追放された僕、封印ロリ女神に憑依されTS覚醒~最強の【魔力喰らい】となり神々の代理戦争にまで拡大する~   作:nene2012

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『終焉の刃』と再び相まみえる

 明日の戦いに備えた作戦会議が終わり僕は魔王の部屋で寝床に就こうとしていた。

 

「明日の戦い……神の力を貰ったレムルス達に勝てるかな?」

 

 僕は無意識に独り言を呟くとアジェが答える。

 

『まあ、あたしが一緒にいるからアベルは絶対に負けないよ』

「そうだね……アジェがいれば負ける事はないね」

『それに……只ならぬ魔力を持っている奴が気になるし……』

「只ならぬ魔力?」

『うん……神から与えられた力じゃない、何かを感じるんだけど』

「そうなんだ……」

 

 アジェの言葉に少し不安に思い考えてしまう。考えれば考える程、頭が冴えてしまい寝付けなかった。

 僕は寝床から起き上がり魔王の部屋に隣接しているバルコニーに出て外を眺めた。

 

『……ねえ、眠れないの?』

「うん……もし、敗れたらと思うと……」

『そうだね……負ければ、あたしは神に吸収されて存在が無くなってしまうかもね……』

「そんな……それは……」

 

 彼女は軽い口調で喋ったようだが僕は本気で焦る。アジェがいなくなると僕の存在意義もなくなるからだ。

 動揺する僕に女神は大して気にした様子もなく、笑顔で話し掛ける。

 

『まっ、そうなるのは嫌だから絶対に負けないけどね……』

「うん……僕達が負ける訳ないよ」

『うん、そうだね……あたしは負けないよ。だから、安心して眠りなさい……』

「うん……おやすみなさい」

 

 僕はアジェに、お休みの挨拶をし寝床に戻ると眠りに就くのであった。

 

 

 

 翌日になり魔王城の前に陣取る王国軍と魔王軍とで緊張が走り、空気が張り詰めていた。

 王国軍は魔王軍の出方を伺いながら陣形を整えている。

 

 そして、レムルス達は魔王城城門の前に出て待ち構えていた。

 城門が開き僕等は護衛を伴って彼等の前まで歩いて行く。

 

「よく逃げずにやって来たものだな……褒めてやるぜ」

 

 レムルスが鼻で笑いながら目の前までやって来た僕に向かって挑発的な言葉を投げかける。

 

「……君達こそ、僕達との戦いで夜眠れなくて寝不足になってるんじゃない?」

「何だとっ!……」

「アベル、てめぇ! ふざけたこと言うな!」

「生意気なことぬかすんじゃねぇぞ!」

 

 僕の言葉にレムルスは怒りの表情になり、ウェイドと武闘家も怒りを露にしていた。

 その中でレイラは、どこか狂信的な目で僕を見つめ睨んでいる。

 

「アベル……神の敵は滅ぼされるのが常、神に選ばれたレムルスの手でくたばりなさい」

「レイラ……君が信じている神は救いや祝福を与える神でなく信仰を貪り食って、人には全く興味が無い神なんだよ」

「何ですって! 神を侮辱する愚か者め! 死になさい!!」

 

 彼女は僕を目を大きく見開き睨み付ける。その目に宿る憎悪は、恐ろしく感じる。

 同時に神への信仰心が絶対になっている彼女に何を言っても無駄のようだ……。

 

「神を侮辱した報いを受けるがいい!」

 

 レイラは憎悪の目で唾が飛び出るくらいの勢いでまくし立てる。

 そこで昨日は見かけなかったシャノンの姿が見えた。彼女の顔は以前より邪悪で、どこか魔女のように見えた。

 

 その目は女魔術師より鋭く悪意を持って睨み付ける姿に違和感を感じる。

 彼女全体から発せられる魔力が尋常じゃない。その時になって僕は気付く。

 

「君はシャノンじゃないみたいだね……憑りつかれたの?」

「うふふふ、見破るか…… 。妾は魔法王国時代の魔女ベルゼリアと申す者よ」

「魔女ベルゼリア……!?」

 

 僕は彼女の名を聞いてもピンとこなかった。

 それに対してアジェが頭の中で警告してくるのである。

 

『アベル……アレが気になっていた不穏な魔力の持ち主よ。あの女は元仲間の姿をしているけど魂が入れ替わっているみたい』

「そう……」

 

 アジェの警戒する声を聞いて、僕は目の前にいるシャノン……ベルゼリアに向き直る。

 

「ふーん……レムルス、君は魔女から妹の体を乗っ取られても平気なの?」

「ああ、腑抜けになったシャノンじゃ役に立たん……魔女のお陰で俺達は王国を動かし軍を率いることが出来た。そして、お前を絶対に倒す!」

「そうなんだ……」

 

 どうやら、レムルスは妹を犠牲にしてでも僕に復讐したいようだ。

 彼の言葉に僕は怒りを覚えるが、今は戦いに集中する事にした。

 

「さてと……そろそろ始めるとするか?」

「それに関してだけど、ウェイド達も神から力を貰ったと聞いているよ。前とは段違いに強くなったんだよね……ハンデがあるからウェイドと武闘家の戦いに関しては2対1にしてもいい?」

「何っ!?」

「えっ!?」

 

 1対1で戦うものと思っていたウェイドとアーロンは少し驚くが、レムルスは余裕の表情を見せ答える。

 

「あいつ等も神に選ばれたんだ……女エルフや女竜人族なんかには負けないぜ。それでいいな……ウェイド、アーロン!」

「一体、誰と誰なんだ?」

「私とダークエルフだ……」

 

 武闘家の問いにアイラは彼を見詰め隣に居たナイアを指差し答える。

 ダークエルフも屹然とした態度でアーロンを見つめ返す。

 

「女2人か……分かった、やってやろうじゃないか!」

「俺は誰と誰だ……?」

 

 ウェイドも尋ねるとバルバラがドワーフに目をやり答える。

 

「私と彼の2人だ!」

「お前とドワーフと!?」

「そうだ……この前は私が一方的に勝ったがな」

 

 バルバラが挑発するとガラドも盾を持った左腕を上げウェイドに対して鼻息荒く主張する。

 こうして戦士と武闘家の戦いは、2対1で戦う事が決まり、その後で僕とレムルスとの戦いが予定されていた。

 

「僕は君と1対1で戦うよ……」

「そうだろうな……勇者と魔王の戦いは1対1で戦うのが流儀だ」

 

 レムルスは自信に満ちた笑顔で僕に対し答える。

 

「じゃあ、城から少し離れた所で戦いを行おうか?」

「ああ、いいぜ……そこで始めよう」

 

 僕はレムルスに城から少し離れた場所で戦う事を提案したが、彼は余裕の態度で了承する。

 更に『終焉の刃』の様子をちらりと見やると、シャノンの姿をしたベルゼリアは薄気味悪い笑みを終始浮かべていた……。

 

 それから『終焉の刃』のメンバー達と仲間達を連れて城から少し離れた所まで歩いて行く。

 周りには王国軍が囲んでおり、彼等が少しでもおかしな動きを見せれば、城の前で魔王軍が直ぐにでも攻撃できるよう待ち構えていた。

 

『アベル……あの魔女が気になる』

「そうだね……けど、レムルスとの戦いには加わらないから大丈夫じゃない?」

『変な行動をしたら気をつけてね……』

 

 女神であるアジェも魔女ベルゼリアの存在に警戒し助言していた。

 そうしている内に、『終焉の刃』と仲間達の睨み合いが続く中……僕とレムルスはお互いに向き直る。

 

「どちらから、始める?」

「そうだな……俺は最後だから、ウェイドとアーロンどっちからやる?」

「では、俺が先に行こう」

 

 ウェイドとアーロンのどちらが最初に戦うかレムルスが2人に尋ねると戦士の彼が先に戦いたいと言う。

 そして、彼はバルバラの方に向き直り剣を構える。僕は彼の構えに隙がなく前回の決闘の時より強者の風格を感じた。

 

「竜人族、ドワーフ……こい!」

「そい言えば前の時は名乗っていなかったな……私は竜人族のバルバラ・ヴァクスムートだ!」

「儂はガラド・バウサ、元冒険者で鍛冶職人じゃ!」

「そうだったな、失敬……俺はウェイド・ギーガン、『終焉の刃』の戦士だ!」

 

 バルバラとガラドの名乗り上げに対してウェイドも名乗り返す。

 そして彼等の顔付きが変わり、いつでも戦える臨戦態勢に入る。

 

「前のような俺じゃないぜ……気を付けるんだな」

「そうだな……前より強くなってるな」

 

 ウェイドはバルバラに警告すると、彼女も彼の雰囲気が変わっている事に気付き警戒する。

 

「先ずは私と彼で戦わせてくれないか……」

「うむ……わかったぞ」

 

 バルバラはガラドにタイマンで戦いたいと言うとドワーフは承諾する。

 そして、2人が対峙する中……ウェイドはバルバラに声を掛ける。

 

「じゃあ、始めるぞ!」

「……」

 

 彼女は無言で頷き武器を構えて対峙すると、お互いに剣を抜き構え殺気が凝集していくのを感じるのであった……。

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