追放された僕、封印ロリ女神に憑依されTS覚醒~最強の【魔力喰らい】となり神々の代理戦争にまで拡大する~   作:nene2012

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下水で汚れた体を公衆浴場で綺麗にする

 錬金術師ルバロ・セレゴは水銀の肉体を得て不老不死になる事に成功したが、アベル達によって倒された。

 そして、その核から膨大な魔力が放出され、それはアジェに吸収されたのである。

 

「さてと……これで、この地下水道を出られるな」

「まだだよ、師匠のレシピを取り戻さないと……」

 

 ガラドがそう言うとニルスが慌てて言う。それから僕達はルバロの地下室をくまなく探し回ったがレシピは見つからなかった。

 

「あっ! これかな?」

 

 ニルスが机の下から2冊の本を取り出して来る。それはニルスの師匠のレシピ、ルバロの錬金術の手記だった。

 

「あった! 師匠のレシピだ! それと、ルバロの錬金術の書もある」

 

 彼は嬉しそうに言うと、師匠のレシピと錬金術師の著書の2冊を大切に鞄にしまう。

 僕はそんなニルスを見て微笑みながらも少し疑問を抱いた。

 

「でも、どうして水銀の肉体を得てまでして、何を成し遂げたかったのかな?」

 

 そう僕が口にするとガラドも首を捻りながら言う。

 

「うーむ……何故じゃろうな……」

 

 僕達が考え込んでいるとアジェが言う。それは意外な言葉だったのである。

 

『魔力を吸収していた時に彼の思考も流れ込んできたの……錬金術の究極目標である賢者の石を自身の体で体現しようとしていたようね』

「賢者の石?」

 

 始めて聞く言葉に対して改めて聞き返すとアジェは神妙に頷く。

 

『うん、錬金術師にとって水銀から不老不死の秘薬を造り出す事と鉛を金に変える事が究極目標だったみたい……』

「水銀から……か」

 

 僕は錬金術師が水銀を使い不老不死への願望と金への変換を目指していた事を知り、その執念に驚かされた。

 そして、彼は水銀から賢者の石と呼ばれる物を作り出す為だけに錬金術の研究に没頭していたようだ。

 

『でも、結局は水銀の体を得てまでしても不可能だったんだよね……』

「実現不能だったんだね……」

 

 アジェにそう呟くと、ニルスが不思議そうな顔をしながら聞いてくる。

 

「アベルって誰と話してるの?」

「えっ? あっ、いや……ただの独り言だよ……」

 

 僕は慌てて誤魔化すと彼は首を傾げながら言う。

 

「へ~え、そうなんだ? アベルは独り言を言うんだね」

「儂も前から気になってたんじゃが、本当に誰かと話してないのかの?」

 

 ガラドまで僕に対して疑惑の目を向けてくる。僕はアジェの事を悟られないよう焦ったようにして答える。

 

「いやいや……話し相手は誰も居ないよ!」

「ふ~む」

 

 そんな2人の訝しげな視線を躱しつつ、ふと我に返ると錬金術師ルバロを倒した事を思い出す。

 

「とにかく、これで錬金術師の脅威は無くなりニルスの師匠のレシピを取り戻しましたよね?」

「……ああ、そうだな! 後は……ここは下水の匂いが染みついて臭い。早くここから出るとしよう」

「そうだね! 早く帰ってお風呂に入って綺麗にしたいよ!」

 

 ガラドとニルスはそう言うと出口に向かって歩き始める。僕も2人の後に続いて歩き出した。

 そして、僕達はルバロの地下室を後にし、地上へと戻っていくのであった……。

 地下水路から地上へと出ると、外は日が沈みかけていた。

 

「もう、こんな時間……皆、今日もおいらの家に泊まっていく?」

「ああ、そうさせて貰おうか」

「うん、お願いするよ」

 

 ニルスの提案に僕とガラドは快く承諾する。そして僕達は彼の家に向かうのであった。

 

 

 

「ただいまー! 工房兼自宅に着いたよ」

「おじゃまします……」

「邪魔するぞ」

 

 ニルスの後に続いて僕とガラドも彼の家に入っていく。そして、服に染み付いた下水の匂いが気になっていた。

 

「相変わらず……匂うね」

「夕食より先に体を洗いたいの……」

 

 僕とガラドがそう呟くと、ニルスは笑いながら言う。

 

「そうだね……ここには風呂はないけど近くに混浴の公衆浴場があるんだ。アベルは大丈夫?」

「うん、平気だけど……」

 

 ハーフリングの質問に対して何も考えずに答えるとアジェが呟く。

 

『ねえ……その公衆浴場って男女混浴なの?』

「うん? そうだよ?」

『ふ~ん、そうなんだ……』

 

 アジェは意味深に呟いた後沈黙する。僕は不思議に思いながらも2人の後をついて行ったのであった。

 ニルスに案内されて僕達3人は公衆浴場に向かう事になった。そこは町外れにある小さな施設で、主に近隣住民が利用しているらしい。

 

「アベルは混浴は初めて?」

 

 ハーフリングが歩きながらそう聞いてくるので僕は頷く。

 アジェは何か気になる事でもあるのか、心配そうな声で僕に質問してくる。

 

『男女が同じ場所で入浴する所だよね……』

「そうだけど……」

 

 僕は少し戸惑いながらも答えると彼女は更に聞いてきた。

 

『それって、裸になって一緒に入るって事だよね?』

「あっ……そうか! そうなるね……」

「また独り言?」

 

 その問いに思わず言葉を詰まらせると、ニルスが不思議そうに聞いてくる。僕は慌てて首を振って答えた。

 

「いや……何でもないよ!」

「……まるで誰かと本当に話しているみたいだね」

 

 ニルスは目を細めて訝しげに僕を見てくる。僕は内心ドキッとしたが平静を装った。

 

「そ……そう見えるかい? あはは……」

「まあ……いいけどね」

 

 彼はそれ以上追及する事はなかった。そして僕達3人は公衆浴場に到着したのであった。

 3人で脱衣所に入ると、そこは男女で別れているらしくそれぞれ別々の場所に向かっていく。

 

『アベルは女性の方で着替えてね!』

「うん、分かってるよ……今の体は女だから」

 

 僕はアジェの指摘に返事をすると服を脱ぎ始める。そして、裸になるとタオルを持って混浴の浴場へと入って行った。

 タオルは小さいもので胸と股間を隠すだけで精一杯だった。この時なって初めて女体化した体に恥じらいを感じる。

 

『ねえ、アベル……』

「うわっ!? びっくりしたぁ……」

 

 突然の声に驚いてしまうが、周囲の客は僕の叫び声に誰も気に留めず談笑している。

 どうやら入っている客達は自分達の談笑に夢中のようだ。

 

 だが、一部の人は僕の髪色が多元色なのでジロジロと見詰め目が合うと咄嗟に逸らすのである。

 男の客としては髪色だけじゃないようで、自分としては女として見られる事に違和感を感じざるを得なかった。

 

『性転換したから男の時と違って違和感があるんじゃない? それと男性の目も気になってくるんじゃない?』

「……うん、まあ……そうだね。でも、そこまで気にしないけどね」

 

 僕は自分の体をマジマジと見つめながら言う。膨らんだ胸と丸みを帯びた尻が女性としての特徴である。

 尻の後ろの方は隠れてないので丸見えであったが男からジロジロ見られても、それほど気にならなかった。

 

 案外、男が女になると純粋な女性より羞恥心に対して鈍感かもしれない。

 それどころか若い女性が居れば見入ってしまい変な誤解を与える恐れもあった。

 

『やっぱり、アベルは今でも女性に興味があるのね』

「もちろん……数日前までは男だったから……」

 

 アジェは僕の心を見透かしたように言ってくるので、僕は少し動揺してしまう。

 

『ふ~ん、そうなんだ……』

 

 彼女の含みのある言い方が気になるが、今は彼女と会話している余裕はない。

 

「アベル! 早くおいでよ」

 

 ニルスに呼ばれ、僕は急いで浴場に向かう。そこにはガラドが既に湯船に浸かっていた。

 彼は負傷した右腕に包帯をして湯につけず腕を上げて風呂に入っている。

 

「遅いぞ、アベル」

 

 ガラドはそう言うと僕の全身を舐め回すように見てくる。だが、一瞥した後は見て見ぬ振りをしていた。

 反対にニルスの方は女体化した僕の体を見てドギマギしている様で恥じらっている。

 ハーフリングという種族は見かけは子供のようだが性欲は人並みだと聞いた事がある。

 

「ふむ……中々、綺麗な体じゃの……」

「アベルから……女性のいい匂いがするね……」

「そ……そうなんだ? あははっ……」

 

 ガラドは僕の体を見て冷静に評価し、ニルスに至っては匂いを嗅いで顔を真っ赤にしていた。

 僕は2人のその行動に少し引き気味になるが、何とか愛想笑いをしながら湯船に浸かる。

 するとガラドが僕に突然質問してきたのであった……。

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