都市少女ノ鏡世界   作:都市の大魔女

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南部センク協会3課 レイア

「ええと……それじゃあ……」

 

「ふふ、そう緊張することはないよ。」

 

「あ、あはは……!」

 

 インタビュアーは落ち着かない様子で手帳をパラパラとめくっている。

 

「君、この仕事はどれくらいになるんだい?」

 

「えっと、一年行くか行かないかぐらいですかね……」

 

「なるほど……大丈夫。落ち着いて質問してくれるといい。」

 

 インタビュアーは目的のページを見つけると、すぅーっと深呼吸をした後、質問を始めていく。

 

「えっと、私たちの雑誌は協会所属の注目フィクサーの特集が目玉なんですが……」

「フィクサー業の傍らで役者などでもご活躍なさっているレイアさんに今回お話を伺いたいと思いまして!」

 

「ふむ……前回は西部センクのフィクサーが出ていたあれだね?」

 

「そ、そうですそうです!ご存知で……?」

 

「結構彼のことは意識しているんだ。役者と配信者の違いこそあれど、ライバルのようなものだからね。」

 

 少女はこういったライバルの動きにはとても敏感だった。

 都市で誰よりも目立たなければならない彼女にとって彼らは、超えなければならない、排除しなければならない敵だから。

 そのためにも情報収集は欠かしていなかった。

 

「なるほど、ライバル……!早速いいことを聞けました。」

「さて、早速なんですが……ずばり、何故レイアさんはフィクサー業と並行して役者をしているのでしょうか?」

 

「そうだね……分かりやすく言い表すのは難しいけれど……」

 

 少女は少し考え込む姿を見せる。

 理由としてはもちろん、目立つ為というのが一番だろうけど……

 それをそのまま言うわけにはいかないから、こういう時の為の建前を用意している。

 

「親しみを持ってもらう為……だろうか。」

 

「親しみ、ですか?」

 

「センクは決闘専門の協会だからね……縁のない人にとっては馴染みが薄いと思うんだ。」

「だから、こういった活動を通してセンクなどのことをもっと身近に感じてもらえればと思ったのさ。」

 

「ははぁ……」

 

 インタビュアーは感心するように手帳に文字を書き込んでいく。

 初めは緊張していたが……今はもう殆どその様子を見せない。

 

「それじゃあ次に……あなたのフィクサーとしての戦い方について教えてください!」

 

「戦い方か。これもまた、言葉にするのは難しいけれど……」

 

「おい。お前、レイアって奴だな?勝負しろ。」

 

 少女がまた考え始めると……どこからか現れた男が突然勝負を挑んできた。

 

「……いきなり決闘のお誘いかい?」

 

「そうだ。戦闘不能になった奴の負け、生死は問わない。このルールで決闘だ。」

 

「……丁度いいかもしれないね。君、下がって見ているといい。」

 

「え?は、はい!」

 

 インタビュアーは言われた通りに下がる。

 彼女の決闘が見れるのか、と。

 ワクワクするような気持ちで手帳とペンを握る。

 

「その勝負、お受けしよう!」

 

 

 男が武器を振るう。

 その動きは結構洗練されたものだったが……少女はそれを軽やかに躱していく。

 その度に周りから歓声が上がる。

 彼女は有名人だから、決闘をしているとこうして自然と人が集まって来るのだ。

 

「ぐっ……手強いな……」

 

 少女は細かな隙を突いて男に少しずつ傷を増やしていく。

 戦況は明らかに少女が優勢だ。

 

「すごい……!」

 

 インタビュアーはその戦いに心を踊らせる。

 彼も……周りの人々も、彼女から自然と目が離せなくなっている。

 

「だが……こいつはどうだ!」

 

 男が武器を突き出して、少女を端へと追いやっていく。

 

「……あっ!」

 

 追いやられた少女の後ろに武器を持ったもう一人の男がいるのをインタビュアーの目が捉えた。

 その両腕は振り上げられ、少女に叩きつけられようとしている。

 

「くたばりやがれ!」

 

 けれど、彼女はそれが分かっていたかのようにスッと横へ動き、攻撃を躱してみせた。

 

「なっ!?」

 

「まだだ!」

 

 すぐさま最初の男が躱したところに攻撃を入れようとするが……

 

「そろそろ、終幕といこうか。」

 

 

「がっ……あ、あぁ……?」

 

 次の瞬間、男は武器を手放して倒れ込んでいた。

 一瞬の内に両手両足を貫かれ……男は戦闘不能になったのだ。

 

「……君もこの剣に貫かれたいかな?」

 

「ヒッ、ひぃぃ!!」

 

 もう一人の男は情けない悲鳴を上げながら逃げていった。

 周りからは大歓声が上がる。

 

「さて、これが私の戦い方だけれど……参考になったかな?」

 

 インタビュアーはその戦いぶりに声が出なかったけれど……

 その手帳には、いつの間にかびっしりと文字が並んでいた。

 

 ─────

台詞集

 

 人格獲得:緊張することはない。落ち着いて、私に向き合うんだ。

 

 朝の挨拶:おはよう。朝食は……まだ食べていないのかい?それならいいお店を知っているのだけど、一緒に行かないかな。

 

 昼の挨拶:昼時だね。この時間は人も多いから、私もより多くの人に注目してもらえるだろう。

 

 夜の挨拶:平穏なのが一番ではあるけれど……こういう夜の決闘も、風情があって悪くないとは思わないかい?

 

 対話1:決闘であっても、そうでなくとも……戦いで大切な要素の一つは、『目線』だよ。それ一つで沢山のことを読み取れるし、場をコントロールすることもできるからね。

 

 対話2:巡察の必要は無いよ。私の所には……役者にしろフィクサーにしろ、自然と何かしら仕事が舞い込んでくるんだ。

 

 対話3:私は役者だからね。他人の視線には結構敏感なのさ。だから……私に不意打ちは通用しないと思ってもらった方がいい。

 

 同期化後の対話1:一瞬で勝負を決めるのも悪くないが……私は相手に全力を出させてからの勝利を好むんだ。その方が不完全燃焼な戦いより、誰の目から見ても素晴らしい決闘になるだろう?

 

 同期化後の対話2:皆、注目!これより厳正なる決闘が始まる。証人としてよく目に焼き付けておくように!

 

 放置:おっと……もしかして、見惚れてしまったかな?

 

 同期化進行:素晴らしい動きだ。けれど……そろそろフィナーレと行こう!

 

 人格編成:おっと、依頼かな?

 

 入場:私の勇姿を、目に焼き付けたまえ!

 

 戦闘中選択:決闘中だから、サインは後にしてもらえると助かるな。

 

 攻撃開始:隙を突いて……

 

 敵混乱:崩れたね。

 

 混乱:しまった……!

 

 敵討伐:終幕だよ。

 

 本人死亡:劇的に死ねるの……なら……

 

 選択肢成功:フッ、決まった……!

 

 選択肢失敗:不覚を取った……

 

 戦闘勝利:理想とは少し違ったけれど……こういう勝ち方にも、違った魅力があるだろう?

 

 EX勝利:私の動きにも磨きがかかっただろうか……素晴らしい勝利だ!

 

 戦闘敗北:敗北する、とは……情けない所を見せてしまった……

 




Xに流れてくるまのさば×リンバスのイラストを見ると、こういう組み合わせもあるのか……!と感心させられる。
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