追放された僕、封印ロリ女神に憑依されTS覚醒~最強の【魔力喰らい】となり神々の代理戦争にまで拡大する~   作:nene2012

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レムルス達に決闘を申し込まれる

「兄さん! 大変よ!」

 

 シャノンは息を切らせながら兄の元に駆け寄り叫ぶ。

 そんな彼女の慌てぶりが珍しくレムルスは何事か尋ねるのであった。

 

「一体何があったんだ? そんなに慌てて?」

「どうしたもこうしたもないわ……アベルが魔術師ギルドでダリオ伯父さんに手を出したのよ!!」

「何っ!? あの野郎! 伯父さんに危害を加えたのか!」

 

 レムルスは驚きの表情で叫び椅子から立ち上がると、ウェイドとアーロンも只事でない様子に目を大きく見開く。

 

「シャノン! 伯父さんは大丈夫なのか!」

 

 兄が叫ぶように尋ねると彼女は答える。

 

「ええ……幸いにもダリオ伯父さんは命に別状はないわ。けど、アベルのせいで意識不明になり床に臥せているわ」

「そうか……しかし、あの野郎! 伯父さんに手を出した事を後悔させてやる!」

 

 彼は怒りに燃えて叫ぶとシャノンも同意するのである。

 そして、先程まで酒を飲んでいたとは思えない歩みで出口に1人で向かうのであった。

 

 彼等の母は魔術師の家系であり、幼い頃からシャノンは伯父であるダリオの影響を受けて魔術師の道を志す事になった。

 

 レムルスも魔術の才能はあったものの魔術師とはならず魔力を武器に乗せて戦う魔剣士の道を進む事になる。

 

「兄さん! 私も一緒に行くわ!」

 

 彼女はそう言うと杖を持ち、レムルスの後を追うように酒場を出て行くのであった。

 そして2人の様子を傍で見ていたウェイドとアーロンも慌てて後を追いかける。

 彼等はアベルが居るであろう冒険者ギルドに駆け付けるのであった……。

 

 

 

 その頃、アベル達は冒険者ギルドに行き中で依頼板を覗いていた。

 

 

「あっ!……こんにちわ」

 

 依頼を眺めている最中に受付嬢の方から笑顔で挨拶してくる。

 

「アベルさん、何か依頼をお探しで?」

「ええ……まあ……その……」

「じゃあ……今だと『単眼の魔法生物の討伐依頼』とか、どうです? 今なら依頼料も高くて報酬も良いですよ」

 

 僕に向かって営業スマイルで対応する。昨日の事があるので一夜にして僕達は英雄級の冒険者に見られるようになった。

 依頼内容も古代魔法王国遺跡が近いのもあって、遺跡に棲む魔法生物の討伐依頼が多い。

 

「う~ん……そうですね……」

 

 僕が迷っているとニルスが僕の袖を引っ張ると言う。

 

「アベル! この依頼なんてどう?」

「えっ!? 何か良いのがあったの?」

「うん!……ほらっ」

 

 彼は依頼板に貼ってある紙を指差して言う。その紙を見ると『古代魔法王国遺跡での秘術書捜索』と書いてあった。

 

「秘術書……もしかして古代魔法王国の秘術に関する文献が遺跡に眠っているの?」

「うん! 古代魔法王国は現代の魔法技術を遥かに凌駕していたんだから、信じられない魔術を記した書物があるに違いないよ! それを見つければ高額の報酬を貰えるよ!」

 

 依頼内容にニルスは興奮しているが、僕は少し考えてから言う。

 

「う~ん……パッとしないな……」

「えっ? どうして?」

 

 僕の意外な反応にニルスは首を傾げる。そんな彼に僕は自分の考えを伝える。

 

「僕としては膨大な魔力が関わる依頼がいいんじゃないかと思うんだけど……」

 

 言い淀んでいるとギルドの扉がバタンと大きな音を立て開かれる。

 現われたのはレムルスであった。隣には険しい顔をしたシャノンもいた。

 

「レムルス……」

 

 僕が苦々しい表情で彼等を見詰めると、ニルスも不快を露にし言う。

 

「何の用だよ!?」

 

 ニルスの言葉も無視してレムルスは僕を睨むように見て言う。

 

「アベル……テメェーは、何様のつもりだ!」

「えっ!?」

 

 彼の怒りの原因が分からず混乱するとシャノンが代わりに言う。

 

「伯父さんに暴力を振るって何が楽しいの!!」

「伯父さん?」

 

 彼女が言う伯父さんが誰の事か全く分からない。すると、レムルスが怒りの表情で言う。

 

「この町の魔術師ギルドの長をしていたダリオ伯父さんだ! テメェーのせいで意識不明になったらしいじゃねぇか!」

「えっ!? もしかしてギルド長の事!?」

 

 僕は驚き声を上げる。まさか、彼がレムルスの親戚とは思わなかった。そして彼は僕に指を突き付けて言う。

 

「アベル! お前に決闘を申し込む! 勝負は明日の正午、町の外の草原でだ!」

「ちょっと待ってよ! 彼が僕に自白と拷問の魔術を掛けたんだ……正当防衛だよ!」

 

 慌てて反論するが、レムルスは怒りが収まらず叫ぶように言う。

 

「だから何だ! お前が伯父さんに暴力を振るった事に変わりはないだろう!」

「アベル……絶対に、絶対に許さない!」

 

 シャノンも完全に僕が悪者であるかのように糾弾してくる。

 そして、後から遅れて来たウェイドもレムルスに言う。

 

「おい……レムルス! その決闘に俺達も加担させてくれないか?」

「そうだ! 俺達は、そのエルフと角が生えた女に恨みがあるんだ! そいつ等に決闘を申し込む!」

 

 アーロンもウェイドの意見に賛成する。レムルスは彼等を軽く睨むと頷くのであった。

 

「そうだな……お前達も受けた恥辱を晴らすには復讐が必要だからな! お前達も思う存分やってやれ!」

「よしっ! 尻尾の生えた女、明日必ず来いよ!!」

「そこのエルフの女! 雁首揃えて待ってろよ!」

 

 アーロン達はレムルスと握手をすると無理矢理、決闘を勝手に要求したのであった。

 

「ちょっと……待ってよ!! そんな勝手に決めるなんて……」

「私も兄さんと一緒にアベルと戦うわ! あなたもドワーフかハーフリングの、どちらかと共闘するか決めなさい!」

 

 抗議する僕の言葉を遮りシャノンはガラドとニルスに顔を向けて相手構わず言う。

 急に話を振られて2人は驚くが、すぐに僕の顔を見て答える。

 

「儂が……アベルと一緒に戦おう」

「おいらは……戦闘は苦手だから」

 

 ガラドは僕の肩に手を置き、ニルスは申し訳なさそうに俯いて言う。

 アイラとバルバラも勝手にウェイド達から決闘を申し込まれ、最初は困惑していたが2人の剣幕に売られた喧嘩を買うのである。

 

「仕方あるまい…… 我が武術の神髄を味わうがいい!」

「久しぶりの対人戦だ! 人間! 心ゆくまで剣を振るってやるぞ!」

 

 アイラ達はウェイド達の対決を受け、お互いにガンを飛ばしあっていた。

 

「アベル……お前は絶対に俺がぶっ殺してやる!」

 

 レムルスは僕に指を突き付けながら言うと、シャノンとギルドを出て行くのであった。

 

「はぁ~……どうしてこうなった?」

 

 僕は深い溜め息をつくとニルスが心配そうに言う。

 

「アベル……大丈夫?」

「うん……まあね」

「アベルの能力があれば魔術師の魔法攻撃を吸収できるから問題ないんじゃろ?」

「そうですね……レムルスから直接剣で攻撃されなければ大丈夫だと思います」

 

 ガラドの言葉に僕は答える。すると、アイラが腕を組んで言う。

 

「彼奴等の事だ……卑怯な手を使ってくるかも知れぬぞ?」

「でも、あの場で堂々と勝負を挑んできたんだ……それを反故にするなんて出来るのか?」

 

 アイラは疑念を持つがバルバラは彼等が正々堂々戦うだろうと答える。

 

「何でウェイドともう1人もアイラとバルバラに敵意を持っているんだろう?」

「あの2人は遺跡でお互いが喧嘩をしていた時に黙らす為に気絶させた事に対して根を持っておるんじゃろ」

 

 僕がウェイド達の行動を不思議に思って呟くとガラドが教えてくれる。

 

「えっ? あの事を今でも引きずっているんですね……」

「2人共、プライドが高いのだろう……しかも女からボコられたのだから想像以上に恨みを持っておる様じゃな」

 

 彼の言葉に僕は深く溜め息をつく。どうやらアイラ達はウェイド達に迷惑な因縁を付けられているようであった……。

 

「アベル……あの2人と明日戦う事になったけど大丈夫?」

 

 ニルスが心配そうに僕に尋ねる。

 

「う~ん……まあ、ガラドさんと一緒なら何とかなるよ」

 

 僕は彼の心配を他所に気楽に答える。だが、ドワーフも急に明日戦う事への懸念を述べる。

 

「しかし、儂等が戦う相手は魔術師だけでなく魔剣士も相手だ……儂も魔剣士相手にどれだけ持つか……」

「う~ん……ガラドさんは盾を持って防御に徹して下さい。それと必ず魔法を使ってきますのでミスリル製の鎧は必ず着て下さいね」

 

 彼の心配を払拭する様に助言をする。そして、ニルスに向き直り彼に言う。

 

「ニルス……明日の決闘は君が見届け役をしてくれるかい?」

「うん、わかったよ! 絶対に勝ってね!」

 

 ハーフリングはニッコリ笑って頷くのであった。

 そして、僕達は冒険者ギルドを出て宿に帰り明日に備えるのであった……。

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