「とうちゃーく、っと!」
「うわっ、相変わらず速いわねぇ…」
瞬き程の時間で空間跳躍して来た私達。
というか天狗達の誇る地図って言うのはホント高精度だね。
頂上付近にまで跳んでも大して疲れないのは流石だなって思う。
まあそれは置いといて、
「侵入者だ!」「しかしどうやってここに!?」「哨戒班は何をしているんだ!」
「…」
天狗の集団のど真ん中に降りたのはマズかったなぁ…
大雑把に場所指定したのは失敗だったと思った。
「えっ、と、そ、そら!どうするのよ!」
小梅も動揺していた。
「あー、うん、どうしよう」
「どうしようって、そら…」
幸い、天狗達も動揺している様でオロオロとしていた。
攻撃する訳にもいかないしなぁ、かと言ってまた他の所に跳ぶのもなぁ…
そうして滑稽ながらも両方がオロオロしていた所で、
「どうした、騒々しい」
「あっ、天魔様!」
低い声が聞こえたかと思えば一人の天狗が叫んだ。
すると、声の方向の天狗達が横にどんどん退いていって、その空けた道の先には強面で初老の天狗が立っていた。
「っ!」
物凄い威圧感だ。
それも今まで生きてきた中で遭った事が無い位の。
小梅なんか口開いてるし。
「あ、其奴らです!天魔様!」
また先程の天狗が叫んだ。
「…」
すると、その『天魔』と言われた天狗は無言のまま近付いて来た。
身構えているとその天魔が、
「小娘ら、只者では無いようだな。」
と、言ってきた。
まあそうでしょうね、髪の色とか目の色とか。
というか、今までの人もそうだけど初めて出会った時、私の容姿で明らかに普通じゃないのにどうして違和感持った素振りも見せないのかなぁ…
続けて天魔は
「貴様ら……」
「っ!」
「…」
相変わらず小梅は固まったままで止まっていた。
まあ、どうやって入ってきたんだー?とか聞かれるんだろうなぁ、とか呑気なこと考えながらも内心実はわりと焦ってる。
そんな緊張した中で天魔から、
「……貴様ら、この天魔の直属の部下にならんか?」
「…は?」
「え、天魔様…何を?」
多分この場にいる全員が予想もしなかった言葉が発せられた。
「ん?いや、だからな?儂の部下に…」
「い、いや、なりませんですけども…?」
あまりの驚きに動揺が隠せず、話し方が変になってしまった。
「そうか、残念じゃのう…我が自慢の哨戒班を通り越してここまで来るなんて今まで無かったからのぅ…」
と、さっきの威圧感は何処へ行ったのか、にっこりと笑いながら残念がっていた。
「まあ、折角来たのだから儂の所でくつろいでいくとよい……おい、貴様ら!この娘らを案内せい!」
天魔はそこらの天狗らに向かって叫んでいるが、相変わらず天狗達はオロオロしていて、
「え?で、でも、天魔様?」
「いいから、早うせい!」
「は、はい!」
天魔は先に何処かへ向かおうとして、
「あ、そっちの娘!どうした?先程から口が開いておるぞ?」
そっちの娘というのは小梅の様で、さっきから固まっていたのが気になっていた様だ。
「あ…は、はい!大丈夫です!」
あ、やっと戻ってきた。
「そうか、なら問題無い。儂の家はすぐそこにある。その者らに案内させるから着いてきてくれ。」
「小梅、行こう?」
「あ、うん。」
小梅はまだ少し強ばっているみたいだね。
こりゃ暫くはこんな感じかね?
とか考えつつ私は小梅をつれてとりあえず成り行きに任せてついていくことにした。
駄文続きまーす( ゚∀゚)