都市少女ノ鏡世界   作:都市の大魔女

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とりあえずやる気が無くならなければ1人1つは書きたいなと思ってます。


薬指 スチューデント ノア

「うーん……」

 

 真っ白な背景に包まれたアトリエの一室。

 一人の少女が、中程度のキャンバスに絵を描いている。

 素人から見ればその作品は中々の出来栄えに見えるものだったが……

 

「ぜんぜんだめ。」

 

 そう言うと彼女は絵を真っ黒に塗りつぶしてしまう。

 部屋の片隅には、真っ黒に塗りつぶされた失敗作がいくつも積み上げられている。

 彼女はかれこれ数日は、これを繰り返していた。

 また新しく真っ白なキャンバスを用意して、新しい作品を描き始めようとしたその時……

 

 コンコン

 

 誰かがドアをノックした。

 

「失礼する。ノア、そろそろ課題評価の時間だ。」

 

 入ってきたのは一人のとあるスチューデント。

 作品制作に没頭しがちな彼女の為に、課題評価の時間を知らせに来たようだ。

 

「……あ、もうそんな時間?」

 

 それを聞いた彼女は筆を置き、課題評価に必要な物を探し始める。

 

「……今回は随分悩んでいるようだな。」

 

 スチューデントは、失敗作の山を見て何かを思ったのか、そう口にする。

 

「うん。なんだかどれも……ピンとこなくて。」

 

「気に病む必要はない。停滞はどのような芸術家にも付き物だ。」

 

「それにお前はマエストロにかなり気に入られているようだ。少しの停滞程度なら……何も問題はないだろう。」

 

 実際、彼女は特別だった。

 

 

 

 元々彼女は、ただお絵描きが大好きなだけの裏路地の少女だった。

 少しのお金で何とか画材を買い、毎日絵を描いていた。

 上手な絵ではなかったが、それでも彼女にとってはそれが幸せだったのだ。

 それがある時、偶然にもマエストロが気紛れに路地で芸術を創り出している場面に遭遇してしまった。

 

「君も、芸術家か。」

 

「……どうだい?君も、やってみるか。」

 

 ……これもただの気紛れだったのかもしれない。

 けれど彼女は、流されるがままに一つの芸術を創り出した。

 

「これは……!素晴らしいな。」

 

 それは素人が描いたとは思えない程に美しい芸術だった。

 彼女は『薬指の芸術』への高い才を持っていたのだ。

 マエストロは彼女を薬指へと勧誘した。

 彼女も、『お絵描きが楽しめるのなら』と、承諾した。

 

 

 

 

 「もしお前が望むのなら……だが、空いた時間に点描派の芸術を教えよう。」

 

 スチューデントがふと、そう提案してくる。

 彼女は特定の派閥に属するということはしなかったけれど、少女の才に惹かれた者はとても多かった。

 だから多くの派閥が、勧誘の代わりにあれはこれはと各々の技法を教え込もうとしているんだ。

 

 「……いいけど、時間は大丈夫なの?」

 

 「幸い、私の今回の団体課題は想像以上に早く終わった。ある程度は、このような時間も用意できるだろう。」

 

 「そっかあ。ありがとう!」

 

 少女は無邪気に笑った。

 

 

 

 

 課題評価の現場。

 今回も多くの住民が各々作品を持ってきてはいるが……やはりそのいずれもが駄作で、ノアの心には全く響かないものだった。

 

「構図がぐちゃぐちゃ、なにを描きたいのか全然わかんない。」

 

「な……ま、待って……」

 

「不合格、三回目だよ。」

 

 泣き叫ぶ住民に道具を突き刺す。

 普段は無邪気そうに見える少女だが、やはり薬指の一員なだけあって、こういった無慈悲な面も持ち合わせている。

 

「うーん……みんなダメダメだよ。もっと真剣にやらなくちゃ……ね?」

 

 可能性の見られる作品はいくつかあれど、今回も彼女の心を震わせるものは見つからない……そう思っていると。

 小柄なノアよりもさらに小さな、一人の少女に目が行く。

 

「……この絵はまるっきりだめ。」

 

 彼女の作品はこの場の誰よりも酷い出来栄えだった。

 

「だけど……」

 

 けれど、何故かは分からないが彼女に……

 

「きみには、はなまるだよ!」

 

 “運命的な何か”を、感じ取ってしまった。

 

「わ…… “わがはい”、が……?」

 

 停滞している自分を変えてくれる……そんな予感と共に。

 

「うん。」

 

「一緒にお絵描き……しよ?」

 

 そう提案する。

 

 

 

 

 ─────

台詞集

 

 人格獲得:うーんと……一緒にお絵描き、しない?

 

 朝の挨拶:あっ、ごはん?ちょうどお腹空いてた!ありがとう!

 

 昼の挨拶:今いい感じだから……のあのこと、もう少し待ってくれる?

 

 夜の挨拶:もう暗いから今日はここまでにした方がいい?えー?まだまだお絵描きしてたいなあ。

 

 対話1:派閥?っていうのがいっぱいあるみたいだけど、のあは好きな絵を好きなように描くのが一番楽しいと思うなあ。

 

 対話2:いろんな人が、絵のことをたくさんのあに教えてくれるんだよ。この前はお姉さんに点描、っていうのを教えてもらったんだぁ。そういえばあのお姉さん、隠し事いっぱいしてたみたいだけど……何を隠しているんだろうね?

 

 対話3:この絵、きみが描いたって言っていたけど、ほんと?……嘘はいけないんだよ?

 

 同期化後の対話1:どの作品もイマイチ。もっと頑張らなくちゃ、大変なことになっちゃうと思うけどなあ。

 

 同期化後の対話2:アンアンちゃん、お絵描きはそんなに上手じゃないけど……なんだか見ていると不思議な気持ちになるんだ。なんでだろうね?

 

 放置:……全然だめ。やりなおし。

 

 同期化進行:もっとたくさん、お絵描きしようね!

 

 人格編成:新しい画材、いっぱい持ってきたんだ!

 

 入場:のあ、頑張るね。

 

 戦闘中選択:……なぁに?

 

 攻撃開始:どんな絵が描けるかなあ?

 

 敵混乱:お絵描き、楽しいね!

 

 混乱:……あれっ?

 

 敵討伐:うん、できた!

 

 本人死亡:もっと……褒めて貰いたかったなぁ……

 

 選択肢成功:わーい、やったね!

 

 選択肢失敗:……のあ、悪くないよね?

 

 戦闘勝利:お絵描き、楽しかったなぁ。また一緒にやろうね!

 

 EX勝利:いい絵が描けたね!はなまる、あげちゃうよ!

 

 戦闘敗北:……こんな絵、いらない。描き直さなくちゃ。

 




ノアにはやっぱり薬指だよね。
薬指には色々な派閥があるけど、色んな派閥の良いとこ取りをしながら作品を作ってるような人間もいるんじゃないかなぁという想像で書いてます。
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