追放された僕、封印ロリ女神に憑依されTS覚醒~最強の【魔力喰らい】となり神々の代理戦争にまで拡大する~   作:nene2012

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決闘に勝利した後で宴を開く

 帰り道、ニルスは嬉しそうに笑いながら僕に話す。

 

「いやぁ~……アベルの強さには驚いたなぁ~……あの時、魔剣で斬られたと思って冷や冷やしながら見てたんだよ」

「いや、それほどでもないさ。僕だって半ば斬られたと思っていたよ」

 

 僕は頭をポリポリ掻いて照れながら答える。するとニルスは更に興奮して話してくる。

 

「謙遜しないでよ! 魔法を無効化出来るなんて凄いよ! アベルって人間離れしてるんだね!」

「いや、人間離れって……ベタ褒めだよ。だけど、ガラドさんのお陰で盾をレムルスに投げつけてくれたから助かりました」

「いやいや、儂も大した事はしとらんよ」

 

 褒められて恥ずかしくなりガラドは髭を触りながら笑顔で謙遜する。

 そして、ニルスはアイラやバルバラの決闘の時の事を話し出す。

 

 僕とガラドはレムルス兄妹、バルバラはウェイドとアイラは武闘家の男と決闘していた為、他の者の戦いは見ていない。

 その勝負を終始見ていたのは彼しかいなかった。

 

「2人の勝負も凄かったね!……バルバラが目潰しの粉を喰らった時は、もうダメかもと思ったよ」

 

 興奮して語るニルスにバルバラも当時の様子を思い出しながら答える。

 

「ああ、まさか卑怯な手を使ってまで勝とうとするとは思わなかったな……それでも勝ったから良かったが……」

「けど、目が見えていなくても相手の剣を弾いたなんて、どうやったの?」

 

 彼女は彼の問い掛けに頷いて答える。

 

「ああ、それは角のお陰だな……我等の角は空気の振動や音を感知する能力があるんだ」

「へぇー、そうなんだ? 竜人族って凄いね!」

 

 ニルスは竜人族の体の秘密に目をキラキラさせながら感心する。

 バルバラも褒められ自慢気に腕を組みながら話を続ける。

 

「まぁな……その代わり、角が折れてしまうと感知能力が減ってしまうから折られ無いように注意しないといけないがな」

 

 彼女は自分の角を触りながら忠告する。どうやら竜人族にとって角はシンボルだけではないようだ。

 そんなバルバラの話からアイラの戦いの話に変わるのである。

 

「アイラも強かったよね? 相手が武器を持って挑んでも素手で余裕だったよね!?」

「そうか?……アイツが棍を持って突いて来た時は流石に冷や汗を掻いたぞ」

 

 彼女もニルスに称賛され照れ臭そうに答える。

 2人は謙遜するけど、僕からすれば尋常でない程強いと思うのである。

 

 しかし、彼女達は自分のポテンシャルに気付いていないのかもしれない。

 彼女達は自身の体力、能力、日頃の鍛錬で今の強さを有しているのである。

 

「アイラもバルバラも断然強いよ!……僕なんてガラドさんの助けがなければ、どうなっていたか分からなかったかもね……」

 

 僕自身の能力、強さでなくアジェの助力によって勝利出来た事を考えると後ろめたくなってくる。

 答える僕の表情が曇っていくので、その様子を見てアイラとバルバラが僕を励ますように言う。

 

「アベル……その、勝ったのはお前自身の実力だ! だから自信を持て!」

「そうだ! 魔法を無効化して解除できる人間は、そうそういないぞ! それが、お前の強みだ!」

 

 2人は僕の肩を叩きながら笑顔で励ましてくれる。

 僕は彼女達の言葉と笑顔を見て心が軽くなった気がする。

 

 その思いやりが僕の胸にグッときて目頭が熱くなってくる。

 そんな僕等のやり取りを見ていたニルスが何かを思い出したかのように手を叩いて話す。

 

「そうだ! 今日は皆の勝利を祝って祝勝記念の宴でも開こうよ!」

「おお!……それはいい考えだな。では、早速戻って準備するか?」

 

 彼の提案にガラドも乗り気になり頷く。僕も手を挙げて賛成する。

 

「そうだね! 帰ったら祝勝会をやろうよ!」

 

 3人の楽しそうに話す様子にアイラやバルバラは笑みを浮かべて見ていたのである。

 僕等は町に戻ると祝勝会をする場所は町の酒場でする事になるのである……。

 

 町に戻ってから噂を聞き付け駆け付けた冒険者達も酒場にやってきて祝勝会が始まる。

 そして、それぞれが酒を注文していく。

 

「儂は火酒じゃ!」

「おっ! 私も火酒を貰おうか!」

「おいらはエール!」

 

 ガラドが火酒を頼むとバルバラとニルスも続いて頼む。

 そして、アイラと僕はと言うと……。

 

「私は香草酒を貰おう……」

「僕は……」

 

 僕は途中まで言うと以前、果実酒を全部飲んで酔いつぶれた経験から口ごもる。

 

「アベル……まさか、また果実酒じゃないだろうな? 今日みたいな日はパァーッと飲むじゃろ?」

「えっ?……そうですね。じゃあ、ワインを貰いましょうか」

 

 ガラドに言われて、考えを変えて今日はワインを注文する事にした。

 これも全部飲んだら前みたいに酔いつぶれてしまいそうだな……?

 

「それと、酒のつまみも頼みましょう」

 

 僕は酒のおつまみとして豚肉の塩漬けや燻製を頼むことにする。

 ニルスも気付いて僕が注文した後から更に付け加える。

 

「パンとチーズや臓物の煮込みもお願い!」

 

 注文が決まると冒険者達も店員を呼んで料理を頼み始めるのである。

 それから、暫くして注文した料理や酒が次々とテーブルに置かれていく。

 僕達は一緒に祝ってくれる冒険者達と乾杯し宴会が始まったのである……。

 

 

 

「う~ん……」

 

 ニルスは酒に酔いつぶれてテーブルに突っ伏していた。

 どうやら彼も酒が、そんなに強くないようだ。

 

 勢いでエールを飲み過ぎたのもある。

 ガラドはそんなニルスの姿を見て呆れていた。

 

「やれやれ……この程度で潰れるとは情けない奴じゃの」

「竜人族は酒にも強いんだぞ!」

「まぁまぁ、彼もドワーフみたいに強いわけじゃないですから」

 

 バルバラもグラスを片手にハーフリングの様子に呆れている。

 僕は彼等を宥めながらニルスに水を飲ませる。

 

「ほら、ニルス……お水だよ」

「う~ん……」

 

 彼は眠たそうに目を擦りながらグラスを受け取ると一気に飲み干す。

 

「ぷはー……ありがとうアベル!……楽になったよ!」

 

 そんなやり取りをガラドやバルバラが笑いながら見ていた。

 そして、アイラはと言うと……。彼女は既に3杯目でグビグビと飲んでいたのである。

 

「はぁ……アイラさんも、エルフにしては酒が強いんだね」

「うむ、いける口だな……」

 

 僕は呆れ顔で彼女がゴクゴク飲んでいる様子を見てガラドが僕の肩を叩きながら言う。

 

「なぁーに、アベルもドンドン飲めばいいんじゃよ!」

「僕が一気に飲んだらぶっ倒れてしまいますよ!」

 

 そう言われて僕は慌てて断る。既にほろ酔いを過ぎた状態で顔は真っ赤になっていた。

 しかし、彼は僕のグラスに無理やりワインを注いでくるのである。

 

「まぁ! もう1杯ぐらいは良いじゃないか?」

「いやいや、もう飲めませんて!」

「大丈夫じゃって……気を失っても儂が担いで宿まで運んでやるぞ」

 

 ガラドはそう言って僕にワインを飲ませようとする。

 新たに注がれたワインを見て僕は、うんざりした顔でグラスを見詰める。

 そんな僕達のやり取りを見ていたバルバラが顔を赤くして豪快に言う。

 

「まぁ、良いじゃないか!……今日は勝利の宴なんだから、皆で楽しもうじゃないか!」

「うむ、バルバラの言う通りじゃな。アベルも飲めば分かるぞ!」

 

 そんな2人の勢いに負けて僕は渋々ワインに口をつける。

 

「う~……やっぱり酒は苦手だな」

「最初は、そうさ……ただ、ドワーフと竜人族は特別だがな」

 

 僕が溜息交じりで言うとバルバラは陽気に笑いながら言う。

 そう言って彼女もグイッと火酒を一気に飲む。その様子を見て僕は思わず苦笑いをするのであった。

 

 それから暫くして、冒険者達も各自で飲んで騒いでいたのである。

 酔っぱらった状態から少し回復したニルスはバルバラの尻尾が気になってきた。

 彼女の尻尾が犬の尻尾の様に左右にゆらゆら揺れているのを目にして触ろうとする。

 

「へ~!……バルバラの尻尾って犬のように振っているね!」

「ああっ! 馬鹿! 掴むんじゃない!!」

 

 ニルスに尻尾を掴まれてバルバラは急にビクっとして硬直してしまう。

 

「ああああああっ!」

 

 硬直した後、へなへなとなってしまい床に跪いてしまうのである。

 どうやら、尻尾を掴まれて力が抜けてしまったようだ。

 

「あっ!……ごめんなさい!」

 

 ニルスはバルバラが急に跪いたので、慌てて謝り手を離す。

 

「はぁ……竜人族は尻尾を握られると力が抜けるんだ。だから、無暗に触るんじゃないぞ」

 

 彼女は自分の弱点である尻尾を押さえて文句を言う。

 その様子をガラドは髭に手を当て笑いを堪えニヤニヤしていたのである。

 暫くして宴がお開きになり僕等は宿に帰るのであった……。

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