緋色の女王の幼馴染   作:雅媛

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閑話:お兄ちゃんのお嫁さん

 トレセン学園に入学してからの毎日は、すっごく楽しい。

 同室のウオッカとはいっつも言い合いになっちゃうし、毎日の基礎練習は厳しいけれど、私が一番になるためには全部必要なことだ。

 でも、学園での生活がこんなにキラキラしている一番の理由は、なんといってもお兄ちゃんが私の担当トレーナーになってくれたから!

 

 入学したばかりの頃、お兄ちゃんから「ずっと一緒にいるのはよくない」って三つのルールを決められた時は、正直ちょっと拗ねちゃった。だって、せっかく学園でずっと一緒にいられるようになったのに。

 でも、実際に新生活が始まってみたら、お兄ちゃんはやっぱり私のことをすっごく甘やかしてくれている。

 

 毎日の練習が終わった後は、絶対にお兄ちゃんがストレッチとマッサージをしてくれる。

 お兄ちゃんの大きくて温かい手が私の脚や背中をほぐしてくれると、一日の疲れなんて全部吹き飛んじゃう。私の服も、管理が難しいレース用の下着とかも、お兄ちゃんは「はいはい」って優しい顔をして、毎日丁寧に手洗いしてくれている。本当に頼りになるんだから。

 

 水曜日は、もっと特別だ。

 お兄ちゃんのお部屋に行って、私の大好きなごはんをいっぱい作ってもらえる。焼肉とかハンバーグとか、お兄ちゃんのごはんは世界一美味しい。

 学校のお話をいっぱい聞いてくれて、夜は一緒のベッドで寝るの。お兄ちゃんの匂いに包まれて、ぎゅーってくっついて目を閉じると、すごく安心して朝までぐっすり眠れちゃう。

 ウオッカには「お前なぁ……普通そういうの恥ずかしがるだろ」って呆れられるけど、なんで? 大好きなお兄ちゃんにくっついて寝るのの、何がいけないのか私には全然わからない。

 

 そして、土曜日のお休みの日。

 お兄ちゃんは「スカーレットの言うことを何でも聞いて甘やかす日だぞ」って言うけど、私はお兄ちゃんの方をいっぱい甘やかしてあげたい。

 だっていっつも私のために遅くまでお仕事して、美味しいごはんも作ってくれて、働きすぎなんだもん。だから、ソファに座って私のお膝にお兄ちゃんの頭を乗せてあげる。

 「あー……溶ける……」って言いながら、私の太ももでスヤスヤ眠るお兄ちゃんの顔を見るのが、私の一番のお気に入り。私の自慢の脚で、大好きなお兄ちゃんが癒されてるって思うと、すっごく誇らしい気持ちになる。

 

 私、将来は絶対にお兄ちゃんのお嫁さんになるんだ。

 お嫁さんっていうのは、ずっと一緒にいて、美味しいごはんを一緒に食べて、いーっぱい笑顔にしてあげる人のこと。

 だから私は、これからトレセン学園で誰よりも速く走って、絶対に一番のウマ娘になるの。

 誰も追いつけないウマ娘になって、一番高いステージの真ん中で、私の一番大好きなお兄ちゃんに、とびっきりの笑顔をプレゼントするんだから!

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