追放された僕、封印ロリ女神に憑依されTS覚醒~最強の【魔力喰らい】となり神々の代理戦争にまで拡大する~   作:nene2012

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竜人族とドワーフ対『終焉の刃』の戦士

 無言で戦いの火蓋は切って落とされる。

 バルバラとウェイドの戦いが始まったが、2人とも剣を構えて向きあっていた。

 

 先に動いたのはウェイドからで、勢いよく駆け出すとバルバラに向かって剣を振り下ろす。

 しかし、彼女は剣で攻撃を防ぐが、押し込む力が以上に重く体が弾かれる様に後方に押し飛ばされていく。

 

「な……何だ!? この膂力は!?」

 

 バルバラは地面に尻を着けた状態で驚きの声を上げる。

 

「どうした、その程度か?」

「くっ! まだだっ!」

 

 ウェイドの言葉にバルバラは怒りを覚え、立ち上がると剣を振りかぶる。

 

「てあっ!」

 

 バルバラが渾身の一撃で剣を振り抜くと、ウェイドが剣で受け止め体が僅かに後退する。

 しかし……彼は何事もなかったかの様に平然としていた。

 

「何っ!? 私の一撃を普通に受け止めただと!?」

「お前の攻撃なんて大したことはない……これが神の力か、凄ぇな」

 

 彼女は驚愕し動揺するが、ウェイドは余裕の表情で自分の力に感心する。

 そんな彼の態度にバルバラの怒りは頂点に達し、再び攻撃を仕掛ける。

 

「うおおおおっ!!」

 

 バルバラは咆哮を上げながら連続して剣を振るうが、ウェイドは剣でたやすく受け流していく。

 

「はあっ! てやあっ!」

 

 バルバラは攻撃の手を緩めず連続で剣を振り回し続けるが、彼は全てを受け流す。

 しかし、彼の反撃の度に徐々に体に切り傷が増えていき血が滴り落ちていた。

 

「どうした? 傷だらけだぞ?」

「くっ……くそっ!」

 

 余裕の表情で挑発するウェイドに対して、バルバラは悔しそうな声を上げる。

 そんな時……彼女は突然、後方に跳び距離を取った。

 

「まだまだっ! 『竜化』!」

 

 バルバラが叫ぶと全身が赤い鱗に覆われ、竜人族の戦闘形態の姿になる。

 そして、彼女は跳躍すると頭上からウェイドに向かって剣を振り下ろした。

 

「うおっ!?」

 

 ウェイドはその攻撃をかろうじて剣で受け止めるが、あまりの力に押し込まれ後退してしまう。

 

「どうだ! これが『竜化』の力だ!」

「ほう……これが『竜化』か……その程度のものか」

「何っ!?」

 

 後退してもバルバラの一撃を受け止めた彼は、ニヤリとして得意げに語る。

 

『竜化』した一撃を受け止めたとはいえ全く動じないウェイドの姿に彼女は唖然としてしまう。

 そんな光景をガラドはヒヤッとしながら観戦していた。

 

「何だ……あいつ? 『竜化』したバルバラの攻撃を造作もなく受け止めるとは……これが神の力かの?」

 

 神の力を貰った戦士と竜人族の戦いを見てガラドは独り呟く。

 何故なら『竜化』した彼女の攻撃は生半可な力ではなく、並の人間なら正面から受け止める事が出来ず吹き飛ばされる程なのだ。

 

 それなのに悠然とした表情で平然と攻撃を受け流すことが出来るのは有り得ない光景であった。

 だが、目の前で起きている事は事実であり、バルバラが押されているのは火を見るより明らかであった。

 

「くっ!……ならばっ!」

 

 バルバラは一旦、ウェイドから後方に大きく跳躍し距離を取る。

 だが、その距離を彼は剣を持ち鎧を着ているのにも関わらず一瞬で詰めるのであった。

 

「なっ!? 速い!?」

 

 あっという間に間合いを詰めたウェイドは剣を振り下ろしバルバラに斬り付ける。

 しかし、彼女は咄嗟の事で反応が遅れ受け止めることが出来ず斬りつけられる。

 竜の鱗を纏った状態でもウェイドの剣の威力は凄まじく吹っ飛んでしまう。

 

「うわぁあああっ!!」

 

 バルバラは悲鳴を上げながら転がり地面を転がっていくのであった。

 地面に倒れ込み、バルバラは苦痛の表情で呻き声を上げる。

 そんな彼女の姿を見てウェイドは近付きながら、涼しい顔で話し掛ける。

 

「もう終わりか? 『竜化』してもこの程度なのか?」

「くっ……黙れっ!!」

「じゃあ死ね……」

 

 敵意のこもった目で睨み付けられ、ウェイドは無情にも剣で止めを刺そうとする。

 しかし、その時であった――目の前にガラドが現れ盾を構え立ち塞がるのであった。

 

「ちょっと待つんじゃあぁ! バルバラは大切な仲間じゃ! 殺させんぞっ!!」

「そうだった、お前も対戦相手だったな……だが、お前は所詮雑魚よ」

 

 ガラドはウェイドに警告すると彼はドワーフを、まるで興味がないかのようにガン無視する。

 

「無視するとは儂も舐められたものじゃな……」

 

 ウェイドはガラドを軽視すると、彼に目掛けて剣を振るうが、ガキン!!と鈍い金属音がすると共に剣を受け止める。

 

「ほ~う……少しはできると見た」

「ミスリルの盾じゃ……そう簡単には破壊できんぞ」

 

 彼はドワーフが盾で自分の剣を受け止めた事に少し驚きの表情を浮かべる。

 その間、ガラドは地面に横たわったバルバラに肩を貸して立ち上がらせるのであった。

 

 赤い鱗に覆われた彼女の左脇腹部分の鱗が剥がれ血が滲んでいた。

 彼は竜人族が負傷したのを初めて目撃し心配して声を掛ける。

 

「大丈夫か? バルバラ……」

「何とかな……だが、鱗が剥げてしまった……無念だ」

 

 彼女は怪我より自分の鱗が剥げた事の方がショックなようだ。

 

「バルバラよ……ここは、お互い協力して戦うべきだ」

「……わかった、言う通りにしよう……」

 

 ガラドの言葉に彼女は不承不承ながらも頷き、2人してウェイドと対峙する。

 

「2人で掛かってこいや!……少しは俺を楽しませてくれよ!」

 

 バルバラ達の態度を見て吠えるとウェイドはニヤニヤしながら剣を構える。

 そんな彼の態度にガラドが真剣な表情でバルバラに話しかける。

 

「儂が盾役になるから、お前が攻撃に専念するのじゃ!」

「わかった……」

 

 彼等は作戦を立て行動に移す。先ず、ガラドが盾を構え前に出るとウェイドに突進した。

 そして、彼は体当たりをかまそうと盾を前に突き出すが、彼は難なく避ける。

 

「そんな体当たりが当たるかよ!」

 

 ウェイドは馬鹿にした様子で嘲笑うと横に回ってドワーフを斬りつけようとする。

 しかし、バルバラが剣を振りかざし彼の背後から斬りかかる。

 

「うおっ!?」

 

 戦士は驚きの声を上げながらも咄嗟に体を捻って避けると彼女の剣を受け止める。

 

「ちっ!」

 

 彼は舌打ちすると、直ぐに距離を取ろうとするが……ガラドがそれを許さない。

 

「逃さんぞっ!!」

 

 ドワーフは盾を前方に突き出し体当たりで彼に突進していく。

 流石の神の力を貰いし戦士も避けるのは難しいと見て、盾に向かって前蹴りを繰り出す。

 

「うぉおおお!!しゃらくせえっ!!」

 

 前蹴りでガラドの盾をドカッと蹴り上げると、彼は堪らずにバランスを崩して後ろに向かって吹っ飛んでいった。

 いくら蹴りで吹っ飛ばしたとはいえ、その勢いよく飛んでいく様子にウェイドが人間離れした力の持ち主である証であった。

 

「ぐふっ!」

「ガラドっ!!」

 

 バルバラはドワーフが倒れたのを見て叫び声を上げる。

 だが、ウェイドはバルバラが心配している暇など与えず接近する。

 

「人の心配してる場合か?」

「うっ!……しまった」

 

 彼女が気付いた時には、既に戦士は目の前に迫ってきていた。

 そして、彼は剣を振り下ろす。彼女は剣で受け止めるが力の差は歴然としていた。

 またもや、押し切られて後方に弾き飛ばされてしまう。

 

「くっ!」

 

 何とかバランスを整え踏みとどまるが、既に目の前にウェイドが立っていた。

 そして、剣を素早く振りかざし彼女の首目掛けて斬りつけようとする。

 

「終わりだっ!!」

 

 だが、それに対してガラドが後方から盾を持って彼の背後に突進しようとしていた。

 

「うぉおりゃあああ!!」

 

 気合の入った声と共に盾を突き出し、彼はそのまま突進して戦士の背に勢いよく突っ込もうとする。

 堪らず、ウェイドは剣でドワーフの盾の突進を防ぐのである。

 

「連携が取れてきたな、面倒くせぇ……2人共まとめて、殺してやる!」

 

 ウェイドはそう言い剣を水平方向に持つと体を回転させていく。

 グルグルと回り始める彼の体はスピードがドンドンと増していき、回転する刃と化す。

 その回転は目に見えぬ速さで戦士の体は霞んで見えていた。

 

「いくぜっ!!」

 

 戦士は2人に向かって叫び突っ込んで行く。ガラド達は息を呑みながら注視するのであった……。

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