追放された僕、封印ロリ女神に憑依されTS覚醒~最強の【魔力喰らい】となり神々の代理戦争にまで拡大する~   作:nene2012

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冒険者ギルドで報酬を貰い魔術師ギルドへ行く

 翌朝になり、ゆっくりと朝食を摂り終わると全員で冒険者ギルドに向かう。

 ギルドに入ると受付嬢が僕達を見て声を掛けて来る。

 

「あっ! アベルさん達ですね?」

「どうも……今日は鑑定結果を聞きに来ました」

「その事ですが、あの珠を鑑定して貰ったら確かに古代魔法王国時代の遺物でした。しかし、魔獣のコアの中にある魔力が消滅してしまったと言われ……」

「ああ……そうでしたか。僕は魔獣の体内から取り出しただけで魔力が無くなっていたのには気付きませんでした……」

 

 本当はアジェが全て吸い尽くしてしまっていたが本当の事が言えず、しらじらしく言い訳を述べるのであった。

 

「それと魔術師ギルドから、この件でギルドまで来て欲しいと要請がありました」

「えっ? 魔術師ギルドが?」

 

 僕は思わず聞き返してしまう。

 

「はい……魔術師ギルドが是非とも詳しい話を聞きたいと……」

「そうですか……分かりました。それと魔獣を倒した報酬は貰えるんですよね?」

 

 受付嬢に確認すると、彼女は頷く。

 

「はい……冒険者ギルドから確かに報酬が出ます。では、どうぞ」

 

 彼女は金貨が入った袋を手渡すと、僕達は受け取る。

 受け取った袋は金貨なのでズシリとした重さを感じる。

 

「ありがとうございます」

 

 僕は礼を言って受け取り懐にしまう。そして魔術師ギルドに向かうのであった。

 冒険者ギルドから少しして徒歩で魔術師ギルドに到着した。そこは石造りの建物で歴史を感じさせる。

 

「ここが魔術師ギルドか……」

 

 窓の一つもない建物を見上げると呟くように言う。

 初めて来たので興味深げに見ていたが怪し気で神秘的な雰囲気に、ちょっと気後れしてしまう。

 

「アベル……早く入ろうよ」

 

 ニルスが僕の袖を引っ張り急かすように言うと、僕は頷き建物の中に入っていくのであった。

 建物の中に入ると受付があり魔術師らしき若い女性が座っていたので声を掛ける。

 

「すみません……冒険者ギルドから言われて来たアベルという者です……」

 

 すると彼女は立ち上がり僕等を見ると言う。

 

「ああ! 冒険者ギルドから話は聞いています。私はギルドで鑑定師をしている、マリエッタと申します」

 

 彼女は笑顔で挨拶すると僕達を奥の部屋に案内する。

 

「さあ、こちらです……」

 

 そして、通された部屋は広く天井まで届く本棚が並び様々な書物や巻物等が所狭しと置かれていた。

 部屋の中央にある円卓には既に何人かの魔術師らしきローブを着た人達が座っていた。

 

 その魔術師の誰もが顔をしかめて機嫌が良くないのであった。

 僕達はマリエッタに勧められ近くの椅子に座る。そして、中央に座っている初老の老人が僕に声を掛けてくる。

 

「君が古代魔法王国遺跡に居た合成魔獣を倒したアベル君か?」

「ええ……そうです」

 

 僕は頷くと老人は僕を睨むように見て言う。

 

「儂はこの魔術師ギルドの長をしている、ダリオ・アルジェンツだ」

「どうも……アベル・オランドです」

 

 僕が挨拶すると仲間達も自己紹介する。その紹介に彼は終始ブスッとした表情で頷くと言う。

 

「そうか……早速だが君達が持ち帰ったコアには本来なら膨大な魔力が残っている筈なのに何故か空っぽになっていたんだが知らないか?」

「えっ!? そうだったんですか? 僕は何も知りませんよ」

 

 僕は、本音を隠して惚けるように答える。

 するとダリオは納得がいかない表情で僕を睨み言う。

 

「本当に……知らないのか?」

「ええ……僕が手に入れた時は既に空っぽでしたから……」

「そうか……しらをきるなら、こっちにも考えがある……」

 

 彼はそう言うと呪文を唱えだす。他の魔術師はどうやら違う呪文を唱えている。

 

「我が言葉に従い、事実を話せ……口を割れ!」

「!?」

 

 僕は思わず、しまった!と叫びそうになる。

 何故ならダリオが使った魔法は『自白の魔術』であった。この魔術に掛かったら嘘を吐くのが難しくなるのである。

 

 そして、この魔術を掛けられた僕は頭が段々とボンヤリしていき判断が曖昧になってくる……。

 周りを見てみると仲間達は拘束の魔術を掛けられ、体を魔法の鎖でがんじがらめにされ行動の自由を奪われていた。

 

「アベル……君は古代魔法王国の遺跡で魔獣のコアを持ち帰った。しかし、そのコアには魔力が全く残されていなかった。これはどういう事だ? 君が何かしたんじゃないのか?」

「僕は……何も……していません……」

 

 僕は黙っていなければならない義務感と喋ってしまいそうな不安感で板挟みになり、朦朧とする意識で辛うじて答える。

 

「自分が何をしたか分かっているのか! このコアに含まれていた古代の膨大な魔力と術式は、とんでもない価値があったのだぞ! それを使い果たすなど、死罪に値する!」

 

 ダリオは大声で怒鳴りつけると、僕の頭に手を置く。

 

「今から拷問の魔術を掛ける……正直に答えなければ全身に耐えがたい苦痛が襲い、やがて狂うぞ……神経を冒し過敏になれ! 苦しめ!」

 

 彼が呪文を唱えると同時に僕の体に異変が起こる。

 

「うっ!……うあっ!……うああああっ!!」

 

 彼は僕の頭に手を置き、そう呟くと脳天から全身にかけて神経を針で刺されるような苦痛が襲い呻き声を出すのである。

 

「正直に言うんだ! コアの魔力を何処にやったんだ!」

 

 ダリオは僕の髪を鷲摑みにすると、更に強く引っ張る。

 その激しい苦痛と耐えがたい不安感が同時に襲い僕は思わず白状してしまいそうになる。

 

「うううっ!……しっ……知ら……止めてくれぇええ!!」

『アベル! あたしが魔法の効果を打ち消すから奴等の魔力を吸わせて!!』

 

 突然、アジェが僕の命の危険を感じ頭の中で叫ぶと並行してダリオが掛けた魔術を一瞬にして解くのである。

 解放された僕は椅子から立ち上がると彼を睨んだ。

 自身の掛けた魔術の効果が消えてしまい彼は驚きの表情を浮かべる。

 

「何っ!? 我が魔術の効果が消えただと! いったい何故!?」

 

 平然として自由になった僕を見て呆然としているダリオを他所にアジェが僕に言う。

 

『今よ! あたしにコイツの魔力を吸わせて!』

 

 僕は頷きギルド長の胸に右手をかざすと、そこから彼の魔力が吸われていく。

 目を剥きながら自身の魔力を吸われていく。それは彼にとって苦痛を伴い魂を吸われるような感覚を味わうのであった。

 

「くっ……うぐっ……」

 

 やがてダリオから魔力を吸い尽くした僕は手を離すとアジェが言う。

 

『よくもアベルを苦しめたわね! もう死んでいいわよ!』

 

 魔力を吸われた彼は白目を剝いて床に倒れる。そして口から泡を吹いて気絶するのであった。

 

「なっ!?……なんて事を!!」

「貴様! ギルド長をよくも!」

 

 ダリオが昏倒したのを見て思わず周りの魔術師達が叫び声をあげる。

 そして、彼等に向けて両手をかざすと接触していなくてもアジェの力で魔力を吸い込んでいく。

 

『アベルに手を出すな!』

 

 そう叫ぶと僕の手から彼等の体に魔力の線が発生し、それが魔術師達の魔力を搾り取っていく。

 

「ぐぅううう!」

「何だ!? 魔力を……す……吸われる!」

「く……苦しい……」

 

 魔術師達は魔力を根こそぎ吸い取られ苦悶の表情となり皆、床に倒れ込み意識を失う。

 

「アジェ! もう十分だよ! これ以上吸ったら本当に死んでしまうよ!」

『わかった……』

 

 アジェは僕に言われると、魔術師達から魔力を吸い上げるのを止めるのである。

 そして、拘束の魔術が解け自由になった仲間達が駆け寄る。

 

「アベル! 大丈夫!?」

 

 ニルスが僕の体に異常が無いか心配する。僕は頷いて答える。

 

「うん……大丈夫だよ」

「良かった……」

 

 彼は僕の無事を確認しホッと安堵する。そして、衝撃的な光景を目にし、へたって床に座り込んでいるマリエッタに向かって釘を刺す。

 

「もし、これからも僕等に執拗に絡んできたら次は命がないよ……」

「は……はい……」

 

 僕の迫力に恐れをなしたマリエッタはコクコクと頷きながら答える。

 その後、僕達は魔術師ギルドを後にし、そのまま冒険者ギルドに向かうのであった……。

 

 

 

 『終焉の刃』のリーダーであるレムルスは酒場で昨日の事でウェイド、アーロンと一緒に酒を飲んでいた。

 

「しかし……昨日は散々だったな……」

 

 ウェイドは酒の入ったグラスに口を付けながら、吐き捨てる様に愚痴をこぼす。

 その横ではアーロンも酒をグビグビ飲んでいた。

 

「ああ……女に、やられて気絶するなんて面目丸潰れだ」

 

 彼も酔いが回ったのか顔を紅潮させて言う。

 そんな2人以上にレムルスはアベルの事を思い出すと、苛立つのであった。

 冒険者ギルドに行けば彼の偉業を褒め称え自分達には嫌悪と軽蔑の視線を送るのが不愉快でたまらなかったのである。

 

「あの野郎……今度会ったら絶対にぶっ殺してやる!」

 

 彼はそう愚痴ると一気にグラスを呷るのであった。

 その時、酒場の扉が勢いよく開かれ彼の妹であるシャノンが血相を変えて飛び込んで来たのであった……。

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