追放された僕、封印ロリ女神に憑依されTS覚醒~最強の【魔力喰らい】となり神々の代理戦争にまで拡大する~   作:nene2012

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第一試合 バラバラ対ゴルガド

 闘技場の両端に集まりアベル達と幹部達がお互い対峙する。両陣営共に互いに睨みを利かせていた。

 第一試合はバルバラと魔族の戦士のゴルガドである。

 

 生粋の戦士である竜人族と魔王軍の中で異彩を放つ魔族の戦士の対決は、どちらが勝利するのか?

 今回の勝負で審判役をする魔族が、バルバラとゴルガドに向かって指示を出している。

 

 彼も審判に選ばれた歴戦の強者らしく魔族だからといってゴルガドをひいきするような感じはしない。

 今回の対決にて公平で公正な試合を心がけるよう魔王自ら人選したのである。

 

「今回の勝負は安全を考慮して真剣を使わず木剣で戦う! それぞれいいな!」

「無論だ!」

「ああ、異論はない」

 

 2人は頷き了承する。そしてバルバラとゴルガドはそれぞれ木剣を構えるのであった。

 両者の剣は木製であるが、その辺の木でなく硬質な特別な木から作られている。

 

 体に当たれば骨が折れ内臓を傷つける。頭に当たれば命を落とす可能性もある。

 それぞれが構えたのを見計らって合図役の審判が両者を見る。そして、2人共構えた姿を見て声を高らかに宣言する。

 

「第一試合……始め!!」

 

 その宣言と同時に両者はお互いの出方を伺う。バルバラはゴルガドが先に動いてくるか自ら動くか葛藤していた。

 しかし、暫くお互いが構えた状態にしびれを切らし彼女は叫ぶ。

 

「そっちから動かないなら……こっちから行かせて貰うぞ!」

 

 バルバラはそう言い駆けると信じられない速度でゴルガドに迫り斬り込む。

 その速度は常人の目では、いつ駆け出したのか判断できない早業である。

 お互いの木剣がカアァーンと乾いた音を鳴らし、ぶつかり合うのであった。

 

「フフフ……流石は竜人族の戦士だ。だが、俺だって魔族の戦士だ、完膚なきまでにお前をねじ伏せてやる!」

 

 ゴルガドはバルバラの攻撃を受け止め、すかさず反撃に転じる。そして彼は渾身の力を込めて木剣を振り下ろした。

 しかし、その攻撃はバルバラに難なく受け止められてしまう。

 

「やるな……」

「そちらこそ……」

 

 お互い剣を交えながら睨み合う。そして、再び2人共距離を取るのであった。

 暫く両者は剣を交え睨み合う。お互い攻め時を伺っているようだ……。

 そして、先に動いたのはゴルガドであった。

 

「今度は俺から行く!」

 

 そう叫ぶと彼は猛烈にバルバラに迫り、斬る!斬る!斬りまくる!

 だが、一方的なゴルガドの攻撃にもバルバラはその攻撃を全て防いでいくのであった。

 まるで華麗に受け流し、優雅に舞うかの如くである。そしてバルバラが反撃に転じる時が来た。

 

「今度は私の番だ……」

 

 そう言うと彼女は凄まじい速度でゴルガドの間合いに入る。そして、木剣がゴルガドの体に当たろうとした時であった。

 

「甘い!」

 

 彼はバルバラの剣を弾き返すと更に体当たりをかまして、彼女を弾き飛ばす。

 その勢いで彼女は地面に倒れてしまう。しかし、すぐに飛び起き再び構えるのである。

 

「やるな……」

「まだまだ、序の口だぜ……」

 

 お互い不適に笑いながら構え合う。そして、距離を取り再び剣を交え睨み合う。

 睨み合う中、不意にゴルガドがニヤリと笑い呟く。

 

「これから放つ剣技を防げるかな?」

「何だと……?」

「行くぞ! 『死の刺突』を喰らえ!」

 

 ゴルガドはそう言うと、剣を肩の高さに掲げ前足を大きく踏み出し同時に後ろ足で地面を蹴り飛ばす。

 その爆発的な踏み込みでバルバラに肉薄し剣先に一点集中させ連続で電光石火の如く突きを繰り出していく。

 

 その突きは神速の速度であり、バルバラでさえ目で追えず避け切れなくなり受け流すので精一杯であった。

 1発でも貰えば、骨が折れるのは確実であろう。

 

 だが、完全にかわすのは無理だった様で体のあちらこちらに掠り傷が出来ていた。

 ゴルガドの放った剣技は『死の刺突』と呼ばれる高速の突きの連打である。その名は伊達ではない。

 

「どうだ! 俺の突きは!」

「確かに凄い突きだ……だが、その程度では私は倒せないぞ!」

「ほう、負け惜しみか……なら、俺に勝てるか試して見るがいい!」

 

 ゴルガドは自信満々に言い放つ。そして再び剣を構えてバルバラに向かう。

 彼女も剣を水平に向け剣先に集中していく。そして、お互いの剣が交差する瞬間であった。

 バルバラの剣が僅かに速くゴルガドの剣に激突する。その衝撃で彼の剣は弾かれたのだ。

 

「なにぃ!?」

「どうだ!」

 

 剣を弾かれ武器を落としたゴルガドに追撃することなく、バルバラは剣を構えながら言い放つ。

 

「早く、剣を取れ!」

 

 その言葉にゴルガドは愕然とした表情をする。そして、怒りで震えた表情でバルバラを睨んだ。

 

「この俺を愚弄したな……許さんぞ!」

 

 彼は怒りに任せ、落とした剣を拾うと再び剣を構えるのであった……。

 

 

 

 2人の鬼気迫る戦いに見守って見ていたアベル陣営と魔王陣営は息を飲んでいた。

 そして、ギルバルスとグレギギはお互い頷き合っていた。

 

「流石は竜人族だ……ゴルガドに一矢報いたとはな……」

「あの竜人族の剣捌き……中々、素晴らしいですな」

 

 魔王がそう呟くとグレギギも同調しバルバラの技を褒め称えるのである。

 

「だが、ゴルガドもこのままで終わりませぬぞ!」

 

 彼がそう言うと魔王は無言で頷いた。そして、2人の次の展開を静かに見守るのである……。

 

 

 

 片や僕達はバルバラとゴルガドの戦いを見ていて息を飲む。

 彼等の戦いは木剣であっても、まさに命を懸けた戦いに見える。

 お互い一歩も引かない互角な剣戟は見る者を引きつけ、魅了していった。

 

「魔族の男もやるが、バルバラも中々のもんじゃな……」

「ええ、そうですね。魔族と竜人族、どちらの身体能力にも目を見張るものがありますね」

「剣術は専門外だが、彼等の技量が凄いのは分かるぞ……」

 

 ガラドがバルバラを褒め称える。僕も同感だと思い頷きアイラも2人の真剣勝負に感心していたのである……。

 

 

 

 バルバラとゴルガドは互いの剣を交え睨み合う。2人共一歩も引くつもりは毛頭なかった。

 むしろバルバラに一矢報いられたゴルガドは更に闘志を燃やしていく。

 

 彼はバルバラとの距離を取り剣が届かぬ範囲で魔力を木剣に込め集中していく。

 そうすると、剣に赤色の魔力のオーラが纏い始めたのだ。

 

「何をする気だ……」

 

 バルバラは彼の行動を見て呟くと警戒態勢を取る。そして、ゴルガドはニヤリと笑い叫ぶ。

 

「『地這斬』を喰らえ!」

 

 そう叫び彼は剣を振りかざす。その勢いのまま剣を振った瞬間……。

 彼の剣に纏っていた赤いオーラが地面に沿い土煙を上げながらバルバラに向かってくる。

 

「魔力の斬撃か!?」

 

 そう叫び彼女は飛び上がり、跳躍するとゴルガドの斬撃を躱す。

 放った魔力の斬撃は闘技場の壁に当たるとドォーンという衝撃音が鳴る。

 

 観客を含め僕達も、その技を見て目を見開き言葉を失っていた。

 そして、ゴルガドは更に追撃する。

 

 剣を何度も振るい魔力がこもった斬撃が、地面を抉り取り土煙を上げながらバルバラに迫るのである。

 バルバラはゴルガドの攻撃に舌打ちする。そして、魔力の斬撃を避けながら反撃の機会を窺う。

 

 しかし、周りは土煙で視界が悪く彼の姿を捉えることが出来ないでいる。

 四方八方から彼の『地這斬』が迫って来ようとしていた。

 

「これじゃ、どうしようもない……仕方ない」

 

 彼女はそう呟くと全身に集中し力を入れる。

 そうすると、体全体から竜の鱗が浮き出て頑丈な鎧と化す。

 そして、避けることが出来ない斬撃が彼女に直撃した。

 

 ズガァーンという衝突音がしたと思うと、土煙の中から全身を竜の鱗で纏ったバルバラが姿を現す。

 斬撃を身に受けてもダメージは少ない様であった。

 

「ほう、『竜化』したか……この程度の威力じゃダメージが少ないな……」

 

 ゴルガドはそう言って冷酷な笑みを浮かべると剣を低く構える。

 そして、大きく踏み込み地面を蹴り上げバルバラの懐に潜り込もとする。

 

「それじゃあ、鱗ごと破壊してやるよ!」

 

 彼は叫ぶとバルバラの懐に入り込み渾身の魔力を込めて剣を地面に突き立て、斬撃を放つ。

 

「『地裂斬』!!」

 

 そう叫び地面に魔力を込め相手に斬撃をぶつける。ズゴオオーンと轟音が鳴り響きバルバラは吹き飛ばされた。

 そして、そのまま闘技場の壁まで叩きつけられ土煙を上げながら崩れ落ちていくのであった……。

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