都市少女ノ鏡世界 作:都市の大魔女
「邪魔すんぞー」
20区のとある建物。
ユロージヴィという組織が拠点として使っている建物に、一人の客人がやって来た。
「あら、可愛いお客さんね。何かご用かしら。」
「えーっと……ユロージヴィってやつの拠点ってここで合ってる?ここの情報屋って奴に会いてーんだけど。」
どうやら少女は、彼女の噂を聞きつけてやって来たようだ。
彼女は話術に長けていて、上手いこと情報を引き出したり相手の心を掴むのが昔から得意だった。
だから裏路地ではこれを活かして情報屋として日銭を稼いでいたのだが……いつの間にか結構有名になってしまったらしい。
最近はこうして、情報を求めて彼女の下にやってくる人も多かった。
「……それは私のことよ。立ち話もなんだし、座りましょうか。」
「それで、何を聞きたいのかしら?」
「あー……この辺の黒雲会の連中。そいつらの動きを知りたいんだよね。」
黒雲会。
親指の傘下の組織で、その規模は都市でも随一の大規模な組織。
当然、彼らの恨みを買ってしまえばただでは済まないから、普通は関わろうとしないものだ。
「へえ……面白いわね。」
だからこそ、か。
彼女にとって、客人はとても興味深い存在に映ったようだった。
「良いわよ。教えてあげる。けれど……情報にはそれ相応の対価は、必要よね?」
「……やっぱし、お金?」
客人は明らかに嫌そうな顔をしている。
「当然じゃない。だって私は情報屋だもの。」
「けれど、お金以外で支払えるのなら……考えてあげても良いわよ♡」
彼女は艶やかに微笑む。
「いや、普通にお金出すわ。払いたくねーけど。」
「素直ね。嫌いじゃないわ。」
客人はカバンから財布を取り出し、お金を払おうとするが……
「待った。……ここって、他に誰かいる?」
客人は何かを感じ取ったのか、突然そう聞いてくる。
「……今日は、私以外は皆出払っているけれど。」
「じゃあ武器持っといた方が良いかもな……来んぞ。」
バァン!!
その発言を聞いてか、男たちが扉を破って乗り込んできた。
「あらあら、今度は随分と情熱的はお客さんね。」
「デタラメ掴ませやがったなテメェ!!」
「アレのせいでウチは滅茶苦茶だ!」
「ぶっ殺してやるよ!!」
男たちは随分と怒り狂っている。
特にその目線は情報屋に対して強く向けられていた。
「うっわ、めっちゃブチ切れてるじゃん。お前何したの?」
「大したことはしていないわよ?ただちょっと……嘘を教えただけ。」
客人の表情が困惑の色に変わる。
それはそうだ。
目の前の情報屋がとんだ嘘つきだったのだから。
「でも……それを丸々信じ込んだ向こうも悪いんじゃないかしら?」
それでも、彼女にとってこういったことは特別ではなかった。
常日頃から、彼女は嘘と真実を織り交ぜながら情報を売っていたから。
「お前……もしかしなくても結構趣味悪いな?」
「うふふ、それは褒め言葉かしら?」
無駄口を叩き合いながら、彼女たちは武器を振る。
「……いいの?情報タダで貰っちゃって。」
「さっきのお礼よ。助かったもの。ちゃんと正しい情報だから安心して頂戴。」
「ま、お金浮くから助かっけど……」
男たちを片付けた後、情報屋は客人に無料で情報を渡すことにした。
それは彼女に情報で助けられたこともそうだけれど、純粋に彼女自身に対する強い興味から来るものだったのかもしれない。それに、もう一つ理由もあったから。
「そういえば、一つ気になるんだけどさ。」
ふと思い出したように客人が聞いてくる。
「お前、なんでこんな組織にいる訳?こういうの好きじゃなさそうだし。」
「……何故、かしらね?」
情報屋は表情を崩さないまま、そう言う。
「まあ、どちらでも良いじゃない。あなたには関係ないでしょう?」
「あー、まあそうだけどさ……いいや。」
客人は何か言いたげだったが、無意味だと感じたのか、すぐに諦めた様子を見せる。
「じゃ、あてぃしは行くから。じゃーな。」
客人はそう言うと、これ以上の関わりは不要とでも言うかのように、あっという間に消えてしまった。
「面白い子。名前も聞けなかったのは残念ね。」
「……私はね。ここの“聖者”って人が何を秘めているのか、それがとても知りたいの。」
「純粋な善意か、それとも野望か。ふふっ、ゾクゾクするわね?」
「あなた達は何を見せてくれるのかしら。……“リンバスカンパニー”?」
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台詞集
人格獲得:その情報の対価……あなたは何を支払ってくれるのかしら。
朝の挨拶:いい朝ね。美しい空の色を見ることができないのは残念だけれど……代わりに美味しい朝食はいかがかしら?
昼の挨拶:ティータイムはいかがかしら?ここじゃこうして対等にお茶するのも一苦労だけれど……あなたなら問題ないもの。
夜の挨拶:こんな時間に出歩いていたら、危ないわよ?私たちのお仲間も、再分配するべき人間を探して歩き回ってるから。
対話1:別に、ユロージヴィの思想とか活動に興味なんて全く無いの。私はただ、そのリーダーが何を為そうとしているのか、それが気になるだけだもの。
対話2:情報屋が嘘を教えていいのか、ですって?あら、この都市でそういった事を丸々信じ込む方が愚かだとは思わない?
対話3:面白そうだと思った子には必ず正しい情報を渡すことにしているの。だって……その子がその情報で何をするのか、とても気になるじゃない。
同期化後の対話1:(ドアを激しく叩く音) ……随分と騒がしいお客さんね。きっと私に騙されちゃった人なのでしょうけど……わざわざその顔を見せてくれるなんて、嬉しいわ。
同期化後の対話2:世の中、簡単に公平にすることはできないものばかりよ。富に時間、それに……愛だって。
放置:……こうしてあなたの寝顔を見るのも、悪くはない時間ね。
同期化進行:こうして乗り込んできた行動力は認めるけれど……あなた達のこと、何も調べていないはずないでしょう?
人格編成:何か情報が必要かしら?
入場:良いものを見せて頂戴。
戦闘中選択:ふふ、こんな時に……刺激的なのが好きなのかしら♡
攻撃開始:少し頑張りましょうか。
敵混乱:欲張りね。
混乱:……ッ!
敵討伐:皆で、分けるとしましょう?
本人死亡:期待外れだった……わね……
選択肢成功:ふふ、後で対価はしっかり頂くわね?
選択肢失敗:……私を信用したあなたが悪いのよ。
戦闘勝利:悪くない結果ね。けれど……情報の対価としては、少々物足りなかったかしら。
EX勝利:……思い通りの結果ね。良いものが沢山見れたし、満足よ。
戦闘敗北:こうして組織が崩れていく様子を見るのも、これはこれで悪くないわ。それで……次は何を見せてくれるのかしら?
セブン協会のような情報専門のフィクサーの他にも、情報屋みたいなのはそれなりにいるんだろうな。まあ大抵は出鱈目な情報握らせて来るやつが大半なんだろうけど、と思いながら書いてます。