私も実際そう思う、まあ凄い偶然が重なって出来たからだと思う、本当にそれなんてご都合主義?

 

「まあ、それは置いといて…移さないの?」

 

「あ、忘れてた…じゃ、転送」

 

棚が消えた。

 

移動して確かめてみる、すると、棚は所定の位置に着いていた。

 

「本当に貴女の能力って日常生活でも使える位には万能よね…私のよりもずっといいわ…」

 

「そういえば、小梅の能力聞いてなかった」

 

「あれ?言ってなかったっけ?」

 

うん、私も忘れてたけど

 

「私の能力は『炎を操る程度の能力』よ」

 

「炎…ねぇ」

 

「これだとあまり使えないのよね、それこそ大きさは調整できるけど最初は炎大きいし、それに外では使えないしね?」

 

「まあ、持ってて損は無いんじゃない?いつか使うんじゃない?」

 

「呑気ね…」

 

「それが私だもん」

 

そして私は残りの物を移してその日は他に何もせずに終わった。

 

 

そして翌日

 

 

「ついに開業かぁ…」

 

すっかり忘れていたが、妖怪退治屋開業となった。

 

とは言っても普段平和なこの都には仕事は舞い込んでこない。

 

よって、いつも通りの生活が今日も始まる。

 

 

「あ、小梅、おはよ」

 

「おはよう」

 

「今日も暇になりそうだねぇ」

 

「そうね……そういえばお義父さんから聞いた話だけど、お義父さんの商業の師匠がそらの家の隣の隣に店を移して来たみたいよ?道具屋だから…まあ雑貨屋と同じ様なものよ」

 

「んー、じゃあ行ってみる?」

 

と、いうわけで行ってみることした。

 

 

「すみませーん、これくださーい!」

 

「ってそら、早いわよ!まだ着いてすぐでしょ?」

 

私は決断力が凄いのよっと

 

「いないのかな?」

 

何かあったのかな?と心配していると奥の部屋から足音が聞こえてきた。

 

「あ、よかったー、何かあったのかと……ッ!?」

 

その時だった…何やら感じたことのある気配がその足音と共に近寄ってくる。

 

「?そら、どうしたの?」

 

「小梅…ッ、逃げてっ!」

 

「えっ?」

 

私は構える…

 

すると出てきたのは、小梅と同じ位の背で狼の様な耳が頭から生え、一見耳以外は普通に見える人型の物

 

コイツは…コイツは……!

 

「…っ!貴方…ッ!どうしてこんな所に…!」

 

『紅月狐狛』……諏訪大戦で出会った異質の…

 

「久しぶりだな……空神と言ったか?」

 

「関係ない…どうしてここにいるのか聞いているのよ!」

 

「残念だがお前の思っている様な物とは違う、侵略なんかじゃない、ここにいるのは俺の意思だ。」

 

「そんなことが信じられると思う?」

 

「信じてもらうつもりなど無い…だが何か起こそうとはしていない…」

 

「そうかしら」

 

コイツを信じるなんて出来ない…

 

「え、あのー?」

 

小梅…逃げてって言ったのに…

 

「小梅…先帰ってて…」

 

「え?なんで?」

 

「いいから」

 

「わかったわ」

 

そう言って小梅は帰った。

 

 

 

「信じることは出来ないけど、取りあえず買い物は続けるわ…」

 

「…」

 

「これ、いくら?」

 

「…」

 

「ちょっと、聞いてるの?」

 

「三文だ…」

 

「…」

 

やはり無愛想な奴だ

 

「ここで装備していくかね?」

 

「は?」

 

同時に気付いた。

 

……もしかして、コイツ意外とあんな感じに振舞ってたりしてたけど実はかなり戸惑ってたんじゃないの?…と、そう考えると思っていたイメージが抜け、拍子抜けしてしまった。今までの私の対応があほらしく感じてきた。

 

「あ、いや、何でもない…」

 

そう言ってまた口を閉ざしてしまった。

 

気まずい空気になったが何にせよ、これから大変なことになりそうだ…




少し色々と変えてみました
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