いずれ養分になります。
第三話 初めて人に会う、の巻
俺がこの世界に現れてからすでに5年ほど...妖怪になると、こんなにも時の流れが速く感じられるのか?
そして、なによりも問題なのは...
「寂しい...」
そうなのだ...この世界に生まれて人など見つかりやしない...それこそなんか気持ちの悪い得体が知れない何かやとにかくでかいクモやらなんやら...それでも...
「人に会いたいいいいい!!!なんなんだよホント、あのクソ幼女、ここ最近ずっと飛び回ってるけど人一人いねえじゃねえか!古代にしてくれって言ったけど、まさか滅茶苦茶古代ってことはねえだろおおなああああ!!…というか、東方の世界にしてくれって言ったけど、俺まだ、にわかなんだよおおおお!!」
その時落ちてきたおもりつきタライ(増量)はひらりとかわしてやった。
もう慣れてんだよその流れは!
「てか、俺も今幼女じゃん...」
もし人を見つけて直接会ったときとかこの口調だとアレだな...
そう思いながら超高速で飛び回っている時だった。
「ん?なんだあれは?......!?」
なんと目の前にあるのは、ビルが立ち並ぶ大都会であった。
「この前まではなかったはずだが…」
(…古代スタートにしてくれって言ったけど、この世界にはもうこんな文明があるのか…)
そう思った俺は都市の近くに降りてみることにした。
「…俺が元いた世界と同じくらいの技術かな?」
そしてその都市の中に入ることを試みた……が、
「ん?おかしいな?入れない……」
どうやら対妖怪のための強力な結界が都市全体を囲っているらしい...
だがここで諦める俺ではない
「まあでも、俺の能力『空間を操る程度の能力』を使うと、なんと!…自分のいる空間を操って目標の場所に転移することができるのだ!」
そう言って俺は結界内に転移……
「…」
出来なかった…と思った瞬間
「?……おっと!」
無事侵入する事が出来たけど発動までが遅いな……
まあいい、それはそうとしてここからが問題だ。
…そう
「はあ...入ったはいいもののホントどうすっかなー」
…うん、目的が無いんだ
(とりあえずこの都市について情報でも集めるか…)
途方に暮れて一時間位歩き回っていると、いかにも都市の中枢ですよー、というような建物が姿を現した。
「お、ここなら何か情報をつかめるかもしれない!」
能力を使用して警備網を掻い潜り、見事侵入成功した…そして入ってすぐ研究室らしき部屋が見えてきた。
中に入ってみるとそこには沢山の薬品らしき物体が目に入った。
その時後ろから来る足音に気づかなかったのは俺の不覚だ。
そして、その足音の主はこう言った。
「あら、見慣れない顔ねぇ...もしかして侵入者かしら?」
振り返るとそこには見た目20歳前後程度の姿の看護服?のような不思議な格好をした女性が立っていた。
(どっかで見たことあるような…?…うーん、あの幼女記憶随分欠けてるところあるじゃん…)
そして、俺は女性のじろじろといろんなところから見ていると、
「え、何…いきなりどうしたのよ…」
少し引かれた…そりゃそうか
「い、いやあ悪い悪いちょっと色々あって…」
そして彼女は引きながらこう言った。
「ま、まあいいわ……それで……何故こんな所にいるの?警備は万全だったはずよ?……まあ、こんなこと聞く必要もないわね……あなた安全そうだし、ねえ?妖怪さん?」
え?何で俺が妖怪だってばれたんだ?
「ふふっ...何故妖怪だってばれたって顔してるわね?」
「うっ」
「私も伊達に長く生きてないわよ……ああ見た目はこんな感じだけど実際は…ね?…あ、具体的には聞かないでよ?」
と、彼女は言う。
「まあ、あなたの様子を見てさっきも言ったけど、危険な妖怪じゃないことはわかったから安心したわ♪」
「まあ、ありがとう?」
「さて、遅くなったけど、自己紹介でもしましょうか?」
「ああ、そうだな」
「ここじゃなんだから、別の場所に移動しましょう?」
そう言って俺たちは研究室を出た。
そう言えば俺さんの名前?
…次回出てきます。