L vs ルルーシュ   作:stein0630

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特区宣言の当日、朝の空はひどく青かった。

 

その青さが、ルルーシュには気に入らなかった。

こういう日は、世界が残酷なほど平然として見える。

誰かの決断や、誰かの破綻や、誰かの祈りなど、最初から存在しなかったかのように。

 

テレビも、ラジオも、街頭モニターも、第三皇女ユーフェミア・リ・ブリタニアの演説予定を繰り返していた。

特区日本。

その名称だけで、黒の騎士団内部の空気は昨日から不安定になっている。

 

賛成すべきか。

警戒すべきか。

乗るふりをして奪うか。

潰すか。

 

どの選択肢も、ゼロなら取れる。

だが、今のルルーシュには、そのどれにも決定的な“正しさ”が見えなかった。

 

「……最悪だ」

 

自室で制服の襟を整えながら、彼は小さく吐き捨てた。

 

C.C.が窓辺から言う。

「最悪なのは天気じゃないだろう」

 

「分かっている」

 

「Lか。ユーフェミアか。特区か」

 

「全部だ」

ルルーシュは短く答える。

「Lは待っている。今日、私がどちらへ傾くかを見るために。

ユーフェミアは前に出る。本気で。

特区は、その二つを同時に盤面へ乗せる装置だ」

 

「で、お前は?」

 

ルルーシュは答えなかった。

答えられないのではない。

まだ答えを口にした瞬間、それが現実になるのが嫌だった。

 

C.C.は皮肉げに笑う。

「珍しいな。王様が、まだ王手の方向を決められないとは」

 

「黙っていろ」

 

「黙っていても同じだ。

Lはもう、お前が“迷う時にだけ遅れる”と知っている。

なら今日、どこかで必ずその遅れを測りに来る」

 

その通りだった。

だからこそ、ルルーシュは朝から何通りものプランを組んでいた。

 

ゼロとして公然と反対声明を出す。

黒の騎士団を沈黙させ、民衆の反応を見る。

会場周辺で別件の攪乱を起こし、特区宣言の政治効果だけを削ぐ。

ユーフェミア本人に接触し、条件付きで飲む形へ話を持ち込む。

 

どれもありうる。

どれも、決め手に欠ける。

 

「選べないのではない」

ルルーシュは自分に言い聞かせるように呟いた。

「選んだ後の被害が、読めすぎるだけだ」

 

一方、Lはすでに会場近辺の観測点へ入っていた。

 

特区宣言は巨大スタジアムを改修した公会堂で行われる。

外周は軍警、内周は皇族警護、さらに非公開で配置された観察要員が重なる。

L自身は表舞台には出ない。

だが、最もよく見える位置にいた。

 

高所の調整室。

複数モニター。

入退場記録。

来賓席の顔認証。

音声解析。

そして、ルルーシュ・ランペルージの現在位置。

 

「会場入りしています」

 

ワタリの報告に、Lは視線を動かさない。

 

「単独ですか」

 

「表向きは。学園関係の同行者はいますが、直接の接触は少ない」

 

「そうですか」

 

Lは小さく頷いた。

それだけで、周囲にいた捜査官たちは少し緊張を強める。

彼が静かになる時は、大抵すでに何かを半分掴んでいる時だ。

 

「竜崎」

総監が低く言う。

「今日、本当にゼロは動くのか」

 

「はい」

 

「根拠は」

 

Lはモニターの一つを指した。

そこには会場周辺の群衆が映っている。

特区支持、反対、様子見。

入り混じりながらも、致命的な暴発はない。

秩序はかろうじて保たれている。

 

「ゼロにとって最悪なのは、特区が“成功すること”ではありません」

Lは言った。

「もっと悪いのは、自分が何もせず、しかも何もできなかったように見えることです。

彼は象徴です。象徴は、反応しないという選択を最も長く取れません」

 

「だから、どこかで手を出す」

 

「はい。ただし直接会場を襲うとは限りません」

Lは続けた。

「彼は今、能力を読まれている。

なら、むしろ能力なしで成立する最も大きな意味づけを狙うはずです。

例えば――」

 

「例えば?」

 

Lの声はひどく平坦だった。

 

「ユーフェミア皇女が掲げる善意そのものを、別の物語に変える」

 

総監が顔をしかめる。

「抽象的だな」

 

「はい。でも彼は、抽象を具体へ落とすのが上手いので」

 

ワタリが別モニターを見て言う。

「ルルーシュ・ランペルージ、来賓導線を外れました」

 

Lの目が少し細まる。

 

「どちらへ」

 

「皇族控室側です」

 

部屋の空気が一段変わった。

 

Lはすぐには命令を出さない。

数秒。

その短い沈黙の間に、彼の中では複数の盤が同時に展開していた。

 

止めるべきか。

泳がせるか。

押さえればゼロとしての証拠は逃げる。

泳がせれば、ユーフェミアに接触される危険がある。

 

「竜崎」

 

「泳がせてください」

Lは言った。

「ただし、接触の前後をすべて記録します。

それから、皇女殿下の直近護衛には遮光具を準備」

 

「能力対策か」

 

「仮説対策です」

 

「本人を止めないのか」

 

「止めると、彼は今日“何もしないまま終わった人間”になれます」

Lは静かに答えた。

「それではだめです。

今日は、彼自身に選ばせる必要がある」

 

ルルーシュは、皇族控室へ続く長い回廊を歩いていた。

 

足音は一定。

表情も崩さない。

だが頭の中では、もはや何十手先というより、何十通りの破局が並列していた。

 

ここで会うべきではない。

理性はそう言っている。

Lが見ている。

見ているどころか、ここへ来ること自体を折り込んでいる可能性が高い。

 

それでも来た。

 

来なければ、ユーフェミアは特区を宣言する。

善意のまま。

自分の知らない場所で。

その後にゼロがどう動いても、もう“後から壊しに来た”形になる。

 

なら、せめてその前に会う。

止める。

条件をつける。

あるいは――。

 

「ルルーシュ」

 

呼び声。

振り向くまでもない。

ユーフェミアだ。

 

彼女は警護を下げ、控室の外廊下で待っていた。

あまりにも不用意で、あまりにも彼女らしい。

 

「こんなところで待つなんて、危険です」

 

「待っていないと、あなたは逃げるでしょう?」

 

ルルーシュは眉を寄せた。

否定できない。

 

「演説前です。話は短く」

 

「はい」

ユーフェミアは頷いた。

「そのつもりです」

 

彼女の顔に、迷いはなかった。

それが何より、ルルーシュには不吉だった。

 

「本当にやるんですね」

 

「やります」

 

「引き返せます」

 

「引き返しません」

 

「あなたは――」

 

そこで、ルルーシュは言葉を止めた。

説得の言葉が、どれも薄い。

軍が反発する。

民衆は不安定だ。

制度設計が甘い。

どれも事実だ。

だが彼女は、そんなことは最初から分かった上でここにいる。

 

ユーフェミアは静かに言った。

「私は、ゼロと戦いたいわけではありません」

 

「だが結果的にはそうなる」

 

「そうかもしれません。

でも、それでも構わないと思っています」

 

ルルーシュの目が細まる。

 

「なぜ」

 

「あなたが怖がっていたからです」

 

一瞬、彼の思考が止まった。

 

「……何だと?」

 

「この前、あなたは私に“絶対にやめてください”と言いました」

ユーフェミアは真っ直ぐ彼を見る。

「ただの政治的反対なら、あんな言い方にはならない。

あなたは、特区が失敗すること以上に、“これが本当に届いてしまう可能性”を怖がっていた」

 

喉が熱くなる。

怒りではない。

もっと厄介な、見透かされた感覚だ。

 

「馬鹿なことを」

 

「馬鹿かもしれません」

ユーフェミアは微笑んだ。

「でも、もし届く可能性が少しでもあるなら、私は試したいんです」

 

「試した結果、死ぬかもしれない」

 

「はい」

 

「それでも?」

 

「それでも」

 

間髪入れない返答だった。

その速さに、ルルーシュは理解する。

彼女は、もう自分の中で終わっている。

決断を済ませた人間だ。

 

「……あなたは本当に厄介だな」

 

「ルルーシュに言われるとは思いませんでした」

 

彼はわずかに顔を逸らした。

このままではだめだ。

言葉では止まらない。

なら、条件をつけるしかない。

 

「一つだけ約束してください」

 

「何でしょう」

 

「ゼロと直接会おうとはしないことです」

 

ユーフェミアは少しだけ考えた。

その“考える間”が、ルルーシュには重い。

 

「今は、そうします」

 

「今は?」

 

「ええ」

ユーフェミアは柔らかく、しかし逃げずに言った。

「だって、その先のことまで、あなたに全部決めさせるわけにはいきませんもの」

 

ルルーシュは舌打ちしたくなった。

この人は、本当に最後の一線だけこちらに譲らない。

 

その瞬間、無線を持った侍従が慌てて近づいてくる。

「皇女殿下、そろそろ――」

 

ユーフェミアは頷き、ルルーシュへ向き直る。

 

「見ていてください」

 

「何を」

 

「私が、本気だということを」

 

そう言って、彼女は去った。

 

ルルーシュはその背中を見送ったまま、しばらく動けなかった。

見ていてください。

その言葉が、奇妙に重く残る。

 

見ている。

Lも。

自分も。

そして、たぶんこの国全体が。

 

高所調整室で、Lは今の接触映像を無音で再生していた。

 

音声はまだ処理中。

だが、音がなくても十分な情報は取れる。

 

距離。

立ち位置。

最初に近づいたのはユーフェミア。

視線を逸らしたのは、二度ともルルーシュが先。

会話後半、彼は一歩だけ前に出たが、ユーフェミアが引かないと分かると、それ以上詰めていない。

 

「どう見ますか」

 

ワタリが問う。

 

「止めに行っています」

 

「利用ではなく?」

 

「はい。少なくとも、最初の目的は」

Lは答えた。

「でも、問題はそこではありません。

彼は止められなかった」

 

ワタリは黙る。

Lもまた少し黙ったあと、続けた。

 

「止められなかった人間は、その後の行動が二つに分かれます。

諦めるか、もっと強い手段に出るかです」

 

「ルルーシュはどちらに?」

 

「……両方をやろうとするタイプです」

 

総監が苛立たしげに言う。

「はっきりしないな」

 

「はい。だから危険です」

Lは平然と答えた。

「彼はゼロとして特区を利用する算段を最後まで残しつつ、ルルーシュとしてユーフェミア皇女が壊れる未来も避けようとする。

両方を同時にやろうとした時、人は一番壊れやすい」

 

「つまり、今日が山場か」

 

「はい」

 

その時、会場側から歓声が上がった。

ユーフェミアが登壇したのだ。

 

Lはモニターを切り替える。

壇上。

白い照明。

ブリタニア旗。

そして群衆。

 

ユーフェミアは原稿を持っている。

だが、その持ち方が硬くない。

緊張はしている。

それでも前へ出る人間の手だ。

 

「始まります」

 

ワタリが静かに言う。

 

Lの目は、壇上ではなく来賓席の一角に向いていた。

ルルーシュ・ランペルージ。

座っている。

静かに。

静かすぎる。

 

「……まだ動きません」

 

「なぜ」

 

「決めきれていないからです」

 

Lは息を詰めるでもなく、ただ観察を続ける。

彼が欲しいのは犯行の瞬間ではない。

その前の、選択の瞬間だ。

 

壇上で、ユーフェミアが話し始めた。

 

差別の終わり。

奪われた名前。

共に生きる場所。

古い支配の形を変えること。

 

演説は、驚くほどまっすぐだった。

技巧はない。

だが、だからこそ刺さる。

痛みを知った者の言葉ではない。

それでも、痛みを無視しない者の言葉だった。

 

群衆の空気が変わっていく。

猜疑が薄れ、代わりに“もしかすると”が広がる。

 

その“もしかすると”こそ、ゼロにとって最大の脅威だった。

 

ルルーシュは来賓席で拳を握っていた。

爪が掌に食い込む。

これはだめだ。

本当に届いてしまう。

ユーフェミアの善意が、ただの皇族の芝居としてではなく、民衆の希望として定着し始めている。

 

ここで何もしなければ、ゼロは遅れる。

動けば、ユーフェミアを壊す。

あるいは、Lに読まれた形でしか動けない。

 

「……くそ」

 

ほとんど声にならない吐息。

 

その瞬間、ルルーシュは一つの視線を感じた。

遠い。

だが分かる。

Lだ。

 

見られている。

いや、待たれている。

お前はどちらを選ぶ、と。

 

来賓席の後方で、一人の軍人が動いた。

スザクだった。

彼もまた、ユーフェミアを見ている。

守る者の目で。

そして同時に、何か嫌な予感を振り切れない者の目で。

 

ユーフェミアは演説の核心へ入る。

 

『本日ここに、行政特区日本を――』

 

その瞬間だった。

 

来賓席の袖から、ディートハルト経由で流していた極秘短波がルルーシュのイヤーピースに入る。

 

「ゼロ、民衆側の反応は想定以上です。このままでは黒の騎士団の主導権が――」

 

切る。

そんな報告は不要だ。

分かっている。

 

だがその一瞬の判断遅れを、Lはモニター越しに拾っていた。

来賓席のルルーシュが、演説の最重要箇所で初めてユーフェミアから視線を外した。

そして、外した直後に戻している。

 

「今です」

 

Lが言った。

 

「何が」

 

「彼は今、何かを決めました」

 

壇上では、ユーフェミアが宣言を完了し、会場がどよめきから拍手へ傾き始める。

空気は変わった。

もうこれは、ただの演説ではない。

現実になった。

 

ルルーシュは立ち上がった。

 

来賓席から。

静かに。

周囲に不審を与えない速度で。

 

Lはすぐに命じる。

「追跡。ただし接触しないでください。

彼がどこへ行くかを見ます」

 

「会場妨害では?」

 

「いいえ」

Lは断言した。

「彼は今、会場ではなくユーフェミア皇女へ向かいます」

 

「なぜ」

 

Lの答えは短かった。

 

「壊すか守るかを、まだ本人の前で決めようとしているからです」

 

その読みは当たっていた。

 

ルルーシュは壇上裏の控室導線へ向かっていた。

護衛線の厚い場所。

今の彼にとって最も危険な場所。

そして同時に、最も行かざるをえない場所。

 

止める。

いや、飲ませる。

条件をつける。

黒の騎士団の存在意義を確保する文言を入れさせる。

ブリタニアの管理権限を削らせる。

表向きユーフェミアを立てつつ、実質の主導権を奪う。

 

間に合うか。

分からない。

だが行くしかない。

 

控室前で、スザクが先に彼を見つけた。

 

「ルルーシュ?」

 

その呼びかけに、ルルーシュはほんの一瞬だけ顔を歪めた。

最悪だ。

ここでこいつか。

 

「何しに来た」

 

「それはこっちの台詞だ」

スザクの声は低い。

「今は関係者以外立ち入り禁止だ。

お前、来賓席を抜けただろ」

 

「ユーフェミア皇女に用がある」

 

「今?」

 

「今だ」

 

スザクは数秒黙った。

そして、普段の友人の顔ではなく、軍人の顔になる。

 

「通せない」

 

「どけ」

 

「どかない」

 

廊下の空気が張り詰める。

ルルーシュは奥歯を噛んだ。

ここでギアスは使えない。

いや、使える。

目を合わせれば。

だがスザクは最悪だ。

一度きりの価値が重すぎる。

しかも、今ここで使えば護衛線とLの観察網の中で痕跡が増えすぎる。

 

「ルルーシュ」

スザクは言う。

「今のお前、顔がまずい。

何をする気か知らないけど、絶対にこのまま通しちゃいけない感じがしてる」

 

その直感の鋭さに、ルルーシュは舌打ちしそうになる。

スザクは理屈ではないところで、時々どうしようもなく厄介だ。

 

「これは、お前に説明している時間がない」

 

「ならなおさら駄目だ」

 

その時、控室奥の扉が開いた。

ユーフェミア本人が、護衛を伴って出てくる。

 

「スザク? それに、ルルーシュ?」

 

最悪の形で、三者が揃った。

 

ルルーシュの思考が一瞬で加速する。

Lはどこかで見ている。

スザクがいる。

ユーフェミアがいる。

ここで選ぶ。

今ここで。

 

「皇女殿下」

彼は一歩出た。

「特区について、今すぐ話す必要があります」

 

スザクが間に入る。

「下がれ、ルルーシュ」

 

「退け!」

 

その声は、ついに制御を外した。

護衛が一斉に身構える。

ユーフェミアの目が見開かれる。

そしてその一瞬、彼女とルルーシュの視線が正面から噛み合った。

 

時間が、止まったように感じられた。

 

駄目だ。

ここで使うな。

使えば終わる。

Lの思う通りになる。

ユーフェミアを壊す。

壊した瞬間、ゼロとしてもルルーシュとしても戻れない。

 

だが同時に、使わなければ。

このまま特区が現実になる。

ゼロの意味が変わる。

黒の騎士団の立ち位置が崩れる。

革命の物語が奪われる。

 

そしてLは、その“両方が真実である数秒”を待っていたのだと、ルルーシュははっきり理解した。

 

「ルルーシュ……?」

 

ユーフェミアの声。

それは警戒ではない。

心配の声だった。

 

その心配が、最悪だった。

 

赤い光が走る。

 

ルルーシュの瞳から。

視線の直線上へ。

一度きり。

決定的に。

 

「ユーフェミア」

彼の声は、あまりにも静かだった。

「――」

 

その瞬間。

 

廊下の角から、Lの声が飛んだ。

 

「遮光!」

 

遅い。

一拍、遅い。

だが、その一拍で場の全員が何か異常が起きたことだけは悟った。

 

スザクがユーフェミアの前へ出ようとする。

護衛が動く。

L自身も走り込んでくる。

 

だが命令は、もう入っていた。

 

ユーフェミアの表情が、ふっと空白になる。

 

ルルーシュの胸が、凍りついた。

 

自分が何を言ったのか。

その言葉が、耳の中でまだ熱を持っている。

理性は理解している。

取り返しがつかない。

 

Lだけが、その一瞬に別の種類の絶望を見ていた。

能力の存在ではない。

それを使ったルルーシュの顔だ。

 

勝つために切った顔ではない。

追い詰められた末に、自分で自分の急所を刺した人間の顔だった。

 

「……っ!」

 

Lが初めて、あからさまに表情を変えた。

 

「止めてください!」

 

誰に向けた叫びか、自分でも分からないまま。

 

しかし、もう遅かった。

 

ユーフェミアが、ゆっくり口を開く。

その口から出る次の言葉が、

この盤面のすべてを、

二人の知性も、駆け引きも、

善意も、論理も、

まとめて地獄へ突き落とすことを、

その場にいた誰もが、まだ知らなかった。

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