追放された僕、封印ロリ女神に憑依されTS覚醒~最強の【魔力喰らい】となり神々の代理戦争にまで拡大する~   作:nene2012

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『終焉の刃』との決闘

 翌日、アベル達は約束の時間に町の外にある草原に来ていた。

 そこにはレムルスとシャノン、そして彼の仲間達が待ち構えていた。その数5人……。

 

「来たか!」

 

 レムルスは僕の顔を見ると怒りを露にして言う。

 僕は軽く手を上げて挨拶すると、彼は仲間の方に向き直る。

 

「いいか! 俺達兄妹とアベル達との決闘だ! お前達は手を出すんじゃねぇぞ!」

「おおよ! レムルス、俺はあの女をぶっ潰す!」

「あのエルフ……絶対にボコってやるぜ!」

 

 ウェイド達はバルバラとアイラを睨みながら口々に言う。そして最後にシャノンが僕に言う。

 

「アベル! 伯父さんの仇よ! あなたの性根を叩き直してやるわ!」

「だから……何度も言っているけど彼が僕に魔法を掛けてきて……」

 

 彼女に反論するが、レムルスは僕の言葉を遮るように言う。

 

「黙れ! もう聞き飽きたんだよ!! これ以上、下らない言い逃れを聞く耳は持たん!」

 

 彼は僕に向かって悠然と人指し指を突き付けて言う。

 

「伯父さんの仇を取ってやる! アベル! お前は絶対に許さねぇ!!」

 

 そしてシャノンに向き直ると叫ぶ様に伝える。

 

「いいな? 俺達兄妹で力を合わせて、アベルをぶっ潰してやる!」

「ええ、仇を取りましょう! 兄さん!」

 

 兄妹は互いに頷き合うと、僕達に向かって言う。

 

「よしっ……アベル、決闘を始めるぞ!」

 

 レムルスは剣を抜いて構えシャノンは杖を掲げ呪文を詠唱する準備をする。

 そして僕はガラドに小声で伝える。彼は僕の言いつけ通りミスリルの鎧を着ていた。

 

「ガラドさんは防御に専念してレムルスの斬撃から守って下さい」

「うむ……わかった」

 

 彼は頷くと右手に短槍を持ち左手で大盾を構えるのであった。

 するとレムルスが僕に向かって叫ぶ様に言う。

 

「アベル!! 手加減はしない! 最初から全力で行くぜ!!」

「アベル! アンタとドワーフ、魔法でまとめて叩きのめしてやるわ!」

 

 シャノンも杖を僕達に向けて叫ぶ。そして、レムルスが剣に魔力を込めると刀身に黄色いオーラが纏わり付く。

 

「うおぉぉ――っ!! 死ねぇ―!アベル!!」

 

 彼は雄叫びを上げながら剣を振り下ろす。

 振り下ろすと同時に黄色い斬撃の衝撃波が僕達に向かって襲い掛かってくる。

 

「むう……っ!」

 

 ガラドは咄嗟に大盾を構えて防御態勢を取る。衝撃波が盾に直撃するとドガァーンという大きな衝突音がした。

 

 暫く周囲が煙に包まれる。視界が次第に晴れてくると必死の形相で盾を構えているガラドが目に映る。

 

「大丈夫!? ガラドさん!」

 

 僕が心配になって彼に声を掛けると、彼は余裕を見せて言う。

 

「問題ない! しかし、何度も奴の攻撃を受けていると盾がもたんぞ……」

 

 彼の言う通り何度も衝撃波をまともに喰らっていたら盾が壊れ防御出来なくなるだろう……。

 そんな会話をしていると、煙の中からレムルスの笑い声が聞こえてくる。

 

「わははは! どうだ、我が魔剣『ブラストブリンガー』から放たれる『終撃斬』の威力は!?」

 

 彼は勝ち誇った様に笑う。一方、ガラドは楯を通じて衝撃波の威力を感じていた。

 

「むう……衝撃波の威力は中々凄まじいな……」

 

 ガラドは苦虫を噛み潰した表情で呟く。レムルスは剣を振りかざしながら叫ぶ。

 

「どうだ! アベル! いつまで盾が耐えられるかな?」

「アベル! 私の魔術で楽にしてあげるわ!」

 

 シャノンが杖を向けて僕達に向けて叫ぶ。すると彼女の杖の先に巨大な火球が出現する。

 

「喰らえ!! 燃え尽きろ!!」

 

 彼女は杖を振り下ろすと、火球は僕達に襲い掛かってくる。だが、僕は落ち着きながら言う。

 

「ガラドさん! 僕に任せて下さい!!」

「わかった!」

 

 彼は盾を構えるのを止め後ろに下がる。僕は手の平を火球に向かって伸ばす。

 

「はっ!」

 

 火球が僕達に衝突した瞬間、手の平にスルスルッと吸収されていく。すると、爆発どころか何事も無かったかのように静けさだけが残るのである。

 

「なっ!? 私の火球が吸い込まれた!?」

 

 シャノンは信じられないといった表情で言う。そして、僕は彼等に叫ぶ様に言う。

 

「僕には魔法は効かない! 今度は僕の番だ!!」

「くっ……アベル! お前の攻撃なんて怖くねぇ!」

 

 レムルスは剣に魔力を込めていく。すると、刀身が黄色く輝きだす剣を僕に向けて叫ぶ様に言うのであった……。

 

 

 

 その頃、バルバラとウェイドはお互いに見据え剣を構え対峙していた。

 

「テメェ……覚悟は出来たか!?」

「竜人族相手に自信満々だな、人間よ!」

「お前は……竜人族だったのかよ……」

 

 そう言われ、一瞬気圧されるも次の瞬間には相手と戦う気概は削がれてはいなかった。

 ウェイドは人間であるが手練れた上位の戦士である。

 

 彼は怖気つく事なく真剣な目で彼女を凝視している。

 だが、バルバラも竜人族である事に慢心することなく相手に鋭い目付きで言う。

 

「竜人族の強さを思い知らせてやる!」

「へっ! それは、やってみなきゃ分からねぇだろ!」

 

 2人の間には一触即発の空気が流れていた。

 ウェイドはバルバラの隙を窺うが彼女は微動だにせず剣を構えている。

 そして、彼は意を決して剣を振りかざして叫ぶ様に言う。

 

「うおぉぉ――!!喰らえ!!」

 

 彼の渾身の一撃はバルバラに向かって振り下ろされる。

 だが、彼女は素早く横に回避すると同時に彼の懐に飛び込む。

 

「なっ!?」

 

 ウェイドは彼女の素早い動きに驚くが、剣は地面に突き刺さる直前に軌道を変化させ横薙ぎに払ってバルバラを襲う。

 彼女は素早く後方に飛び退き攻撃を回避すると、剣を構えて言う。

 

「中々やるな、人間! だが、この程度では私を倒せんぞ!」

「へへっ! 思ったより強いと思ったんじゃねぇのか!」

 

 彼はニヤリと笑って答えるのであった……。

 

 

 

 アベル達とレムルス達の交戦、バルバラとウェイドが一騎打ちをしていた頃、アイラとアーロンもまた対峙していた。

 

 両者とも携帯している武器は構えてはいない。アイラはダガーを腰に差したまま、アーロンは右手で棍を握ったままである。

 アーロンはアイラをジロジロと見ながら言う。

 

「お前……エルフのくせに武術家なのか?」

「ああ、そうだが? 何か文句があるのか?」

 

 彼女は腰に手を当てて答えると、彼は鼻で笑う様に言う。

 

「ふんっ! この前は不意を突かれたから投げられたんだ! 本気を出せば、お前には負けないぜ!」

「ほう……今日も負ければ形無しだな」

 

 アイラが挑発すると、彼は怒りを露にしながら叫ぶ様に言う。

 

「黙れ! その減らず口を叩けなくしてやる!」

「吠えるのはいいが武器を使って戦うのか、それとも素手で戦うのか?」

 

 彼女がどうするのか尋ねるとアーロンは薄笑いをして答える。

 

「武器で戦うとでも思ったのか? 俺は武闘家だ! もちろん素手で戦うぜ!」

 

 そう言うと彼は棍を地面に突き立てると、拳を構え目線をアイラに向けて言う。

 

「女相手に武器で戦うなんてダセェ事はしねぇ! 武闘家として己の肉体と拳だけで戦ってやる!」

 

 自信満々に言い切るアーロンの姿を見てアイラは呆れながら言う。

 

「はぁ?……私を舐めてるのか?」

「なんだ!? 素手で戦うのが気に食わねぇって言うのか!?」

 

 彼は怒りを露にして叫ぶ様に言う。アイラは溜め息を吐き彼に忠告する様に伝える。

 

「……私は手加減などせんぞ? 後から後悔しても知らんからな」

「はっ! 後悔するのはお前の方だ!」

 

 2人はお互いを見据えて構えるとアーロンはアイラに向かってジリジリと近付いて行く。

 そして、拳が届く位置まで接近すると拳で連打を放つ。

 

「おら! おら! おら!」

「むっ!?」

 

 彼女は連打に対して咄嗟に両方の手の平を横にして彼の連打を捌いていく。

 アーロンの剛の拳をアイラが受け流していく。まさに柔よく剛を制すの展開であった。

 

「や、やるな! だがっ、これでも喰らえ!」

 

 彼は一旦攻撃を止めると今度は鋭い蹴りを放つ。

 その一撃は彼女の顔面を捉えるかと思われた瞬間、アイラは上体を後ろに逸らして蹴りを回避する。

 

「ほぅ……躱したか」

 

 アーロンは彼女の身のこなしに少し驚くが、すぐに構え直して彼女と向かい合う。

 彼女もまた構え直すとアーロンに言う。

 

「少しはやる様だな」

「ふん! まだまだ、これからだぜ!」

 

 そう言うと彼は再び彼女に向かって攻撃を始めるのであった……。

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