追放された僕、封印ロリ女神に憑依されTS覚醒~最強の【魔力喰らい】となり神々の代理戦争にまで拡大する~   作:nene2012

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第2試合 アイラ対ナイア

 もろに、ゴルガドの必殺技を喰らった光景を見て僕は思わず叫んでしまう。

 

「バルバラさん!!」

 

 しかし、僕の心配を他所に彼女はよろめきながらも立ち上がる。

 

「クッ……『竜化』しても、そこそこダメージを喰らったな……」

 

 バルバラは、そう言うと自身の体に負ったダメージを確認していく。

 なんと、無傷ではないものの致命傷には至っていない。

 

 『竜化』した竜人族の体は頑丈であり、鱗を身に纏っている状態であれば大抵の攻撃は防げるのである。

 そして、彼女は自身の剣を拾いゴルガドに向かって構えた。

 

「今度はこちらの番だ!」

 

 バルバラは叫ぶと闘技場の端からゴルガドまで一瞬にして駆けて、間合いを詰める。

 その速さは『竜化』する前よりも格段に速くなっていた。

 

 そして、剣を水平に構え力を込め斬り込む。彼はその攻撃を剣で咄嗟に受ける。

 だが、一瞬の事で対応しきれず受け止めそこない吹き飛ばされてしまうのである。

 

「グッ……速さが違う……」

 

 何とか飛び起きるが苦悶の表情を浮かべ驚愕する。バルバラは彼に向かって叫んだ。

 

「どうした? もう終わりか?」

「くそったれ、これで勝ったと思うなよ!」

 

 ゴルガドは立ち上がり剣に魔力を込め構える。それを見たバルバラも剣を上段に構え臨戦態勢をとるのであった。

 バルバラとゴルガドの戦いは、更に激しさを増していく。

 

 2人の戦いに僕達も手に汗握りながら見守っていた。

 そして、お互い間合いを取り睨み合う。その隙をついてバルバラが仕掛けるのであった。

 

「これで、どうだ!」

 

 彼女は叫ぶと一瞬でゴルガドの間合いに入り、上段から剣を振りかざす。その攻撃に彼は驚愕した。

 

「なに!? ……速い!」

 

 そう言い避けようとしたが、その動きに追いつけずバルバラの剣が彼の体に直撃する。

 バキイィッと木剣が打ち付ける音がした後、彼はそのまま地面に崩れ落ちてしまう。

 彼は地面にのび、完全に打ち倒されていた。彼女は、ゴルガドを見下ろしながら呟く。

 

「勝負あったな……」

「勝負あり! 勝者バルバラ!」

 

 審判が勝負の決着を宣言する。バルバラの勝利に僕達は大いに沸き上がるのであった。

 反対に観客達は魔王軍側なのでシーンと静まり返って、ただ呆然としていた。

 そして、バルバラは失神したゴルガドを一瞥するとアベル達の元に戻っていくのであった。

 

 

 

「まさか、ゴルガドがやられるとは……」

「幹部でありながら、あるまじき失態を見せおって……」

 

 魔王は驚きと悔しさを滲ませながら呟く。

 その横ではグレギギも同じく悔しそうな表情をして魔族戦士の敗北を叱責していた。

 

「ゴルガドは魔族の中でも剣技に長けた戦士だ……それを打ち倒すとは、流石は竜人族と言ったところか」

「はい、竜人族が『竜化』したら一層強くなるといったところでしょうか……」

 

 2人はバルバラの戦いを振り返りながら呟くと、魔王はグレギギに向き直る。

 

「次の戦いはナイアと古エルフだな……」

「この勝負は素手での戦いです。エルヴンストライク同士の対決……どっちが勝つか見物ですな」

「そうだな。ナイアはダークエルフの中でも闇エルヴンストライクの達人だ、勝って貰わねば……」

 

 魔王はそう言って不適な笑みを浮かべる。そして、グレギギも同意するように頷くのである。

 バルバラが僕達の所に戻ってくると『竜化』を解き、いつもの姿に戻る。

 元に戻った彼女は、あちらこちらに怪我をしている。それだけでなく疲労も激しい様であった。

 

「バルバラさん、お疲れ様」

「ああ……しかし、『竜化』しなければ危うかった……私も、まだまだだな」

 

 彼女は少し悔いるように話していた。僕はそんな彼女に声をかける。

 

「でも、とんでもなく強かったですよ! 竜の姿になってから相手を一方的にボコってたじゃないですか!」

 

 僕がそう言って褒めると彼女は少し照れながら頬をポリポリと掻いていた。

 

「そ……そうか? まあ、褒められたら悪い気はしないが……」

 

 そう言うと少し嬉しそうな顔をしていた。そして、彼女の様子を見たアイラも声をかける。

 

「バルバラ、よくぞ魔族戦士を倒してくれた。これで、奴等の勢いも削がれただろう」

「そうだな……次の試合、アイラも勝てよ!」

 

 バルバラの鼓舞にアイラは頷きながら答える。そして彼女は僕の目を見て話しかけてきた。

 

「では、行って参る!」

 

 彼女はそう言って自信を持って答え闘技場の中央に向かうのであった。

 アイラとナイアの対決が今まさに始まろうとしている。

 お互いに対峙し目線を逸らさず見詰めている。そんな中、ナイアがぽつりと囁く。

 

「お手柔らかにね……」

「お互い全力を尽くそうぞ……」

 

 ナイアはそう言うとニヤリとした笑みを浮かべた。それに対してアイラは彼女の目を注意深く見据える。

 そして、審判から開始の合図がされるのであった。

 

「では、これよりナイアとアイラの試合を始める! ……この対決には武器は使わず素手で戦う事にする!」

 

 審判の宣言に2人は頷く。そして、開始の合図がされる。

 

「始め!」

 

 その宣言と同時にナイアはアイラとの距離を一気に詰める。

 目にも止まらぬ速さの拳打を繰り出し、相手に攻撃する隙を与えない様にしていた。

 

 しかし、アイラはその高速の打撃を瞬く間に捌き受け流し反撃の機会を窺っている。

 2人の動きはまさに達人の域に達しており、観客達も息を飲むように見入っていたのである。

 

「流石ね……私の攻撃を全て捌き切るなんて……」

 

 ナイアは攻撃を止めそう呟く。そして、再び距離を取り素早い動きで間合いを詰めて攻撃を繰り出す。

 まるで獲物に襲いかかる猛獣の様に、蹴りも混じえて連続攻撃でアイラを攻め立てるのであった。

 

 しかし、その激しい猛攻を彼女は冷静に対処するが時々、攻撃が被弾する。

 だが、その攻撃が効いている風には見受けられなかった。

 

「決め手に欠けるわね……そろそろ本気を出そうかしら?」

 

 ナイアはそう言うと更にスピードを上げて攻撃を繰り出す。

 まるで残像が残って見える程の素早い動きで、相手に反撃の隙を与えない。

 

 その猛攻にアイラは防戦一方となり、後退させられていくのであった……。

 彼女はナイアの戦いを見て驚きを隠せずにいた。

 

「速度が上がっている……流石は闇エルヴンストライクだな」

 

 そう呟いた瞬間、集中が切れたのかナイアの蹴りがアイラの体にヒットする。

 その一撃で彼女は吹き飛ばされた。

 地面を削りながら吹っ飛んでいく彼女を見てナイアは見下すように、ニヤリと笑う。

 

「やっと一発入った……貴方は本気を見せてくれるのかしら?」

 

 ナイアはそう言って余裕そうな笑みを見せると挑発する様に問いかける。

 対してアイラは、起き上がりながら首を左右に振る。

 

「いいや……これが私の全力ではない……」

 

 彼女はそう言うと再び構えると思いきや両手を下げ軽く膝を曲げていた。

 

「構えてない?……私を見くびるつもりか!?」

 

 ナイアはそう言って攻め立てる為に地面を蹴り上げ、一瞬で間合いを詰める。

 そして、彼女は無防備のアイラの顔に向かって突きを放つがその攻撃を肘で受け止める。

 

 ついでに反対の手でナイアの顔に向かって瞬間的に突きを放つのである。

 すぐさま後ろに仰け反らせ突きをかわすが顎を掠っていた。

 

「何! ……肘で受けると同時に突きを放った?」

 

 彼女はそう言って驚愕し顔を歪ませるとアイラは不適な笑みを浮かべる。

 

「エルヴンストライクではないが、他所で習った武術を使わせて貰うぞ」

「うぐっ!」

 

 そう言って、彼女は爪先を蹴り上げる。そして、その攻撃はナイアの腹部に命中していた。

 ナイアはその一撃に腹を押さえるようにして後ろに飛び退いて距離を取るのである。

 

「ふっ……ふふふっ……どうやら舐めていたのは私の方だったようね……」

 

 彼女はそう言って、アイラの攻撃を称賛する。そして、再び構えて間合いを詰めるのであった。

 

「私だってエルヴンストライクにない技も使えるのよ!」

 

 ナイアはそう言うと構えを解き肩の力を抜いて自然体で立ち、アイラの攻撃を待っている。

 それを見て訝しげに思いナイアに問いかける。

 

「どういうつもりだ?」

「貴方の知らない技を見せてあげる……」

 

 そう言って、ダークエルフは胸板を微かに上下させ、「シュッ……シュッ」と細く鋭い呼気を吐くのである……。

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