追放された僕、封印ロリ女神に憑依されTS覚醒~最強の【魔力喰らい】となり神々の代理戦争にまで拡大する~   作:nene2012

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竜人族対戦士と古エルフ対武闘家の結末

 バルバラとウェイドも対峙して睨み合いお互い剣を構えていた。

 暫く両者は睨み合って無言であったが、最初に口を開いたのはウェイドである。

 

「俺は竜人族が相手でも尻込みするつもりは無いぜ」

「ふっ……人間にしては中々良い度胸だ」

 

 彼女は不敵に笑う様に答えると、ウェイドは真剣な目で彼女を見据えて言う。

 

「そう言えば……竜人族には戦闘形態ってものがあるんだろ?」

「人間如きで『竜化』するつもりは更々ない」

「それはどうかな?」

 

 彼の問いにバルバラは鼻で笑う様に答える。

 だが、ウェイドは彼女の嘲笑には挑発されず、逆に不敵に笑って見せる。

 

「ふっ……ならば、お前の強さを見せてみろ!」

 

 彼女は剣を構えると、彼もまた剣を構えて彼女と対峙する。

 暫く両者は微動にもしない。お互いに、どちらが仕掛けるか窺っていた。

 そして、先に仕掛けたのはウェイドであった。彼は剣を振りかざしながら叫ぶ様に言う。

 

「はっ!」

 

 彼は上段、下段、横薙ぎ等様々な角度から攻撃を繰り出していく。

 キンッ! カキィーン! ギィン! 刃と刃が、ぶつかり合う音が何度も響き渡る。

 

 そして、彼は一旦距離を取ってバルバラを見据える。

 彼女は彼の行動に動じる事無く構えている。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 ウェイドは肩で息をする様にして呼吸を整えていた。一方、バルバラの方は一糸の乱れも見られない。

 

「もうバテたか?……だが、その程度では私には勝てんぞ」

「くっ……うるせぇ!」

 

 再び彼は剣を構えて彼女に突進する。そして、今度は連続攻撃を仕掛けていく。

 

「はっ! ふんっ! てぇぃ!」

 

 彼は息をも吐かせぬ勢いで攻撃を繰り出すが、彼女は全て見切っている様に剣で受け流していく。

 

 ウェイドは攻撃の手を緩める事無く次々と攻撃を仕掛けるのだが、バルバラはそれらを全て防いでいく。

 

「くそっ……!」

 

 このままでは埒が明かないと思ったのか、彼は一旦後ろに下がって距離を取るのである。

 そして、ウェイドは息を切らしながらバルバラを見据えて言う。

 

「はぁ……はぁ……くそっ! 何で全て防がれる……」

「人間にしては中々やる方だが、そこまでがお前の限界だな」

 

 彼女は余裕の表情で彼に言う。反対にウェイドは息が乱れ肩で息をしている。

 相手を全く怯ませることが出来ない現実に彼は焦りを感じ始めていたのであった。

 

 そして、一か八か奥の手を使う手段が閃くのである。

 卑怯な手を使っても、彼女に勝つ為になりふり構わずにはいられなかった。

 それから、相手が打ち込んでくるように剣を下げ故意に隙を見せる。

 

「……ならば、これで終わらせてやる!」

 

 バルバラは彼が剣を下段に下げた態度に違和感を感じる。だが、ここぞとばかり剣を上段に構えウェイドに突っ込むのである。

 その時、彼は籠手に仕込んだ目潰し用の粉を彼女の顔に向けて投げつける。

 

「これでも喰らえ!」

「ううっ!……」

 

 突如、顔に向かって飛んで来た粉を避ける暇もなく顔面に浴びてしまう。

 その際、目を開けることが出来なくなり、彼女は目を押さえながら後ろに下がるのである。

 

「死ねぇ! トカゲ女!」

 

 ウェイドは剣を構え苦しんでいる彼女の胴体目掛けて突きを放つのであった……。

 だが、先に動いたのはバルバラである。彼女は目を瞑った状態で剣を上段に構えたまま一気に振り降ろす!

 

「うおぉぉぉ――!!」

「えっ!?」

 

 すると見えてない筈なのに彼女の剣は彼の突きが胴体へ突き刺さる直前で当たり、ガシャーンという金属音を響かせた。

 

 彼はその衝撃で剣を地面に落としてしまう。

 振り下ろされた一撃で手が痺れてしまい自身の剣を拾う事も、ままならなかった。

 

「な、なんだと!?」

「勝った気でいたんだろうが、甘かったな……」

 

 バルバラはウェイドの首筋に剣を当てながら言う。

 彼は死を覚悟したのか目を閉じながら言う……。

 

「ま……まいった、降参だ……」

「卑怯な手を使うとは武人にあるまじき行為だぞ……」

 

 そう言うと彼女は剣を鞘に戻し踵を返して見届けているニルスの元へ戻っていく。

 ウェイドは彼女の後ろ姿を見ながら呟く様に言うのである。

 

「……竜人族って奴は化け物か?」

 

 自分の未熟さを痛感し、暫くの間呆然と立ち尽くしていた……。

 

 

 

 その頃、アイラとアーロンは互いに睨み合い拳を構え距離を取りながら対峙していた。

 お互いが探り合うように後の先を取ろうかと、出方を窺っている。

 

 そして、最初に仕掛けたのはアーロンであった。

 突きを放つと見せかけてアイラの腹目掛けて前蹴りを放つ。

 

「オラァー!!」

「ふっ……」

 

 彼の動きを予測していた彼女は蹴りが当たる直前に手で逸らす。

 すると前蹴りを逸らされバランスを崩したアーロンは 前のめりに倒れそうになる。

 

「うおっ!?」

「そこだっ!」

 

 アイラは彼の体勢が崩れたのを見て、すかさず腕と首根っこを掴み地面に投げつける。

 

「ぐはっ!」

 

 アーロンは地面に叩きつけられ苦痛の表情を浮かべるが、アイラは冷静に彼の腕を掴んだまま見下ろしながら言う。

 

「ふふふ……1度ならず2度も投げられるとはな」

「……っ!!」

 

 彼は悔しそうな顔で彼女を睨みながら掴まれていた腕を離し急いで立ち上がると叫ぶ。

 

「くそっ!……くそぉー!!……俺はまだ負けてねぇ!!」

「そうか……ならば、もう1度かかってこい!」

 

 アイラは不敵に笑いながら挑発する様に言う。するとアーロンは怒りを露にして地面に突き刺した棍を取りに走る。

 そして、棍を手に取り再び彼女と対峙するのであった……。

 

 アーロンは地面に突き刺さっている棍を構えアイラと対峙していた。

 その様子に軽蔑の表情を見せながら言う。

 

「女相手に武器は使わないって言わなかったか?」

「ぐっ……お前を倒す為なら武器を使おうが関係ねぇ!」

 

 彼はアイラに挑発され怒り狂う。そして、棍を構え殺気立っていた。

 対して女エルフは自然体で立ち、相変わらず腰のダガーは抜いていない。

 

「行くぜ……!」

 

 アーロンは深呼吸して構えると裂ぱくの気合を込めて叫ぶ。

 

「キエェェェェ!」

 

 彼は棍を振りかざしながらアイラに向かって突進していく。そして、そのまま彼女の胴体目掛けて突いてきた。

 彼女の胴目掛けて棍が突かれようとした瞬間、僅かに体を逸らして棍を避ける。

 

 そして、逸らすと同時にアーロンの懐に深く踏み込み左肘を胸に叩き込む。

 まるで肘打ちに全体重を乗せた体当たりの様であった。

 

「ふんっ!」

「ぐおおっ!?」

 

 彼は棍を落とし胸を押さえへたり込むと悶絶し、その場で蹲ってしまう。

 アイラはそんなアーロンを見下ろしながら無表情で言う。

 

「これが、お前の本気か? まだ、私は本気を出していないぞ」

「くっ……くそぉ……」

 

 痛みに耐えながらも何とか立ち上がろうとするが無駄であった。

 彼の受けたダメージは戦闘不能になる程であり、とても戦える状態ではなかった。

 

「はぁ……はぁ……武器を使っても……勝てなかった……」

 

 アーロンは痛みを堪えながら茫然自失となり、その場で項垂れている。

 そして、彼は自分の無力さに打ちひしがれながら、ただ地面を見詰めていた。

 そんなアーロンをアイラは哀れみを込めた目で見下ろしながら呟く様に言う。

 

「武器を使えば勝てると思った己の心の弱さだ……」

 

 彼女はそう言い残しその場を後にするとバルバラの元へ歩いて行ったのであった……。

 

 

 

 

 場面は変わり、アベルはレムルス兄妹と対峙する。

 兄妹は僕等に対して剣と杖を構えると、レムルスが余裕の笑みで話し掛けてくる。

 

「ふっ……まさか、アベルがここまでやるとは思わなかったぞ」

「……それは光栄だね」

 

 彼の言葉に皮肉っぽく笑って答えると、レムルスは不敵に笑いながら言う。

 

「だが、それもここまでだ!……アベル! お前は俺に絶対勝てないんだよ!」

「それはどうかな……」

 

 レムルスに言い返すと彼は小馬鹿にして笑いながら言う。

 

「ふんっ!……俺が『終撃斬』を放って近付けなければ何も出来まい!」

「確かに、そうかもしれないね……」

 

 僕はレムルスの言葉に素直に答える。彼は魔剣に魔力を込め振りかぶる。

 

「死ね! 死ね! 死ねぇ―!!」

 

 彼の叫び声と共に『終撃斬』を何度も放ってくる。

 ガラドは盾を正面に構え『終撃斬』を防ぐので精一杯であった。

 

 悔しいが彼の言う通り衝撃波を連発してくる為、近付けないのである。

 その時、頭の中にアジェの声が囁いてくるのであった……。

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